JPH051117A - 側鎖型高分子液晶 - Google Patents

側鎖型高分子液晶

Info

Publication number
JPH051117A
JPH051117A JP3153276A JP15327691A JPH051117A JP H051117 A JPH051117 A JP H051117A JP 3153276 A JP3153276 A JP 3153276A JP 15327691 A JP15327691 A JP 15327691A JP H051117 A JPH051117 A JP H051117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
liquid crystal
side chain
main chain
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3153276A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshio Okamoto
佳男 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP3153276A priority Critical patent/JPH051117A/ja
Publication of JPH051117A publication Critical patent/JPH051117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 有用な液晶性を発現する主鎖の立体規則性が
高い側鎖型高分子液晶を提供する。 【構成】 主鎖のタクチシチーが80%以上である側鎖型
高分子液晶。具体的には、例えば、下記式で表されるメ
タクリル酸6−〔4−(メトキシフェニル)フェノキシ
ヘキシル(A)の立体規則性重合体

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材料、表示材料、
光学素子などに利用可能な新規な側鎖型高分子液晶に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
機能性材料として液晶物質が開発され、表示装置等への
実用化が行われてきたが、その液晶物質は比較的低分子
の有機化合物が多い。しかしながら、最近、高分子であ
りながら液晶相を形成する高分子液晶についても研究が
活発になってきている。高分子液晶の例としては、特開
昭56−152830号、特開昭60−55077 号、特開昭60−1927
12号、特開昭62−23240号、特開昭62−256825号、特開
昭63−260959号、特開昭63−265923号、特開昭63−2807
42号、特開昭64−70584 号、特開平2−58508 号、特開
平2−229883号、特開平2−272090号公報等に開示され
ているものが知られている。
【0003】周知のように、高分子液晶は、主鎖高分子
液晶と側鎖型高分子液晶とに大別される。側鎖型液晶性
高分子は高分子の持つ加工性、耐久性の良さと側鎖の発
現する液晶の高機能性とを兼ね備えた物質として注目さ
れ多くの研究がなされている。その構造はポリアクリル
酸エステル又はポリメタクリル酸エステル等の骨格主鎖
に側鎖として液晶性を発現する置換基、メソーゲン基が
結合するタイプのものが多い。ほかに長所として主鎖に
起因する側鎖の配向性の良さが上げられる。そのため側
鎖型高分子液晶では一般にメソーゲン基のみの低分子液
晶の場合より相転移温度は高くなっている。しかしあま
りに主鎖の影響を受け過ぎると側鎖の自由な運動が妨げ
られ、側鎖が液晶相をとれなくなる。そこでメソーゲン
基が屈曲鎖(スペーサー)を介して骨格主鎖とつながっ
た構造は側鎖の運動性が主鎖から解放され、側鎖の液晶
配向が容易になるものと考えられている。しかしスペー
サーがあまりに長いとそれが立体的に大きな空間を占め
るため側鎖の液晶配向の妨げとなる。そのためスペーサ
ーはヘキサメチレン鎖の様な適当な長さが必要とされ
る。このような理由から、現在までの報告では、主鎖の
立体規則性が側鎖の発現する液晶性に及ぼす影響は一般
に大きくないと考えられており、現在までに主鎖の立体
規則性と側鎖の発現する液晶性との関連性を指摘した例
はほとんどない。ただ Ringsdorfらの報告(Colloid Po
lym. Sci., 259, 875(1981))でのみ例外的に主鎖立体規
則性と側鎖の発現する液晶性との間に関連性が指摘され
ているが、その実験に用いられたサンプルの立体規則性
はイソタクチシチー、シンジオタクチシチー含量ともに
65%程度と高いものではなかった。本発明は、有用な液
