JPH05107244A - スポツト溶接試験方法 - Google Patents

スポツト溶接試験方法

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JPH05107244A
JPH05107244A JP3293583A JP29358391A JPH05107244A JP H05107244 A JPH05107244 A JP H05107244A JP 3293583 A JP3293583 A JP 3293583A JP 29358391 A JP29358391 A JP 29358391A JP H05107244 A JPH05107244 A JP H05107244A
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雅隆 井上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数種類のスポット溶接試験を行うに際し、
客先毎に打点(溶接)手順、溶接条件等の試験仕様が異
なっている場合でも、全ての溶接作業を自動化すること
を可能とする。 【構成】 ナゲット径評価A、引張剪断荷重評価B、連
続打点評価Cの各溶接試験について、試験板の鋼種等が
異なる4種類の溶接動作ステップを設定し、これら溶接
動作ステップにA1〜A4>B1〜B4>C1〜C4の
優先順位を付した標準溶接動作パターンを設定し、該標
準溶接動作パターンを基本として、試験仕様に対応す
る、溶接試験と溶接順序とを組合せて基本打点手順を設
定し、基本打点手順を組合せて実打点手順を構成し、実
打点手順に対して試験仕様で要求される溶接条件を組合
せて客先毎の溶接プログラムを作成し、該プログラムに
従って溶接試験を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スポット溶接試験方
法、特に試験板を重ねた状態で溶接して試験片を作成す
る際に、溶接仕様が異なる複数種類の試験片を連続的に
作成する作業に適用して好適な、スポット溶接試験方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や家電製品等には種々の鋼板が使
用され、これら鋼板を抵抗溶接で接続することが行われ
ている。鋼板同士を抵抗溶接する場合、その溶接性が鋼
板の鋼種、厚さ、表面状態等により大きく異なる。特
に、最近では防錆の観点から各種の表面処理鋼板の使用
が増加し、これに伴い各メーカーの製造工程において、
抵抗溶接性が大きな問題となっている。
【0003】従って、鋼板メーカーはもとより、自動車
メーカーや家電製品メーカー等では使用する鋼板につい
て事前にラボ溶接機で実ラインの溶接パターンに準じた
溶接シュミレーション試験を行い、溶接強度等の品質確
性試験をチェックする必要がある。
【0004】鋼板に対する溶接試験の評価としては、重
ねた鋼板(試験板)をスポット溶接して試験片(溶接後
の試験板)を作成し、その試験片について溶接された鋼
板を溶接面(接合面)に対して、互いに反対方向に引き
剥がし、その際に生じるナゲット径を測定するナゲット
径評価や、溶接された試験板を溶接面に沿って互いに反
対方向に引張って剪断力を測定する引張剪断荷重評価、
所定のピッチで複数箇所にスポット溶接を連続的に行う
連続打点評価等がある。
【0005】これら溶接試験については、JIS(日本
工業規格)に規定されており、評価方法にも一定の制約
がある。
【0006】例えば、スポット溶接継手の引張剪断試験
方法がZ3136に、スポット溶接継手の疲れ試験方法
がZ3138に、スポット溶接継手の断面試験方法がZ
3139に、スポット溶接部の検査方法がZ3140に
それぞれ規定されている。
【0007】従って、溶接試験のためには、JISの規
定を考慮すると共に、各メーカーの要望に応じて、それ
ぞれの溶接試験評価に適した大きさや形状の試験片を所
定の溶接条件の下で作成しなければならない。
【0008】一方、自動車等に使用される鋼板には、前
述の如く、多くの種類があり、又、溶接する鋼板の組合
せにも同種鋼板同士を初め異種鋼板同士もあるため、大
きさ等が異なる試験板に対して多数の溶接試験を行うこ
とが必要となる。
【0009】このように、大きさ、形状等が異なる試験
