JPH0510932A - 超音波センサ及びそれを用いた超音波スペクトラム顕微鏡 - Google Patents

超音波センサ及びそれを用いた超音波スペクトラム顕微鏡

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JPH0510932A
JPH0510932A JP3161896A JP16189691A JPH0510932A JP H0510932 A JPH0510932 A JP H0510932A JP 3161896 A JP3161896 A JP 3161896A JP 16189691 A JP16189691 A JP 16189691A JP H0510932 A JPH0510932 A JP H0510932A
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wave
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ultrasonic sensor
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JP3161896A
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Nobutaka Nakaso
教尊 中曽
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Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/12Analysing solids by measuring frequency or resonance of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N2291/02854Length, thickness
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
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    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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Abstract

(57)【要約】 【目的】超音波センサの機械的な入射角変更を伴わず
に、センサから送波された超音波を意図した方向へ偏向
可能な超音波スペクトラム顕微鏡を提供する。 【構成】超音波センサ1は、アレイ型平面トランスジュ
ーサ12と円筒型トランスジューサ14とからなる送受
独立型センサである。パルサー38からアレイ型トラン
スジューサ12の圧電素子群22の各圧電素子24に印
加されるべき入力信号は、入力信号処理回路34aによ
り時間差を与えられる。これにより圧電素子群22の各
圧電素子24が超音波を発生する時間に時間差が生じ
る。この時間差を適宜に設定することにより、アレイ型
トランスジューサ12から送波される超音波は、所定の
方向へ位相が揃えられ、所定の入射角で被検体表面20
aへ入射される。この入射角についての反射波は、円筒
型トランスジューサ14で受波されて電気信号に変換さ
れた後、FFT54にてスペクトラム解析される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体へ高周波超音波
を送波して、その反射波出力を出力する超音波センサに
関する。また、この超音波センサの反射波出力のスペク
トラムを評価することにより、被検体の物理的特性、膜
の厚さや密着性等を測定する超音波スペクトラム顕微鏡
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば特開平2−251751号公報に
開示された超音波スペクトラム顕微鏡は、平面トランス
ジューサと球面状の凹面トランスジューサとの一対の超
音波トランスジューサからなる送受独立型超音波センサ
を備えている。
【0003】球面トランスジューサから送波された超音
波は、球面の集束作用により、被検体の微小な一点に集
束されて入射される。この入射波は、被検体の弾性的特
性や構造の影響を受けつつ分散して反射され、平面トラ
ンスジューサに受波され、電気信号に変換される。この
ようなセンサによれば、球面トランスジューサの集束特
性によって、高い空間分解能が得られる。更に、平面ト
ランスジューサの圧電体面における位相干渉により、特
定の入射角(即ち平面の法線と被検体表面の法線とがな
す角度)の成分のみの反射波が電気信号に変換されて出
力される。この出力信号に基づいて反射波の強度スペク
トラムや位相スペクトラムを評価することにより、被検
体の弾性定数、膜厚、異方性等が定量測定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
入射角依存性を持つ特性を測定する際には、種々の異な
る入射角に応じてセンサ全体或いは平面トランスジュー
サを傾動させる操作が必要がある。従って、多数の入射
角での測定を高速に実行するのは困難である。
【0005】また、この傾動操作による被検体表面とセ
ンサとの位置関係の変化が測定結果に影響し、特に位相
スペクトラムの測定においては高精度の測定が困難であ
る。本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、センサを傾動させることな
く、多数の入射角での測定を高速に実行可能とする超音
波センサ及びそれを用いたスペクトラム顕微鏡を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る超音波センサは、第1と第2の送受波
手段を備え、その一方が送波側として用いられ、高周波
信号が印加されることにより被検体表面へ高周波超音波
を送波し、他方が受波側として用いられ、被検体からの
反射超音波を受波し、この反射超音波の強度に対応した
電気的な出力信号を出力する送受独立型の超音波センサ
であって;第1の送受波手段は、複数の超音波圧電素子
が、その各々が互いに独立して圧電効果を生起するよう
に、等間隔にアレイ状に配列されてなる圧電素子群を有
すると共に、この圧電素子群が発すべき高周波超音波を
