JPH0452582B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は不飽和蒸気形式の高圧ナトリウムラン
プに関し、詳しくいうと、不飽和蒸気高圧ナトリ
ウムランプ用の発光管を製造するための方法に関
する。

背景技術 高圧ナトリウムランプの技術分野において、最
も良く知られた形態は排気されたガラス容器内に
管状のセラミツクの発光管を含むものである。こ
の発光管は希ガスならびに過剰量のナトリウムお
よび水銀で満たされている。換言すれば、発光管
はランプの動作中に多量のナトリウムが失なわれ
るという周知の傾向のために飽和ナトリウムの充
填物を有する。その上、このような飽和形式の高
圧ナトリウムランプはそうぐうする演色性および
動作電圧の不所望な変化のために、多くの要望が
ある。

上記の不所望な特性を除去する、あるいは少な
くとも軽減するために、いわゆる不飽和蒸気形式
の高圧ナトリウムランプが開発された。このラン
プの構成は、特にナトリウムの分量が非常に減ぜ
られた点を除くと、飽和形式のランプにある程度
類似している。その上、そのようなナトリウム含
有量の減少は、発光管中に封入された充填物ある
いは希ガスに不所望に付随した過剰の酸素を吸収
するための用意がなされている限り、可能である
ことが分っている。

この発光管内の不所望な酸素の吸収を行なうた
めの１つの技術は通常分量のナトリウム、水銀お
よび希ガスと一緒に発光管内に酸素吸収用ゲツタ
を封入することである。そのような構成の１つは
本願と同日に出願された本出願人の米国特許出願
第473895号に記載されている。

この出願においては、ゲツタ物質が発光管内
に、この発光管内のガスと接触状態に配置されて
いる。かくして、ナトリウムまたは水銀の蒸発過
程中に生じる、あるいは容認された希ガスに付随
する発光管内の不所望な酸素はこのゲツタ物質に
よつて吸収され、化合物の再形成が阻止される。

しかしながら、上記した技術は従来既知の不飽
和蒸気高圧ナトリウムランプの構成に大きな改良
を与えたけれど、まだ不完全な点が若干残つてい
ることが分つた。詳しくいうと、封入されたゲツ
タ物質と発光管の管状のセラミツク容器の最高温
部分とが直接接触することによりそれら間に化学
反応と考えられるものが生じ、セラミツク容器に
不所望な暗色化領域を生じさせる傾向があること
が分つた。明白なように、発光管の暗色化は望ま
しい状態ではない。

発明の目的および概要 本発明の目的は改良された不飽和蒸気形式高圧
ナトリウムランプを提供することである。本発明
の他の目的は不飽和蒸気高圧ナトリウムランプを
発光管の改善によつて増強することである。本発
明の他の目的は不飽和蒸気形式高圧ナトリウムラ
ンプに使用される発光管を製造するための改良さ
れた方法を提供することである。本発明の他の目
的は不所望な容器の変色が阻止される不飽和蒸気
形式高圧ナトリウムランプ用の発光管を製造する
ための方法を提供することである。

本発明の一面によれば、これらおよび他の目
的、利点ならびに能力は、酸素吸収用ゲツタが一
対の電極の一方に取付けられ、管状のセラミツク
容器が一定量の水銀、ナトリウムおよび希ガスで
満たされ、前記電極が前記管状セラミツク容器の
端部にそれぞれ封止され、前記ゲツタが前記容器
内に離間されている、不飽和蒸気形式高圧ナトリ
ウムランプ用発光管を製造するための方法によつ
て達成される。

好ましい実施例の説明 本発明、ならびに本発明の他の目的、利点およ
び能力を十分に理解できるようにするため、以
下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例
について詳細に説明する。

添付図面を参照すると、第１図には気密封止さ
れた、かつ排気されたガラス容器５を有する不飽
和蒸気高圧ナトリウムランプが例示されている。
ガラス容器５は通常のスクリユー形式のベース部
材７中に嵌合するように形成されている。ガラス
ステム部材９が容器５に封止されており、この容
器５内に突出している。電気導体１１および１３
がそれぞれステム部材９によつて封止された状態
でこのステム部材９を貫通し、ガラス容器５の内
部と外部間の電気接続を行なつている。

導電性支持部材１５が電気導体の一方１１に取
付けられており、一対のクロスバー１７および１
９がこの支持部材１５の両端部に取付けられてい
る。また、複数のスプリングのような部材２１が
支持部材１５に取付けられており、ガラス容器５
と接触するように形成されている。さらに、一対
のゲツタ２３および２５が支持部材１５に取付け
られており、排気された容器５の完全性を保証す
るように作用する。

