JPH0475496B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、印刷板の多面焼付位置決定器具に
関するものであり、一層詳細には、印刷物の規格
寸法、規格外寸法の一本断、ドブ付を必要とする
印刷板の多面焼付位置決定器具に関するものであ
る。

〔従来技術および解決すべき課題〕

従来より、印刷板の多面焼付位置を決定する方
法としては、感光性印刷板（以下PS版という）
のXY方向に沿つて原稿フイルムを手動または自
動で移動して位置決めする殖版機を使用する方法
あるいはPS版の表面に焼付面数に応じて所定の
線引きを施し、この線と原稿フイルムの中心線ま
たは仕上線を目視により合わせて複数面の位置決
定を行なう“のぞき”法などが知られている。

しかるに、前者の殖版機を使用する方法では大
がかりなる殖版機自体が高価でしかも広い据付場
所を必要とし、操作技術も高度であるため焼付を
要する単位コストが嵩み、また後者の“のぞき”
法は全ての作業を目で確認しながら行なうので永
年に亘る熟練を必要とするだけでなく作業による
眼精疲労も多くさらには作業者個人による誤差も
生じやすいなど種々の問題点を有していた。

このような問題を解決するため、例えば、スラ
イドバーに透明フイルムと透明方眼フイルムとを
重ねてはめ込んだ後、裏返して透明フイルム上の
所定位置に透明方眼フイルムの方眼を利用して原
稿フイルムを固定し、再び裏返して方眼フイルム
をはずし、このようにして得られた原稿フイルム
を固定した透明フイルムを本体のスケール溝にス
ライドバーを介して装着し、このスライドバーの
移動によりプリンター上の所定位置に原稿フイル
ムを位置させて焼付を行なうようにした製版用殖
版機（実開昭和50−19502号公報）が提案されて
いるが、この殖版機は透明方眼フイルムと原稿フ
イルムを重ねるので静電気が起りやすく、付着し
た埃やゴミの除去が面倒であり、印刷板の画像欠
けなど不良画像も生じやすく、さらには多面焼付
を行なう場合はスライドバーを移動してから従来
ののぞきによる目視を行なう必要があるため作業
が煩雑化し位置ずれも生じるなど実用上の問題が
あつた。

〔課題の解決手段〕

そこで、この発明では、無伸縮性の矩形状合成
樹脂ベースの上下左右縁部に１mm目盛を設けると
ともにこれらの目盛の外側に切り抜き部を平行に
設けさらに前記各縁部の１mm目盛の内側に１mm方
眼目盛を設けたPS版ベースと、前記PS版ベース
の約半分の大きさに設定されPS版ベースと同様
の１mm目盛と切り抜き部と１mm方眼目盛を設けた
マスターシートと、２つの突起部の中間に中心線
を描画した金属または合成樹脂製の２点ピンバー
と、前記２点ピンバーの突起部と同間隔に設定し
たパンチホールを有し無伸縮性の透明合成樹脂性
パンチシートとにより多面焼付位置決定器具を構
成して、熟練技術を必要とすることなく各焼付位
置を正確にかつ迅速に決定できるだけでなく静電
気等による不良画像の発生をも阻止するようにし
たものである。

〔作用〕

この発明に係る多面焼付位置決定器具では、マ
スターシートを使用して所定の位置に設定した２
点ピンバーにパンチシートを装着した後、このパ
ンチシートに粘着テープなどで原稿フイルムを固
定し、ついでこの原稿フイルムを固定したパンチ
シートを、PS版ベースの切り抜き部の所定位置
に焼付面数に応じあらかじめ固定した２点ピンバ
ーに装着して所望の多面焼付位置を決定するもの
である。