板について、しかも各メーカ等のそれぞれ異なる溶接仕
様に従って多数の溶接試験を行うためには、溶接試験作
業を短時間で効率良く行うことが重要であり、そのため
にスポット溶接試験を自動化することが望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如く、溶接試験には、ナゲット径評価、引張剪断荷重評
価、連続打点評価等のそれぞれ形状や大きさが異なる試
験板を使用する複数の種類があり、しかも各種類毎に使
用する試験板の鋼種や板厚が異なる場合もあり、その上
にメーカー毎に打点(溶接)手順や溶接条件等の試験仕
様も異なっているため、全てのスポット溶接試験作業を
自動化することが難しく、手作業や一部自動化で行って
いるのが実状である。
【0011】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、複数種類のスポット溶接試験を行う
に際し、自動車メーカー等の客先毎に打点(溶接)手
順、溶接条件等の試験仕様が異なっている場合でも、全
てのスポット溶接作業を自動化することができる、スポ
ット溶接試験方法を提供することを課題とする。
【0012】なお、特公昭60−35235には、2枚
以上の鋼板を重ねて装着したカセットを保持するカセッ
トホルダーと、対の溶接電極が解放中に静止溶接電極側
から該ホルダーをハネ上げるハネ上げ装置と、該ホルダ
ーをハネ上げたままY方向及びX方向に各々単独に自動
移送装置とを備えた自動連続打点溶接試験装置が開示さ
れているが、この公報に開示されている技術によっては
前記課題を達成することはできない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数種類のス
ポット溶接試験を連続的に行うに際し、溶接試験の種類
とその溶接手順との組合せからなる複数の基本打点手順
を設定し、基本打点手順の1又は2以上を組合せて試験
仕様に対応する実打点手順を構成し、実打点手順と試験
仕様で求められる溶接条件とを組合せて順次溶接試験を
行うことにより、前記課題を達成したものである。
【0014】本発明は、又、前記スポット溶接試験方法
において、スポット溶接試験が、ナゲット径評価用、引
張剪断荷重評価用及び連続打点評価用の各溶接試験であ
る場合、ナゲット径評価用溶接試験、引張剪断荷重評価
用溶接試験、連続打点評価用試験の順に配列された溶接
動作ステップからなる標準溶接動作パターンを設定し、
該標準溶接動作パターンを基本とし、溶接動作ステップ
を選択して前記基本打点手順を構成することにより、同
様に前記課題を達成したものである。
【0015】本発明は、更に、前記スポット溶接試験方
法において、ナゲット径評価用溶接試験、引張剪断荷重
評価用溶接試験及び連続打点評価用溶接試験それぞれに
1又は2以上の溶接動作ステップが含まれることによ
り、同様に前記課題を達成したものである。
【0016】
【作用】本発明者等は種々検討した結果、例えば図1の
フローチャートに従って溶接試験プログラムを作成する
と共に、そのプログラムをスポット溶接試験方法に適用
することにより、複数種類のスポット溶接試験につい
て、メーカ等の客先毎に打点手順、溶接条件等の試験仕
様が異なっている場合でも、全てのスポット溶接試験作
業を自動化することができることを知見した。
【0017】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
のであり、ナゲット径評価用溶接試験A、引張剪断荷重
評価用溶接試験B、連続打点評価用溶接試験Cについ
て、それぞれ鋼種や板厚が異なる試験板を溶接する4種
類のA1〜A4、B1〜B4、C1〜C4からなる溶接
試験動作ステップを設定し、溶接試験動作ステップにつ
いてA1→A2→A3→A4→B1→B2→B3→B4
→C1→C2→C3→C4の順序からなる標準溶接動作
パターンを設定する。
【0018】この標準溶接動作パターンにおける動作ス
テップの優先順位を基本として、要求される試験仕様に
溶接の基本動作として含まれる、溶接試験の種類とその
溶接順序との組合せからなる複数の基本打点手順を設定
する。
【0019】この該基本打点手順単独又はその2つ以上
を組合せて実際の試験仕様に対応する溶接手順からなる
