JPH0469249B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、その好適な実用例として海あるいは
湖や沼地のような類似の環境中に敷設され、娯楽
センターとして用いられる人工島を形成するため
のプラツトフオームに関する。

〔従来の技術〕

プラツトフオーム自体は公知であり、一般に石
油を採掘するのに用いられ、フロートが水中に没
して成るベース部分と、垂直の支柱と、支柱に支
えられて水上に突出する構造体とから成つてい
る。例えばフランス特許第2282021号では、プラ
ツトフオームが造船所で作られ、それからぎ装所
へとけん引され、そこでバラストタンク内に徐々
に荷積みが行われる。しかしながら、これまでは
プラツトフオームの下側部分だけが造船所で作ら
れ、各種の装置や設備が含まれるプラツトフオー
ムの上側部分は現場で組立てられていた。そのた
め組立てや据え付けに膨大なコストがかかつてい
た。

更に今日のプラツトフオームは主として技術的
見地からの設計がなされている。居住用の不動産
の開発において、海岸線近くに建物を建てること
はまれであり、工業地帯においては一層高価なも
のになりつつある。

海に面した自然の観光地では、独立した建物や
数キロメートルにわたつて延伸する建物群を作る
ことは、緑地スペースを減少させ海岸線を汚染す
るおそれがある。

本発明の目的は、居住領域を内包し、かつ造船
所で完全に組立てられ設備が取付けられるような
新規なプラツトフオームの構造を提供することに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の前述した目的は、フロート式ベース部
分がデイスク状のケーソンにより形成され、該ケ
ーソン内に垂直支柱が埋設されて該概ね円形のベ
ース部分を有するシリンダーの外形線を形成して
おり、更に突出構造体がその一方に、前記支柱が
横断する下側デイスク状部分と、前記支柱上に着
座する円筒形組立体を形成するように一緒に連結
可能なモジユールから成る上側部分とを備えてい
ることを特徴とする構造によつて達成される。

フロート側のデイスクと突出構造体側のデイス
クとは概ね同一の延長部分を有することが望まし
い。

フロート側のデイスク及び／又は突出構造体側
のデイスクは概ね円形の外形線を有することが望
ましい。

垂直支柱には垂直方向の運行手段を含むことが
望ましい。

フロート部のデイスクには重量設備を含むこと
が望ましい。

フロート部のデイスクは、プラツトフオームが
造船所で完成させられ続いてぎ装所へとけん引で
きるように、引き出しが容易で安定性が十分とな
るような方法で、プラツトフオーム及び海上特性
に関連して寸法が定められることが望ましい。

プラツトフオームは更に円筒形に分配された支
柱を有し、該支柱にはクレーン支持部に用いられ
る中央マストが備えられ、突出構造体の円筒形モ
ジユール部分を構成するようになつていることが
望ましい。

本発明のプラツトフオームは、本質的には海岸
線近くに建てられる娯楽センターを意図してい
る。その内部には必要とする全ての装置や設備、
即ち居住区、事務所、余暇活動区域、商店、機械
室、エネルギー生産貯蔵区域、新鮮水生産貯蔵区
域等が含まれる。

本発明は添付図面を参照した以下の記載によつ
てさらに容易に理解されよう。第１図は本発明に
よるプラツトフオームの縦断面図、第２図は第１
図のプラツトフオームの突出構造体の正面図であ
る。

〔実施例〕

本発明によるプラツトフオームは、フロートか
ら成る円形のデイスク１を備え、その中に６個の
支柱２乃至７が円形上に規則正しく分配され固定
されている。

支柱は、平均水位として図示されている水面線
８から突出し、水上に突出するデイスク９を横断
することによつて支持している。

支柱の上側部分の長さは建築的要因及び／又は
日照時間、風等の要因に基づき均等にならない
が、支柱の上側部分は円筒状のモジユラー構造体
１０を固定するのに用いられる。

マスト１１は構造体の中心に配置されている。

強化コンクリート製のケーソンから成るフロー
ト状のデイスク１の寸法は、プラツトフオームが
造船所で完成し（それゆえ約15ｍ以下の少ない引
き出しとなり）、構造者をその据え付け現場まで
最良の安全性が保たれる状態でけん引していける
ように計算される。本発明の特定の実施例に依れ
ば、デイスクの直径は約250ｍで厚さは30ｍとな
る。図示の例では支柱２の高さは270ｍである。

フロート１にはプラツトフオームを自己充足式
にさせるのに必要な全ての技術的諸設備が含まれ
る。即ち、機械室、海水バラスト、炭化水素貯蔵
庫、新鮮水生産貯蔵庫、内部廃棄物処理装置、廃
水下水処理装置、発電装置、商店、倉庫、駐車場
（これは特にプラツトフオームがトンネルで海岸
と結ばれて自動車が通行可能となつている場合）
等。フロート１にはまたプラツトフオーム上で生
活する職員全員用の該シエルターを備え、原子力
照射に対して水及びコンクリートで十分な保護が
保証されるようにすることができる。

フロートの円形デイスク形状は、露出表面と最
小にして最大の容積が得られると言う点で有利で
ある。即ち、海の波動によつて引き起こされる力
に対して影響が最小になる。

フロート自体はコンクリート製なので既に重量
があるが、フロート内部に設備を取付けることに
よりプラツトフオームの重心を下げる効果があ
り、その安定性が増大する。従つて、けん引の場
合やプラツトフオームを造船所で作る場合に安定
性が確保される。

支柱の数及び配置は、プラツトフオームの寸法
を考慮し、かつフロート側デイスク１及び突出側
デイスク９に作用する力の分布を考慮すると共
に、建築デザインや基準及び支柱内の非常出口ま
での最大距離に関する法規等を考慮して定められ
る。