平面波とするように平面状の送受波面を有し;第2の送
受波手段は、超音波圧電素子を有し、且つこの超音波圧
電素子が発すべき高周波超音波を収束波とするように凹
面状の送受波面を有する;ことを特徴とする。
【0007】この場合、第1の送受波手段の各圧電素子
が、一対の電極の間に圧電体を挟んでなり、その圧電体
面が平面状に形成されていてもよく、この第1の送受波
手段の各圧電素子の一対の電極のうちの何れか一方の電
極をなす部材と、圧電体をなす部材とのうちの少なくと
も何れかの部材が、複数の圧電素子について一体的に形
成されていてもよい。
【0008】本発明の実施例によれば、第1の送受波手
段の圧電素子群は、上記平面状送受波面を形成された遅
延材を有する。
【0009】第1の送受波手段の圧電素子群が配置され
るべき面の任意の方向における長さLは、L≧(1/si
n β)・(V/ω)(但し、Vは第1の送受波手段と被
検体との間に満たされる超音波伝播媒体における音速、
ωは超音波センサの送波する超音波の時間周波数、また
は超音波センサに受波された反射超音波についてのスペ
クトラム強度分布上の強度極小部の周波数、βは超音波
センサの入射角選択能力を表す値であって、第2の送受
波手段の平面状送受波面の法線と被検体表面の法線とが
なす角度をθとしたときに、第2の送受波手段が受波す
る超音波の入射角成分がθ±βの範囲のみであることを
示す値)を満足することが好ましい。
【0010】第2の送受波手段の圧電素子は、一対の電
極の間に圧電体を挟んでなり、その圧電体面は、平面状
に形成されていてもよく、凹面状に形成されていてもよ
い。本発明の実施例によれば、第2の送受波手段の圧電
素子は、上記凹面状送受波面を形成された遅延材を有す
る。
【0011】第2の送受波手段の上記凹面状送受波面
は、球面でも円筒面でもよい。
【0012】第1の送受波手段を送波側に用いる場合、
第1の送受波手段の上記圧電素子群の少なくとも一部を
なす任意の整数N個の隣接する圧電素子から送波される
超音波の位相が、超音波の伝播する空間を上記アレイ状
配列方向に沿って断面して見て、上記平面状送受波面の
法線方向に対して角度Δθをなす方向へ揃うように、上
記N個の隣接する圧電素子に上記高周波信号が印加され
る時刻に時間差を与えて超音波の位相を制御する位相制
御手段を更に備えることが好ましい。
【0013】第1の送受波手段を受波側に用いる場合、
第1の送受波手段の上記圧電素子群の少なくとも一部を
なす任意の整数N個の隣接する圧電素子の出力信号に基
づいて、超音波の伝播する空間を上記アレイ状配列方向
に沿って断面して見て、上記平面状送受波面の法線方向
に対して角度Δθをなす方向へ位相が揃って受波された
反射波に対応する出力信号が形成されるように、上記N
個の隣接する圧電素子の出力信号に時間差を与えて合成
する出力信号処理手段を更に備えることが好ましい。
【0014】第1の送受波手段を送波側に用いる本発明
に係る超音波スペクトラム顕微鏡は、被検体の表面上の
微小な測定領域に対し、高周波超音波をその位相制御に
より可変とされた入射角にて入射させ、その入射角に対
応する反射波の強度を周波数の関数として示した強度ス
ペクトラムを形成する超音波スペクトラム顕微鏡であっ
て;第1の送受波手段から送波されるべき高周波超音波
が測定領域に入射されるように、且つ測定領域からの反
射波が第2の送受波手段で受波されるように配置される
請求項1乃至10の何れか1項に記載の超音波センサ
と;この超音波センサの第1の送受波手段の圧電素子群
に印加させるべき高周波信号としての入力信号を発振す
る高周波発振手段と;第1の送受波手段の上記圧電素子
群の少なくとも一部をなす任意の整数N個の隣接する圧
電素子から送波される超音波の位相が、超音波の伝播す
る空間を上記アレイ状配列方向に沿って断面して見て、
上記平面状送受波面の法線方向に対して角度Δθをなす
方向へ揃うように、上記N個の隣接する圧電素子に上記
高周波信号が印加される時刻に時間差を与えて超音波の
位相を制御する位相制御手段と;超音波センサの第2の
送受波手段の圧電素子の出力した電気信号に基づいて、
その強度スペクトラムを形成する強度スペクトラム形成
手段と;を備えることを特徴とする。
【0015】第1の送受波手段を受波側に用いる本発明
に係る超音波スペクトラム顕微鏡は、被検体の表面上の
微小な測定領域に対し、集束性高周波超音波を入射さ
せ、その入射波に対する反射波を受波し、この反射波に
含まれる特定の受波角成分についての強度を周波数の関
数として示した強度スペクトラムを形成する超音波スペ
クトラム顕微鏡であって;第2の送受波手段から送波さ
れるべき高周波超音波が測定領域に入射されるように、
且つ測定領域からの反射波が第1の送受波手段で受波さ
れるように配置される請求項1乃至10の何れか1項に
記載の超音波センサと;高周波信号を発振し、この高周
波信号を超音波センサの第2の送受波手段の圧電素子に
印加させる高周波発振手段と;第1の送受波手段の上記
圧電素子群の少なくとも一部をなす任意の整数N個の隣
接する圧電素子の出力信号に基づいて、超音波の伝播す
る空間を上記アレイ状配列方向に沿って断面して見て、
上記平面状送受波面の法線方向に対して角度Δθをなす
方向へ位相が揃って受波された反射波に対応する出力信
号が形成されるように、上記N個の隣接する圧電素子の
出力信号に時間差を与えて合成する出力信号処理手段
と;上記特定の受波角成分に対応する電気信号に基づい
て、その強度スペクトラムを形成する強度スペクトラム
形成手段と;を備えることを特徴とする超音波スペクト
ラム顕微鏡。
【0016】本発明の実施例によれば、これら超音波ス
ペクトラム顕微鏡は、超音波センサの第2の送受波手段
の圧電素子の出力した電気信号に基づいて、その位相を
周波数の関数として示した位相スペクトラムを形成する
位相スペクトラム形成手段を更に備える。
【0017】上記高周波発振手段の発振する高周波信号
は、超音波センサの発すべき高周波超音波が広帯域パル
ス波となるように広帯域パルス信号であってもよく、或
いは超音波センサの発すべき高周波超音波がバースト波
となるように周波数を掃引しながら発せられるバースト
信号であってもよい。
【0018】また、上記超音波センサから送波された超
音波の被検体表面に対する入射領域が、被検体表面に沿
って2次元的に走査されるように、上記超音波センサと
