JPH05106850A - 高周波加熱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子レンジのコスト高を招くことなくマグネ
トロン、高圧トランスの冷却効率を向上し、且つ電子レ
ンジ内上部の温度上昇を抑制する。 【構成】 加熱室に隣接する電装室１に、加熱室内に供
給する高周波を発生するマグネトロン２と、マグネトロ
ン２に高圧を供給する高圧トランス３と、マグネトロン
２及び高圧トランス３に冷却風を供給する第１及び第２
プロペラファン４、５とを内蔵した電子レンジにおい
て、第１及び第２プロペラファン４、５を電装室１内の
下方に配置するとともにマグネトロン２及び高圧トラン
ス３を第１及び第２プロペラファン４、５の上方に配置
し、且つ加熱室内の雰囲気を加熱室外へ排出しこの排出
した雰囲気をマグネトロン２及び高圧トランス３冷却後
の冷却風を伴って電子レンジ外へ排出する排出ファン１
２を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子レンジ等の高周波加
熱装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】実開昭６２−１５２１１０号公報には、
電装室内にて上方に高周波発生装置即ちマグネトロンを
配置するとともに下方に高圧トランスを配置し、これら
マグネトロン及び高圧トランスの後方に両者に冷却風を
供給する冷却装置即ちプロペラファンを配置した電子レ
ンジが開示されている。

【０００３】しかし乍ら、高周波出力を例えば８００Ｗ
以上と高くすると、上記プロペラファンによる冷却は不
十分となり、高圧トランスの巻線径を太くしたりマグネ
トロンの放熱効率を向上する必要があり、高圧トランス
やマグネトロンの大型化を招き、ひいては電子レンジの
コスト高を招く。

【０００４】また、マグネトロン及び高圧トランス冷却
後の昇温した冷却風が電子レンジ内の上部に滞りがちと
なり、この付近の部品を耐熱特性の向上を図るべく大型
化する必要があり、この点でも電子レンジのコスト高を
招く。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、高周波加熱
装置のコスト高を招くことなく、高周波発生装置や高圧
トランスの冷却効率を向上し、更には加熱装置本体内上
部の温度上昇を抑制しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、加熱室に隣接
する電装室に、上記加熱室内に供給する高周波を発生す
る高周波発生手段と、この高周波発生手段に高圧を供給
する高圧トランスと、これら高周波発生手段及び高圧ト
ランスに冷却風を供給する冷却装置とを内蔵した高周波
加熱装置において、上記冷却装置を上記電装室内の下方
に配置するとともに上記高周波発生装置及び高圧トラン
スを上記冷却装置の上方に配置し、且つ上記加熱室内の
雰囲気を加熱室外へ排出しこの排出した雰囲気を上記高
周波発生装置及び高圧トランス冷却後の冷却風を伴って
加熱装置本体外へ排出する排出装置を設けたことを特徴
とする。

【０００７】

【作用】冷却装置を電装室内の下方に配置するとともに
高周波発生装置及び高圧トランスを上記冷却装置の上方
に配置したことにより、冷却装置から発生した冷却風は
高周波発生装置及び高圧トランス冷却後熱くなって上昇
力が増し、これは冷却装置から高周波発生装置及び高圧
トランスへ至る冷却風量の増大を招く。

【０００８】更に、排出装置により排出された加熱室内
の雰囲気を加熱装置本体外へ排出する際、上記高周波発
生装置及び高圧トランス冷却後の昇温した冷却風が同様
に加熱装置本体外へ排出され、昇温した冷却風は加熱装
置本体内の上部に滞らない。

【０００９】

【実施例】本発明実施例の埋め込み設置型の電子レンジ
を図面を参照して説明する。電子レンジ内部には加熱室
の横に隣接して電装室１が設けられている。この電装室
１は、加熱室内に供給する高周波を発生する高周波発生
装置即ちマグネトロン２と、このマグネトロン２に高圧
を供給する高圧トランス３と、冷却装置を構成する第１
及び第２プロペラファン４、５を内蔵している。これら
プロペラファン４、５は電装室１内の下方に配置される
とともに、上記マグネトロン２及び高圧トランス３は各
々第１及び第２プロペラファン４、５の上方に配置され
ている。そして、上記第１プロペラファン４は前面下グ
リル６から電装室底壁７を介して吸気した外気を冷却風
として上方のマグネトロン２へ供給し、第２プロペラフ
ァン５は同様に電装室底壁７を介して吸気した外気を冷
却風として上方の高圧トランス３へ供給する。

