JPH05100037A - X線検出器およびx線検査装置 - Google Patents

X線検出器およびx線検査装置

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JPH05100037A
JPH05100037A JP4055640A JP5564092A JPH05100037A JP H05100037 A JPH05100037 A JP H05100037A JP 4055640 A JP4055640 A JP 4055640A JP 5564092 A JP5564092 A JP 5564092A JP H05100037 A JPH05100037 A JP H05100037A
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ray
rays
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Kazuto Yokota
和人 横田
Akihisa Saito
昭久 斉藤
Noriaki Yagi
典章 八木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的低強度のX線によって十分な検出感度
が得られるX線検出器を提供する。また、小型で危険性
が少なく、かつ明瞭な検査画像が得られるX線検査装置
を提供する。 【構成】 検出器本体8のX線入射部8aには、透過型
増感紙10が配置されている。X線入射部8aを除く検
出器本体8の内壁面には、反射型増感紙11が配置され
ている。検出器本体8に設置されたホトマル12によっ
て、透過型増感紙10および反射型増感紙11からの可
視光を検知し、コンプトン散乱X線または透過X線の強
度を検出する。透過型増感紙10および反射型増感紙1
1の少なくと一方として、 A2 O 2 S:D (AはGd,La,Y
等、 Dは Tb,Pr等、またはこれらとCe,Yb等との混合
物)、およびBaFX:E(Xは Cl,Br等、 EはEuまたはEuと C
e,Yb等との混合物)から選ばれた蛍光体を用いる。この
ようなX線検出器によって、X線検査装置が構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線検出器およびそれ
を用いたX線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、航空機内に荷物を持ち込む際に
は、航空機の安全運行等を確保するために、空港内で予
め当該荷物の検査を行っている。このような手荷物の検
査装置としては、X線の透過を利用した透過X線検査装
置が多用されている。この透過X線検査装置によれば、
X線を通しにくい金属製の物品、例えば銃火器や刃物等
の金属製凶器を比較的容易に発見することができる。
【0003】しかしながら、プラスチック爆弾や麻薬等
の原子番号の小さい元素によって主として構成される物
質は、X線が透過しやすいため、上述したような透過X
線検査装置では発見することが困難であった。そこで、
コンプトン散乱X線を利用した検査装置の開発が進めら
れている。コンプトン散乱X線、すなわちX線が照射さ
れた際に物体から反射するX線は、原子番号の小さい元
素ほどより多く得られるため、このコンプトン散乱X線
を利用して荷物等の検査を行うことにより、プラスチッ
ク爆弾や麻薬等を発見することが可能となる。
【0004】上述したような透過X線やコンプトン散乱
X線を利用したX線検査装置は、一般に、透過X線もし
くはコンプトン散乱X線をX線検出器に導き、これら検
出X線を蛍光体を用いて可視光に変換した後、この可視
光の強度を光電子倍増管、いわゆるホトマルチプライア
(以下、ホトマルと略す)で検出し、その強度に応じて
荷物内を画像化することによって検査を実施するように
構成されている。
【0005】ところで、上記したようなX線検出器で
は、通常、図11に示すように、 400nm付近に分光感度
特性のピークを有するホトマルが用いられている。そこ
で、X線を可視光に変換する蛍光体としては、 400nm付
近に発光波長のピークを有するもの、例えばLaOBr:Tbや
LaOBr:Tm等が用いられてきた。図12に、LaOBr:Tm蛍光
体の発光波長特性を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなLaOBr:TbやLaOBr:Tm等の蛍光体を使用したX線