実打点手順を構成し、この実打点手順に対して該実打点
手順を構成する基本打点手順毎に試験仕様で要求される
溶接条件とを組合せることにより、客先毎の実際の溶接
試験プログラムを作成する。
【0020】その後、このプログラムに従ってスポット
溶接試験を実行することにより、全ての客先について溶
接試験を自動化することが可能となり、複数種類の溶接
試験について、客先毎に打点手順、溶接条件等の試験仕
様が異なる場合でも、溶接試験を連続的に行うことが可
能となる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0022】本実施例は、ナゲット径評価、引張剪断荷
重評価、及び連続打点評価の3種類のスポット溶接試験
を客先の試験仕様に基づいて連続的に行う場合の例であ
る。なお、連続打点評価は、JISに規定されている電
極のドレッシング規制を満たすためのブランク溶接試験
である。
【0023】自動車メーカ等の客先の溶接仕様は、その
数例を図2、図3に示すように、溶接試験の種類と、打
点(溶接)手順からなる60種類の打点要領に分類する
ことができた。
【0024】図中、Aはナゲット評価用、Bは引張剪断
荷重評価用、Cは連続打点評価用の各試験板を示し、そ
れぞれの添字1〜4は、同一試験でも鋼種の組合せや板
厚がそれぞれ異なる試験板について溶接試験を行うこと
を示している。又、ナゲット評価用の試験板の上方に示
した数字、例えば3は同一種の試験板を3回繰返して3
つの試験片を作成することを示す。引張剪断荷重評価用
の試験板の上方に付したT=2は同一種の試験板を2回
繰返して2つの試験片を作成することを示す。連続打点
評価用の試験板の上方に付した、例えば8連打は同一の
試験板に対して8点の連続スポット溶接を実行すること
を意味する。又、サンプリングの欄に記載した“カウン
ト外”は、一定打点毎にサンプリングする場合に、溶接
試験A及びBについてはその打点数をカウント数に含め
ないことを示し、“カウント内”は、逆にカウント数に
含めることを示す。
【0025】上述した60種類の打点要領について、更
に検討した結果、サンプリングの要領は同じ溶接手順の
パターンを繰返していることが多いことがわかり、各客
先毎に条件が共通する点、共用できる点が明らかとなっ
た。これを要約して表1に示す。表中、ピールはナゲッ
ト径評価用、引張は引張剪断荷重評価用、連打は連続打
点評価用の各溶接試験を示し、それぞれが1〜4の4種
類の鋼種や板厚の異なる組合せが可能であることを示し
ている。現状では、各溶接試験の組合せは4種類で上記
60種類の打点要領に対応できるが、これに限るもので
なく、更に数を増やしてもよい。
【0026】
【表1】
【0027】上記表1に要約した共通点に対して、試験
頻度、サンプリングのタイミング等を考慮して、表2の
制約条件を適用することにより、図4に示す順序の溶接
試験ステップからなる標準溶接動作パターンを取り決め
た。
【0028】
【表2】
【0029】次いで、上記標準溶接動作パターンを基本
として、実際の試験仕様に即した基本打点手順を設定す
る。この基本打点手順の設定は、標準溶接動作パターン
の中から必要な溶接ステップを選択すると共に、各ステ
ップの繰り返し回数を加味することにより行う。このよ
うに設定した基本打点手順の例を図5に示す。
【0030】図5(A)、(B)、(C)は、前記図
2、図3に示したa 社(2)、a 社(3)、b 社(2)
の、各打点要領に対応している。ここで、図5(A)、
(B)及び(C)に示したものを、それぞれ基本打点手
順1、基本打点手順2及び基本打点手順3とする。
【0031】上記のような基本打点手順を、多くの客先
の実際の試験仕様から求めた打点要領に基づいて、図6
に示すように、50種類作成した。
【0032】上記50種類の基本打点手順を単位とし
て、あるいは同種又は異種の基本打点手順を組合せるこ
とにより、各客先毎の実際の溶接手順パターンである実
打点手順を構成する。
【0033】例えば、a 社(2)の打点要領で2000
打点の場合の溶接試験を行う実打点手順は、基本打点手
順1のみの組合せで、 a 社(2)の実打点手順=基本打点手順(1+1+1+
1+1) となり、b 社(2)の打点要領で5100打点の場合の
実打点手順は、基本打点手順2と3の組合せで、 b 社(2)の実打点手順=基本打点手順(2+2+3+
