JPH0454215B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ストロボ、ランプ等からなる発光体
を備えた光源装置からの光を乱反射させて被撮像
体を照明する撮影照明用リフレクタに関するもの
である。

写真撮影や映画撮影を行う際に、撮影環境や被
撮像体の種類等に応じて最適な照明とするため
に、撮影照明装置は、通常、光源からの光を直接
照射するだけでなく、リフレクタを介して反射光
を照射することができるようになつている。ここ
で、撮影照明用のリフレクタとしては、通常、パ
ラソル型のものとボツクス型のものが知られてい
る。

パラソル型のリフレクタは通常の洋傘とほぼ同
様の形状のものを使用し、その傘布に相当する部
分の内面を乱反射面としたもので、このパラソル
の軸棒を光源装置に設けた軸挿通孔に挿通支持さ
せるように構成し、光源からの光をこの乱反射面
で反射させて被撮像体に照射するようにしてい
る。一方、ボツクス型のリフレクタは、透光性を
有するデイフユーザスクリーンを先端開口部に取
付けた略四角錐状の反射シートの頂部を光源装置
に装着する構成としたもので、光源からの光を反
射シートにおいて乱反射させると共に、デイフユ
ーザスクリーンを通過する際に拡散させて、広範
囲で均一な光量をもつて照明することができるよ
うになつている。而して、状況に応じてこれらの
リフレクタを適宜光源装置に装着して写真撮影や
映画撮影を行うようにしているが、これらは使用
状態では嵩高であるため、不使用時にはコンパク
トに収納し、使用時には容易に光源装置に装着で
きるようにする必要がある。

ここで、パラソル型のリフレクタは、洋傘と同
様な構造を有しているため、使用時には開傘状態
としてその軸棒を光源装置に形成した軸の挿通孔
に挿通させ、また不使用時には閉傘状態にすれ
ば、コンパクトに収納することができる。一方、
ボツクス型のリフレクタは分解可能に形成され、
使用時にはそれを組立てて光源装置に装着し、不
使用時には分解して収納するようにしている。

ところが、上記ボツクス型のリフレクタは、そ
れを分解可能な略四角錐状に形成するために、反
射シートの各稜に沿つて支持杆を設け、これらの
うち錐面間の稜に設けられている支持杆の端部を
支持金具に取付け、さらにこの支持金具を光源装
置の周囲に取付けた取付部材を介して該光源装置
に装着するようにしているため、リフレクタの構
造が複雑で部品点数が非常に多くなり、製品が高
価となるのみならず、光源装置への取付け及び取
外しが著しく面倒となる等の欠点があつた。而し
て、実際に市販されているボツクス型のリフレク
タでは、その組立てに10〜15分程度の時間を要し
ている。

本発明は、前述した従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、パラソル型のリフレクタ
とほぼ同様の極めて簡単な構成でボツクス型のリ
フレクタを形成することができ、しかもその光源
装置への取付け、取外しが容易で、コンパクトに
収納することができるようにした撮影照明用リフ
レクタを提供することを目的とするものである。

前述の目的を達成するために本発明において採
用する構成の特徴は、発光体を装着した光源装置
における軸挿通孔に挿脱可能な軸棒を備え、この
軸棒に摺動可能に挿嵌した摺動ろくろに光を乱反
射させる反射シートを張設した主骨の基端部を枢
着し、該主骨の中間部を支持する支骨の基端部を
前記軸棒の先端部に取付けた固定ろくろに枢着
し、前記反射シートの基端部に前記光源装置に臨
む開口を設けると共に、該開口の口縁に光源装置
を被う可撓性カバーを連設し、これらの開口及び
カバーを通じて前記軸棒の基端部を反射シートの
基端部方向に延出させ、該反射シートの先端開口
部にデイフユーザスクリーンを着脱可能に取付け
る構成としたことにある。

而して、このような本発明の撮影照明用リフレ
クタによれば、光源装置の発光体を囲繞する反射
シートをパラソル状に拡開及び折畳み可能に形成
し、これにデイフユーザスクリーンを取付ける構
成としたから、従来のパラソル型のリフレクタと
ほぼ同様の極めて簡単な構成でボツクス型のリフ
レクタを形成することができるばかりでなく、そ
の開閉操作も単に摺動ろくろを摺動操作するだけ
で簡単且つ迅速に行うことができ、特に、主骨を
枢着したろくろを軸棒に摺動自在に取付けると共
に、支骨を枢着したろくろを軸棒に固定し、該軸
棒をリフレクタの頂部方向へ延出させた構成であ
るため、基本的な骨組みをパラソル型のものと同
じにして、軸棒に対するろくろの固定関係及び軸
棒の突出方向をパラソル型のものとは逆にするだ
けで、該パラソル型のものに大幅な改変を施すこ
となく、ボツクス型のリフレクタを簡単に得るこ
とができる。

