JPH05111225A - 回転電力機の製造方法 - Google Patents

回転電力機の製造方法

Info

Publication number
JPH05111225A
JPH05111225A JP33388791A JP33388791A JPH05111225A JP H05111225 A JPH05111225 A JP H05111225A JP 33388791 A JP33388791 A JP 33388791A JP 33388791 A JP33388791 A JP 33388791A JP H05111225 A JPH05111225 A JP H05111225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
binder
permanent magnet
epoxy resin
powder
electric machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33388791A
Other languages
English (en)
Inventor
Joji Ochi
譲次 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP33388791A priority Critical patent/JPH05111225A/ja
Publication of JPH05111225A publication Critical patent/JPH05111225A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 希土類系磁性粉とバインダとを混合した材料
を、圧縮成形、熱硬化、着磁することで回転子のボンド
マグネットを形成するに際し、材料歩留りの向上、作業
性及び作業環境の向上を図る。 【構成】 バインダとして、常温付近では硬化しないエ
ポキシ樹脂系熱硬化形の粉状バインダを使用する。これ
により早期硬化による材料廃棄量を減少すると共に、液
状バインダの付着等による作業性、作業環境悪化を防止
する。また磁石の割れを防止するため、粉状バインダは
2〜5%程度混入する。さらに磁石の酸化防止のため、
ボンドマグネット表面に粉状バインダを粉体塗装する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は空調ファン駆動用電動
機等の回転電力機の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動機において、回転子内周面への永久
磁石の付設を高能率化すると共に、コギング防止のため
の各永久磁石の磁極面形状の最適化を容易にするため、
ボンドマグネットを利用して、圧縮成形、熱硬化、着磁
という製造方法を採用することは、例えば特開平3−7
045号公報にも記載されているように公知である。こ
の場合、ボンドマグネット材料としては、ネオジュウ
ム、ボロン等の希土類系磁性粉に、エポキシ樹脂をバイ
ンダとして約2重量%だけ混合したものを用いている。
これは希土類系磁性粉のエネルギ積が高い特性を利用
し、永久磁石、ひいては電動機そのものを小形化するた
めである。すなわち希土類系磁性粉を使用したボンドマ
グネットは、エネルギ積の高いものであるため、同一ト
ルクを得ることを前提にすれば、フェライト磁石を使用
する場合に比して、その厚さを数分の1に低減でき、永
久磁石の小形・軽量化を図ることが可能となるためであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記において
は、バインダとして2液性のエポキシ樹脂が使用されて
いる。この2液性エポキシ樹脂は、濡れ性が良好である
ため、バインダとしてはその性能が優れているが、その
反面、次のような欠点がある。それは、このエポキシ樹
脂は、常温硬化、あるいは常温に近い熱硬化形のもので
あるため、硬化剤を混入したままの状態で放置しておく
と、短時間内に硬化してしまい、高価な希土類系磁性粉
やバインダそのものが無駄になってしまうというよう
に、材料歩留りの低下を招いているということである。
また液状バインダが容器やその周辺に付着して作業性、
作業環境の悪化を招くという欠点もある。
【0004】この発明は上記従来の欠点を解決するため
になされたものであって、その目的は、上記のような作
業性や作業環境の悪化を防止し、しかも材料歩留りを向
上し得る回転電力機の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで請求項1の回転電
力機の製造方法は、回転子6の筒状ケーシング60の内
周側に永久磁石69を取着すると共に、この永久磁石6
9を固定子5の外周部に相対向させて成る回転電力機の