被検体とのうちの少なくとも一方を他方に対して相対的
に、且つ機械的に移動させる走査手段を更に備えること
が好ましい。
【0019】
【作用】本発明の超音波センサによれば、の第1の送受
波手段の各圧電素子は、それぞれ独立に超音波を送受す
ることができる。従って、各圧電素子の送波または受波
の時刻に時間差を与えることにより、第1の送受波手段
で送受波される超音波の位相を特定の方向へ揃えること
ができる。
【0020】このような超音波センサを備えた本発明の
超音波スペクトラム顕微鏡によれば、上記の位相の制御
により、被検体に対する特定の入射角成分(または受波
角成分)に対応する反射波の強度が検出される。そし
て、この反射波強度を周波数の関数として示したスペク
トラム強度分布が形成される。
【0021】
【実施例】図1は本発明の一実施例に係る超音波スペク
トラム顕微鏡を概略的に示す。超音波スペクトラム顕微
鏡(Ultrasonic Micro Spectrometer;以下、UMSMと
略記す)は、超音波センサ1及びそれに接続された入出
力系と、XY方向に駆動可能なテーブル110とを備え
る。テーブル110には被検体20が載置されている。
ここでテーブル110の駆動方向XYに対し、その法線
方向をZ方向とするXYZ座標系を定義する。また、被
検体表面20aがなす面をxy平面、その法線方向をz
方向とするxyz座標系を定義する。但し、図1におい
ては、これらXYZ座標系とxyz座標系とは一致して
いるものとする。
【0022】このUMSMに用いられる本発明の超音波
センサ1は、平面トランスジューサ12と集束トランス
ジューサ14との対からなる送受独立型センサである。
【0023】平面トランスジューサ12は平面状の超音
波送受波面16を有し、集束トランスジューサ14は円
筒面状凹面の超音波送受波面18aを有する。
【0024】これらトランスジューサ12,14は、そ
の一方から被検体表面20a上の測定領域に送波された
超音波に対する反射波が他方で受波されるように配置さ
れる。
【0025】また、図2に示すように、平面トランスジ
ューサ12の平面16の法線N1 と被検体表面20aの
超音波入射点上における法線N2とは鋭角θ1 をなす。
これらトランスジューサ12,14は、何れも超音波の
送波側と受波側とを兼ねるが、図1では前者を送波側、
後者を受波側とした例を示している。
【0026】これらトランスジューサ12,14の超音
波送受波面16,18aと被検体20との間には超音波
伝播媒体としての水(図示せず)が介在されている。
【0027】平面トランスジューサ12は、特に図3に
示すように、圧電素子群22を有するアレイ形トランス
ジューサである。圧電素子群22は、例えば100本の
帯状の圧電素子24が互いに独立に圧電効果を生起する
ように、その長手方向で互いに平行にアレイ状に並べら
れてなる。この圧電素子24の長手方向は、被検体表面
20aに対して平行をなしている。
【0028】圧電素子群22を形成する複数の圧電素子
24は、複数の帯状の上部電極26と、一枚の平板状の
下部電極28との間に、一枚の平板状の圧電体30を挟
んでなる。上部電極26は例えばメッキで形成され、下
部電極28は例えば蒸着、メッキで形成される。
【0029】各素子24は、その長手方向長さが例えば
10mm、その幅、即ち上部電極26の幅が例えば80
μmである。隣接し合う二つの素子24間の中心間隔、
即ち各上部電極26間の中心間隔Δdは等間隔であり、
例えば100μmである。
【0030】圧電素子群22の下部電極28の下面には
遅延材32aが貼着され、この遅延材32aの下端には
上記平面16が形成されている。
【0031】一方、集束トランスジューサ14は、平板
状の単独の圧電素子40aを有し、この圧電素子40a
は、上下一対の平板状の電極42a,44aの間に一枚
の平板状の圧電体46aを挟んでなる。下部電極44a
の下面には遅延材32bが貼着され、この遅延材32b
の下端には上記円筒面18aが形成されている。この円
筒面16の集束半径は例えば10mmである。
【0032】尚、図示の例では、集束トランスジューサ
14の遅延材32bと平面トランスジューサ12の遅延
材32aとは、中間部遅延材32cを介して一体的に形
成されている。
【0033】各トランスジューサ12,14の電極2
6,28,42a,44aは例えば5000オングスト
ローム厚の金箔であり、圧電体30,40aは例えば3
0μm厚のP(VDF−TrFE)有機膜、遅延材32
a,32b,32cは例えば溶融石英である。
【0034】各トランスジューサ12,14の形状は図
示したものに限定されるものではない。例えば遅延材3
2a,32b,32cは必ずしも用いる必要はない。こ
こで遅延材32aを用いない場合、集束トランスジュー
サ14の円筒面16は、電極42a,44a及び圧電体
40aを円筒面状に湾曲させることにより形成できる。
但し、本実施例のように円筒面18aを採用する場合に
は、その曲率中心のなす直線が、平面トランスジューサ
14の各圧電素子24の長手方向(被検体表面20aに
対して平行)に対して平行をなす必要がある。
【0035】更に、平面トランスジューサ12の電極2
6と電極28との上下関係を逆にしてもよい。つまり、
平面16側に帯状の電極26を設けてもよい。この場
合、各トランスジューサ12,14の保持部材(図示せ
ず)または遅延材32a,32bを導電部材で形成する
ことにより、これらに電極の役割を兼ねさせることもで
きる。
【0036】また、各トランスジューサ12,14の水
に接する部分は、例えば膜厚1μmの不導体有機膜から
なる防水膜(図示せず)で被覆することが望ましい。
【0037】次に、UMSMにおける超音波センサ1の
入力系及び出力系について説明する。平面トランスジュ
ーサ12の各圧電素子24には、入力信号処理回路34
aの出力端が接続されている。この入力信号処理回路3
4aは、各圧電素子24に対応した遅延素子36aと、
これら遅延素子36aによる時間差を制御する制御部3
6bとを有する。また、この入力信号処理回路34aの
入力端には、パルサー38が接続されている。
【0038】パルサー38は、各帯状圧電素子24の駆
動電圧として例えば広帯域パルス信号を発生する。この
パルス信号は、入力信号処理回路34aで後述の時間差
を与えられた後、各帯状圧電素子24の一対の電極2
6,28間に印加される。これにより、各帯状圧電素子