晶性を発現する主鎖の立体規則性が高い側鎖型高分子液
晶を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は側鎖型高分子
液晶に関し、主鎖の立体規則性の差異が側鎖の発現する
液晶性にどのような影響を与えるかについて詳しい検討
を加える過程で、主鎖の立体規則性が高いポリマーの合
成に成功し、本発明に至った。即ち、本発明は、主鎖の
タクチシチーが80%以上であることを特徴とする側鎖型
高分子液晶に係わるものである。従来、主鎖のタクチシ
チーが80%以上であるような側鎖型高分子液晶は知られ
ておらず、タクチシチーを80%以上とすることによっ
て、従来とは異なった有用な液晶性が発現される。
【0005】本発明の側鎖型高分子液晶の主鎖として用
いられるポリマー骨格としては、アクリル酸系ポリマ
ー、メタクリル酸系ポリマー、シロキサン系ポリマー、
ビニルエーテル系ポリマーなどである。また、側鎖のメ
ソーゲン基には、アルキル基、シクロアルキル基或いは
アルコキシ基などで置換されたフェニル基やビフェニル
基などが挙げられる。
【0006】本発明の主鎖の立体規則性の高い側鎖型高
分子液晶を得る方法としては、特に限定されないが、メ
タクリル酸系ポリマーを例にとると、モノマーをテトラ
ヒドロフラン(THF) やクロロホルム(CHCl3) 等の溶媒に
溶解し、乾燥窒素下で臭化t-ブチルマグネシウム(t-Bu
MgBr)を重合開始剤に使用して−50〜−80℃の低温で10
〜30時間重合反応させる。ポリマーの分子量は 1,000〜
500,000 が好ましく、更に好ましくは 5,000〜100,000
である。
【0007】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 下記式で表されるメタクリル酸6−〔4−(メトキシフ
ェニル)フェノキシ〕ヘキシル(A) の立体規則性重合体
【0008】
【化1】
【0009】(1) モノマー(A) の重合 重合は乾燥窒素下、アンプル中低温で行なった。重合条
件は次の通りである。 モノマー(A) …0.5g 重合開始剤(I) …t-BuMgBr (A)/(I) =20(モル比) 溶媒 …THF 15ml 重合時間 …24時間 重合温度 …−78℃ モノマー(A) をアンプル中脱気後、窒素で戻し上記所定
の溶媒を加えモノマー(A) を完全に溶解した後、所定の
温度に冷却した。アンプルを攪拌しながらシリンジで開
始剤溶液を素早く加えた。その後、所定の時間定温で静
置した。メタノールを少量加え重合を停止した後、メタ
ノール20倍量に落としポリマー(Ap)を沈澱させた。ポ
リマー(Ap)が沈澱したら素早く遠心沈澱を行ないメタ
ノールを除去し、ポリマー(Ap)をメタノールで洗った
後、アスピレータ減圧下デシケータ中で乾燥した。バキ
ュームオーブン中、40℃で4時間完全に乾燥させた後、
計量を行なった。得られたポリマー(Ap)の収率は44.1
%、分子量は10400(GPC)であった。
【0010】(2) ポリマー(Ap)の立体規則性 ポリマー(Ap)のタクチシチーを決定するために1H-NMR
測定を行なった。用いた装置はJEOL製GSX270(270MHz)
であった。各タクチシチーの積分強度比よりタクチシチ
ーを見積ると、次のようになり、シンジオタクチシチー
(rr)が85%と非常に高いことがわかった。
【0011】タクチシチー mm l %, mr 14%, rr 85% (3) ポリマー(Ap)の熱的性質及び液晶性 ポリマー(Ap)の熱的性質はDSC(示差走査熱量曲線)測
定により決定した。測定装置はRIGAKU社製TAS100を用い
た。アルミパン中、サンプル1mgを室温から加熱し融解
後、そのまま徐冷した後、2回目の昇温時のDSC 測定か
らポリマー(Ap)の熱的性質を決定した。その結果を図
1に示したが、相転移の3個の吸熱ピーク(116.7 ℃、
128.6 ℃、103.9 ℃)が見られる。また偏光顕微鏡によ
る調査により結晶相からスメクチック相、ネマチック
相、そして等方相へと順に変化するのが見られた。
【0012】実施例2 下記式で表されるメタクリル酸6−〔4−[4−(2−
メチルブトキシ)フェニル]フェノキシ〕ヘキシル(B)
の立体規則性重合体
【0013】
【化2】
【0014】(1) モノマー(B) の重合 重合は乾燥窒素下、アンプル中低温で行なった。重合条
件は次の通りである。 モノマー(B) …0.5g 重合開始剤(I) …t-BuMgBr (B)/(I) =30(モル比) 溶媒 …CHCl3 10ml 重合時間 …24時間 重合温度 …−63℃ モノマー(B) をアンプル中脱気後、窒素で戻し上記所定
の溶媒を加えモノマー(B) を完全に溶解した後、所定の