製造方法において、上記永久磁石69を希土類系磁性粉
にバインダを混合した混合材料を圧縮成形、熱硬化させ
ると共に、着磁することによって構成するに際し、上記
バインダとして、エポキシ樹脂系熱硬化形の粉状バイン
ダを使用することを特徴としている。
【0006】また請求項2の回転電力機の製造方法は、
上記粉状バインダの量が重量比で2〜5%であることを
特徴としている。
【0007】さらに請求項3の回転電力機の製造方法
は、上記形成された永久磁石69の表面にさらに上記粉
状バインダを粉体塗装することを特徴としている。
【0008】
【作用】上記請求項1の回転電力機の製造方法において
は、粉状バインダが、常温にてかなり長時間放置して
も、硬化の進行や材料劣化の生じにくい材料であるた
め、従来のような常温硬化等に起因する材料歩留りの低
下という不具合を防止し得る。また液状バインダの使用
による作業性、作業環境の悪化という不具合も大幅に低
減される。
【0009】また請求項2の回転電力機の製造方法によ
れば、バインダ量過多による磁石性能の低下、及びバイ
ンダ量不足による割れ等の発生を防止し得る。
【0010】さらに請求項3の回転電力機の製造方法に
よれば、長時間放置によるボンド磁石表面の酸化という
不具合を低減することが可能である。
【0011】
【実施例】次にこの発明の回転電力機の製造方法を、空
調ファン駆動用電動機に適用した場合の具体的な実施例
について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】図1は空気調和機の室内機におけるファン
装置、詳しくはクロスフローファンのファンロータ1の
一方の側板(以下、右側板という)2側の構成を示すも
のである。
【0013】3はエンドブラケットで、その中心位置に
孔部33が形成されていると共に、その適所にホール素
子Hを挿入するための開口34等が形成されている。
【0014】4は軸体で、鍔部41を具備し、鍔部41
から突出した部分42が孔部33に嵌入され、かつスポ
ット溶接などの適宜手段で固着されている。軸体4の基
部に、アルミニウムなどの金属で作られた鍔付き固定座
43が鍔部41に接触する状態で圧入されている。
【0015】5は固定子で、これは粉体塗装を施すこと
により電気的に絶縁された鉄心51に巻線52を装備さ
せたものである。固定子5の鉄心51は円筒状の防振ゴ
ム53に外嵌されている。この防振ゴム53は上記軸体
4に圧入された筒状部材54にキー結合でもって装着さ
れている。このように防振ゴム53を介して固定子5を
軸体4に取付けておくと、鉄心51がトルクに対する力
を受けたとき、そのトルクの脈動が防振ゴム53で吸収
され、軸体4に伝わりにくくなる。
【0016】6は回転子である。この回転子6は、筒状
ケーシング60を有するもので、このケーシング60に
は、取付板部61の外周縁に筒状部62を延出し、取付
板部61の中央に内側に突出したボス部63が形成され
ている。また取付板部61には外側に突出した別のボス
部64を具備する継手部材65がリベット66で固着さ
れている。継手部材65とファンロータ1とは防振ゴム
を用いたフレキシブルジョイント67を介して連結され
ている。これら二つのボス部63、64は、第1軸受A
と第2軸受Bとを収容するためのものである。また筒状
部62における周方向の複数箇所には小孔68が開設さ
れている。
【0017】回転子6における筒状部62の内面に永久
磁石69が設けられているのに対し、筒状部62の外面
にヨーク70が重なり合って嵌合されている。ヨーク7
0には筒状部62の小孔68と重なり合った小孔71が
形成されている。そして永久磁石69は上記小孔68、
71の内部に延びてその延出部分がヨーク70の外側で
ヨーク70とほぼ同じ厚みで露出している。
【0018】エンドブラケット3の面板部31の後面側
に駆動回路等を搭載した基板(駆動回路基板)8が配備
され、その基板8の適所がクリップ81で面板部31に
取付けられている。基板8にはホール素子Hが搭載され
ている。ホール素子Hは永久磁石69の内周部分に対向
している。
【0019】上記回転子6における永久磁石69は、延
出部分を含めて圧縮成形されると共に、着磁されたもの
であり、しかも圧縮成形を行うときに同時に回転子6に
組付けられたものである。すなわち回転子6の筒状部6
2にヨーク70を嵌合してボンドマグネット成形型に入
れ、磁性粉末にバインダを混入したマグネット材料を成
形型に入れて圧縮成形を行うと共に、加熱して硬化さ
せ、その後で着磁したものである。このようにすると、
永久磁石69やその延出部分を形成することによって、
それらと筒状部62とが相互に固定されるようになり、
永久磁石69の製造とヨーク70などの部品の固定とが
1工程で確実に行われて、工数の削減と永久磁石69の
取付不良によるコギング抑制とが同時に行われるという