〔実施例〕

次に、本発明に係る多面焼付位置決定器具の好
適な実施例につき添付図面を参照しながら以下詳
細に説明する。

添付図面において、本発明に係る多面焼付位置
決定器具は、厚さ0.25mmのポリエステル樹脂シー
トなどの無伸縮性合成樹脂シートを素材とする矩
形状ベース１０の表面をマツト加工し、その上下
左右縁部に１mm目盛１２ａ，１２ｂ，１２ｃ，１
２ｄを設けるとともにこれらの目盛１２ａ，１２
ｂ，１２ｃ，１２ｄの外側に沿つて切り抜き部１
４ａ，１４ｂ，１４ｃ，１４ｄを平行に設け、さ
らに前記各縁部の１mm目盛１２ａ，１２ｂ，１２
ｃ，１２ｄの内側全面に亘つて１mm方眼目盛１６
を設けたPS版ベース１８と、 このPS版ベース１８の約半分の大きさに設定
するとともに該PS版ベースと同様にシート本体
の三縁部に１mm目盛２０ａ，２０ｂ，２０ｃを設
けるとともにこれらの目盛２０ａ，２０ｂ，２０
ｃの外側に沿つて、例えば、幅７mmの切り抜き部
２２ａ，２２ｂ，２２ｃを夫々平行に設け、さら
に前記三縁部の１mm目盛２０ａ，２０ｂ，２０ｃ
の内側全面に亘つて１mm方眼目盛２４を設けたマ
スターシート２６と、 合成樹脂製板材の表面に高さ２mmで直径を６mm
程度に設定した２つの丸ピン２８，２８を突設す
るとともにこれらの丸ピン２８，２８の中間に中
心線３０を描画した２点ピンバー３２と、 ポリエステル樹脂シートなどの無伸縮性合成樹
脂シートを素材とするシート本体に前記２点ピン
バー３２における丸ピン２８，２８と同じ離間距
離にパンチホール３４，３４を穿設したパンチシ
ート３６とから構成されている。

この場合、マスターシート２６に設けた１mm目
盛２０と１mm方眼目盛２４とは、ライトテーブル
上で見やすく疲労感のない色、例えば、濃緑色あ
るいはセピア色などで描画するのが好ましく、ま
た、該マスターシート２６の目盛２０と２４、
PS版ベース１８の目盛１２と１６を夫々一体に
描画して位置決め作業および製造の簡易化とコス
トの低減を図るのが好適である。

なお、前記PS版ベース１８の方眼目盛１６中
には規格寸法線を重ねて描画するが、印刷板の多
面焼付位置を決定する場合、その７割以上が規格
外寸法であることを考えると規格寸法に対応する
引出線を１mm目盛１２あるいは切り抜き部１４の
外側に描画するほうが実用上より好ましい。

また、本実施例においては、PS版ベース１８
の下敷きとして特殊合成紙３８〔例えば、商品
名；ユポ、王子油化(株)製）を配置し、各目盛１
２，１６の目視の容易化と２点ピンバー３２の移
動の容易化を図れるように構成しているが、この
特殊合成紙３８を省略することができることは言
うまでもない。

次に、このように構成した本発明に係る多面焼
付け位置決定器具の使用手順につき説明する。

まず、図示しないライトテーブル上にマスター
シート２６を配置し、原稿フイルムＡの膜面を下
にした状態でこのマスターシート２６に設けた目
盛２０の縦横の０線に原稿フイルムＡの仕上がり
トンボを合わせるか、あるいは方眼目盛２４に中
心トンボを合わせて載置する。

次にマスターシート２６の切り抜き部２２に２
点ピンバー３２を下から挿入して丸ピン２８，２
８を突出させるとともに該２点ピンバー３２の中
心線３０を原稿フイルムＡの中心トンボに合わ
せ、この２点ピンバー３２を透明粘着テープなど
でマスターシート２６に固定する。

そして次にパンチシート３６のパンチホール３
４，３４を２点ピンバー３２の丸ピン２８，２８
に装着し、透明粘着テープで原稿フイルムＡとパ
ンチシート３６とを貼着固定する（第２図参照）。

次に、PS版ベース１８を用意してこのPS版ベ
ース１８の切り抜き部１４における、マスターシ
ート２６に２点ピンバー３２を固定した位置と同
じ位置に、別の２点ピンバー３２をその丸ピン２
８，２８の頭がでるようにして入れ、粘着テープ
で固定する。この場合、２面、４面などそれぞれ
原稿フイルムＡの仕上がり寸法に従つて前記２点
ピンバー３２のセツト位置を割り出し、これに対
応するPS版ベース１８の１mm目盛１２位置と２
点ピンバー３２の中心線３０を合わせて、２面付
は２つ、４面付は４つの２点ピンバー３２をPS
版ベース１８に予じめ粘着テープで固定する。

