JPH04884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は下水処理施設における揚砂装置に関す
る。

従来の技術 従来の下水処理施設における揚砂装置は、第３
図に示すように、沈砂を滞留させる沈砂池１の上
流側に粗目スクリーン２を設けてジエツトポンプ
３を閉塞させる粗大ゴミを除去していた。そし
て、粗目スクリーン２を通過して沈砂池１に滞留
する沈砂をスクリユーコンベア等の掻寄せ装置４
により、沈砂ピツト５に搬送し、ジエツトポンプ
３で揚砂していた。また、沈砂池１に沈降しなか
つたゴミを細目スクリーン６で除去していた。

考案が解決しようとする問題点 しかし、上記の従来構成によれば、粗目スクリ
ーン２および細目スクリーン６に、それぞれのス
クリーンにより除去されたゴミを引上げるための
除塵装置を設けねばならず、揚砂装置全体として
の製作コストが高くなるとともに、除去されたゴ
ミの回収を複数箇所において行なわねばならず、
回収作業の作業効率の向上を図るうえで問題点と
されていた。

本考案は、上記問題点を解決するもので、装置
の簡素化を図つて揚砂装置全体としての製作コス
トを低下させるとともに、除去されたゴミの回収
作業の作業効率の向上を図つた揚砂装置を提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本考案は、沈砂池
に形成された沈砂ピツトと、この沈砂ピツトに配
置されるジエツトポンプと、沈砂池の下流側に隣
接して配置される細目スクリーンおよび除塵機と
を有する揚砂装置において、ジエツトポンプを閉
塞させる粗大ゴミを除去可能な粗目スクリーンを
沈砂ピツトの開口部を覆つてかつ、下流側の端部
が細目スクリーンに隣接するように設け、この粗
目スクリーンの上流側の端部に、粗目スクリーン
の表面に沿つてかつ細目スクリーンに向けて高圧
水を噴出させる高圧水噴射ノズルを設けるととも
に、粗目スクリーンの適当箇所に、空気を上方に
向けて噴出させる複数の空気噴出ノズルを設けた
構成としたものである。

作 用 上記構成において、沈砂池に沈降する沈砂およ
び粗大ゴミのうち、ジエツトポンプを閉塞させる
粗大ゴミは、沈砂ピツトへの流入時に粗目スクリ
ーンにより、その通過を阻止されて粗目スクリー
ン上に滞積し、一方の沈砂は粗目スクリーンを通
過して沈砂ピツトに沈降して滞留する。そして、
沈砂ピツトに滞留する沈砂はジエツトポンプによ
つて揚砂され、粗目スクリーン上に滞積する粗大
ゴミは、高圧水噴射ノズルより噴出する高圧水に
よつて粗目スクリーン上から下流の細目スクリー
ンの側に押出される。この時、空気噴射ノズルよ
り空気を噴出させ、この噴出する空気により粗大
ゴミを上方に付勢して揚力を付与する。そして、
この揚力を付与することによつて高圧水による粗
大ゴミの押出しを、より容易で確実なものとす
る。次に、細目スクリーン側に押出された粗大ゴ
ミは、細目スクリーンで除去された他の除去物と
ともに細目スクリーンの除塵機により引上げられ
て排出される。

実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図〜第２図において、下水処理水路１
１の底部には沈砂を沈降滞留させるための沈砂池
１２が形成されている。そして、下水の流れの方
向１３で沈砂池１２の最下流位置には、沈砂池１
２より一段低い沈砂ピツト１４が形成されてい
る。また、沈砂池１２には沈砂を沈砂ピツト１４
に掻寄せるためのスクリユーコンベア１５が設け
られている。さらに、沈砂池１２の下流側に隣接
してすなわち沈砂ピツト１４に隣接して細目スク
リーン１６およびこの細目スクリーン１６で除去
されたゴミを引上げるための除塵機１７が設けら
れている。そして、沈砂ピツト１４の開口部１８
には、粗目スクリーン１９が開口部１８を覆つ
て、かつ下流側の端部が細目スクリーン１６に隣
接するように設けられている。この粗目スクリー
ン１９の中ほどには、沈砂ピツト１４に上下方向
に配置されて高圧水により沈砂を揚砂する空気混
入式ジエツトポンプ２０を挿通させるための挿通
孔２１が形成されるとともに、この挿通孔２１を
囲むカバー２２が設けられている。そして、粗目
スクリーン１９は、沈砂の沈砂ピツト１４への沈
降を許容するとともに、ジエツトポンプ２０を閉
塞させる粗大ゴミの通過を阻止するように形成さ
れている。さらに、粗目スクリーン１９の上流側
の端部およびカバー２２の下流側には、粗目スク
リーン１９の表面に沿つてかつ細目スクリーン１
６に向けて高圧水２３を噴出させる複数の高圧水
噴射ノズル２４が設けられている。そして、粗目
スクリーン１９の適当箇所には、空気２５を上方
に向けて噴出させる複数の空気噴射ノズル２６が
設けられている。また、高圧水噴射ノズル２４お
よび空気噴射ノズル２６はジエツトポンプ２０に
高圧水および空気を供給する供給源（図示せず）
にそれぞれ連通している。すなわち、高圧水噴射
ノズル２４に供給する高圧水２３および空気噴射
ノズル２６に供給する空気２５は、ジエツトポン
プ２０を駆動するために設けられる設備を利用し
て供給される。