温度に冷却した。アンプルを攪拌しながらシリンジで開
始剤溶液を素早く加えた。その後、所定の時間定温で静
置した。メタノールを少量加え、重合を停止した後、メ
タノール20倍量に落とし沈澱した。ポリマー(Bp)が沈
澱したら素早く遠心沈澱を行い再沈溶媒を除き、ポリマ
ー(Bp)をメタノールで洗った後アスピレータ減圧下デ
シケータ中で乾燥した。バキュームオーブン中40℃で4
時間乾燥後、計量を行なった。得られたポリマー(Bp)
の収率は63.1%、分子量は10600(GPC)であった。
【0015】(2) ポリマー(Bp)の立体規則性 ポリマー(Bp)のタクチシチーを決定するために13C-NM
R測定を行なった。用いた装置はJEOL製GSX270(270MHz)
であった。各タクチシチーの積分強度比よりタクチシチ
ーを見積もると、次のようになり、アイソタクチシチー
(mm)が92%と非常に高いことがわかった。
【0016】タクチシチー mm 92%, mr 8%, rr 0% (3) ポリマー(Bp)の熱的性質及び液晶性 ポリマー(Bp) の熱的性質はDSC 測定により決定した。
装置はRIGAKU社製TAS100 を用いた。アルミパン中、サ
ンプル1mgを室温から加熱し融解後、そのまま徐冷した
後、2回目の昇温時のDSC 測定からポリマー(Bp)の熱
的性質を決定した。その結果を図2に示したが、相転移
の4個の吸熱ピーク( 95.5 ℃、97.9℃、106.6 ℃、11
2.6 ℃)が見られる。また、偏向顕微鏡による調査によ
り結晶相からキラルスメクチックC相、スメクチックA
相、そして等方相へと順に変化するのが見られた。
【0017】
【発明の効果】本発明による主鎖の立体規則性の高い側
鎖型高分子液晶は、有用な液晶性を有しており、機能性
材料として応用展開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリマー(Ap)のDSC 曲線を示す。
【図2】ポリマー(Bp)のDSC 曲線を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材料、表示材料、
光学素子などに利用可能な新規な側鎖型高分子液晶に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
機能性材料として液晶物質が開発され、表示装置等への
実用化が行われてきたが、その液晶物質は比較的低分子
の有機化合物が多い。しかしながら、最近、高分子であ
りながら液晶相を形成する高分子液晶についても研究が
活発になってきている。高分子液晶の例としては、特開
昭56−152830号、特開昭60−55077 号、特開昭60−1927
12号、特開昭62−23240号、特開昭62−256825号、特開
昭63−260959号、特開昭63−265923号、特開昭63−2807
42号、特開昭64−70584 号、特開平2−58508 号、特開
平2−229883号、特開平2−272090号公報等に開示され
ているものが知られている。
【0003】周知のように、高分子液晶は、主鎖高分子
液晶と側鎖型高分子液晶とに大別される。側鎖型液晶性
高分子は高分子の持つ加工性、耐久性の良さと側鎖の発
現する液晶の高機能性とを兼ね備えた物質として注目さ
れ多くの研究がなされている。その構造はポリアクリル
酸エステル又はポリメタクリル酸エステル等の骨格主鎖
に側鎖として液晶性を発現する置換基、メソーゲン基が
結合するタイプのものが多い。ほかに長所として主鎖に
起因する側鎖の配向性の良さが上げられる。そのため側
鎖型高分子液晶では一般にメソーゲン基のみの低分子液
晶の場合より相転移温度は高くなっている。しかしあま
りに主鎖の影響を受け過ぎると側鎖の自由な運動が妨げ
られ、側鎖が液晶相をとれなくなる。そこでメソーゲン
基が屈曲鎖(スペーサー)を介して骨格主鎖とつながっ
た構造は側鎖の運動性が主鎖から解放され、側鎖の液晶
配向が容易になるものと考えられている。しかしスペー
サーがあまりに長いとそれが立体的に大きな空間を占め
るため側鎖の液晶配向の妨げとなる。そのためスペーサ
ーはヘキサメチレン鎖の様な適当な長さが必要とされ
る。このような理由から、現在までの報告では、主鎖の
立体規則性が側鎖の発現する液晶性に及ぼす影響は一般
に大きくないと考えられており、現在までに主鎖の立体
規則性と側鎖の発現する液晶性との関連性を指摘した例
はほとんどない。ただ Ringsdorfらの報告(Colloid Po
lym. Sci., 259, 875(1981))でのみ例外的に主鎖立体規
則性と側鎖の発現する液晶性との間に関連性が指摘され
ているが、その実験に用いられたサンプルの立体規則性
はイソタクチシチー、シンジオタクチシチー含量ともに