検出器では、コンプトン散乱X線を十分な感度で検出す
ることができないという問題があった。このため、従来
のコンプトン散乱X線検査装置では、十分な検査精度が
得られる程度に、すなわち明瞭な検査画像が得られる程
度に、照射するX線の強度を高めている。しかし、空港
荷物検査装置のように、公の場所に設置されるX線検査
装置において、照射するX線の強度を高めるということ
は、装置の大型化を招くと共に、危険性も増大してしま
う。
【0007】そこで、比較的低強度の照射X線を用いた
際にも、十分な検出感度が得られるX線検出器が強く望
まれていた。また、このようなX線検出器を用いること
によって、小型で危険性が少なく、かつ明瞭な検査画像
が得られるX線検査装置の出現が強く望まれていた。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、比較的低強度のX線によって十分な
検出感度が得られるX線検出器を提供することを目的と
しており、また本発明の他の目的は、小型で危険性が少
なく、かつ明瞭な検査画像が得られるX線検査装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のX線
検出器は、X線の入射部を有する筐体状の検出器本体
と、前記入射部に配置された透過型蛍光発生手段と、前
記入射部を除く前記検出器本体の内壁面に沿って配置さ
れた反射型蛍光発生手段と、前記検出器本体内に設置さ
れた光電変換手段とを具備するX線検出器において、前
記透過型蛍光発生手段および前記反射型蛍光発生手段の
少なくとも一方として、 A2 O 2 S:D (AはGd、Laおよび
Yから選ばれた少なくとも 1種の元素を示し、 DはTbお
よびPrから選ばれた少なくとも 1種の元素、あるいはこ
れらとCeおよびYbから選ばれた少なくとも 1種の元素と
の混合物を示す)、およびBaFX:E(XはClおよびBrから選
ばれた少なくとも 1種の元素を示し、 EはEuまたはEuと
CeおよびYbから選ばれた少なくとも 1種の元素との混合
物を示す)から選ばれた蛍光体を用いたことを特徴とし
ている。また、上記X線検出器において、前記透過型蛍
光発生手段および前記反射型蛍光発生手段の双方に、前
記 A2 O 2 S:D およびBaFX:Eから選ばれた同一または相
異なる蛍光体を用いたことを特徴としている。
【0010】また、本発明のX線検査装置は、被検査物
に対してX線を照射するX線照射手段と、被検査物から
のコンプトン散乱X線または透過X線を検出するX線検
出手段と、このX線検出手段により測定したX線強度に
基いて前記被検査物内部を画像化する手段とを具備する
X線検査装置においては、前記X線検出手段は、コンプ
トン散乱X線または透過X線が照射されることにより蛍
光を発生する手段を有し、この蛍光発生手段として、 A
2 O 2 S:D (AはGd、Laおよび Yから選ばれた少なくとも
1種の元素を示し、 DはTbおよびPrから選ばれた少なく
とも 1種の元素、あるいはこれらとCeおよびYbから選ば
れた少なくとも 1種の元素との混合物を示す)、および
BaFX:E(XはClおよびBrから選ばれた少なくとも 1種の元
素を示し、 EはEuまたはEuとCeおよびYbから選ばれた少
なくとも 1種の元素との混合物を示す)から選ばれた蛍
光体を用いたことを特徴としている。
【0011】
【作用】本発明のX線検出器およびX線検査装置におけ
る蛍光発生手段は、 A2 O 2 S:D およびBaFX:Eから選ば
れた少なくとも 1種の蛍光体を用いている。ここで、上
記した蛍光体のうち、代表的なGd2 O 2 S:Tb(含Gd2 O
2 S:Tb,Ce)、Gd2 O 2 S:Pr、BaFCl:EuおよびBaFBr:Euの
発光波長特性をそれぞれ図7、図8、図9および図10
に示す。上記した各蛍光体は、発光波長のピークが 400
nm付近からはずれているものの、発光効率(X線を可視
光に変換する効率)が非常に高い。したがって、X線検
出器において、 400nm付近に受光感度のピークを有する
ホトマルを用いた場合においても、コンプトン散乱X線
や透過X線の検出感度を大幅に向上させることができ
る。
【0012】また、図7ないし図10に示したように、
上記した各蛍光体は、残光(発光した光の強度が1/10の
値になるのに要する時間)が 1.0msec以下と小さいた
