JPH048914Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は麻酔器、人工呼吸器等を患者に使用す
る際、呼吸ガスの温度、湿度を好適な状態にする
ための呼吸用加温加湿器に関するものである。

（従来の技術） 一般に麻酔器や人工呼吸器による患者の呼吸中
には患者を不快にすることを避けるためのみなら
ず、患者の肺に害を与える問題を避けるため加温
加湿された呼吸ガスを送る必要があることが知ら
れている。このため従来より患者に送る前に呼吸
ガスを加温加湿する種々の装置が用いられてい
る。例えば呼吸ガスを温水中を通して、呼吸ガス
が泡沫状態で水中から湧出する際に必要な湿度を
気泡に付与するバブリングタイプの装置、温水中
に吸湿性の紙や不織布などを浸漬し、その吸湿し
た部分に呼吸ガスを通過させて呼吸ガスに必要な
湿度を付与する装置が市販されている。

また最近、膜モジユールへ温水を循環させなが
ら中空糸の内部を流通する呼吸ガスを加温加湿す
る装置が提案されている（特開昭55−38190号）。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、これら市販の装置は(1)無菌水を
使用するにもかかわらず感染の危険がある。(2)加
温加湿部分の表面積が小さく十分な性能が得られ
ないなどの問題があつた。また膜モジユールを利
用した装置は安全性、操作性の点で優れた装置で
あるが、水タンクと膜モジユールが離れて設けら
れているため呼吸ガス流路と温水流路が複雑に交
差するなど取扱性の点で問題があつた。

したがつて本考案の目的は取扱性の優れた加温
加湿器を提供することである。

（問題点を解決するための手段） すなわち本考案は、両末端を集束接着した多数
の中空糸を収容したハウジングの少くとも一部を
金属板で形成し、かつ該ハウジングの上部に液体
入口ポートと、該ハウジングの両端に呼吸ガス入
口ポートと出口ポートを設けた膜モジユールを、
縦型の空胴の側壁の一部に加熱板を設けた本体の
該空胴内に、膜モジユールを呼吸ガス入口ポート
と出口ポートが上下方向で、しかも、膜モジユー
ルのハウジングに設けられた金属板と空胴の側壁
に設けられた加熱板が接触するように収納すると
ともに、該加熱板により膜モジユール内に収容し
た液体をハウジングに設けられた金属板を介して
加熱して、中空糸の内部を流通する呼吸ガスを加
温加湿するよう構成したことを特徴とする加温加
湿器である。

（作用） 本考案は、側壁の一部に加熱板を設けた縦型の
空胴内に、ハウジングの一部を金属板で形成した
膜モジユールを収納して、ハウジング内に収容し
た液体を加熱することにより、極めてコンパクト
な加温加湿器が提供でき、しかも該加温加湿器に
は呼吸ガスチユーブが接続されるのみであるので
流路が簡略化される。

（実施例） 次に本考案の加温加湿器の一実施例を図面にて
説明する。第１図は膜モジユール１の斜視図であ
り、両末端を集束接着した多数の中空糸を収容し
た扁平状ハウジング２の両端に呼吸ガス入口ポー
ト３と出口ポート４を有するキヤツプ５が取着さ
れている。該ハウジング２は通常透明プラスチツ
クで形成されているが、その少くとも一部はステ
ンレス、アルミニウムなどの金属板６で形成され
ている。該金属板６とプラスチツクは接着剤で液
密に一体化されるが、プラスチツクとの一体化が
困難な場合にはハウジング２全体を金属板で形成
してもよい。ハウジング全体を金属板で形成する
場合には金属板にスリツト状開孔を設け、このス
リツト状開孔を透明プラスチツクで閉塞すればハ
ウジングの内部が観察できる。また上記ハウジン
グは下方、すなわち呼吸ガス出口ポート４に向つ
て断面が小さくなるような形状とすると、後述す
る本体に設けた空胴に膜モジユール１を収納した
ときに空胴の側壁に設けられた加熱板とハウジン
グを形成する金属板が密着して効率良く熱伝達が
できて好ましい。ハウジング２の上部側壁には液
体入口ポート７が取着される。この液体入口ポー
ト７から膜モジユール内に液体が充填され、かつ
使用時にはこのポートを液体バツグに接続すれば
液体の不足分を次動的に補充することができる。

第２図は加温加湿器の本体１０の斜視図であ
り、この本体には上記膜モジユール１を収納する
ための縦型の空胴１１と、この空胴の前面に膜モ
ジユールの内部を観察するための切り込み１２が
設けられている。空胴の下端は空胴内に収納した
膜モジユール１のキヤツプ５を当接させて固定す
るために閉塞され、この閉塞板に呼吸ガス出口ポ
ート４を挿通する開孔が設けられている。また空
胴１１の側壁には膜モジユールを空胴内に収納し
たときにハウジングに設けられた金属板６と接触
する位置に加熱板１３が取り付けられている。１
４は本体の前面には、温度表示、温度設定などの
操作及び表示パネルである。

本考案の加温加湿器は第２図に示すように本体
１０内に膜モジユール１が収納される。そして膜
モジユールの呼吸ガス入口ポート３には人工呼吸
器あるいは麻酔器からの呼吸ガスチユーブ２０が
接続され、呼吸ガス出口ポート４には患者へ呼吸
ガスを供給するためのチユーブ２１が接続され
る。また液体入口ポート６には液体バツグ２２が
接続される。２３はチユーブ２１を加温するため
のヒータ用の導電線である。

（効果） 本考案では加温加湿器本体に形成された空胴内
に膜モジユールを収納して、膜モジユールに呼吸
ガスチユーブ及び液体バツグを接続するだけで所
定の温度に加温加湿された呼吸ガスを容易に得る
ことができる。また中空糸内または出口キヤツプ
にたまつた水滴は膜モジユールの落差により容易
に排出されるため水滴を除去する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に用いる膜モジユールの斜視図
であり、第２図は加温加湿器本体の斜視図であ
る。 １……ハウジング、３……呼吸ガス入口ポー
ト、４……呼吸ガス出口ポート、５……金属板、
１０……本体、１３……加熱板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両末端を集束接着した多数の中空糸を収容した
   ハウジングの少くとも一部を金属板で形成し、か
   つ該ハウジングの上部に液体入口ポートと、該ハ
   ウジングの両端に呼吸ガス入口ポートと出口ポー
   トを設けた膜モジユールを、縦型の空胴側壁の一
   部に加熱板を設けた本体の該空胴内に、膜モジユ
   ールを呼吸ガス入口ポートと出口ポートが上下方
   向で、しかも、膜モジユールのハウジングに設け
   られた金属板と空胴の側壁に設けられた加熱板が
   接触するように収納するとともに、該加熱板によ
   り膜モジユール内に収容した液体をハウジングに
   設けられた金属板を介して加熱して、中空糸の内
   部を流通する呼吸ガスを加温加湿するよう構成し
   たことを特徴とする加温加湿器。