65%程度と高いものではなかった。本発明は、有用な液
晶性を発現する主鎖の立体規則性が高い側鎖型高分子液
晶を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は側鎖型高分子
液晶に関し、主鎖の立体規則性の差異が側鎖の発現する
液晶性にどのような影響を与えるかについて詳しい検討
を加える過程で、主鎖の立体規則性が高いポリマーの合
成に成功し、本発明に至った。即ち、本発明は、主鎖の
タクチシチーが80%以上であることを特徴とする側鎖型
高分子液晶に係わるものである。従来、主鎖のタクチシ
チーが80%以上であるような側鎖型高分子液晶は知られ
ておらず、タクチシチーを80%以上とすることによっ
て、従来とは異なった有用な液晶性が発現される。
【0005】本発明の側鎖型高分子液晶の主鎖として用
いられるポリマー骨格としては、アクリル酸系ポリマ
ー、メタクリル酸系ポリマー、シロキサン系ポリマー、
ビニルエーテル系ポリマーなどである。また、側鎖のメ
ソーゲン基には、アルキル基、シクロアルキル基或いは
アルコキシ基などで置換されたフェニル基やビフェニル
基などが挙げられる。
【0006】本発明の主鎖の立体規則性の高い側鎖型高
分子液晶を得る方法としては、特に限定されないが、メ
タクリル酸系ポリマーを例にとると、モノマーをテトラ
ヒドロフラン(THF) やクロロホルム(CHCl3) 等の溶媒に
溶解し、乾燥窒素下で臭化t-ブチルマグネシウム(t-Bu
MgBr)を重合開始剤に使用して−50〜−80℃の低温で10
〜30時間重合反応させる。ポリマーの分子量は 1,000〜
500,000 が好ましく、更に好ましくは 5,000〜100,000
である。
【0007】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1 下記式で表されるメタクリル酸6−〔4−(メトキシフ
ェニル)フェノキシ〕ヘキシル(A) の立体規則性重合体
【0008】
【化1】
【0009】(1) モノマー(A) の重合 重合は乾燥窒素下、アンプル中低温で行なった。重合条
件は次の通りである。 モノマー(A) …0.5g 重合開始剤(I) …t-BuMgBr (A)/(I) =20(モル比) 溶媒 …THF 15ml 重合時間 …24時間 重合温度 …−78℃ モノマー(A) をアンプル中脱気後、窒素で戻し上記所定
の溶媒を加えモノマー(A) を完全に溶解した後、所定の
温度に冷却した。アンプルを攪拌しながらシリンジで開
始剤溶液を素早く加えた。その後、所定の時間定温で静
置した。メタノールを少量加え重合を停止した後、メタ
ノール20倍量に落としポリマー(Ap)を沈澱させた。ポ
リマー(Ap)が沈澱したら素早く遠心沈澱を行ないメタ
ノールを除去し、ポリマー(Ap)をメタノールで洗った
後、アスピレータ減圧下デシケータ中で乾燥した。バキ
ュームオーブン中、40℃で4時間完全に乾燥させた後、
計量を行なった。得られたポリマー(Ap)の収率は44.1
%、分子量は10400(GPC)であった。
【0010】(2) ポリマー(Ap)の立体規則性 ポリマー(Ap)のタクチシチーを決定するために1H-NMR
測定を行なった。用いた装置はJEOL製GSX270(270MHz)
であった。各タクチシチーの積分強度比よりタクチシチ
ーを見積ると、次のようになり、シンジオタクチシチー
(rr)が85%と非常に高いことがわかった。
【0011】タクチシチー mm l %, mr 14%, rr 85% (3) ポリマー(Ap)の熱的性質及び液晶性 ポリマー(Ap)の熱的性質はDSC(示差走査熱量曲線)測
定により決定した。測定装置はRIGAKU社製TAS100を用い
た。アルミパン中、サンプル1mgを室温から加熱し融解
後、そのまま徐冷した後、2回目の昇温時のDSC 測定か
らポリマー(Ap)の熱的性質を決定した。その結果を図
1に示したが、相転移の3個の吸熱ピーク(116.7 ℃、
128.6 ℃、103.9 ℃)が見られる。また偏光顕微鏡によ
る調査により結晶相からスメクチック相、ネマチック
相、そして等方相へと順に変化するのが見られた。
【0012】実施例2 下記式で表されるメタクリル酸6−〔4−[4−(2−
メチルブトキシ)フェニル]フェノキシ〕ヘキシル(B)
の立体規則性重合体
【0013】
【化2】
【0014】(1) モノマー(B) の重合 重合は乾燥窒素下、アンプル中低温で行なった。重合条
件は次の通りである。 モノマー(B) …0.5g 重合開始剤(I) …t-BuMgBr (B)/(I) =30(モル比) 溶媒 …CHCl3 10ml 重合時間 …24時間 重合温度 …−63℃ モノマー(B) をアンプル中脱気後、窒素で戻し上記所定