め、連続してX線の検出を行う場合に、検出速度を早め
ることができる。
【0013】そして、上述したようなX線検出器を用い
てX線検査装置を構成することにより、検査画像の画質
を大幅に改良することができ、検査精度の向上を図るこ
とが可能となると共に、処理能力の向上を図ることもで
きる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
【0015】図1は、本発明のX線検査装置を空港荷物
検査装置に適用した一実施例の構成を模式的に示す図で
ある。同図において、1はX線照射手段例えばX線管で
あり、このX線管1から射出されたX線Aは、まず直線
コリメータ2によって、所定の幅を有するスリット状に
コリメートされる。このコリメートされたX線Bは、さ
らに半径方向に複数のスリットが設けられた回転コリメ
ータ3によって、直線運動を反復して行うペンシルビー
ムCとされ、コンベア4によって移動する被検査物例え
ば荷物5に対して走査照射される。なお、被検査物であ
る荷物5は、X線の検出感度に応じた速度で移動する。
【0016】荷物5によって反射されたX線すなわちコ
ンプトン散乱X線Dは、散乱X線検出器6によって検出
される。また、荷物5を透過したX線Eは、透過X線検
出器7によって検出される。これら散乱X線検出器6お
よび透過X線検出器7によって検出されたコンプトン散
乱X線Dおよび透過X線Eは、連続的な強度値として測
定され、このX線強度に応じて図示を省略したCRT等
の表示装置上に荷物5内部の状態が画像化される。そし
て、この画像によって荷物5内部の検査が行われる。
【0017】上記した散乱X線検出器6および透過X線
検出器7は、以下に示すような構成を有している。例え
ば、散乱X線検出器6を例として説明すると、図2に示
すように、ペンシルビーム状にされたX線Cの通過用の
間隙が形成されるように、 2つの散乱X線検出器6を配
置して構成している。
【0018】各散乱X線検出器6は、一側面を傾斜させ
た筐体状の検出器本体8を有している。この検出器本体
8の被検査物である荷物5と対向する面は、X線の入射
面8aとされており、このX線入射面8aはX線を透過
する材質、例えば樹脂等によって形成されている。ま
た、X線入射面8aを除く検出器本体8の他の部分は、
検出器本体8の強度を維持するために、例えばアルミニ
ウム等によって構成されている。上記X線入射面8aを
除く検出器本体8の他の部分の外面は、鉛等のX線遮蔽
部材9によって覆われている。これは、外部からのX線
の影響を排除するためである。
【0019】上記検出器本体8のX線入射面8aの内側
には、透過型蛍光発生手段として、発光方向を検出器本
体8の内側に向けた透過型増感紙10が設置されてい
る。また、X線入射面8aを除く検出器本体8の内壁面
には、反射型蛍光発生手段として、反射型増感紙11が
設置されている。X線入射面8aと直角を成す検出器本
体8の側面8bには、光電変換手段としてホトマル12
が設置されている。このホトマル12としては、 400nm
付近に受光感度のピークを有するものが使用され、例え
ばR-1307(商品名、浜松ホトニクス (株) 製)が使用さ
れる。
【0020】そして、まず上記X線入射面8aの内側に
配置された透過型増感紙10にコンプトン散乱X線D1
が照射され、透過型増感紙10から選択した蛍光体に応
じた可視光aが検出器本体8の内側に向けて発光され
る。また、反射型増感紙11には、X線入射面8aを透
過したコンプトン散乱X線D2 が照射されることによっ
て、同様に可視光bが検出器本体8の内側に向けて発光
される。そして、これら可視光a、bがホトマル12に
よって検知され、可視光aおよびbの合計強度を測定す
ることにより、入射されたコンプトン散乱X線Dの強度
が求められる。
【0021】コンプトン散乱X線による検出原理は、以
下に示す通りである。すなわち、エネルギーがE0 で強
度I0 のX線が厚さtの吸収体を透過した後の強度I
は、次式によって求められる。
【0022】 I=I0 -μt ………(1) 上記式中のμは物質に固有の係数(単位:cm-1)で、線
減弱係数と呼ばれるものであり、エネルギーE0 のX線
が 1cm進む間に減弱する比率を示す。μは原子番号の大
きい物質ほど大きいという性質を有し、次のように分解
することができる。
【0023】 μ=τ+σT +σC +κ ………(2) (式中、τは光電効果による吸収係数を、σT はトムソ