そしてPS版ベース１８に記入されている中心
線とクワエ巾をガイドにして、PS版ベース１８
上にPS版Ｂを載置し、セツト位置を調整した後
粘着テープで固定する。なお、この時、PS版Ｂ
の位置が一定の場合は、クワエ側２カ所と左右１
カ所にPS版当てを設けておけば、PS版Ｂを常に
正確な位置に簡便にセツトすることができるので
好適である。

そして、透明粘着テープでパンチシート３６に
貼着固定した原稿フイルムＡの膜面とPS版Ｂの
感光面が合致するように重ね、原稿フイルムＡに
取り付けたパンチシート３６のパンチホール３４
をPS版ベース１８にセツトした所定の２点ピン
バー３２の丸ピン２８，２８に装着することによ
り焼付位置が決定され、露光面以外を遮光紙で覆
つて焼付機で真空にして露光する（第３図参照）。

なお、他の面も前述と同様に所定の２点ピンバ
ー３２に原稿フイルムＡに取り付けたパンチシー
ト３６を順次装着して、２面は２回、４面は４回
露光すれば良い。

〔発明の効果〕

先に述べたように、本発明に係る多面焼付位置
決定具によれば、パンチシートに原稿フイルムを
貼着固定し、PS版をセツトしたPS版ベースにそ
の焼付面数に応じ予じめ固定した所定の２点ピン
バーにこのパンチシートを順次装着していくだけ
で上下左右の多面の焼付位置を簡単に決定するこ
とができるだけでなく、パンチシートに原稿フイ
ルムを直接貼着するので静電気なども起こりにく
く埃、ゴミなどによる不良画像等の発生を可及的
に阻止することができる。また、２点ピンバーを
適宜移動するだけで熟練者でなくてもあらゆる寸
法の位置合わせを簡単にかつ正確に行なうことが
できるので、多面焼付位置の決定だけではなく、
例えば、0.2mm以下の正確さを要求される多色刷
における位置合わせも正確にかつ迅速に行なうこ
とができ、従つて、焼付工程の能率化を大幅に図
ることができる等の種々の利点を有するものであ
る。

以上、本発明に係る多面焼付位置決定器具の好
適な実施例につき説明したが、本発明はこの実施
例に限定されるものではなく、本発明の精神を逸
脱しない範囲内において種々の設計変更をなし得
ることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る多面焼付位置決定器具の
説明図、第２図は第１図に示す多面焼付位置決定
器具におけるマスターシートと２点ピンバーで原
稿フイルムにパンチシートを貼着した状態の説明
図、第３図は第１図に示す多面焼付位置決定器具
におけるPS版ベースにPS版をセツトして原稿フ
イルムの位置決定を行なつている状態の説明図で
ある。 １０…矩形状ベース、１２…１mm目盛り、１４
…切り抜き部、１６…１mm方眼目盛、１８…PS
版ベース、２０…１mm目盛、２２…切り抜き部、
２４…１mm方眼目盛、２６…マスターシート、２
８…丸ピン、３０…中心線、３２…２点ピンバ
ー、３４…パンチホール、３６…パンチシート、
３８…特殊合成紙。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 無伸縮性の矩形状合成樹脂ベースの上下左右
   縁部に１mm目盛を設けるとともにこれらの目盛の
   外側に切り抜き部を平行に設けさらに前記各縁部
   の１mm目盛の内側に１mm方眼目盛を設けたPS版
   ベースと、前記PS版ベースの約半分の大きさに
   設定されPS版ベースと同様の１mm目盛と切り抜
   き部と１mm方眼目盛とを設けたマスターシート
   と、２つの突起部の中間に中心線を描画した金属
   または合成樹脂を素材とする２点ピンバーと、前
   記２点ピンバーの突起部と同間隔に設定したパン
   チホールを有する無伸縮性の透明合成樹脂性パン
   チシートとにより構成することを特徴とする印刷
   板の多面焼付位置決定器具。