24から遅延材32aへ平面波が発せられる。この平面
波は遅延材32aの下端の平面16から送波され、水を
介して被検体20の表面に入射する。この場合の入射角
は時間差の設定に応じて異なる。
【0039】集束トランスジューサ14には、アンプ5
0、オシロスコープ52、FFTアナライザ54、CR
T56が順に接続されている。
【0040】平面トランスジューサ12からの被検体2
0への入射波は、被検体20で反射して水を介して集束
トランスジューサ14の円筒面18aで受波され、電気
信号に変換される。この電気信号はアンプ50で増幅さ
れてオシロスコープ52へ与えられる。オシロスコープ
52は与えられた電気信号の時間波形を形成し、FFT
アナライザ54へ与える。FFTアナライザ54は与え
られた時間波形に高速フーリエ変換を施すことにより、
反射波の強度を周波数の関数として示したスペクトラム
強度分布を形成する。更に、反射波の位相を周波数の関
数として示したスペクトラム位相分布を形成してもよ
い。これら形成されたスペクトラム強度分布、スペクト
ラム位相分布はCRT56に表示される。
【0041】次に、上記のようなUMSMの動作につい
て説明する。図4乃至図6に示すように、平面トランス
ジューサ12の圧電素子群22のうちの連続的に並べら
れたN個の圧電素子24を考える。図示を簡単にするた
めに、圧電素子群22は遅延材32aを有していないも
のとする。
【0042】これら図4乃至図6図において、距離nの
位置に中線を持つ圧電素子24は符号En で示されてい
る。ここで距離nとは、後述の時間差τInを0とすべき
素子E0 の中線の位置を0として、この位置0から時間
差τInを与えるべき素子En の中線の位置までのアレイ
状配列方向に沿った距離である。図示の例では、説明を
簡単にするために、nは整数のみを採るものとする。
【0043】平面トランスジューサ12を機械的に傾動
させることなく、N個の素子En から発せられる超音波
の送波方向を変化させるには、N個の素子En から発せ
られる平行超音波の位相を平面16の法線N1に対して
傾いた方向へ偏向させて揃えればよい。例えば平行超音
波の位相を平面16の法線N1 に対してΔθをなす方向
に揃えると、平面16に対して非平行な平面波の波面W
f1(図4),Wf2( 図5)が形成される。このような波
面Wf1,Wf2は、N個の素子En が超音波を発する時刻
に時間差を与えることにより得られる。
【0044】この場合、各素子En から波面Wf1,Wf2
までの超音波伝播距離Ln は、 Ln =n・sin(Δθ) で与えられる。従って、超音波が距離Ln を伝播するの
に要する時間tLNは、 tLN=Ln /V={ n・sin(Δθ) }/V である。ここでVは超音波伝播媒体中の音速であり、本
実施例においては水中の音速Vw である。従って、波面
f1またはWf2を形成するために各素子En へのパルス
信号に与えるべき時間差τInは、
【0045】
【数1】
【0046】1で与えられる。
【0047】この[i] 式によれば、各素子En が超音波
を発する時刻は、時間差τInが小さい程に早くなる。即
ち、Δθ<0(図4)の場合には、τI1>τI2>……>
τN- 1 >τN であり、Δθ>0(図5)の場合には、τ
I1<τI2<……<τN-1 <τN である。
【0048】この時間差τn を入力信号処理回路34a
によってパルス信号に加えることにより、Δθの値に応
じた入射角θI にて被検体表面20aの測定領域へ超音
波を入射させることができる。この場合、Δθを零、即
ち全ての時間差を零に設定すると、図6に示すように平
面16の法線N1 方向に沿った成分の入射波、即ち平面
16に平行な波面W3 をなす入射角θI =θ1 の入射波
を形成することができる。更に、Δθの値を変化させる
ことにより、超音波センサ1自体を機械的に傾動させる
ことなく、入射角θI をθI =θ1 ±|Δθ|の範囲で
変化させることができる。これら入射角θI についての
反射波に基づいて、そのスペクトラム強度分布、スペク
トラム位相分布を測定できる。
【0049】但し、Δθの値により入射角θI を変化さ
せるには、次に説明するように圧電素子24間の中心間
隔Δdに起因する限界がある。図4に示すように、圧電
素子24間の中心間隔Δdは、平面16と超音波の偏向
方向とがなす角度θ0 と、波長λとの間に、 (λ/2)/sinθ0 =Δd ……(1-1) の関係がある。ここで波長λは、超音波伝播媒体中の音
速Vを超音波の周波数fで除したもの、即ちλ=V/f
であるから、(1-1) より、 sinθ0 =(λ/2)/Δd=(V/2)/(Δd・f) ……(1-2) を得る。従って、(1-2) 式を満足する角度θ0 が適用限
界である。
【0050】図7は本発明の第2実施例を概略的に示
す。この実施例におけるUMSMの送受独立型超音波セ
ンサ1は、アレイ型平面トランスジューサ12の構造に
ついては上記図1のセンサ1と同様である。但し、集束
トランスジューサ14の超音波送受波面は、線集束波を
発する円筒面18aに代えて、点集束波を発するよう
に、即ち高い空間分解能を得るように球面18bとされ
ている。これに伴い、集束トランスジューサ14の圧電
素子40b及びその電極42b,44b、圧電体46b
は、それぞれ円板状とされている。また、遅延材32d
は、下端に球面16bを有する円筒状とされている。平
面トランスジューサ12の遅延材32aと集束トランス
ジューサ14の遅延材32dとは、中間支持部32eに
より一体的に形成されている。
【0051】この第2実施例の測定例について説明す
る。この測定例では、被検体20として、42Ni−F
e合金の基板20bの表面に金の薄膜20cが形成され
たものを用い、微小領域の弾性表面波の分散曲線を測定
した。アレイ型平面トランスジューサ12の平面16の
法線N1 と被検体20の法線N2 とのなす角度は30°
に設定し、上記[i] 式に従う時間差を与え、入射角を2
5°から35°まで変化させた。この場合の強度スペク
トラムの変化を図8(A)に示す。尚、球面18bの直
径は5mmである。
【0052】一般に、強度スペクトラム分布上の強度極
小部の周波数(ディップ周波数)は、その周波数で弾性
表面波が励起していることを示す。そこで、図8(A)
におけるディップ周波数を入射角に対してプロットした