ン散乱による散乱係数を、σC はコンプトン散乱による
散乱係数を、κは電子対創生による吸収係数を示す)ま
た、エネルギーがE1 で強度I0 のX線が吸収体の表面
から深さxの位置まで入射した場合、xの位置における
X線強度I1 は、次式によって求められる。 I1 =I0 -μx ………(3) (式中、μはエネルギーがE1 のX線の線減弱係数を示
す)また、xの位置で発生し、なおかつX線の入射方向
に対して角θの方向に散乱するコンプトン散乱X線の強
度I2 は、次式によって求められる。
【0024】 I2 =aσC 1 ………(4) (式中、aは比例定数である)発生したコンプトン散乱
X線が表面から出てくる強度I3 は、発生した点から表
面までの距離がbx(b=1/cosθ)であるので、 I3 =I2 -μ′bx ………(5) (式中、μ′は散乱X線の線減弱係数を示す)となる。
したがって、コンプトン散乱X線の強度I3 は、 (3)
式、 (4)式および (5)式から、 I3 =aσC 0 -(μ+bμ′)x ………(6) となる。したがって、厚さがtの吸収体を通過した場合
のコンプトン散乱X線の総量は、以下の式から求められ
る。
【0025】
【数1】 aI0 は、原子番号によらない一定値なので、コンプト
ン散乱X線は物質によって変化する、σC /(μ+b
μ′)の値によって、その強度が変化する。このσC
(μ+bμ′)の値は原子番号が小さい物質ほど大きく
なる。よって、コンプトン散乱X線を検出することによ
り、プラスチック製品のような原子番号が小さい元素に
よって主として構成される物質を見分けることができ
る。
【0026】この実施例における入射側の透過型増感紙
10およびその他の反射型増感紙11は、 A2 O 2 S:D
(AはGd、Laおよび Yから選ばれた少なくとも 1種の元素
を示し、 DはTbおよびPrから選ばれた少なくとも 1種の
元素、あるいはこれらとCeおよびYbから選ばれた少なく
とも 1種の元素との混合物を示す)、およびBaFX:E(Xは
ClおよびBrから選ばれた少なくとも 1種の元素を示し、
EはEuまたはEuとCeおよびYbから選ばれた少なくとも 1
種の元素との混合物を示す)から選ばれた少なくとも 1
種の蛍光体を用いたものである。
【0027】ここで、付活剤としてのCeおよびYbは、残
光を短縮する効果を有しており、Pr付活の蛍光体と比べ
ると残光が大きいTb付活の蛍光体において、その使用が
効果的である。これらCeやYbは、付活剤総量に対して
0.001重量%〜10重量%程度の範囲で使用することが好
ましい。具体的な蛍光体としては、Gd2 O 2 S:Tb、Gd2
O2 S:Tb,Ce 、Gd2 O 2 S:Tb,Yb 、Gd2 O 2 S:Pr、La2 O
2 S:Tb、La2 O 2 S:Tb,Ce 、La2 O 2 S:Tb,Yb 、La2 O
2 S:Pr、 Y2 O 2 S:Tb、 Y2 O 2 S:Tb,Ce 、Y2 O 2 S:
Tb,Yb 、 Y2 O 2 S:Pr、BaFCl:Eu、BaFBr:Eu等が挙げら
れる。
【0028】透過型増感紙10と反射型増感紙11と
は、同一の蛍光体を用いてもよいし、また相異なる蛍光
体を用いてもよい。これら蛍光体の組み合わせは、特に
限定されるものではなく、要求される光出力等によって
適宜設定するものとする。これら増感紙10、11は、
図3に示すように、プラスチックフィルムや不織布等の
支持体13上に、選択した蛍光体をバインダおよび有機
溶剤と共に混合したスラリーを塗布することによって、
蛍光体層14を形成したものである。
【0029】上記透過型増感紙10および反射型増感紙
11における蛍光体の塗布量は、それぞれに応じて設定
するものとする。すなわち、入射側の透過型増感紙10
においては、あまり蛍光体の塗布量を多く設定すると、
蛍光体層14内部での光吸収が起こることによって、蛍
光の発光出力が低下する。また、コンプトン散乱X線の
吸収も起こるために、反射型増感紙11への入射量が減
少し、可視光の合計量として減少する。また、反射型増
感紙11では、塗布量を増大させるにつれて光出力が上
がるが、あまり塗布量を多くしてもそれ以上の効果が得
られない。図4に、透過型増感紙10および反射型増感
紙11共にBaFCl:Euを用いた場合のそれぞれの光出力を
示す。なお、光出力はバイアルカリ光電面を有するホト
マル・R-980(商品名、浜松ホトニクス (株) 製)を用
