JPH048720Y2 - - Google Patents

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JPH048720Y2
JPH048720Y2 JP5038485U JP5038485U JPH048720Y2 JP H048720 Y2 JPH048720 Y2 JP H048720Y2 JP 5038485 U JP5038485 U JP 5038485U JP 5038485 U JP5038485 U JP 5038485U JP H048720 Y2 JPH048720 Y2 JP H048720Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は4チヤンネルステレオ再生装置等の
音場再生装置の改良に関する。
[従来の技術] 従来の簡便な4チヤンネル再生装置を第3図に
ついて説明すると、図において01L及び01R
はそれぞれ左及び右チヤンネル入力端子、02
L,02Rはそれぞれ前記左及び右チヤンネル入
力端子に接続された増幅回路、03L,03Rは
それぞれ前記増幅回路02L,02Rにそれぞれ
接続された前方配置用スピーカー装置、04L及
び04Rはそれぞれの同極(−端子)入力端子を
相互に接続し、他方の入力端子(+端子)を増幅
回路02L,02Rに接続した後方配置用スピー
カー装置である。
当該構成により左チヤンネル入力信号をEL
右チヤンネル入力信号をERとすると、前方配置
用スピーカー装置03L,03Rにはそれぞれ
A,EL、A,ERなる信号が印加し、左右の独立
した信号が再生され、後方配置用スピーカー装置
04LにはA(EL−ER)/2、後方配置用スピー
カー装置04RにはA(ER−EL)/2なる信号が
印加され、左右の差信号が再生される。
[考案の解決すべき問題点] すなわち、上記従来例ではホール等の雰囲気を
現出する残響成分は記録信号中に逆相成分として
含まれていることに着目し、後方配置用スピーカ
ー装置に左右の差信号を印加することにより、残
響成分を再生しようとするものである。
しかるに、ステレオ録音の場合、中高音域の音
は波長が短いので、左右のマイクロホンでの位相
差やレベル差が生じやすく、左右信号のレベル差
が大きくなるが、低音域の音は波長が長いことか
ら左右マイクロホンの位相レベル差が小さいので
左右信号のレベル差が小さくなり、低音域残響音
の再生が満足できない問題を有していた。
更に、特に小型オーデイオ再生装置において
は、商品価格や配置スペースの点から、出力が10
〜40W程度の増幅器と、フルレンジ型又は低音再
生用スピーカーと高音再生用スピーカーとよりな
る2ウエイスピーカー装置を組合せたオーデイオ
再生装置が多用されているが、スピイーカーボツ
クスの内容積が必然的に小さくなることと、大口
径のスピーカーを採用することが難かしいので、
前方配置用スピーカー装置の低音再生能力にも不
満を生じる。
一般的に上記条件下において低音再生能力を向
上せしめる手段として、低音再生用スピーカーの
最低共振周波数を下げるため、当該スピーカーの
振動系質量を増加せしめることが行なわれるが、
反面低音再生用スピーカーの能率が低下し、スピ
ーカーシステム全体としてのバランスを得るため
には中、高音用スピーカーの入力を制限する必要
がありスピーカー装置全体としての能率が低下す
る問題がある。
一方、小型オーデイオ再生装置では前述のごと
く、増幅器の出力が制限されているのでスピーカ
ー装置の能率はできるだけ高いことが有利である
という相反する要因がある。
この点を解決する手段として、増幅器に低音信
号のみの増幅度を増加する、いわゆるローブース
ト回路やトーンコントロール回路の附加が採用さ
れている。
しかるにこの種の回路を附加した増幅器におい
て、前述のように増幅器の出力が制限された小型
オーデイオ再生装置では、ブーストされた分だけ
入力レベルがより低いうちから信号がクリツプさ
れてしまう。
したがつて、低音信号と高音信号とが混在する
場合、低音信号により高音信号が混変調を受け、
音質劣化の原因となる。
また、低音信号のみの場合であつてもクリツプ
による高調波の発生により中、高音用スピーカー
から再生され、音質劣化の原因となる問題があつ
た。
[問題を解決するための手段] この考案は、左チヤンネル入力端子及び右チヤ
ンネル入力端子と、前記左チヤンネル入力端子に
接続された第1増幅回路と、前記左チヤンネル入
力端子にフエイズシフト回路を介して接続された
第2増幅回路と、前記第1増幅回路出力に接続さ
れた第1出力端子及び前記第2増幅回路出力に接
続された第2出力端子と、前記右チヤンネル入力
端子に接続された第3増幅回路と、前記右チヤン
ネル入力端子にフエイズシフト回路を介して接続
