JPH046073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電車などの乗物において立つている
乗客が体を支えるために掴る広告媒体付吊革装置
に関するものである。

〔従来の技術及び考案が解決しようとする問題点〕

従来この種の装置として、座席に沿つてその上
方に架設したバーに掛けたベルトの下端に輪状の
吊手をぶら下げると共に、表面に広告文字などを
付した鞘状の広告媒体を上記ベルトに被せたもの
が広く知られている。この装置では、吊革の吊手
に掴つた乗客が目の前にある広告媒体に付されて
いる広告文字などを視認することになるので、非
常に広告効果が高くなつている。

しかし、広告媒体はベルトに被せた極めて表面
積の小さな部材であるため、広告媒体に付すこと
のできる広告文字などの数が限られている。

従つて、本考案は多くの広告文字などからなる
広告表示を行えるようにした広告媒体付吊革装置
を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

上記問題点を解決するため本考案によりなされ
た装置は、複数種類の広告文字などを切換え表示
可能な広告表示器と、該広告表示器を動作させる
ための電源を供給するソーラーバツテリーとを備
え、前記広告表示器を吊手の握り部以外の少なく
とも車室内側に面した部位に、前記ソーラーバツ
テリーを吊手の握り部以外の部位にそれぞれ設け
たことを特徴とする。

以上の構成により、広告表示器がソーラーバツ
テリーから供給される電源により複数種類の広告
文字などを切換え表示し、より多くの広告表示を
有効に行うことができる。

〔実施例〕

以下、本考案による広告媒体付吊革装置の一実
施例を図に基づいて説明する。

第１図及び第２図は本考案による広告媒体付吊
革装置の一実施例を示す正面図及び一部破断側面
図であり、図において、１は例えば電車の座席に
沿つてその上方に架設された金属パイプからなる
バー、２はバー１に掛けられ両端が連結金具２ａ
により連結され輪状になされたベルト、３はベル
ト１の下端につり下げられた吊手であり、ベルト
２と吊手３とによつて吊革が構成されている。

吊手３は、バー１に掛けられたベルト２が通さ
れる孔３１ａを上端部に有する略角柱状の吊下部
３１と、該吊下部３１の下端に一体成により作ら
れ、手の入る大きさの略半円状の孔３２ａを有す
る握り部３２とからなる。図において、握り部３
２の孔３２ａはバー１の長手方向にあけられてい
るが、バー１の長手方向と交差する方向にあけら
れていてもよい。

吊下部３１の車室内側に面する部位には広告表
示器３１ｂが、窓側に面する部位には広告表示器
３１ｂに表示を行わせるための電源を供給するソ
ーラーバツテリー（太陽電池）３１ｃがそれぞれ
設けられ、ベルト２が通されている孔３１ａ内の
ベルト２と接触している面には圧力スイツチ３１
ｄが取付けられている。

上記広告表示器３１ｂ、ソーラーバツテリー３
１ｃ及び圧力スイツチ３１ｄは、第１図及び第２
図には示していないが、相互に電気的に接続され
ていて、第３図に示す電気回路からなる表示装置
を構成している。

第３図において、広告表示器３１ｂはソーラー
バツテリー３１ｃから電源が供給されると共に、
圧力スイツチ３１ｄにより表示のオン・オフ及び
表示の切換えが行われるようになつており、複数
の広告表示のためのパターン、例えば「旅行は○
○で！」、「買物は○○デパートで！」などの情報
を記憶しているパターンメモリ３１ｂ−１と、該
パターンメモリ３１ｂ−１に記憶されているパタ
ーンから選択されたパターンを表示させるように
表示素子３１ｂ−２を駆動するドライバ３１ｂ−
３と、圧力スイツチｄがオンすることにより入力
が立上る毎にパルスを発生するパルス発生回路３
１ｂ−４と、該パルス発生回路３１ｂ−４からの
パルスを計数する例えばリングカウンタから構成
され、その計数値によりパターンメモリ３１ｂ−
１中のパターンを選択するパターン選択回路３１
ｂ−５と、圧力スイツチ３１ｄのオン・オフに応
じてオン・オフしてソーラーバツテリー３１ｃか
ら表示素子３１ｂ−２への電源供給を制御する電
源スイツチ３１ｂ−６とを有する。

