JPH047531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、誘電体層に多孔質ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂を用い、かつ外部導体を金属箔テ
ープで巻装して形成される高周波同軸ケーブルに
関する。

〔従来の技術〕

一般に、コンピユータなどの高速信号伝送が要
求される同軸ケーブルや、フレキシブルなマイク
ロ波用同軸ケーブルの誘電体層は、低誘電率の延
伸された多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂
を用いることが多い。

またこの場合、金属箔テープを密に巻装して形
成される外部導体を用いることが多い。これは、
外部導体内面をなるべく平滑することにより伝送
減衰量を少なするとともに、外部導体に柔軟性を
備えるためである。

また、この金属箔テープは銅箔やアルミ箔に必
要に応じてポリエステルフイルムを貼着して補強
したものでも良い。この場合は、金属箔テープが
巻装することにより分布リアクタンスが発生する
ので、これを消去するために、この外部導体にド
レイン線を縦沿えし導電接触させる必要がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記のような同軸ケーブルにお
いて、誘電体層に用いる多孔質ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂は機械強度が低いので、金属箔テ
ープの巻装時の締めつけ力によつて、この金属箔
テープが誘電体層にめり込み螺旋状の凹凸を生ず
る。

また、ドレイン線を外部導体の内側に配した場
合は、金属箔テープの巻装時および保護被覆の加
熱工程で、このドレイン線が誘電体層にめり込
み、誘電体層の断面形状が真円とならず凹凸を生
ずる。

このような誘電体層外面に生ずる凹凸は、特に
高周波の伝送減衰量を増加することなど伝送特性
を低下させるという問題点がある。

本考案は上記の従来技術の問題点に鑑みなされ
たもので、誘電体層に多孔質ポリテトラフルオロ
エチレン樹脂を用い、巻装する金属箔テープやド
レイン線による誘電体層外面に生ずる凹凸を防ぐ
同軸ケーブルを提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記従来技術の問題点を解決するため本考案に
よれば、中心導体と、この中心導体を取り囲む多
孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂誘電体層
と、この誘電体層の外周に縦沿えして複数枚配せ
られる金属箔テープよりなるめり込み防止体と、
この防止体に導電接触し、かつ前記誘電体層の周
囲に金属箔テープを巻装してなる外部導体とを備
える同軸ケーブルを構成する。

〔作用〕

本考案によれば、多孔質ポリテトラフルオロエ
チレン樹脂誘電体層と外部導体との間に、複数枚
のめり込み防止体を縦沿えしているため、外部導
体をなす金属箔テープの巻装時の締めつけ力が、
この巻装方向と交差するめり込み防止体を伝つて
に分散されるため、誘電体層には巻装する金属箔
テープがめり込まず凹凸が防げられる。

また、このめり込み防止体自体も一定幅を有し
ているため誘電体層にめり込みによる凹凸がな
く、このめり込み防止部分は外部導体内面を金属
箔テープの巻装よりもさらに平滑にされる。

このように、めり込み防止体の存在によつて、
誘電体層外面の凹凸を防ぎ、高周波における伝送
減衰量を少なくすることができる。

なお、このめり込み防止体は金属箔テープより
なるから、外部導体を形成する金属箔テープに導
電接触し、分布リアクタンスを消去させることが
できる。

〔実施例〕

第１図は本考案の同軸ケーブルの一実施例を示
す断面図である。

第１図に基づいて説明すると、単心または撚り
構造の銀めつき軟銅線よりなる中心導体２と、こ
の外周のフロリネイテツドエチレンプロピレン
（以下FEPと称す）よりなる導体被覆層３と、多
孔質ポリテトラフルオロエチレン樹脂テープを巻
回してなる誘電体層４と、この誘電体層４の外周
の所定間隔で五本縦沿えした銀めつきを施した銅
テープからなるめり込み防止体５と、さらにその
外周の銀めつきを施した銅テープを巻装してなる
一次外部導体６と、銀めつきを施した銅素線を編
組してなる二次外部導体７と、充実FEPよりな
る保護被覆８とを順次形成して同軸ケーブル１を
構成している。

ここで、導体被覆層３は中心導体２と誘電体層
４との密着を充分にするために、必要に応じて設
けられるもので、その場合は極めて薄く設けるも
のとする。また、二次外部導体７と保護被覆８は
ケーブル形状を安定化するために必要に応じて設
けた例で、特に設けなければならないというもの
ではない。

誘電体層４の外周に所定間隔で五枚配置しため
り込み防止体は、長手方向に縦沿えして配されて
いるため、一次外部導体６を構成する銅テープ巻
装方向と交差し、巻装時の締めつけ力を分散させ
て誘電体層４へのめり込みによる凹凸の発生を防
止する。

また、このめり込み防止体５自体も一定幅を有
しているため、誘電体層４にめり込むことが少な
い。また、このめり込み防止５部分は外部導体６
内面をさらに平滑にするため、伝送減衰量の増加
を防ぐ効果をもたらす。

また、めり込み防止体５は銅テープよりなるた
めその厚みは極めて薄く、誘電体層４の外周に縦
沿えした場合でも、外径の増加はわずかである。

また、一次外部導体６が銅箔やアルミ箔にポリ
エステルフイルムを貼着して補強したテープを巻
装した場合でも、めり込み防止体５が一次外部導
体６に導電接触しているため、重ね巻き時に生ず
る分布リアクタンスを消去する効果を有する。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、中心導体
を取り囲む多孔質ポリテトラフルオロエチレン樹
脂誘電体層の外周に、複数枚の金属箔テープより
なるめり込み防止体を縦沿えして配するため、外
部導体を構成する金属箔テープ巻装による誘電体
層に対する締めつけ力をめり込み防止体が分散
し、また、めり込み防止体も幅を有するため、巻
装する金属箔テープおよびめり込み防止体自体の
誘電体層へのめり込みを無くすことから、誘電体
層外面に生ずる凹凸を減少させ、高周波における
信号伝送減衰量の増加を防ぐ効果を奏する。

なお、本考案は上記実施例に限定されるもので
はなく、本考案の技術思想内での種々の変更は勿
論可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の同軸ケーブルの一実施例を示
す断面図である。 １……同軸ケーブル、２……中心導体、４……
誘電体層、５……めり込み防止体、６……一次外
部導体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心導体と、この中心導体を取り囲む多孔質ポ
   リテトラフルオロエチレン樹脂誘電体層と、この
   誘電体層の外周に縦沿えして複数枚配せられる金
   属箔テープよりなるめり込み防止体と、この防止
   体に導電接触し、かつ前記誘電体層の周囲に金属
   箔テープを巻装してなる外部導体とを備える同軸
   ケーブル。