された第4増幅回路と、前記第3増幅回路出力に
接続された第3出力端子及び前記第4増幅回路出
力に接続された第4出力端子と、前記第1出力端
子に正極端子が接続され負極端子が接地された前
方左配置高音再生用スピーカーと、前記第3出力
端子に正極端子が接続され負極端子が接地された
前方右配置高音再生用スピーカーと、前記第1出
力端子に正極端子を前記第2出力端子に負極端子
を接続した前方左配置低音再生用スピーカーと、
前記第3出力端子に正極端子を前記第4出力端子
に負極端子を接続した前方右配置低音再生用スピ
ーカーと、前記第1出力端子に正極端子を前記第
4出力端子に負極端子を接続した後方左配置スピ
ーカーと、前記第3出力端子に正極端子を前記第
2出力端子に負極端子を接続した後方右配置スピ
ーカーとを具備する音場再生装置である。
[作用] この考案は上記の構成により、一方のチヤンネ
ルの信号と低域信号成分のみが位相シフトされた
他方のチヤンネル信号をそれぞれ逆相で後方配置
用スピーカー装置に印加し、低域信号は左右の和
に相当する信号を後方配置用スピーカー装置より
再生することにより従来の4チヤンネル再生装置
の問題点を解決し、更に前方配置低音再生用スピ
ーカーには低域レベルが増大された信号を印加
し、前方配置低音再生用スピーカーの低域再生能
力を向上するに至つたのである。
[実施例] 第1図において、1L及び1Rはそれぞれ左及
び右チヤンネル入力端子、21L及び21Rはそ
れぞれ前記入力端子1L及び1Rにそれぞれ接続
された第1及び第2増幅回路、22L及び22R
はそれぞれ前記入力端子1L及び1Rにフエイズ
シフト回路5L及び5Rを介して接続した第3及
び第4増幅回路、41L,42L,41R及び4
2Rはそれぞれ第1、第2、第3及び第4増幅回
路にそれぞれ接続された第1、第2、第3及び第
4出力端子、31Lは第1出力端子41Lに正極
端子が接続され負極端子が接地された前方左配置
高音再生用スピーカー、31Rは第3出力端子4
1Rに正極端子が接続され負極端子が接地された
前方右配置高音再生用スピーカー、32Lは第1
出力端子41Lに正極端子が第2出力端子42L
に負極端子が接続された前方左配置低音再生用ス
ピーカー、32Rは第3出力端子41Rに正極端
子が第4出力端子42Rに負極端子が接続された
前方右配置低音再生用スピーカー、6Lは第1出
力端子41Lに正極端子が第4出力端子42Rに
負極端子が接続された後方左配置用スピーカー、
6Rは第3出力端子41Rに正極端子が第2出力
端子42Lに負極端子が接続された後方右配置用
スピーカーである。
ここでフエイズシフト回路5L及び5Rとして
第2図に示すように伝達関数Tが、 T=−1−jω/ω0/1+jω/ω0 但し、ω0=1/RC で表わされる回路を使用し、各増幅回路の利得を
Aとし、左チヤンネル入力端子1LにEL、右チ
ヤンネル入力端子にERなる信号が印加された場
合について説明すると、増幅回路21Lの出力
vL1は vL1=A・EL 増幅回路22Lの出力vL2は vL2=−A1−jω/ω0/1+jω/ω0EL 増幅回路21Rの出力vR1は vR1=A・ER 増幅回路22Rの出力vR2は vR2=−A1−jω/ω0/1+jω/ω0ER となり、左後方配置スピーカー6Lに印加される
信号v1は v1=A(1+jω/ω0)EL+(1−jω/ω0)ER/1+
jω/ω0 となり、右後方配置スピーカー6Rに印加される
信号v2は v2=A(1+jω/ω0)EL+(1−jω/ω0)ER/1+
jω/ω0 となる。
すなわち、ω0以下の低周波数信号成分は、左
右の和信号が後方配置用スピーカー装置に印加さ
れω0以上の高域信号成分は従来のようにその左
右の差信号が後方配置用スピーカーに印加される
ことになる。
又、左前方配置高音再生用スピーカー31L印
加される信号v3は、 v3=A・EL 右前方配置高音再生用スピーカー31Rに印加
される信号v4は、 v4=A・ER となる。
更に左前方配置低音再生用スピーカー32Lに
印加される信号v5は、 v5=2A/1+jω/ω0EL 右前方配置低音再生用スピーカー32Rに印加
される信号v6は、 v6=2A/1+jω/ω0ER となる。
これは、低音再生用スピーカー32L,32R
に高音再生用スピーカー31L,31Rに印加さ
れる電圧の2倍の低域信号が印加されることにな
る。
これは電力にすると4倍となり、これにより低
音再生用スピーカー32L,32Rは高音再生用
スピーカー31L,31Rに比較して、6dB能率
を低く設計しても両スピーカーのバランスを損な
わない。
よつて、低音再生用スピーカーはその分だけ低
域共振周波数の低いスピーカーが採用できるの
で、低域再生能力を向上せしめることができた。
[考案の効果] したがつてこの考案によれば、残響時間が長い