支柱２乃至７は好適には鋼製の管状モジユール
で作られ、最初に地上で水平に組立てられ、その
後持上げられてフロート１内に固定される。これ
らの支柱は長方形の断面を有するようにし、その
内部の空間にリフト等の垂直運行手段を包含でき
るようにして合理的な用途にあてることが有利で
ある。

中央マスト１１もまた組合わされた管状の要素
から作られる。その大きな高さにもかかわらず、
中央マストの堅牢性は、横静索及び／又は筋かい
や水平運行手段１２（歩行者通路）用のハウジン
グ、さらには支柱をマストに連結する斜めの運行
手段（機械的装置）等によつて達成される。

マストの補助的用途として、支柱２乃至７のモジ
ユールや突出側のデイスク９のモジユール及び円
筒状構造体１０のモジユールを持上げたり取付け
られたりするのに用いられる自己上昇式のクレー
ンブームのための支持部としての利用がある。

マスト１１は灯台や送受信用のアンテナとして
用いることもでき、さらに各種の設備、例えば観
覧レストランや外側及び内側のエレベータ等を包
含することもできる。

突出部のデイスク９は好適にはモジユールの組
立体で作られ高さが小さく外表面が小さいわりに
は大きな内部空間を提供する。それがゆえに、突
出構造体の下側部分に多数の設備を収納すること
ができ、この結果組立体全体の重心を下げる効果
がある。加えて、支柱を相互連結することによ
り、異なる階例えば４階の各フロアを通じて全体
構造を剛性化するうえで主要な働きをする。突出
部のデイスク９はまたは支持部間の床面積を減少
させるためにマスト１１によつても支持されてい
る。

突出部のデイスク９には、プラツトフオームを
自己充足式とするために必要な全ての商業的及び
娯楽的諸設備が含まれる。即ち、シヨツピングセ
ンター、展示用ホール、管理事務所、講堂、会議
場、カジノ、レストラン、多目的スポーツホー
ル、水泳プール、スケートリンク、テニスコー
ト、スカツシユコート等。

突出構造体の上側部分１０は、外側対角線１４
で相互連結されたモジユール式らせん形アーチの
形状に作られることが有利である。この組立体は
特別な剛性を提供し、水平方向の動的風力に対す
る挙動は、全ての要素がけん引力に関係する円筒
形空間構造におけるものと同じであり、このこと
は所定のけん引力と内部容積に対して上側構造体
の重量を軽減する効果があり、これによりプラツ
トフオームの安定性を増大させる。モジユールの
異なる階を互い違いにすることは、日照効果を優
れたものとする。この部分は本質的に居住区、ホ
テル及び事務所に当てられる。

組立体は浮上するポンツーン１５を備えて完成
させることもでき、このポンツーンはマリーナ
（係留場）を構成するか或いは橋によつて陸地へ
と連結される。

水面の部分は、海洋の生態を観察するための観
察ポストを構成することができる。

フロート１とデイスク９との間の距離は、水
深、波及び潮の高さ、けん引及び動作時の安定性
等の多数のパラメータに依存する。

水深がきわめて深く、例えば100ｍ以上あつて
フロートが海底に着座できない場合には、例えば
フランス特許第2408511号に示されるような緊張
ケーブルを用いたアンカーシステムを利用するこ
とが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるプラツトフオームの縦断
面図、第２図は第１図のプラツトフオームの突出
構造体の正面図である。 図面における主要な符号の説明、１……フロー
ト、２〜７……垂直支柱、８……水面、９……突
出構造体、１０……円筒状構造体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フロートが水中に没して成るベース部分と、
   垂直支柱と、該支柱に支えられて水上に突出する
   構造体とから成る型式の人工島を形成するように
   作られたプラツトフオームであつて、 前記フロート式ベース部分はデイスク状のケー
   ソンにより形成され、該ケーソン内に前記垂直支
   柱が埋設されて概ね円形のベース部分を有するシ
   リンダーの外形線を形成しており、さらに前記突
   出構造体はその一方に、前記支柱が横断する下側
   デイスク状部分と、前記支柱上に着座する円筒形
   組立体を形成するように一緒に連結可能なモジユ
   ールから成る上側部分とを備えていることを特徴
   とするプラツトフオーム。 ２ 前記フロート側のデイスクと前記突出構造体
   側のデイスクとは概ね同一の延長部分を有してい
   る特許請求の範囲第１項記載のプラツトフオー
   ム。 ３ 前記フロートのデイスク及び／又は前記突出
   構造体側のデイスクは概ね円形の外形線を有して
   いる特許請求の第１項記載のプラツトフオーム。 ４ 前記支柱には垂直方向の運行手段が含まれて
   いる特許請求の範囲第１項記載のプラツトフオー
   ム。 ５ 前記フロート部のデイスクには重量設備が含
   まれている特許請求の範囲第１項記載のプラツト
   フオーム。 ６ 前記フロート部のデイスクは、該プラツトフ
   オームが造船所で完成させられ続いてぎ装所へと
   けん引できるように、引き出しが容易で安定性が
   十分となるような方法で、プラツトフオーム及び
   海上特性に関連して寸法が定められている特許請
   求の範囲第１項記載のプラツトフオーム。 ７ 前記プラツトフオームは更に円筒形に分配さ
   れた支柱を有し、該支柱にはクレーン支持部に用
   いられる中央マストが備えられ、前記突出構造体
   の円筒形モジユール部分を構成するようになつて
   いる特許請求の範囲第１項記載のプラツトフオー
   ム。