ところ図8(B)に示す結果を得た。図8(B)は弾性
表面波の分散曲線と称されるものであり、被検体の構造
や材質を特徴付けるために非常に有益なデータとして一
般に良く知られている。
【0053】この曲線を用いて微小測定点における金2
0cの膜厚を測定した。図8(B)において入射角30
°では100MHzにディップ周波数が出現している。
ここで被検体の膜厚dとディップ周波数fC との間には
次の関係があることが公知である。
【0054】d[ μm] =C/fC [ MHz] (但し、Cは超音波伝播媒体、基板、膜の材質によって
定まる定数であり、この測定例ではC=300)。
【0055】従って、微小測定点における金20cの膜
厚dは、d=300/100=3μmと求められた。
【0056】図9は本発明の第3実施例を概略的に示
す。にこの実施例におけるUMSMの送受独立型超音波
センサ1は、トランスジューサ12,14の構造につい
ては上記図1のセンサ1と同様である。但し、アレイ形
平面トランスジューサ12を受波側、上記集束トランス
ジューサ14を送波側に用いている。
【0057】図9において、集束トランスジューサ14
にはパルサー38が接続されている。一方、アレイ形平
面トランスジューサ12の各帯状圧電素子24には、そ
れぞれアンプ58、出力信号処理回路34bの遅延素子
36aが接続されている。更に出力信号処理回路34b
の出力側には、オシロスコープ52、FFTアナライザ
54、CRT56が順に接続されている。
【0058】パルサー38の発する広帯域パルス信号
は、圧電素子40aの上下一対の電極42a,44a間
に印加される。これにより、圧電素子40aから遅延材
32b中へ平面波超音波が発せられる。この平面波は遅
延材32bの下端の円筒面18aのレンズ作用により集
束波とされる。この集束波は、水を介して被検体表面2
0a上へ線集束して入射され、ここで反射される。
【0059】この反射波は、水を介してアレイ形平面ト
ランスジューサ12の平面16で受波され、各圧電素子
24により電気信号に変換される。この電気信号は、各
圧電素子24に対応するアンプ58へ出力され増幅され
る。
【0060】本実施例において、平面16に受波される
反射波は、多くの受波角θD で平面16に入射した平面
波の重ね合わせと見做すことができる。例えば図3乃至
図5を再び参照すると、平面16に受波される反射波
は、波面Wf1,Wf2,Wf3をなす反射波成分R1
2 ,R3 を含んでいる。ここで特定の反射角の成分に
ついての反射波出力のみを分離して採取するには、各ア
ンプ58の出力信号に対し時間差τDnを与えた後、これ
ら出力信号を合成すればよい。
【0061】この時間差τDnは、上記第1実施例のよう
にアレイ形平面トランスジューサ12を送波側とした場
合の時間差τIn([i]式)の符号を逆にしたものであ
り、
【0062】
【数2】
【0063】で与えられる。
【0064】各アンプ58の出力信号は、出力信号処理
回路34bの遅延素子36aへ与えられる。出力信号処
理回路34bは、制御部36bの制御により、各時間波
形に上記[ii]式で与えられる時間差τDnを与えた後、各
時間波形を合成し、この合成波形を出力する。
【0065】この合成波形は、上記[ii]式に明らかなよ
うに、各素子En が超音波を受波する時刻が、時間差τ
Dnが小さい程に早くなる場合の反射波波形に相当する。
【0066】即ち、Δθ<0(図3)の場合には、τI1
<τI2<……<τN-1 <τN であり、Δθ>0(図4)
の場合には、τI1>τI2>……>τN-1 >τN である。
【0067】従って、Δθの値に応じた受波角θD につ
いての反射波出力を形成でき、この受波角θD について
の反射波に基づいて、上記図1の例と同様にオシロスコ
ープ52、FFTアナライザ54を経てスペクトラム強
度分布、スペクトラム位相分布が形成され、CRT56
に表示される。また、[ii]式による演算上でΔθの値を
変化させることにより、超音波センサ1自体を機械的に
傾動させることなく、受波角θD をθD =θ1 ±|Δθ
|の範囲で変化させることができる。更に、受波角θD
が入射角θI に対称になるように設定することにより、
入射角依存性を持つ特性の測定を実行できる。
【0068】この第3実施例におけるアレイ形平面トラ
ンスジューサ12の出力側の構成は、図10に示す構成
に代えてもよい。この例では、パルサー38から集束ト
ランスジューサ14へパルス信号が発振されるごとに、
パルサー38からスイッチ51へトリガー信号が与えら
れる。このトリガー信号により、スイッチ51は各圧電
素子24の出力波形を順次にアンプ53に切り換える。
このアンプ53で増幅された各圧電素子24の出力波形
から、デジタルオシロスコープ55にて各素子24の出
力波形の時間波形が形成され、波形記憶器57に記憶さ
れる。この記憶された波形は、意図した反射波成分につ
いての波形が得られるように、演算器59にて時間差τ
Dnが与えられて合成される。この合成波形に基づいて、
演算器59はスペクトラム強度分布、スペクトラム位相
分布を形成し、これらがCRT56に表示される。この
図10のようなアレイ形平面トランスジューサ12の出
力側の構成は図9の構成に比べて単純化できる。
【0069】また、この図10の構成では、パルス信号
を繰り返し発振しながらスイッチ51の切り換えにより
波形を採取しているが、ディジタルオシロスコープ等の
波形採取装置を素子24の数と同数台配置して、各素子
24からの波形を一度に採取する構成としてもよい。
【0070】尚、この第3実施例においても、上記(1-
2) 式を満足する角度θ0 が適用限界である。
【0071】上記の第3実施例によるUMSMを用いた
一測定例について説明する。この測定例では、被検体2
0として溶融石英を用い、入射角θI が20°から40
a°までの範囲における溶融石英の入射角依存性を測定
し、更に溶融石英の位相速度を測定した。
【0072】この測定例における測定条件は、以下の通
りである。平面16の法線N1 と被検体表面20aの法
線N2 とがなす角度θ1 :30° 超音波伝播媒体:水(水中の音速VW =1500m/s
ec) 時間差τDn:下式
【0073】
【数3】
【0074】この測定例においては、角度θ1 =30°
であるから、20°から40°までの範囲の入射角θI
に対称な受波角θD を得るために、上記[iii] 式中のΔ