の溶媒を加えモノマー(B) を完全に溶解した後、所定の
温度に冷却した。アンプルを攪拌しながらシリンジで開
始剤溶液を素早く加えた。その後、所定の時間定温で静
置した。メタノールを少量加え、重合を停止した後、メ
タノール20倍量に落とし沈澱した。ポリマー(Bp)が沈
澱したら素早く遠心沈澱を行い再沈溶媒を除き、ポリマ
ー(Bp)をメタノールで洗った後アスピレータ減圧下デ
シケータ中で乾燥した。バキュームオーブン中40℃で4
時間乾燥後、計量を行なった。得られたポリマー(Bp)
の収率は63.1%、分子量は10600(GPC)であった。
【0015】(2) ポリマー(Bp)の立体規則性 ポリマー(Bp)のタクチシチーを決定するために13C-NM
R測定を行なった。用いた装置はJEOL製GSX270(270MHz)
であった。各タクチシチーの積分強度比よりタクチシチ
ーを見積もると、次のようになり、アイソタクチシチー
(mm)が92%と非常に高いことがわかった。
【0016】タクチシチー mm 92%, mr 8%, rr 0% (3) ポリマー(Bp)の熱的性質及び液晶性 ポリマー(Bp) の熱的性質はDSC 測定により決定した。
装置はRIGAKU社製TAS100 を用いた。アルミパン中、サ
ンプル1mgを室温から加熱し融解後、そのまま徐冷した
後、2回目の昇温時のDSC 測定からポリマー(Bp)の熱
的性質を決定した。その結果を図2に示したが、相転移
の4個の吸熱ピーク( 95.5 ℃、97.9℃、106.6 ℃、11
2.6 ℃)が見られる。また、偏向顕微鏡による調査によ
り結晶相からキラルスメクチックC相、スメクチックA
相、そして等方相へと順に変化するのが見られた。
【0017】実施例3〜6 表1に示すモノマー、重合開始剤及び溶媒を用い、表1
に示す重合温度で重合させる以外は実施例1と同様にし
てポリマーを得、得られたポリマーの立体規則性を実施
例1と同様に測定した。これらの結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明による主鎖の立体規則性の高い側
鎖型高分子液晶は、有用な液晶性を有しており、機能性
材料として応用展開が可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖のタクチシチーが80%以上であるこ
    とを特徴とする側鎖型高分子液晶。
  2. 【請求項2】主鎖として用いられるポリマー骨格がアク
    リル酸系ポリマー又はメタクリル酸系ポリマーであり、
    側鎖のメソーゲン基がアルキル基、シクロアルキル基あ
    るいはアルコキシ基で置換されたフェニル基又はビフェ
    ニル基である請求項1記載の側鎖型高分子液晶。
JP3153276A 1991-06-25 1991-06-25 側鎖型高分子液晶 Pending JPH051117A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3153276A JPH051117A (ja) 1991-06-25 1991-06-25 側鎖型高分子液晶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3153276A JPH051117A (ja) 1991-06-25 1991-06-25 側鎖型高分子液晶

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH051117A true JPH051117A (ja) 1993-01-08

Family

ID=15558929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3153276A Pending JPH051117A (ja) 1991-06-25 1991-06-25 側鎖型高分子液晶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH051117A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291213A (ja) * 2007-04-23 2008-12-04 Univ Of Yamanashi プロトン輸送材料およびそれを用いた電解質、イオン交換体、膜電極接合体および燃料電池および疎水性モノマー