3+3+3+3) のように構成することができる。
【0034】全ての客先の試験仕様に対応する実打点手
順を作成した後、各実打点手順に対してその構成要素で
ある基本打点手順毎にそれぞれ対応する溶接条件を組合
せることにより、実際の溶接試験プログラムを作成す
る。
【0035】この溶接条件には、図7の溶接シーケンス
タイマーに示したように、溶接電流、溶接電極間の加圧
力、スクイズ時間TS 、ウェルド時間TW 、ホールド時
間T H +オフ時間TO 等があり、これら溶接条件は、鋼
種、板厚及び各社のライン状況等によってそれぞれ異な
るものである。又、連続打点評価の場合は、打点(スポ
ット溶接)数、打点間隔、打点ピッチ等も溶接条件とな
る。
【0036】図3に示したb 社(2)の打点要領の場合
の実際のプログラムを図8に示す。上述した如く、メー
カー等の各客先から要求される実際の試験仕様に対応す
る実打点手順と、その溶接条件とを組合せた溶接試験プ
ログラムを作成した後、そのプログラムに従って溶接試
験を実行することにより、前記図2、図3に一部例示し
たような60種類もの多くの打点要領からなるスポット
溶接試験を自動的に且つ連続的に実行することが可能と
なる。
【0037】次に、図9を参照して本実施例のスポット
溶接試験方法に適用して好適な溶接試験装置について説
明する。
【0038】上記溶接試験装置は、図中10で示す溶接
試験室の中央に設置された、旋回動作等の所定の動作が
可能な、本実施例の溶接試験用ロボット12を備えてい
る。このロボット12はアーム12Aと、その先端に接
続されたロボットハンド12Bとを備えており、該ハン
ド12Bが二点鎖線で示す軌道Tの可動範囲内で各配設
ポジションへの旋回動作が可能となっている。
【0039】又、上記溶接試験装置は、試験板を重ねた
状態で供給するための3つの供給装置(試験板供給手
段)14、16、18と、重ねた状態の試験板をスポッ
ト溶接して試験片を作成するためのスポット溶接機(溶
接手段)20と、上記試験片に識別記号を印字するため
のスタンプ(印字手段)22と、印字後の上記試験片を
次工程へ排出するためのシュータ(排出手段)24とを
備えている。
【0040】これら3つの供給装置14、16、18、
スポット溶接機20、スタンプ22及びシュータ24
は、上記ロボット12が旋回する際にそのハンド12B
が描くことができる上記旋回軌道に沿って配設されてい
る。
【0041】上記溶接試験装置では、ロボット12が旋
回する方向の一方(下流側)の端にシュータ24が設置
され、該シュータ24の直前には作成された試験片に対
して所定の識別記号を印字するためのスタンプ22が設
置されている。なお、上記シュータ24から排出される
試験片は、試験室10の外側に配置されたバッグ26に
収納されるようになっている。
【0042】又、上述した供給装置14、16、18、
溶接機20、スタンプ22及びシュータ24のそれぞれ
には、所定位置に試験板(又は試験片)が運ばれてきた
ことを検出するための検出スイッチ(図示せず)が設け
られている。
【0043】更に、上記試験室10の外側には、格納さ
れているプログラムに従ってロボット12及び溶接機2
0等の基本的動作を制御するためのロボット制御盤2
8、ロボット12に対して手順等の具体的な作業内容を
指令するコンピュータ30、及び指令した作業内容等を
印刷するプリンタ32がそれぞれ配置されている。
【0044】前記供給装置14、16、18には、それ
ぞれ異なる溶接試験用の試験板、即ち、溶接して作成し
た試験片に対する評価方法が異なる試験板が収容されて
いる。本実施例では、供給装置14には、ナゲット径評
価用の試験板(以下、ワークAともいう)、供給装置1
6には引張剪断評価用の試験板(以下、ワークBともい
う)、供給装置18には連続スポット溶接打点用の試験
板(以下、ワークCともいう)がそれぞれ収容されてい
る。
【0045】又、上記各供給装置14、16、18は、
それぞれ4つのストッカa 〜d で構成されており、これ
らa 〜d のストッカには鋼種の組合せ等の違いにより4
種類に分類された試験板が収容されるようになってい
る。即ち、例えば供給装置14を構成する4つのストッ
カa 〜dには、幅、長さは実質的に同一であるが、鋼種