にもかかわらず、逆相成分の少ない低域信号成分
は和信号として再生されるのでその再生レベルが
従来例に比較して著しく増大し、後方配置用スピ
ーカーの低域再生の不足を解消することができ
る。
なお、後方配置用から再生される低域信号成分
はモノラルで再生されるが、もともと低域信号成
分は指向性が小さいので再生時に違和感が生じる
ことはない。
又、低域再生能力を向上せしめる目的で、たと
えば振動系の質量を増加することにより低域共振
周波数を低く設計したスピーカーシステムを接続
した場合であつても低音再生用スピーカーの入力
レベルを高音用スピーカーのそれに比較して、大
にすることができるので、スピーカーシステム全
体のバランスを損なうことなく低音再生能力を向
上せしめることができた。
又、従来のローブースト回路と異なりこの考案
では、ローブースト作用を行なうのは増幅回路2
bのみであり、高音用スピーカーが接続されてい
る増幅回路系はフラツトな特性であるので、ロー
ブースト作用を行なつても高音用スピーカーが接
続されている増幅回路には何らの影響を及ぼさ
ず、低音再生用スピーカーの周波数特性により高
音再生用スピーカーの特性が劣化することがない
ので、高音の音質劣化を防止することができる等
の利点を有する。
なお、前方配置用スピーカー装置として2ウエ
イ型スピーカー装置を例示して説明したが、高音
再生用スピーカーに必要なら適宜のネツトワーク
回路を介して他の帯域を再生するスピーカーを併
接したスピーカー装置が適用でき、後方再生スピ
ーカー装置としてマルチウエイ型スピーカー装置
が勿論適用できるものである。また前記スピーカ
ーの接続極性はそれぞれ反対にしても同様の効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案実施例の音場再生装置のブロ
ツク回路図、第2図はこの考案に使用されるフエ
イズシフト回路の一例回路図、第3図は従来の音
場再生装置のブロツク回路図である。 1L及び1Rはそれぞれ入力端子、21L,2
2L、21R及び22Rはそれぞれ増幅回路、4
1L,42L,41R及び42Rはそれぞれ出力
端子、5Lおよび5Rはそれぞれフエイズシフト
回路、31L及び31Rはそれぞれ前方配置高音
再生用スピーカー、32L及び32Rはそれぞれ
前方配置低音再生用スピーカー、6L,6Rはそ
れぞれ後方配置用スピーカーである。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 左チヤンネル入力端子1L及び右チヤンネル入
    力端子1Rと、前記左チヤンネル入力端子1Lに
    接続された第1増幅回路21Lと、前記左チヤン
    ネル入力端子1Lにフエイズシフト回路5Lを介
    して接続された第2増幅回路22Lと、前記第1
    増幅回路21L出力に接続された第1出力端子4
    1L及び前記第2増幅回路22L出力に接続され
    た第2出力端子42Lと、前記右チヤンネル入力
    端子1Rに接続された第3増幅回路21Rと、前
    記右チヤンネル入力端子1Rにフエイズシフト回
    路5Rを介して接続された第4増幅回路22R
    と、前記第3増幅回路21R出力に接続された第
    3出力端子41R及び前記第4増幅回路22R出
    力に接続された第4出力端子42Rと、前記第1
    出力端子41Lに正極端子が接続され負極端子が
    接地された前方左配置高音再生用スピーカー31
    Lと、前記第3出力端子41Rに正極端子が接続
    され負極端子が接地された前方右配置高音再生用
    スピーカー31Rと、前記第1出力端子41Lに
    正極端子を前記第2出力端子42Lに負極端子を
    接続した前方左配置低音再生用スピーカー32L
    と、前記第3出力端子41Rに正極端子を前記第
    4出力端子42Rに負極端子を接続した前方右配
    置低音再生用スピーカー32Rと、前記第1出力
    端子41Lに正極端子を前記第4出力端子42R
    に負極端子を接続した後方左配置スピーカー6L
    と、前記第3出力端子41Rに正極端子を前記第
    2出力端子42Lに負極端子を接続した後方右配
    置スピーカー6Rとを具備することを特徴とする
    音場再生装置。
JP5038485U 1985-04-04 1985-04-04 Expired JPH048720Y2 (ja)

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JPS61166700U JPS61166700U (ja) 1986-10-16
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