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291213A (ja) * 2007-04-23 2008-12-04 Univ Of Yamanashi プロトン輸送材料およびそれを用いた電解質、イオン交換体、膜電極接合体および燃料電池および疎水性モノマー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rodriguez‐Parada et al. Poly (vinyl ether) s and poly (propenyl ether) s containing mesogenic groups: A new class of side‐chain liquid‐crystalline polymers
Blumstein et al. Oriented polymer growth in thermotropic mesophases
Komiya et al. Synthesis of side-chain liquid crystal polymers by living ring-opening metathesis polymerization. 2. Influence of molecular weight, polydispersity, and flexible spacer length (n= 9-12) on the thermotropic behavior of the resulting polymers
US4696990A (en) Novel photocrosslinkable liquid crystalline polymers
US6533959B2 (en) Brominated materials
JP3901238B2 (ja) 光架橋性ナフタレン誘導体
Percec et al. Synthesis and characterization of liquid crystalline polymethacrylates, polyacrylates, and polysiloxanes containing 4‐methoxy‐4′‐hydroxy‐α‐methylstilbene‐based mesogenic groups
JP4296761B2 (ja) N−置換マレイミドおよびその重合体
US5412079A (en) Liquid crystal monomer compound and polymer obtained therefrom
Jonsson et al. Photoinitiated cationic bulk polymerization of mesogenic vinyl ethers
JPH051117A (ja) 側鎖型高分子液晶
US4717757A (en) Mesomorphic side-chain polymers having high dielectric anisotropy and a method for producing said polymers
JPH05214030A (ja) 液晶ポリマー
Tanaka et al. Radical polymerization of various alkyl methacrylates in liquid crystalline solvents
WO2002088204A1 (fr) Poly(meth)acrylamide a stereoregularite elevee, et procede d'elaboration correspondant
Shoji et al. Thermal optical analysis of cholesteryl methacrylate and methyl methacrylate copolymers
JP4026163B2 (ja) 含フッ素化合物及びこれを重合してなる液晶ポリマー化合物
Gangadhara et al. Synthesis and characterization of polymaleimides containing 4‐cyanobiphenyl–based side groups for nonlinear optical applications
JP2772960B2 (ja) 高分子液晶材料
JP2819157B2 (ja) 放射線重合可能な液晶性モノマー及びそのポリマー
JP3995296B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP2730962B2 (ja) 液晶ポリマー
JP3009252B2 (ja) ポリビニルアルコール
JP3200467B2 (ja) カルバゾール環含有モノマー、カルバゾール環含有ポリマー及びそれらの製造方法
Hellermark et al. Synthesis and characterization of poly (11-(4′-cyano-trans-4-stilbenyloxy) undecanyl vinyl ether)