の組合せや厚さが異なる4種類のワークA1〜4Aがそ
れぞれ収容されるようになっている。又、同様に供給装
置16、18もそれぞれ4つのストッカa 〜d で構成さ
れているため、それぞれ4種類のワークB1〜B4及び
ワークC1〜C4が収容可能となっている。従って、上
記溶接試験装置では、全体で12種類の組合せからなる
試験板を収容することができるようになっている。
【0046】上記ワークA1〜A4、B1〜B4及びC
1〜C4は、それぞれ前記図4に示した標準溶接動作パ
ターンを構成する溶接動作ステップA1〜A4、B1〜
B4及びC1〜C4で溶接される試験板に相当する。
【0047】図10は、前記溶接試験用ロボット12の
ロボットハンド12BでS1 、S2、S3 で示す3種類
の大きさが異なる試験板を重ねた状態でそれぞれ挾持
(把持)した状態を、便宜上同一の平面図で表わしたも
のである。
【0048】試験板S1 は、長さ100mm、幅25mmの
ナゲット径評価用の試験板で、周囲4辺を揃えて重ねた
状態で中心位置の1点(●で示す)をスポット溶接して
試験片を作成するためのものであり、前記ワークA1〜
A4に相当する。
【0049】又、試験板S2 は、長さ150mm、幅25
mmの引張剪断評価用の試験板で、幅方向二辺を揃え、長
さ方向の端部をずらし、その全長が200mmとなるよう
に重ねた状態で、同じくその中心位置の一点をスポット
溶接して試験片を作成するためのものであり、前記ワー
クB1〜B4に相当する。
【0050】更に、試験板S3 は、長さ330mm、幅7
0mmの連続打点評価用の試験板で、試験板S1 と同様に
周囲4辺を揃えて重ねた状態で、図中○印、黒点付○印
又は+付○印で示すように所定のピッチで1又は複数列
にスポット溶接を行い、試験片を作成するためのもので
あり、前記ワークC1〜C4に相当している。
【0051】なお、図11(A)は試験板S1 又はS3
の、同図(B)は試験板S2 のそれぞれ重ねた状態を拡
大して示す斜視図であり、図中破線で示す円は、試験板
S1、S2 のスポット溶接位置を示している。
【0052】上記ナゲット径評価用、引張剪断荷重評価
用及び連続打点評価用の各試験板S1 、S2 及びS3
は、JISの規定を考慮すると共に、複数の自動車メー
カー等の要請に基づいて、最も評価頻度の高い試験片を
3種類に整理することにより、寸法等をそれぞれ決定し
たものである。
【0053】前記溶接試験用ロボット12のアーム12
Aの先端に接続されたロボットハンド12Bは、前記図
10に示したように上記最小の試験板S1 から最大の試
験板S3 まで確実に挾持し、且つ長さ方向の端部をずら
して重ねた状態で使用する試験板S2 をも確実に挾持す
ることが可能となるように設計されている。
【0054】即ち、上記ロボットハンド12Bは、左右
対称な右爪部40A(40A′)と、左爪部40B(4
0B′)とを有しており、図10にFで示す一辺を揃え
て重ねた状態の試験板の該一辺近傍を、該一辺に沿った
2箇所で挾持することが可能となっている(ダッシュ付
符号は下側を示す)。
【0055】又、上記右爪部40A(40A′)と上記
左爪部40B(40B′)のそれぞれの内側端部の間
は、距離L1 で隔てられている。この距離L1 は、上記
スポット溶接に使用する溶接電極(前記溶接機20が備
えている)の外径(JISでは13mm又は16mmと規定
されている)に溶接時の操作余裕寸法を加えた寸法であ
る。
【0056】次に、上述した溶接装置を適用する場合の
本実施例のスポット溶接試験方法を説明する。
【0057】前述した如く各客先毎に作成した溶接試験
プログラムを、前記図9に示した溶接装置のコンピータ
30のメモリに格納しておく。
【0058】溶接試験を実行するに当り、その溶接試験
に必要とされる試験板(ワーク)を2枚(3枚以上のこ
ともある)を1組として予め供給装置14、16、18
に収納する。使用するワークA1〜A4、B1〜B4、
C1〜C4は、それぞれ対応するストッカ14a 〜d 、
16a 〜d 、18d 〜a に、取り出される順番に従って
収納する(各ワークでは番号が若い程使用頻度が高いた
め溶接機20に近い位置に収納する)。
【0059】次いで、コンピータ30のメモリから実行
する客先の溶接プログラムを呼び出し、該プログラムに