θは、−10°から10°まで範囲で1度づつ変化させ
た。
【0075】例えばΔθ=−10°のときに、互いに隣
接する二つの素子24間における時間差τD は、上記[i
ii] 式をnで除することにより、
【0076】
【数4】
【0077】である。よって、Δθ=−10°の場合に
は、互いに隣接する二つの素子24間に、−0.011
7μmの時間差を与えた。
【0078】上記の条件で溶融石英についてのスペクト
ラム位相分布を形成し、周波数20MHz成分の位相の
変化を入射角θI ( =θD =θ1 +Δθ)に対してプロ
ットしたところ、図11に示す入射角−位相特性を得
た。
【0079】この図11に明らかなように、入射角23
°にて位相が回転していることが解る。これは、弾性表
面波であるレーリー波が入射角23度で励起されたこと
を示す。その結果、溶融石英の位相速度VP は、スネル
の法則により、 VP =1500/sin(23) =3846[m/sec] と求められた。
【0080】上記各実施例における平面トランスジュー
サ12の平面16は、その任意の方向の幅Lが、下式、 L≧(1/sin β)・(V/ω) ……(2-1) (但し、Vは超音波伝播媒質中の音速度であって、上記
各実施例においては水中の音速度VW 、ωは超音波セン
サーの送波する超音波の時間周波数、または周波数分布
の周波数の最小値、βは超音波センサの入射角選択能力
を表す値)を満足することが望ましい。
【0081】これについて第1実施例における超音波セ
ンサ1(図1)を用いて説明する。図12において、被
検体表面20aによって定義される平面トランスジュー
サ12の入射角θは、平面トランスジューサ12の法線
1 と被検体表面20aの法線N2 とがなす角度であ
る。この図13に示すように、平面トランスジューサ1
2に受波されるべき超音波に、この入射角θから角度α
だけずれている入射角成分が生じているとする。この場
合の超音波センサ1の反射波出力は、図13及び図14
に示すようになることが知られている。
【0082】α=0の場合は、平面トランスジューサ1
2に垂直に超音波が入射する場合に相当する。幅Lが大
きい場合、超音波センサ1の出力は、αが小さくても急
激に減少し、一般にα=βの角度で出力が極小となる。
ここでβは、次式を満たすことが図15より明らかであ
る。 β=Sin -1(λ/L) ……(2-2) ここでλは超音波の波長であり、λ=V/ω、即ち上記
各実施例においてはλ=VW /ωである。
【0083】この(2-2) 式で求められる角度βだけ入射
角θからずれた超音波の入射角成分は、平面トランスジ
ューサ12の幅L全体に亘る位相干渉により極小とな
る。即ち、βは、θ±βの範囲の超音波の入射角成分の
みを超音波センサ1が大きな強度を持って出力し得るこ
とを示すパラメータである。ここでβを入射角度選択能
力と定義すると、入射角度選択能力βを有する平面トラ
ンスジューサ12の幅Lは、(2-2) 式を変形することに
より、(2-1) 式で与えられる。ここで説明した超音波セ
ンサーの出力特性及び(2-1) 式は、平面トランスジュー
サ12を送波側に用いても、或いは一対のトランスジュ
ーサ12,14の一方または双方の遅延材32a,32
bの有無に拘らずに成立することが確認されている。
【0084】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば
アレイ型平面トランスジューサ12の圧電素子群22に
おいては、必ずしも全ての圧電素子24に遅延時間を与
える必要はない。例えば被検体表面20a上の極めて微
小な領域を走査する場合には、その領域から充分に離れ
た圧電素子24には遅延時間を与える必要はない。
【0085】一方、集束トランスジューサ14の圧電素
子40は必ずしも1個とする必要はない。例えば送受波
面18の面積が比較的に広い場合には、圧電素子40を
複数個に分割し、被検体表面20a上の超音波入射領域
に対応する個所の圧電素子のみを駆動させるようにして
もよい。
【0086】また、スペクトラム強度分布やスペクトラ
ム位相分布の形成には、FFTアナライザ54や演算器
59に代えて、スペクトラム解析に一般に使用される各
種測定機器を用いてもよい。例えば、パルサー38の発
する信号がバースト信号である場合には、FFTアナラ
イザ54に代えて、スペクトラムアナライザとトラッキ
ングジェネレータを組み合わせた測定機器を用いてもよ
い。
【0087】このように特定周波数のバースト信号を用
いて測定を実行する場合は、周波数の掃引を必要とする
ために、パルス信号を用いた場合よりも多くの回数の超
音波送波が必要である。しかし、超音波センサ1の機械
的な入射角変更調整を必要としないために、従来技術に
比して高速な測定が可能である。
【0088】更に発明の超音波センサは、上記実施例に
おける構成のUMSMに限ることなく、超音波スペクト
ロスコピーを実行するための装置のセンサとして利用で
きる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように本発明の超音波セン
サ及びそれを用いた超音波スペクトラム顕微鏡によれ
ば、超音波センサの機械的な傾動を伴わずに多くの異な
る入射角についての反射波強度を得ることができ、短時
間若しくは超音波を一回送波するのみで多数の入射角に
ついての測定を実行できる。従って測定に要する時間が
大幅に短縮され、高速な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る超音波センサ及びそ
れを用いた超音波スペクトラム顕微鏡を模式的に示す図
であって、アレイ型平面トランスジューサを送波側に、
円筒トランスジューサを受波側に用いた概念図である。
【図2】図1における超音波センサのアレイ型平面トラ
ンスジューサと円筒トランスジューサとの配置関係を示
す説明図である。
【図3】図1におけるアレイ型平面トランスジューサを
示す斜視図である。
【図4】Δθ<0の場合の入力信号処理回路または出力
信号処理回路によるアレイ型平面トランスジューサの超
音波の送受を説明するための説明図である。
【図5】Δθ>0の場合の入力信号処理回路または出力
信号処理回路によるアレイ型平面トランスジューサの超
音波の送受を説明するための説明図である。
【図6】Δθ=0の場合の入力信号処理回路または出力