利点が生じる。また上記ヨーク70のファン側の端面に
は、半円状の切欠部72が周方向等間隔で、かつ上記小
孔71と周方向の同位置に形成されているが、これは上
記圧縮成形時に、筒状ケーシング60の筒状部62に設
けた小孔68とヨーク70の小孔71との位置合せを行
うためのものである。すなわち成形用金型に対して、筒
状ケーシング60は、取付板部61に穿設した透孔(例
えば、リベット挿通孔)を利用してその位置決めを行う
一方で、上記ヨーク70は成形用金型に対して上記切欠
部72を利用してその位置決めを行い、これによりボン
ドマグネットの成形時の両小孔68、71の位置合せを
正確に行えるようにしてあるのである。
【0020】上記永久磁石69は径方向に異極が位置す
るように径方向着磁されたものであって、周方向に相隣
接する各永久磁石69は、その各内側磁極面が互いに異
極になるよう配置されている。また各永久磁石69は、
その両端部、つまり極性切換部に向かって次第に肉薄に
なるよう形成されており、磁極切換部における磁束を低
下させ、コギングを低減し得るようなされている。なお
このため各永久磁石69の内側磁極面形状は、成形型を
工夫して正弦波形状等に形成されている。
【0021】次に上記における磁性粉末とバインダとに
ついて説明するが、まず磁性粉末としては、ネオジュウ
ム、ボロン等のエネルギ積の高い希土類系磁性粉を使用
する。またバインダとしては、エポキシ樹脂系熱硬化形
の粉状バインダを使用する。これはエポキシ樹脂に硬化
剤を添加し、エポキシ樹脂の融点よりも30〜80℃程
度高い温度で溶融混合した後、冷却固化し、得られた固
形物を粉砕して得られる平均粒径120〜140μm程
度のものである。エポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、結晶型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹
脂等が挙げられる。また硬化剤としては、イミダゾール
類、この各種誘導体、あるいはジシアンジアミド類、こ
の変性物、これらの誘導体、芳香族アミン類、酸無水物
類、フェノールノボラック樹脂類、変性フェノールノボ
ラック樹脂類等が挙げられる。上記バインダにおける硬
化剤は、重量比で0.2〜5.0%とするのが好まし
い。
【0022】上記粉状バインダは、常温にて長時間放置
しても硬化の進行や材料劣化の生じにくい材料であるた
め、常温硬化等に起因する従来の材料歩留りの低下とい
う不具合を防止でき、そのため材料歩留り向上によるコ
ストダウンを図れることになる。また液状バインダに比
してその取扱いが容易であることから、作業性及び作業
環境を向上することが可能である。
【0023】また上記粉状バインダの量は、全体に対し
て重量比で2〜5%とするのが好ましいが、これはバイ
ンダが多すぎると所期の磁石性能が得られなくなる一方
で、バインダが少なすぎる場合には、成形された永久磁
石69に割れ等の不具合が発生することになるので、こ
れら不具合を防止するためである。
【0024】さらに上記永久磁石69の成形、硬化後、
その表面に上記粉状バインダを粉体塗装しておくのが好
ましい。それはボンド磁石を長時間放置しておくと、そ
の表面が酸化してしまうことになるので、このような酸
化による劣化を防止するためである。
【0025】なお上記では、空調ファン駆動用電動機に
ついての実施例の説明をしたが、この発明は他の用途の
電動機あるいは発電機に対してもその適用が可能であ
る。
【0026】
【発明の効果】上記請求項1の回転電力機の製造方法に
おいては、常温にて長時間放置しても、硬化の進行や材
料劣化の生じにくいエポキシ樹脂系熱硬化形の粉状バイ
ンダを使用しているため、常温硬化等に起因する従来の
材料歩留りの低下という不具合を防止でき、そのため材
料歩留り向上によるコストダウンを図れることになる。
また液状バインダに比してその取扱いが容易であること
から、作業性及び作業環境を向上することが可能であ
る。
【0027】また請求項2の回転電力機の製造方法によ
れば、バインダ量過多による磁石性能の低下、及びバイ
ンダ量不足による割れ等の発生を防止し得るので、品質
の安定したボンド磁石を形成することが可能である。
【0028】さらに請求項3の回転電力機の製造方法に
よれば、長時間放置によるボンド磁石表面の酸化という
不具合を低減することが可能であり、そのため使用寿命
を向上することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の回転電力機の製造方法を適用するの
に好適な空調ファン駆動用電動機の一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
5 固定子 6 回転子 60 筒状ケーシング 69 永久磁石