従った指令をロボット制御盤28に送り、ロボット1
2、溶接機20に溶接試験作業を実行させる。
【0060】例えば、プログラムNo .1(b 社
(2))の溶接試験を行う場合は、基本打点手順(2→
2→3・・・)で溶接作業が進行する。
【0061】最初の基本打点手順2の作業を行う場合
は、コンピータ30からの指令に基づいて図5(B)に
示した手順に従ってロボット12は、供給装置14のス
トッカa の位置に旋回移動し、そのハンド12Bで該ス
トッカa から重なった状態で供給される1組のワークA
1を受取り、把持する。
【0062】上記ワークA1をハンド12Bで把持した
ロボット12は、溶接機20へ旋回移動し、該試験板を
溶接機20のスポット溶接用の1対の電極(図示せず)
の間に位置させる。ワークA1が上記電極間の所定位置
に置かれると、近接スイッチが作動あるいはロボットか
らシーケンサを介して溶接機へ溶接信号が送られ、プロ
グラムに設定されている溶接条件のもとでスポット溶接
が実行され、試験片が作成される。
【0063】作成された上記試験片は、ハンド12Bで
把持されたままロボット12の旋回動作によりスタンプ
22へ移動される。移動された試験片が所定位置に置か
れると、近接スイッチが作動し、該スタンプ22によっ
て所定の識別記号の印字が行われる。
【0064】印字された上記試験片は、ハンド12Bで
把持されたまま更にシュータ24へ移動される。このシ
ュータ24の所定位置に上記試験片が運ばれてくると近
接スイッチが作動し、該試験片はハンド12Bの把持か
ら解放され、シュータ24内に落下し、試験室10の外
にあるバック26に収納される。以上の作業が3回繰り
返される。
【0065】上述した一連の作業、即ち供給装置14の
ストッカa からワークA1を受取った後、試験片がシュ
ータ24に落下されるまでの作業は、ロボット12のハ
ンド12BでワークA1(又は作成された試験片)を挾
持したままの状態で実行される。
【0066】次いで、上記ロボット12は、供給装置1
8のストッカd へ移動し、該ストッカd からそのハンド
12BでワークC1を取り出し、該ワークC1を前記ワ
ークA1の場合と同様に溶接機20へ移動させる。この
ワークC1が所定位置に置かれると、該ワークC1に対
して25打点の連続スポット溶接が実行される。この連
続スポット溶接は、上記ロボットハンド12Bで挾持し
た状態のワークC1を、前記溶接試験プログラムに設定
されている溶接条件に従って該ワークC1の長手方向に
所定ピッチで移動させると共に、所定の時間間隔でスポ
ット溶接することにより容易且つ確実に実行することが
できる。
【0067】上記ワークC1に対する連続スポット溶接
が完了した後、前記ワークA1の場合と同様に、作成さ
れた試験片に対してスタンプ24で識別記号を印字し、
該試験片をシュータ24に排出する。
【0068】上記ワークC1に対する一連の作業が終了
した後、一定時間体止した後、供給装置18のストッカ
Cに収納されているワークC2に対してもワークC1と
同様に一連の作業を実行することにより、1回目の基本
打点手順2のスポット溶接試験が終了する。
【0069】その後、上記基本打点手順2の作業を繰り
返すことにより、図3に示したb 社(2)の打点要領で
要求されるワークA1に対して100打点以下で50打
点毎にサンプリングすることが可能となる。
【0070】2回目の基本打点手順2の作業が終了した
後、基本打点手順3の作業を実行し、これを繰り返すこ
とにとより、b 社(2)の打点要領で要求される100
打点を越える場合の100打点毎のワークA1に対する
サンプリングが可能となる。
【0071】以上説明した如く、前記図9に示した溶接
試験を用いることにより、b 社(2)の溶接試験プログ
ラムに従うスポット溶接試験を容易且つ確実に実行する
ことができる。
【0072】又、プログラムを変更することにより、任
意の溶接試験プログラムに従うスポット溶接を同様に実
行することができるため、多くの客先が要求する試験仕
様に従うスポット溶接試験を容易且つ確実に実行するこ
とが可能となる。
【0073】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0074】例えば、溶接試験の種類は、ナゲット径評