信号処理回路によるアレイ型平面トランスジューサの超
音波の送受を説明するための説明図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る超音波センサ及びそ
れを用いた超音波スペクトラム顕微鏡を模式的に示す図
であって、アレイ型平面トランスジューサを送波側に、
球面トランスジューサを受波側に用いた概念図である。
【図8】図7の超音波スペクトラム顕微鏡による膜厚測
定例を示す図であつて、(A),(B)を含み、(A)
はスペクトラム強度分布を示す線図、(B)は入射角と
ディップ周波数との関係を示す線図である。
【図9】本発明の第3実施例に係る超音波センサ及びそ
れを用いた超音波スペクトラム顕微鏡を模式的に示す図
であって、円筒トランスジューサを送波側に、アレイ型
平面トランスジューサを受波側に用いた概念図である。
【図10】図9における超音波センサの出力側の回路構
成例を示すブロック図である。
【図11】図9の超音波スペクトラム顕微鏡による位相
速度の測定例を示す図であつて、入射角と位相との関係
を示す線図である。
【図12】本発明の超音波センサの平面トランスジュー
サの長手方向幅と入射角成分との関係を示す説明図であ
る。
【図13】図12における入射角成分に対する超音波セ
ンサの出力特性を示す線図である。
【図14】図10における入射角成分に対する超音波セ
ンサの出力特性を示す線図である。
【図15】本発明の超音波センサの入射角選択能力を説
明するための説明図である。
【符号の説明】
1…超音波センサ、12…アレイ型平面トランスジュー
サ(第1の送受波手段)、14…集束トランスジューサ
(第2の送受波手段)、16…平面状送受波面、18a
…円筒面状送受波面、18b…球面状送受波面、20…
被検体、20a…被検体表面、22…圧電素子群、2
4,40a,40b…圧電素子、26,28,42a,
42b,44a,44b…電極、30,46b…圧電
体、32a,32b,32c,32d,32e…遅延
材、34a…入力信号処理回路(位相制御手段)、34
b…出力信号処理回路(出力信号処理手段)、38…パ
ルサー(高周波発振手段)、54…FFT(強度スペク
トラム形成手段、位相スペクトラム形成手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 29/24 502 6928−2J

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1と第2の送受波手段を備え、その一
    方が送波側として用いられ、高周波信号が印加されるこ
    とにより被検体表面へ高周波超音波を送波し、他方が受
    波側として用いられ、被検体からの反射超音波を受波
    し、この反射超音波の強度に対応した電気的な出力信号
    を出力する送受独立型の超音波センサであって;第1の
    送受波手段は、複数の超音波圧電素子が、その各々が互
    いに独立して圧電効果を生起するように、等間隔にアレ
    イ状に配列されてなる圧電素子群を有すると共に、この
    圧電素子群が発すべき高周波超音波を平面波とするよう
    に平面状の送受波面を有し;第2の送受波手段は、超音
    波圧電素子を有し、且つこの超音波圧電素子が発すべき
    高周波超音波を収束波とするように凹面状の送受波面を
    有する;ことを特徴とする超音波センサ。
  2. 【請求項2】 第1の送受波手段の各圧電素子が、一対
    の電極の間に圧電体を挟んでなり、その圧電体面が平面
    状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の超
    音波センサ。
  3. 【請求項3】 第1の送受波手段の各圧電素子の一対の
    電極のうちの何れか一方の電極をなす部材と、圧電体を
    なす部材とのうちの少なくとも何れかの部材が、複数の
    圧電素子について一体的に形成されていることを特徴と
    する請求項2記載の超音波センサ。
  4. 【請求項4】 第1の送受波手段の圧電素子群が、上記
    平面状送受波面を形成された遅延材を有することを特徴
    とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の超音波セン
    サ。
  5. 【請求項5】 第1の送受波手段の圧電素子群が配置さ
    れるべき面の任意の方向における長さLが、下式、 L≧(1/sin β)・(V/ω) (但し、Vは第1の送受波手段と被検体との間に満たさ
    れる超音波伝播媒体における音速、ωは超音波センサの
    送波する超音波の時間周波数、または超音波センサに受
    波された反射超音波についてのスペクトラム強度分布上
    の強度極小部の周波数、βは超音波センサの入射角選択
    能力を表す値であって、第2の送受波手段の平面状送受
    波面の法線と被検体表面の法線とがなす角度をθとした
    ときに、第2の送受波手段が受波する超音波の入射角成
    分がθ±βの範囲のみであることを示す値)を満足する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の
    超音波センサ。
  6. 【請求項6】 第2の送受波手段の圧電素子が、一対の
    電極の間に圧電体を挟んでなり、その圧電体面が平面状
    に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何
    れか1項に記載の超音波センサ。
  7. 【請求項7】 第2の送受波手段の圧電素子が、一対の
    電極の間に圧電体を挟んでなり、その圧電体面が凹面状
    に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何
    れか1項に記載の超音波センサ。
  8. 【請求項8】 第2の送受波手段の圧電素子が、上記凹
    面状送受波面を形成された遅延材を有することを特徴と
    する請求項1乃至7の何れか1項に記載の超音波セン
    サ。
  9. 【請求項9】 第2の送受波手段の上記凹面状送受波面
    が球面であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか
    1項に記載の超音波センサ。