い、X線管電圧120kVPで測定し、従来の蛍光体(LaOBr:
Tb)の光出力を 100としたときの相対光出力として示
す。
【0030】また、全体としての可視光量は、上述した
ように透過型増感紙10および反射型増感紙11の塗布
量の兼ね合いによって変化するため、上述した透過型増
感紙10および反射型増感紙11の個々の塗布量を考慮
した上で、蛍光体の塗布合計量を設定することが好まし
い。図5に、代表的な蛍光体の組み合わせによる透過型
増感紙10および反射型増感紙11の塗布合計量と相対
光出力との関係を示す。蛍光体の組み合わせによって異
なるものの、塗布合計量を 80mg/cm2 〜300mg/cm2 の範
囲とすることによって、良好な光出力が得られることが
分かる。
【0031】本発明による各蛍光体を種々組み合わせて
作製した透過型増感紙10および反射型増感紙11を用
いた際の相対光出力は、表1、表2、表3、表4および
図6に示す通りである。
【0032】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 表1、表2、表3、表4および図6から明らかなよう
に、本発明による蛍光体を用いることによって、従来の
蛍光体に比べて、光出力を大幅に改善できることが分か
る。すなわち、光出力が大幅に向上することによって、
コンプトン散乱X線の検出感度が向上し、これにより被
検査物である荷物5の内部をより鮮明に画像化すること
が可能となる。これは、透過X線の検出感度についても
同様である。よって、より正確な検査を実施することが
可能となる。また、光出力の向上によって、X線管1の
低容量化を図ることも可能となり、装置の小型化が図れ
る。さらに、図7ないし図10に示したように、本発明
による蛍光体はいずれも残光が 1.0msec以下と小さいこ
とから、荷物5の移動速度を上げることができる。これ
によって、処理能力の大幅な向上が図れる。
【0033】なお、上記実施例においては、透過型蛍光
発生手段としての透過型増感紙10と反射型蛍光発生手
段としての反射型増感紙11の双方に、本発明による蛍
光体、すなわち A2 O 2 S:D およびBaFX:Eから選ばれた
蛍光体を用いたX線検出器について説明したが、表1〜
表4に示した測定結果から明らかにように、本発明によ
る蛍光体は単独でも従来の蛍光体より光出力の改善が可
能であるため、上記した蛍光体を透過型増感紙10およ
び反射型増感紙11のいずれか一方のみに用いることも
有効である。
【0034】また、上記実施例では本発明のX線検出器
を散乱X線検出器に適用した例について説明したが、透
過X線検出器として用いる際にも同様な構成とすること
によって、同様な効果が得られる。また、本発明のX線
検査装置は、空港荷物検査装置に限らず、各種のセキュ
リティシステムとして利用可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、比
較的低強度のX線によって十分な検出感度が得られるX
線検出器を提供することが可能となる。そして、このよ
うなX線検出器を用いてX線検査装置を構成することに
より、明瞭な検査画像が得られると共に、装置の小型化
等が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線検査装置の一実施例の構成を模式
的に示す図である。
【図2】本発明のX線検出器の一実施例の構成を示す断
面図である。
【図3】本発明に用いられる増感紙の構成例を示す断面
図である。
【図4】本発明の一実施例における増感紙の蛍光体の塗
布量と相対光出力との関係を示す図である。
【図5】本発明の一実施例における入射側増感紙と反射
側増感紙の蛍光体の塗布合計量と相対光出力との関係を
示す図である。
【図6】本発明に用いられる蛍光体の相対光出力を示す
図である。
【図7】Gd2 O 2 S:Tbの発光波長特性を示す図である。
【図8】Gd2 O 2 S:Prの発光波長特性を示す図である。
【図9】BaFCl:Euの発光波長特性を示す図である。
【図10】BaFBr:Euの発光波長特性を示す図である。
【図11】X線検出器に用いられるホトマルの分光感度
特性を示す図である。