価、引張剪断荷重評価、連続打点評価の3種類に限定さ
れるものでなく、必要があれば他の種類の溶接試験を含
めることもでき、その数も4種類以上となってもよい。
【0075】又、ナゲット径評価、引張剪断荷重評価及
び連続打点評価の溶接試験それぞれでは最大4種類の鋼
種又は板厚に対応できる場合を示したが、5種類以上に
してもよいことはいうまでもない。
【0076】又、溶接条件は、プログラムに組み込まず
に、例えば手動により別途入力してもよい。
【0077】更に、本発明のスポット溶接試験方法は、
前記図9に示した溶接試験装置を適用して行うものに限
定されるものでない。
【0078】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、複
数種類のスポット溶接試験を行うに際し、メーカー等の
客先毎に打点(溶接)手順、溶接条件等の試験仕様が異
なっている場合でも、全てのスポット溶接作業を自動化
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のスポット溶接試験方法の一例
を示すフローチャートである。
【図2】図2は、溶接試験の打点要領の例を示す概略説
明図である。
【図3】図3は、溶接試験の他の打点要領の例を示す概
略説明図である。
【図4】図4は、標準溶接動作パターンを示す線図であ
る。
【図5】図5は、基本打点手順の例を示す概略説明図で
ある。
【図6】図6は、基本打点手順のプログラムを示す概略
説明図である。
【図7】図7は、溶接シーケンスタイマーを示す概略説
明図である。
【図8】図8は、溶接試験プログラムの一例を示す概略
説明図である。
【図9】図9は、一実施例のスポット溶接試験方法に適
用可能な溶接試験装置を示す概略構成図である。
【図10】図10は、溶接試験溶接装置が有するロボッ
トのロボットハンドで挾持した試験板を示す概略平面図
である。
【図11】図11は、試験板の組合わせの種類を示す概
略斜視図である。
【符号の説明】
12…ロボット、 12B…ロボットハンド、 14、16、18…供給装置、 20…スポット溶接機、 22…スタンプ、 24…シュータ、 40A、40A′…右爪部、 40B、40B′…左爪部、 S1 、S2 、S3 …試験板。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種類のスポット溶接試験を連続的に行
    うに際し、 溶接試験の種類とその溶接手順との組合せからなる複数
    の基本打点手順を設定し、 基本打点手順の1又は2以上を組合せて試験仕様に対応
    する実打点手順を構成し、 実打点手順と試験仕様で求められる溶接条件とを組合せ
    て順次溶接試験を行うことを特徴とするスポット溶接試
    験方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 スポット溶接試験が、ナゲット径評価用、引張剪断荷重
    評価用及び連続打点評価用の各溶接試験である場合、 ナゲット径評価用溶接試験、引張剪断荷重評価用溶接試
    験、連続打点評価用試験の順に配列された溶接動作ステ
    ップからなる標準溶接動作パターンを設定し、 該標準溶接動作パターンを基本とし、溶接動作ステップ
    を選択して前記基本打点手順を構成することを特徴とす
    るスポット溶接試験方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 ナゲット径評価用溶接試験、引張剪断荷重評価用溶接試
    験及び連続打点評価用溶接試験それぞれに1又は2以上
    の溶接動作ステップが含まれることを特徴とするスポッ
    ト溶接試験方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104132856A (zh) * 2014-08-13 2014-11-05 中国建材检验认证集团股份有限公司 结构胶界面粘结剪切强度测试用装置及测试方法
CN111745320A (zh) * 2020-05-27 2020-10-09 中国石油天然气集团有限公司 提高管道焊接环缝工艺可靠性和适用性的评定方法及系统

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