JPH048063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は多種多様な物品を積載運搬できる手押
車に関し、特に田畑への薬剤噴霧装置の運搬を容
易にするものである。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題
点〕 田畑に薬剤等を散布するための動力噴霧器で小
型のものは前後に把手を有する台枠上にこれをセ
ツトし、二人掛りでこの台枠を持つて田畑の畦道
等を運搬するような使い方をしている。またこの
時、噴霧器の薬剤噴射用ホースを収納する巻取リ
ールは別置になつていため大変扱い難い。

また上記運搬台枠は動力噴霧器の専用運搬台で
あつて他の用途がなく薬剤散布作業時の外は農作
業上無用の長物であり、これらの不合理を解決す
る方法が強く望まれていた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案はこれに鑑み種々検討の結果、上記問題
点を一挙に解決し、薬剤散布作業以外にも多目的
で使用できる手押車を開発したものでアルミニウ
ム又はアルミニウム合金製押出パイプをＵ形に一
体成形して外枠を形成し、該外枠後方のＵ形の開
いた端部側を左右の手押し用把手杆となし、該端
部側の両側部の外枠を左右方向の後部補強杆で連
結固定して得られる方形の積載部を同一平面内に
形成するとともに該積載部を左右方向の中間補強
杆で前方積載部と後方積載部に区分し、さらに該
前方積載部は前後方向の補強支持杆を固定して左
右に区分してあり、該補強支持杆の左右には外枠
との間に複数の積載物取付ベースを着脱自在に取
り付け、かつ中間補強杆と外枠前端杆とを連結し
て１対の車軸支持杆を下方へ張り出すように並設
固定し、該車軸支持杆には１個又は２個の車輪を
取り付けた車軸を支承してあり、さらに後方積載
部には前後又は左右方向に着脱自在に補助杆を取
り付け、かつ該積載部下側の左右には略Ｕ字形で
下端に防振ゴムを取り付けた１対の支持脚を固定
し、それぞれの支持脚の下部と後部補強杆及び側
部外枠とを補強リブで連結固定することを特徴と
するものである。

〔作用〕

Al又はAl合金製押出パイプを使用するのは軽
量であり、しかも強度や外観上優れているからで
ある。

前方積載部に複数の積載物取付ベースを着脱自
在に取り付けるのは運搬しようとする機械その他
の装置の種類により、取付ベースの個数や位置を
変化させて最適の状態で運搬物を据付けるためで
ある。

後方積載部に前後又は左右方向に着脱自在に補
助杆を取り付けるのは撒水ホースなどを収納する
巻取リールの回転軸を90°切り換えた状態でセツ
トできるからであり、これにより狭い場所でも手
押車全体を方向転換しなくともホースなどの巻取
方向を変えることができる。

また後方積載部の左右の支持脚下端に防振ゴム
を設けたのは、手押車に据付けた機械を振動から
保護するためであり、これらをトラツクで運搬す
る場合の振動やこれらを手押し運搬後地面に置く
時の衝撃を和らげることができる。

さらに手押謝意の積載部を同一平面で形成して
いるのはこの上にコンテナ等を載置することによ
りより多種類の物品を運搬できるからである。

〔実施例〕

本考案を１実施例に基づき説明する。

第１図に示すようにAl合金製押出パイプをＵ形
に一体成形して外枠１とし、そのＵ形の開いた端
部側を左右の手押し用把持杆２，２′とし、該端
部側の左右の外枠１を後部補強杆９で連結固定し
て水平面内に方形の積載部３を形成する。さらに
該積載部３の長手方向略中央に左右方向に中間補
強杆４を固定して前側の前方積載部と把持側の後
方積載部とに区分する。

前方積載部の左右方向略中央には前後方向に補
強支持杆５を固定してあり、さらに該積載部の左
右下側には屈曲した車軸支持杆６，６′を張り出
し固定し、該支持杆６，６′により左右の車輪７，
７′を取り付けた車軸を支承している。

他方後方積載部の下側には下端部の防振ゴム１
０，１０′を取り付けた略Ｕ字形の支持脚１１，
１１′を外枠１に固定し、手押車を地面等に静置
したときに積載部３がほぼ水平を保持するような
高さとする。なお上記支持脚１１，１１′は前後
方向及び左右方向にリブ１２ａ，１２ｂ，１２
ｃ，１２ｄを設けて一層耐荷重を増している。

以上の後部補強杆９、中間補強杆４、補強支持
杆５、車軸支持杆６，６′、支持脚１１，１１′及
びリブ１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１２ｄはすべて
Al又はAl合金製押出パイプで作られており、こ
れら相互間及び外枠１との固定はすべて溶接され
ており、軽量化と強度向上を図つている。

第１図のようにこの手押車は、積載部３上は水
平に構成されているので、この上に平板や運搬物
に適した各種コンテナを載置することにより、多
種類の収穫した農作物、農機具、肥料袋等を運搬
できる。

