JPH0461839B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、植物の生長促進と殺菌作用とを併有
する肥料に関するものである。

「従来技術及びその問題点」 従来、農作物には、多収穫を目的として各種肥
料が使用されている。しかしながら、これら肥料
は単に植物に養分を与えることが目的であり、そ
の作用も限られていたので、十分な収穫を得るた
めに農園芸用殺菌剤とか植物生長調節剤等を併用
する必要があつたが、これらはいずれも人体に対
して非常に有害であつたから、これら薬剤による
環境汚染や農作物への汚染が重大な社会問題とし
てとりあげられ、無農薬有機農法への転換の必要
性が叫ばれてから久しい。

「問題点を解決するための手段」 本発明者は、雲母系鉱物が風化したバーミキユ
ライト、特に有害金属の含有量が皆無であるバー
ミキユライト、を無機酸水溶液に溶解させて得た
多種の金属塩及び非金属塩を含有する酸性添加剤
が、植物の生理作用に必要な殆ど全ての元素を含
有し、しかも殺菌作用をも併有していることに着
目し、この酸性添加剤を植物に適用することによ
り植物の生理作用が著しく高められることを見出
し、本発明に到達した。

即ち、本発明は雲母系鉱物が風化したバーミキ
ユライトまたはこのバーミキユライトが更に風化
した土壌を、無機酸水溶液に溶解させて得た多種
の金属塩及び非金属塩を主成分とする酸性添加剤
を含有することを特徴とする。

本発明の効果の源因は理論的に十分解明されて
いるわけではないが、上記酸性添加剤の殺菌作
用、有機物分解作用及び多種のミネラルの肥料効
果は実験により確認されており、これにより植物
の老化や枯死の原因となる毒素を中和し、植物を
病原菌の感染から防除し、植物の生理作用を高め
たことにあると信じられる。即ち、本発明の肥料
には、多くの植物必須微量要素が含有されている
し、作物の生育にはこれら微量要素と多量要素と
の調整を計ることが必要であることは既に知られ
ていることであるが、本発明の肥料によりこの調
整が計られることが考えられるからである。

具体的には、本発明の肥料を適用すると、生花
の寿命が数倍伸びることが確認されており、ま
た、さし木をする場合でも、発根を促進するし、
更に植物を移植する場合でも、根付きを促進する
ことが実験により確認されている。

本発明に使用する多種の金属塩及び非金属塩を
主成分として含有する酸性添加剤を製造するに
は、雲母系鉱物（好ましくは黒色雲母）が風化し
たバーミキユライトまたはこのバーミキユライト
が更に風化した土壌を、無機酸（例えば塩酸、硫
酸）水溶液に溶解させるのであるが、本発明の肥
料としての目的を十分発揮させるための効果的な
割合でのミネラルを含有した酸性添加剤とするに
は、無機酸濃度、反応温度、反応時間等の反応条
件を選定する必要がある。例えば黒色雲母が風化
したバーミキユライトと、濃塩酸を1/2〜1/4濃度
に希釈した稀塩酸とを撹拌下に等重量部混合し、
20〜30℃で撹拌しながら１週間反応させた後、濾
過すれば、塩酸をベースとした酸性添加剤が得ら
れる。この際、反応温度を上昇させれば、反応時
間を短縮させることが可能である。尚、この酸性
添加剤には、ヒ素、鉛、水銀、六価クロム、カド
ミウム等の有害金属は含有されていないことが確
認されている。

本発明の酸性添加剤には、その適用対象及び適
用目的に応じて、窒素源として例えば塩安、燐源
として例えばリン安、カリ源として例えばカリ
塩、カルシウム源として例えば塩化カルシウム等
の他の無機肥料物質を適宜混合溶解させて使用す
ることができる。この場合、酸性添加剤は、塩酸
をベースとしているものを使用するのが、これら
肥料物質を良好に溶解し、そのため作物に対して
ミネラルの防腐殺菌効果、毒性中和効果、連作障
害防除効果、光合成促進効果等の肥料効果と併せ
相乗した肥料効果を付与する点から好ましい。

「実施例」 次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されない。

実施例 １ 発泡プラスチツク製の箱に、火山灰質の土壌を
入れ、これに稲の苗を植えた。ついで、本発明の
酸性添加剤を5000倍に稀釈した液を箱中に満し
た。水分を補給するだげで水を交換することなく
放置し、稲の生育状態を観察した。尚、比較のた
め、本発明の酸性添加剤を加える以外は上記と同
様にして、稲の苗を植え経過を観察した。

結果は、本発明の肥料を添加した稲は、根腐れ
などを起すことなく、順調に発育し、稲の茎が約
20〜30本に分けつした。また、同じ、稲株から複
数回の稲穂を付けた。それ故、全体的に稲の収穫
量が増大した。これに対し、本発明の酸性添加剤
を添加しないものは、根腐れを起し、枯死した。
また、本発明の肥料を添加した場合は、水は浄化
され、透明となつているが、本発明の肥料を添加
しない場合は、水は濁つていた。

上記結果から、本発明の肥料を添加すると、病
原性細菌を防除し、常に有害水から有効水にして
作物に吸収され、その生長を助けるものと考えら
れる。

尚、上記実施例に使用した酸性添加剤は、黒色
雲母が風化したバーミキユライトを25％硫酸水溶
液に溶解させ、濾過した液を使用した。

実施例 ２ 上記実施例１で使用した酸性添加剤を1000倍に
稀釈した液を花器に満し、これにバラの生花を生
け、酸性添加剤を加えないものと比較して、経過
を観察した。

結果は、本発明の酸性添加剤を加えないもの
は、水が汚濁腐敗し、花が色あせ１週間でしおれ
てしまつたのに対し、本発明の酸性添加剤を加え
たものは４週間経過してもしおれなかつたし、花
の色あせもなかつた。

「発明の効果」 以上述べた如く本発明の肥料によれば、酸性添
加材のミネラル効果により、植物の生理作用を著
しく高めることができ、植物の生長を促進し、植
物の収穫を増大させることができるばかりでな
く、殺菌作用をも具備しているので、その相乗効
果によつて、作物によつては農業用殺菌剤や植物
生長調節剤を使用しなくともよいが、或いはその
使用量を減少させることができる等の利点が得ら
れる。また、温度、湿度等の植物の生育環境を好
適に維持し、本発明の酸性添加剤により植物の生
長阻害要因を除去すれば、無限的な植物の生長促
進が計られることが、実験的に確認されている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 雲母系鉱物が風化したバーミキユライトまた
   はこのバーミキユライトが更に風化した土壌を、
   無機酸水溶液に溶解させて得た多種の金属塩及び
   非金属塩を主成分とする酸性添加剤を含有するこ
   とを特徴とする植物の生長促進と殺菌作用とを併
   有する肥料。 ２ 前記酸性添加剤に加えて、カルシウム源、窒
   素源、燐源、カリウム源を含有させてなる特許請
   求の範囲第１項に記載の植物の生長促進と殺菌作
   用とを併有する肥料。