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子(6)の筒状ケーシング(60)
    の内周側に永久磁石(69)を取着すると共に、この永
    久磁石(69)を固定子(5)の外周部に相対向させて
    成る回転電力機の製造方法において、上記永久磁石(6
    9)を希土類系磁性粉にバインダを混合した混合材料を
    圧縮成形、熱硬化させると共に、着磁することによって
    構成するに際し、上記バインダとして、エポキシ樹脂系
    熱硬化形の粉状バインダを使用することを特徴とする回
    転電力機の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記粉状バインダの量が重量比で2〜5
    %であることを特徴とする請求項1の回転電力機の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記形成された永久磁石(69)の表面
    にさらに上記粉状バインダを粉体塗装することを特徴と
    する請求項1又は請求項2の回転電力機の製造方法。
JP33388791A 1991-10-17 1991-10-17 回転電力機の製造方法 Pending JPH05111225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33388791A JPH05111225A (ja) 1991-10-17 1991-10-17 回転電力機の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33388791A JPH05111225A (ja) 1991-10-17 1991-10-17 回転電力機の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05111225A true JPH05111225A (ja) 1993-04-30

Family

ID=18271069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33388791A Pending JPH05111225A (ja) 1991-10-17 1991-10-17 回転電力機の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05111225A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7854056B2 (en) * 2005-09-01 2010-12-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Production method of a rotor
US8058767B2 (en) 2006-03-13 2011-11-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotor and method of manufacturing the same and electric vehicle

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7854056B2 (en) * 2005-09-01 2010-12-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Production method of a rotor
US8058767B2 (en) 2006-03-13 2011-11-15 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Rotor and method of manufacturing the same and electric vehicle

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7181830B2 (en) Process of manufacturing a flux ring for an electric motor
US6351042B1 (en) Motor structure and their manufacturing method
US11031831B2 (en) Electric motor and air conditioner
JP2002272033A (ja) 永久磁石式同期モータのロータとその製造方法
US7777391B2 (en) Armature, motor and compressor and methods of manufacturing the same
WO2022019074A1 (ja) 電動機
JPWO2022019074A5 (ja)
JP2001333555A (ja) スロットレスラジアルギャップ型モータ
JPH05111225A (ja) 回転電力機の製造方法
JP7386965B2 (ja) 電動機、送風機および空気調和装置
US20230163648A1 (en) Rotor, motor, blower, air conditioner, and manufacturing method of rotor
JPH01270756A (ja) 永久磁石型回転子
JPH08126265A (ja) 回転電機
JPWO2020044420A1 (ja) ステータ、モータ、ファン、及び空気調和機並びにステータの製造方法
JP2005245120A (ja) 電動機
JPH08126264A (ja) 回転電機及びその製造方法
WO2021205707A1 (ja) 回転子、回転子の製造方法及びモータ
WO2021205706A1 (ja) 回転子、回転子の製造方法及びモータ
JP2005348472A (ja) アキシャルモータ用ステータ及びアキシャルモータ
JP2005198447A (ja) 回転子
JPH0226226Y2 (ja)
JP3029555U (ja) モータ
JPH10295069A (ja) ファン用ブラシレスモートル
WO2021019592A1 (ja) 電動機、送風機、空気調和装置および電動機の製造方法
JP2023136154A (ja) 回転電機及び回転電機の製造方法