上記表示素子３１ｂ−２としては、ドツトマト
リツクス式の液晶、発行ダイオード、EL表示素
子などが適用され、駆動するドツトを選択するこ
とにより適当な広告文字などの表示を行うもので
あればよい。

以上の構成により、乗客が吊手３２からぶら下
つていないときには、圧力スイツチ３１ｄに圧力
が加わつていないので、圧力スイツチ３１ｄはオ
フ状態にあり、このため電子スイツチ３１ｂ−６
もオフしていて表示素子３１ｂ−２に電源供給が
行われず、広告表示は行われていない。乗客が吊
手３２に手を掛けてぶら下がると、圧力スイツチ
３１ｄがオンして電子スイツチ３１ｂ−６がオン
し、表示素子３１ｂ−２はそのときパターン選択
回路３１ｂ−５によつて選択されているパターン
メモリ３１ｂ−１中のパターンに基づいて、ドラ
イバ３１ｂ−３によつて駆動されて表示を行う。
圧力スイツチ３１ｄは乗客が吊手３２から手を離
したり、或いはぶら下がることが行われなくな
り、圧力が作用しなくなるとオフするが、その後
再びオンすると、パルス発生回路３１ｂ−４がパ
ルスを発生し、これに応じてパターン選択回路３
１ｂ−５がパターンメモリ３１ｂ−１から選択す
るパターンを変えるため、表示素子３１ｂ−２に
表示されている広告文字が変化する。この変化
は、パターンメモリ３１ｂ−１に記憶されている
複数のパターンが一巡して表示されると元に戻る
ように生じる。

なお、図示実施例では、常時は表示を行つてお
らず、また圧力スイツチにより表示のオン・オフ
と表示切換えを行つているが、常時表示を行い、
かつ表示切換えを一定時間間隔で行うようにする
こともできる。この場合圧力スイツチは必要なく
なるが、その代りに一定時間間隔で表示を切換え
るためのタイマーが必要になる。

また、圧力スイツチによりソーラーバツテリー
から広告表示器への電源供給のオン・オフを行
い。表示の切換えをタイマーにより一定時間隔で
行うようにしてもよい。

更に、図示実施例では、広告表示器３１ｂとソ
ーラーバツテリー３１ｃが吊手３の握り部３２と
一体の吊下部３１に取付けられているが、吊下部
３１がなくベルトが握り部３２に直接連結されて
いる吊手の場合には、ベルトに鞘体を被せ、これ
に広告表示器とソーラーバツテリーを取付けるよ
うにすればよい。

以上要するに、吊手の握り部以外の少なくとも
車室内内側に面した部位に広告表示器が、握り部
以外の任意の部位にソーラーバツテリーがそれぞ
れ取付けられることによつて目的を達成すること
ができる。

〔効果〕

以上説明したように本考案によれば、複数種類
の広告文字などが切換え表示可能になつているた
め、表示面積が限られた吊革においてより多くの
広告表示を有効に行うことができるようになると
共に、広告表示器の電源がソーラーバツテリーか
ら供給されるようになつているため、特別な工事
なしに簡単に電車などに取付けて使用することが
できるなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による広告媒体付吊革装置の一
実施例を示す正面図、第２図は第１図の装置の一
部分破断側面図、第３図は第１図及び第２図の広
告表示器の具体的回路例を示す回路図である。 ３……吊手、３１ｂ……広告表示器、３１ｃ…
…ソーラーバツテリー、３２……握り部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数種類の広告文字などを切換え表示可能な広
   告表示器と、該広告表示器を動作させるための電
   源を供給するソーラーバツテリーとを備え、前記
   広告表示器を吊手の握り部以外の少なくとも車室
   内側に面した部位に、前記ソーラーバツテリーを
   吊手の握り部以外の部位にそれぞれ設けたことを
   特徴とする広告媒体付吊革装置。