このように多目的に利用できる手押運搬車で機
械装置を据付けて運搬する場合の例として、動力
噴霧器と薬剤導出用ホースの巻取リールを同時に
運搬する方法を次に説明する。

第２図に示すような横断面コ形で手押車を構成
するAl合金製パイプ外径と同一曲率の凹部１３
を長手方向両側の側板に形成し、運搬しようとす
る機械装置を取り付ける長穴１４を設けた取付ベ
ース１５を第３図に示すように手押車の前方積載
部の補強支持杆５と外枠１とに上記凹部１３を適
合させて載架し、Ｕ型ボルトでパイプを抱持して
ベース１５上面に穿設したボルト穴１６を用いて
それぞれパイプと着脱自在に係止する。次に巻取
リールを後方積載部に据付けるにはホースの巻取
り方向が手押車の側面からの場合、即ち巻取リー
ルの軸を手押車の前後方向に設ける場合は第３図
に示すようにAl又はAl合金製の補助杆１７を左
右の外枠１に架設し、該補助杆１７及び後部補強
杆９の左右中央に巻取リールの軸を支承するＵ字
形治具１８を着脱自在に取り付ける。また巻取リ
ールの軸を手押車の左右方向に設ける場合は上記
補助杆１７を外枠１の後部補強杆９と中間補強杆
４とに架設し、補助杆１７中央と対向する位置の
外枠１とにＵ字形治具１８を着脱自在に取り付け
れば良い。

このような手押車に第４図及び第５図に示すよ
うに前方積載部に動力噴霧器１９を据付けるが、
動力噴霧器１９から薬剤を導出噴射するためのホ
ース巻取リール２０は補助杆１７の位置が第３図
に示すように左右方向の場合は第４図のように軸
を前後方向に架設して、該巻取リール２０の回転
ハンドル２１が後方の把持杆２，２′の間にくる
ようにセツトし、また補助杆１７の位置が前後方
向の場合は第５図のように巻取リール２０の軸を
左右方向に架設して回転ハンドル２１が外枠１の
外側方にくるように巻取リール２０をセツトす
る。

なお巻取リール２０の軸方向の長さが短く、第
４図のように補助杆１７と中間補強杆４の間、又
は第５図のように補強杆１７と外枠１との間に空
間ができるときはこの場所に小物入れケース（バ
スケツト等）２２を上方より着脱自在に嵌合でき
るので、必要な小物を収納携行でき大変便利であ
る。

〔考案の効果〕

このように本考案によれば動力噴霧器とホース
巻取リールを同時にかつ容易に一人でも狭い場所
を運搬できるばかりでなく、多種多様なものを運
搬する多目的手押車として利用できる等実用上顕
著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２
図は機械装置の取付ベースを示す斜視図、第３図
は動力噴霧器をセツトできる状態にある本考案手
押車の斜視図、第４図及び第５図は本考案手押車
に動力噴霧器とホース巻取リールをそれぞれセツ
トした状態を示す斜視図である。 １……外枠、２，２′……把手杆、３……積載
部、４……中間補強杆、５……補強支持杆、６，
６′……車軸支持杆、７，７′……車輪、８……車
軸、９……後部補強杆、１０，１０′……防振ゴ
ム、１１、１１′……支持脚、１２ａ，１２ｂ，
１２ｃ，１２ｄ……リブ、１３……凹部、１４…
…長穴、１５……ベース、１６……ボルト穴、１
７……補助杆、１８……Ｕ字形治具、１９……動
力噴霧器、２０……ホース巻取リール、２１……
回転ハンドル、２２……小物入れケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミニウム又はアルミニウム合金製押出パイ
   プをＵ形に一体成形して外枠を形成し、該外枠後
   方のＵ形の開いた端部側を左右の手押し用把手杆
   となし、該端部側の両側部の外枠を左右方向の後
   部補強杆で連結固定して得られる方形の積載部を
   同一平面内に形成するとともに該積載部を左右方
   向の中間補強杆で前方積載部と後方積載部に区分
   し、さらに該前方積載部は前後方向の補強支持杆
   を固定して左右に区分してあり、該補強支持杆の
   左右には、外枠との間に複数の積載物取付ベース
   を着脱自在に取り付け、かつ中間補強杆と外枠前
   端杆とを連結して１対の車軸支持杆を下方へ張り
   出すように並設固定し、該車軸支持杆には１個又
   は２個の車輪を取り付けた車軸を支承してあり、
   さらに後方積載部には前後又は左右方向に着脱自
   在に補助杆を取り付け、かつ該積載部下側の左右
   には略Ｕ字形で下端に防振ゴムを取り付けた１対
   の支持脚を固定し、それぞれの支持脚の下部と後
   部補強杆及び側部外枠とを補強リブで連結固定す
   ることを特徴とする手押車。