以下、上記構成における作用について説明す
る。まず、沈砂池１２に沈降する沈砂および粗大
ゴミを、スクリユーコンベア１５によつて沈砂ピ
ツト１４に向けて搬送し、沈砂ピツト１４に送り
込む。この時、沈砂は粗目スクリーン１９を通過
して沈砂ピツト１４に沈降滞留し、ジエツトポン
プ２０を閉塞させる粗大ゴミは粗目スクリーン１
９によつて除去される。そして、沈砂ピツト１４
に沈降滞留した沈砂はジエツトポンプ２０により
揚砂されて下水処理水路１１の外へ排出される。
次に、粗目スクリーン１９により除去されて粗目
スクリーン１９上に滞積する粗大ゴミが所定量に
達した時点で、高圧水噴射ノズル２４より高圧水
２３を噴射し、粗大ゴミを高圧水２３によつて細
目スクリーン１６側に押出す。この時、空気噴射
ノズル２６より空気２５を噴出させ、この噴出す
る空気２５により粗大ゴミを上方に付勢して揚力
を付与する。そして、この揚力を付与することに
よつて高圧水２３による粗大ゴミの押出しを、よ
り容易で確実なものとする。次に、押出された粗
大ゴミは、細目スクリーン１６で除去される他の
ゴミとともに除塵機１７によつて下水処理水路１
１の外へ引上げられる。したがつて、本実施例に
よれば、ジエツトポンプ２０を閉塞させる粗大ゴ
ミを粗目スクリーン１９で除去するとともに、除
去された粗大ゴミを高圧水２３によつて細目スク
リーン１６の側に押出して細目スクリーン１６で
除去された他のゴミとともに引上げることが出来
る。しかも、空気噴射ノズル２６より空気２５を
噴出させて、粗大ゴミに揚力を付与することによ
つて、高圧水２３による粗大ゴミの押出しをより
容易で確実なものとすることが出来る。したがつ
て、粗目スクリーン１９に除塵機を設ける必要が
なく、装置の簡素化を図つて揚砂装置の製作コス
トを低下させるとともに、除去されたゴミを一箇
所で引上げることにより回収作業の作業効率の向
上を図れる。

考案の効果 以上述べたごとく、本考案によれば、装置の簡
素化を図つて揚砂装置全体としての製作コストを
低下させるとともに、除去されたゴミの回収作業
の作業効率の向上を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、
第２図は第１図のａ−ａ矢視図、第３図は従来の
揚砂装置を示す図である。 １１……下水処理槽、１２……沈砂池、１４…
…沈砂ピツト、１５……スクリユーコンベア、１
６……細目スクリーン、１７……除塵機、１９…
…粗目スクリーン、２０……ジエツトポンプ、２
１……挿通孔、２３……高圧水、２４……高圧水
噴射ノズル、２５……空気、２６……空気噴射ノ
ズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 沈砂池に形成された沈砂ピツトと、この沈砂ピ
   ツトに配置されるジエツトポンプと、沈砂池の下
   流側に隣接して配置される細目スクリーンおよび
   除塵機とを有する揚砂装置において、ジエツトポ
   ンプを閉塞させる粗大ゴミを除去可能な粗目スク
   リーンを沈砂ピツトの開口部を覆つてかつ、下流
   側の端部が細目スクリーンに隣接するように設
   け、この粗目スクリーンの上流側の端部に、粗目
   スクリーンの表面に沿つてかつ細目スクリーンに
   向けて高圧水を噴出させる高圧水噴射ノズルを設
   けるとともに、粗目スクリーンの適当箇所に、空
   気を上方に向けて噴出させる複数の空気噴出ノズ
   ルを設けたことを特徴とする揚砂装置。