【図12】従来の蛍光体の発光波長特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1……X線管 5……被検査物である荷物 6……散乱X線検出器 7……透過X線検出器 8……筐体状検出器本体 8a…X線入射面 10…透過型増感紙 11…反射型増感紙 12…ホトマル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B65G 43/08 F 9245−3F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線の入射部を有する筐体状の検出器本
    体と、前記入射部に配置された透過型蛍光発生手段と、
    前記入射部を除く前記検出器本体の内壁面に沿って配置
    された反射型蛍光発生手段と、前記検出器本体内に設置
    された光電変換手段とを具備するX線検出器において、 前記透過型蛍光発生手段および前記反射型蛍光発生手段
    の少なくとも一方として、 A2 O 2 S:D (AはGd、Laおよ
    び Yから選ばれた少なくとも 1種の元素を示し、 DはTb
    およびPrから選ばれた少なくとも 1種の元素、あるいは
    これらとCeおよびYbから選ばれた少なくとも 1種の元素
    との混合物を示す)、およびBaFX:E(XはClおよびBrから
    選ばれた少なくとも 1種の元素を示し、 EはEuまたはEu
    とCeおよびYbから選ばれた少なくとも 1種の元素との混
    合物を示す)から選ばれた蛍光体を用いたことを特徴と
    するX線検出器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のX線検出器において、 前記透過型蛍光発生手段および前記反射型蛍光発生手段
    の双方に、前記 A2 O2 S:D およびBaFX:Eから選ばれた
    同一または相異なる蛍光体を用いたことを特徴とするX
    線検出器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のX線検出器において、 前記透過型蛍光発生手段および前記反射型蛍光発生手段
    は、前記蛍光体を用いた増感紙を有することを特徴とす
    るX線検出器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のX線検出器において、 前記透過型蛍光発生手段側増感紙における前記蛍光体の
    塗布量と、前記反射型蛍光発生手段側増感紙における前
    記蛍光体の塗布量との合計量は、 80mg/cm2 〜300mg/cm
    2 の範囲にあることを特徴とするX線検出器。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のX線検出器において、 前記蛍光体は、残光が 1.0msec以下であることを特徴と
    するX線検出器。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のX線検出器において、 コンプトン散乱X線を検出することを特徴とするX線検
    出器。
  7. 【請求項7】 被検査物に対してX線を照射するX線照
    射手段と、被検査物からのコンプトン散乱X線または透
    過X線を検出するX線検出手段と、このX線検出手段に
    より測定したX線強度に基いて前記被検査物内部を画像
    化する手段とを具備するX線検査装置においては、 前記X線検出手段は、コンプトン散乱X線または透過X
    線が照射されることにより蛍光を発生する手段を有し、
    この蛍光発生手段として、 A2 O 2 S:D (AはGd、Laおよ
    び Yから選ばれた少なくとも 1種の元素を示し、 DはTb
    およびPrから選ばれた少なくとも 1種の元素、あるいは
    これらとCeおよびYbから選ばれた少なくとも 1種の元素
    との混合物を示す)、およびBaFX:E(XはClおよびBrから
    選ばれた少なくとも 1種の元素を示し、 EはEuまたはEu
    とCeおよびYbから選ばれた少なくとも 1種の元素との混
    合物を示す)から選ばれた蛍光体を用いたことを特徴と
    するX線検査装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のX線検査装置において、 前記X線検査装置は空港荷物検査装置であることを特徴
    とするX線検査装置。
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