また、反射シートの基端部に光源装置に臨む開
口を設けると共に、該開口の口縁に光源装置を被
う可撓性カバーを連設したので、光源装置の寸法
形状やそれに取付けられている笠の形状の如何に
拘らず、さらに笠を有しない光源装置であつて
も、簡単な操作で光漏れを生じることなく光源装
置に装着することができる。

以下、図面に基づいて本発明の実施例について
説明するに、第１図ないし第３図において、１は
スタンド２の上端に取付けられ、前面部にストロ
ボ、ランプ等からなる発光体３を装着してなる公
知の光源装置を示し、該光源装置１にリフレクタ
４が取付けられる。上記光源装置１は、前述した
パラソル型のリフレクタにおける軸棒を挿嵌する
軸挿通孔５を有するものである。

リフレクタ４は、内部に発光体３を収納できる
ようにした略四角錐状のボツクス形状のもので、
パラソル型リフレクタとは逆に四角錐の頭部から
軸棒６が延出しており、光源装置１に形設した軸
挿通孔５にその軸棒６を挿入することにより、該
光源装置１に着脱可能に支持されるように構成さ
れている。

即ち、上記軸棒６には、摺動ろくろ７が摺動可
能に挿嵌されており、該摺動ろくろ７には、内面
に白色の乱反射面を形成した反射シート８を張設
した４本の主骨９の基端部がそれぞれ枢着され、
該各主骨９の中間部にはそれを支持する支骨１０
の先端部が連結金具１１を介して枢着されてお
り、また該各支骨１０の基端部は軸棒６の先端部
に取付けた固定ろくろ１２に枢着されている。軸
棒６には、さらに、摺動ろくろ７と固定ろくろ１
２との間に、摺動ろくろ７の摺動位置規制用のス
リーブ１３が挿嵌されている。

従つて、摺動ろくろ７をスリーブ１３により規
制される位置まで摺動させることによつて、反射
シート８は略四角錐状に拡開した拡開状態（第３
図参照）となり、また摺動ろくろ７を上記と反対
方向に摺動させることによつて、折畳まれた収納
状態（第４図参照）にすることができ、上記作動
状態に固定するために摺動ろくろ７には止めねじ
１４が取付けられている。

反射シート８の基端部には、第１図、第３図及
び第５図からわかるように、光源装置１の発光体
３に臨む開口８ａが設けられ、該開口８ａの口縁
に、発光体３を囲むように取付けた笠１５の外面
を被う袖状の可撓性カバー１６が連設され、該カ
バー１６の開口縁の周囲には絞り用の紐１７が装
着されている。而して、笠１５の外面をカバー１
６で覆い、この紐１７を絞ることによつて、該カ
バー１６を笠１５に密着させ、発光体３からの光
を外部に漏出させない構造となつている。また、
前記開口８ａ及びカバー１６を通じて軸棒６が後
方に延出している。一方、反射シート８の先端部
には、第６図に示すようなデイフユーザスクリー
ン１８が取付けられる。該デイフユーザスクリー
ン１８は、一側面に多数の微小凹凸が形成される
と共に、他側面が平滑面となつた白色半透明の柔
軟な合成樹脂製シートで形成され、凹凸面を外側
に向けて取付けることにより、発光体３から発し
た光をほぼ完全に透過させ、しかもその通過の際
に光を拡散させるようになつている。このデイフ
ユーザスクリーン１８の取付けは、その四隅に穿
設した取付穴１９を主骨９の先端部に形成した露
先９Ａに嵌合させると共に、各辺の中間部を面フ
アスナ２０で反射シート８に止着することにより
行われる。

