JPH0476599B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はＸ線CT装置に関し、更に詳しくは、
Ｘ線CT装置のＸ線漏洩防止構造に関する。

（従来の技術） Ｘ線CT装置はＸ線によつて患部の断層写真を
撮影する装置であつて、その概略の構成は第３図
の通りである。図中１はＸ線管、２はコリメータ
を収納したコリメータケース、３はボウタイフイ
ルタ、４は患者、５は検出器である。Ｘ線管１か
ら出たＸ線はコリメータケース２内にあるコリメ
ータ（図示せず）を通つて扇状の放射線にされて
患者４の体内に入り、検出器５で検出される。こ
の検出器に到達するＸ線６の強度比は患者を透過
したところと患者を透過しない部分とでは１：
1000〜2000にもなる。このような大きなダイナミ
ツクレンジは、検出器５自身の感度の直線性や、
検出信号を処理する処理回路に大きな負担とな
る。そのため、従来はＸ線CT装置のダイナミツ
クレンジ軽減法として、第３図に示すボウタイフ
イルタ３が使用されている。ボウタイフイルタ３
は合成樹脂で、コリメータケース２はアルミ合金
で作られている。そのためボウタイフイルタ３に
入つたＸ線の一部はランダムに散乱してコリメー
タケース２を透過して外へ漏れてしまう。この状
態を第４図に示す。図に示すようにＸ線はボウタ
イフイルタ３の縁部、ボウタイフイルタ３の内部
等から乱反射して外部に出てしまう。これは人体
に有害になるＸ線である。漏れを防ぐためにコリ
メータケース２の内側に鉛板をねじ止めにより取
付けたり又は貼りつけなければならない。

（発明が解決しようとする問題点） 上述のようにＸ線の漏洩を防止するためにコリ
メータケース２に鉛板を取付ける必要はあるが、
コリメータケース２、特に内側はフラツトとは限
らず、色々な部品を取付けることが多いので、鉛
板を取付けるのに非常に手間がかかり、隙間無く
貼るのも困難である。

本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、Ｘ線の漏洩を防止するために手間もか
からず容易な方法で行つた漏洩防止の構造を実現
することにある。

（問題点を解決するための手段） 前記の問題点を解決する本発明は、Ｘ線管と、
Ｘ線を扇状に放射させるコリメータと、そのケー
スと、患者を透過したＸ線と透過しないＸ線を同
一レベルにするボウタイフイルタと、検出器から
成るＸ線CT装置において、ボウタイフイルタに
鉛外被を巻付けて固着することを特徴とするもの
である。

（作用） ボウタイフイルタに鉛外被を巻付け、ねじ止め
又は貼付けを行い、漏洩Ｘ線を遮断し吸収させ
る。

（実施例） 以下に本発明の実施例について詳細に説明す
る。第１図は本発明のＸ線漏洩防止構造を示す組
立図である。７は鉛板製の外被でボウタイフイル
タ３の外側に巻付けるように装着し、接着又はね
じ止めによりボウタイフイルタ３に固定する。こ
の鉛板の外被７を取り付けたＸ線CT装置を第２
図に示す。Ｘ線管１から発射されたＸ線６はコリ
メータケース２を通過してボウタイフイルタ３を
通るときに乱反射したＸ線は図に示すように鉛外
被７に遮られて吸収される。このようにして散乱
したＸ線は外部に漏れることはない。

鉛板はボウタイフイルタ３に巻付けなくても、
ボウタイフイルタ３を囲うようにコリメータケー
ス２内に取付けても良い。この場合ボウタイフイ
ルタ３と鉛外被７との間に隙間があつても差支え
ない。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、ボウタ
イフイルタで乱反射したＸ線は鉛外被に吸収され
て漏洩することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例のＸ線漏洩防止構造の
組立図、第２図は本発明の実施例Ｘ線漏洩防止構
造の効果を示す図、第３図は従来のＸ線CT装置
の概略構成図、第４図は従来のＸ線CT装置に依
つて生ずるＸ線の漏洩状況を示す図である。 １……Ｘ線管、２……コリメータケース、３…
…ボウタイフイルタ、４……患者、５……検出
器、６……Ｘ線、７……鉛外被。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ Ｘ線管と、Ｘ線を扇状に放射させるコリメー
   タと、そのケースと、患者を透過したＸ線と透過
   しないＸ線を同一レベルにするボウタイフイルタ
   と、検出器から成るＸ線CT装置において、ボウ
   タイフイルタに鉛外被を巻付けて固着するＸ線
   CT装置のＸ線漏洩防止構造。