【００１０】この場合、第１及び第２プロペラファン
４、５からの冷却風はマグネトロン２及び高圧トランス
３を冷却後熱くなって上昇力が増して積極的に上方へ流
れ、マグネトロン２及び高圧トランス３へ至る冷却風量
が増大し、両者の冷却効率が向上する。

【００１１】更に、上記マグネトロン２は高圧トランス
３より高位置に配置されており、マグネトロン２の冷却
風排出部８は高圧トランス３より高い。この場合、上記
マグネトロン２の上限温度は２５０℃であり、マグネト
ロン２冷却後の冷却風はかなり熱くなって高圧トランス
３の上限温度１３５℃以上となるも、高圧トランス３に
至らず、これにより高圧トランス３の冷却性能の低下が
抑制され、高圧トランス３の冷却効率が一層向上する。

【００１２】而して、上記加熱室の上側の空間９の後部
には、加熱室上壁のパンチング穴１０、１０・・・に連
通した排出ダクト１１と、この排出ダクト１１及びパン
チング穴１０、１０・・・を介して加熱室内の雰囲気を
導き出す排出装置即ち排出ファン１２が設けられてい
る。この排出ファン１２により導き出された加熱室内の
雰囲気は、空間９の前側へ進み前面上グリル１３から電
子レンジの前方へ排出される。この時、この加熱室内雰
囲気の流れに従って上記マグネトロン２及び高圧トラン
ス３を冷却した後の昇温した冷却風も、積極的に電子レ
ンジの前方へ排出され、この点でもマグネトロン２及び
高圧トランス３へ至る冷却風量が増大し両者の冷却効率
が向上する。そして、昇温した冷却風は電子レンジ内上
部の空間９に滞らず、この付近の部品の耐熱特性を向上
しなくてよい。尚、上述のように前面上グリル１３に向
かう風の一部は、上記排出ファン１２による加熱室雰囲
気の排出に従って加熱室上壁前部のパンチング穴１４、
１４・・・から加熱室内へ至る。

【００１３】また、上記空間９の中心付近には、加熱室
内で高周波加熱される食品の温度を検出する赤外線温度
検出装置１５が設けられている。この温度検出装置１５
には冷却ダクト１６が連結されており、このダクト先端
の冷却風取り入れ口１７は上記電装室１内にてマグネト
ロン２の冷却風排出部８より下側に至り、マグネトロン
２と高圧トランス３の間の空間に臨んでいる。これによ
り、上記第１及び第２プロペラファン４、５からの冷却
風が冷たいままで上記冷却ダクト１６を通って温度検出
装置１５に至り、この装置１５の冷却が十分に行われ
る。

【００１４】尚、上記実施例においては、マグネトロン
２及び高圧トランス３は各々第１及び第２プロペラファ
ン４、５からの冷却風により冷却されるが、１つの冷却
ファンからの冷却風により冷却するようにしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】本発明の高周波加熱装置によれば、冷却
装置を電装室内の下方に配置するとともに高周波発生装
置及び高圧トランスを冷却装置の上方に配置したことに
より、高周波発生装置及び高圧トランスの冷却効率を顕
著に向上することができる。

【００１６】更に、これら高周波発生装置及び高圧トラ
ンス冷却後の昇温した冷却風を加熱装置本体外へ積極的
に排出でき、高周波発生装置及び高圧トランスの冷却効
率を一層向上することができる。

【００１７】更に、昇温した冷却風が加熱装置本体内の
上部に滞るのを抑制でき、この付近の部品の耐熱特性を
向上しなくてよく、加熱装置のコスト高を抑えることが
できる。

【００１８】更に、上述のような冷却効率の向上にあた
っては、従来のように高圧トランスの巻線径を太くした
りマグネトロンの放熱効率を改善する必要がなく、この
点でも加熱装置のコスト高を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の電子レンジの外装取り外し時の
側面図である。

【図２】同平面図である。

【符号の説明】

１ 電装室 ２ マグネトロン ３ 高圧トランス ４ 第１プロペラファン ５ 第２プロペラファン １２ 排出ファン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱室に隣接する電装室に、上記加熱室
   内に供給する高周波を発生する高周波発生手段と、この
   高周波発生手段に高圧を供給する高圧トランスと、これ
   ら高周波発生手段及び高圧トランスに冷却風を供給する
   冷却装置とを内蔵した高周波加熱装置において、上記冷
   却装置を上記電装室内の下方に配置するとともに上記高
   周波発生装置及び高圧トランスを上記冷却装置の上方に
   配置し、且つ上記加熱室内の雰囲気を加熱室外へ排出し
   この排出した雰囲気を上記高周波発生装置及び高圧トラ
   ンス冷却後の冷却風を伴って加熱装置本体外へ排出する
   排出装置を設けたことを特徴とする高周波加熱装置。