上記構成を有する撮影照明用リフレクタは、そ
れを光源装置１へ装着する場合、まず、摺動ろく
ろ７をスリーブ１３がそれと固定ろくろ１２との
間に挟持される位置まで摺動させることにより、
反射シート８を略四角錐状に拡開させた状態に
し、この状態で止めねじ１４を締付けて固定し、
然る後、軸棒６を光源装置１の軸挿通孔５に挿入
して支持させ、適宜の係止部材（図示せず）によ
り固定する。光源装置１には、通常、パラソル型
のリフレクタを装着するためにその軸棒を挿通す
る軸挿通孔が穿設されているから、これを利用し
て上記リフレクタを取付け、従つて上記軸挿通孔
５を従来のパラソル型リフレクタ及び本発明のリ
フレクタに共用することになる。次いで、笠１５
の外面に可撓性カバー１６を被覆して絞り紐１７
を絞ることにより、このカバー１６を笠１５の外
面に被着させ、反射シート８の先端開口部にデイ
フユーザスクリーン１８をその微小凹凸面を外側
にして装着する。これにより、リフレクタの装着
は完了するが、この装着操作は１分もかかるもの
ではない。

而して、発光体３は反射シート８とデイフユー
ザスクリーン１８とにより画成されたボツクス内
に収納されているから、それを発光させると、光
は反射シート８の反射面上で乱反射し、しかもデ
イフユーザスクリーン１８を通過する際に拡散作
用を受けて広範囲に亘つて均質に分散したソフト
な光となつて被撮像体に照射されることになる。

ここで、光源装置１にはその中央に発光体３を
取付ける関係上、軸挿通孔５は、第２図に示した
ように、通常、偏心した位置に設けられるが、カ
バー１６は可撓性を有する部材で形成されている
から、軸棒６を光源装置１の偏心位置に取付けて
もボツクス形状の形成に格別支障を来たすことは
ない。さらに、カバー１６の開口部を比較的大き
く形成しておくことにより、光源装置１に取付け
られる笠１５の形状の如何に拘らず、また笠１５
を取付けない状態でもカバー１６に設けた絞り紐
１７を適宜量だけ絞つてそれを結ぶだけの簡単な
操作で光源装置１に装着することができ、しかも
この装着部から光が漏出するのを確実に防止する
ことができる。また、軸棒６を光源装置１から取
外し、デイフユーザスクリーン１８を反射シート
８から取外して折畳むだけの簡単な操作でリフレ
クタを収納することができる。

なお、前述の実施例では、反射シート８をその
先端開口部が略正方形となるようなボツクス形状
に構成するものを示したが、長方形、多角形、そ
の他の形状となるようにしてもよい。また、デイ
フユーザスクリーン１８の反射シート８への止着
は面フアスナを用いるものに限らず、ホツク、ボ
タン、フアスナ等、他の止着具を用いてもよい。
さらに、カバー１６に装着される絞り紐１７に代
えて、ゴムバンド等を取付けるようにしてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図はリフレクタを取付けた状態を示す照明
装置の外観図、第２図は光源装置の正面図、第３
図及び第４図はそれぞれ異なる状態を示すリフレ
クタの構造図、第５図はリフレクタの斜面図、第
６図はデイフユーザスクリーンの背面図である。 １……光源装置、３……発光体、４……リフレ
クタ、６……軸棒、７……摺動ろくろ、８……反
射シート、８ａ……開口、９……主骨、１０……
支骨、１２……固定ろくろ、１６……カバー、１
８……デイフユーザスクリーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 発光体を装着した光源装置における軸挿通孔
   に挿脱可能な軸棒を備え、この軸棒に摺動可能に
   挿嵌した摺動ろくろに光を乱反射させる反射シー
   トを張設した主骨の基端部を枢着し、該主骨の中
   間部を支持する支骨の基端部を前記軸棒の先端部
   に取付けた固定ろくろに枢着し、前記反射シート
   の基端部に前記光源装置に臨む開口を設けると共
   に、該開口の口縁に光源装置を被う可撓性カバー
   を連設し、これらの開口及びカバーを通じて前記
   軸棒の基端部を反射シートの基端部方向に延出さ
   せ、該反射シートの先端開口部にデイフユーザス
   クリーンを着脱可能に取付けてなる撮影照明用リ
   フレクタ。 ２ 前記反射シートの先端開口部を略正方形状に
   形成してなる特許請求の範囲第１項記載の撮影照
   明用リフレクタ。 ３ 前記デイフユーザスクリーンを止着具を介し
   て反射シートに取付けてなる特許請求の範囲第１
   項記載の撮影照明用リフレクタ。 ４ 前記可撓性カバーを前記光源装置外周面に密
   着させる絞り用紐を該カバーの開口縁に取付けて
   なる特許請求の範囲第１項記載の撮影照明用リフ
   レクタ。