  10. 【請求項10】 第2の送受波手段の上記凹面状送受波
    面が円筒面であることを特徴とする請求項1乃至8の何
    れか1項に記載の超音波センサ。
  11. 【請求項11】 第1の送受波手段の上記圧電素子群の
    少なくとも一部をなす任意の整数N個の隣接する圧電素
    子から送波される超音波の位相が、超音波の伝播する空
    間を上記アレイ状配列方向に沿って断面して見て、上記
    平面状送受波面の法線方向に対して角度Δθをなす方向
    へ揃うように、上記N個の隣接する圧電素子に上記高周
    波信号が印加される時刻に時間差を与えて超音波の位相
    を制御する位相制御手段を更に備えることを特徴とする
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の超音波センサ。
  12. 【請求項12】 第1の送受波手段の上記圧電素子群の
    少なくとも一部をなす任意の整数N個の隣接する圧電素
    子の出力信号に基づいて、超音波の伝播する空間を上記
    アレイ状配列方向に沿って断面して見て、上記平面状送
    受波面の法線方向に対して角度Δθをなす方向へ位相が
    揃って受波された反射波に対応する出力信号が形成され
    るように、上記N個の隣接する圧電素子の出力信号に時
    間差を与えて合成する出力信号処理手段を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の
    超音波センサ。
  13. 【請求項13】 被検体の表面上の微小な測定領域に対
    し、高周波超音波をその位相制御により可変とされた入
    射角にて入射させ、その入射角に対応する反射波の強度
    を周波数の関数として示した強度スペクトラムを形成す
    る超音波スペクトラム顕微鏡であって;第1の送受波手
    段から送波されるべき高周波超音波が測定領域に入射さ
    れるように、且つ測定領域からの反射波が第2の送受波
    手段で受波されるように配置される請求項1乃至10の
    何れか1項に記載の超音波センサと;この超音波センサ
    の第1の送受波手段の圧電素子群に印加させるべき高周
    波信号としての入力信号を発振する高周波発振手段と;
    第1の送受波手段の上記圧電素子群の少なくとも一部を
    なす任意の整数N個の隣接する圧電素子から送波される
    超音波の位相が、超音波の伝播する空間を上記アレイ状
    配列方向に沿って断面して見て、上記平面状送受波面の
    法線方向に対して角度Δθをなす方向へ揃うように、上
    記N個の隣接する圧電素子に上記高周波信号が印加され
    る時刻に時間差を与えて超音波の位相を制御する位相制
    御手段と;超音波センサの第2の送受波手段の圧電素子
    の出力した電気信号に基づいて、その強度スペクトラム
    を形成する強度スペクトラム形成手段と;を備えること
    を特徴とする超音波スペクトラム顕微鏡。
  14. 【請求項14】 被検体の表面上の微小な測定領域に対
    し、集束性高周波超音波を入射させ、その入射波に対す
    る反射波を受波し、この反射波に含まれる特定の受波角
    成分についての強度を周波数の関数として示した強度ス
    ペクトラムを形成する超音波スペクトラム顕微鏡であっ
    て;第2の送受波手段から送波されるべき高周波超音波
    が測定領域に入射されるように、且つ測定領域からの反
    射波が第1の送受波手段で受波されるように配置される
    請求項1乃至10の何れか1項に記載の超音波センサ
    と;高周波信号を発振し、この高周波信号を超音波セン
    サの第2の送受波手段の圧電素子に印加させる高周波発
    振手段と;第1の送受波手段の上記圧電素子群の少なく
    とも一部をなす任意の整数N個の隣接する圧電素子の出
    力信号に基づいて、超音波の伝播する空間を上記アレイ
    状配列方向に沿って断面して見て、上記平面状送受波面
    の法線方向に対して角度Δθをなす方向へ位相が揃って
    受波された反射波に対応する出力信号が形成されるよう
    に、上記N個の隣接する圧電素子の出力信号に時間差を
    与えて合成する出力信号処理手段と;上記特定の受波角
    成分に対応する電気信号に基づいて、その強度スペクト
    ラムを形成する強度スペクトラム形成手段と;を備える
    ことを特徴とする超音波スペクトラム顕微鏡。
  15. 【請求項15】 超音波センサの第2の送受波手段の圧
    電素子の出力した電気信号に基づいて、その位相を周波
    数の関数として示した位相スペクトラムを形成する位相
    スペクトラム形成手段を更に備えることを特徴とする請
    求項13または14記載の超音波スペクトラム顕微鏡。
  16. 【請求項16】 超音波センサの発すべき高周波超音波
    が広帯域パルス波となるように、上記高周波発振手段の
    発振する高周波信号が広帯域パルス信号であることを特
    徴とする請求項13乃至15の何れか1項に記載の超音
    波スペクトラム顕微鏡。
  17. 【請求項17】 超音波センサの発すべき高周波超音波
    がバースト波となるように、上記高周波発振手段の発振
    する高周波信号が周波数を掃引しながら発せられるバー
    スト信号であることを特徴とする請求項13乃至15の
    何れか1項に記載の超音波スペクトラム顕微鏡。
  18. 【請求項18】 上記超音波センサから送波された超音
    波の被検体表面に対する入射領域が、被検体表面に沿っ
    て2次元的に走査されるように、上記超音波センサと被
    検体とのうちの少なくとも一方を他方に対して相対的
    に、且つ機械的に移動させる走査手段を更に備えること
    を特徴とする請求項13乃至17の何れか1項に記載の
    超音波スペクトラム顕微鏡。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110467022A (zh) * 2018-05-11 2019-11-19 精工爱普生株式会社 重叠进纸检测装置、重叠进纸检测方法以及电子设备
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