発光管２７はガラス容器５内に配置され、かつ
クロスバー１７および１９によつて支持されてい
る。例えば多結晶アルミナのような材料よりなる
ことが好ましいこの発光管２７はその両端部に電
極２９および３１を含む。一方の電極２９はクロ
スバー１７に取付けられて支持されており、他方
の電極３１は他方のクロスバー１９によつて絶縁
支持されており、かつステム部材９を貫通する電
気導体１３に電気的に接続されている。発光管２
７の両端部の電極２９および３１の近傍の周囲に
熱保存素子３３を巻きつけて発光管２７の中心と
の温度差を減じるようにしてもよい。

第２図を参照すると、酸素吸収用ゲツタ３７の
配置態様が示されており、このゲツタ３７は酸素
吸収用金属合金５１が例えば焼結によつて付着さ
れた支持部材または基体４９の形式にあることが
好ましいということを留意すべきである。好まし
くは、基体４９はニツケルをめつきした鉄のよう
な材料よりなり、焼結されるゲツタ物質はジルコ
ニウム、アルミニウム、チタン、スカンジウム、
セリウム、ランタン、トリウムあるいはイツトリ
ウムよりなる群から選択された金属の合金であ
る。しかしながら、他の希土類元素の酸化物も基
体４９に付着するのに適したゲツタ作用物質であ
る。

第１図の前記した発光管２７を製造する過程に
おいて、酸素吸収用ゲツタ作用物質すなわち金属
合金５１がスリツトのある孔あき円板の形式にあ
ることが好ましい基体４９に焼結され、ゲツタ３
７が形成される。このゲツタ３７は電極部材３９
のシヤンク部分４３に、例えばスリツトのある孔
あき円板４９をシヤンク部分４３に摺動させるこ
とによつて、取付けるように形成されることが好
ましい。

発光管の組立てにおいて、一方の電極３１が発
光管２７のセラミツク容器の一端に封止される。
続いて、一定分量のナトリウム、水銀および希ガ
スが発光管２７のセラミツク容器内に挿入され
る。この分量は完全に蒸発して所望の不飽和蒸気
形式高圧ナトリウムランプを提供する量のナトリ
ウムおよび水銀を含む。好ましくは、発光管２７
内で分解するナトリウム−水銀アマルガムが発光
管内に付着され、希ガスが発光管２７の一端部に
入れられる。

その後、酸素吸収用ゲツタ３７が取付けられた
第１図の他方の電極２９が発光管２７の他端部に
封止される。なお、発光管２７の管状セラミツク
容器の両端部に電極２９および３１を封止するに
は、必要ではないが、フリツト封止技術を使用す
ることが好ましい。第２図のセラミツクウエハ４
１が電極部材３９に取付けられ、図示しないが中
心に孔を有するウエハの形式であることが好まし
いガラスフリツト材料が、カソード部分４５およ
びゲツタ３７を発光管２７内に配した状態で発光
管２７の端部に電極２９および３１を所望フリツ
ト封止するために使用される。

第３図のフローチヤートを参照すると、本発明
の発光管製造方法が容易に理解できる。この方法
は、まず、１つの電極を発光管の管状セラミツク
容器の一端部に封止する。次に、ナトリウム、水
銀および希ガスを、蒸発に十分な、かつ不飽和蒸
気形式高圧ナトリウムランプを提供するのに十分
な量だけ容器中に挿入する。その後で、酸素吸収
用ゲツタ作用物質が取付けられた電極が管状セラ
ミツク容器の他端部に封止され、所望の発光管を
提供する。

かくして、不飽和蒸気形式高圧ナトリウムラン
プ用の発光管を製造するための方法が提供され
た。ゲツタを容器内にこの容器から離間させて取
付ける１つの技術を開示したけれど、他の方法で
取付けてもよいことは明らかである。例えば、ゲ
ツタをカソードシヤンクに溶接しても、あるいは
電極のカソード部分４５に適用または取付けても
よい。いずれの場合でも、ゲツタは発光管のセラ
ミツク容器から離間される。

発明の効果 本発明によれば不飽和蒸気形式の高圧ナトリウ
ムランプにおける暗色化領域の発生を防止するこ
とができる。

現在本発明の好ましい実施例と考えられている
ものを図示し、記載したけれど、特許請求の範囲
によつて定義される本発明から逸脱することなし
に種々の変形および変更が上記実施例においてな
し得ることはこの分野の技術者には明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用した不飽和蒸気形式高圧
ナトリウムランプの好ましい一形式を示す立面
図、第２図は酸素吸収用ゲツタを取付けた電極の
発光管内での配置態様を示す拡大斜視図、第３図
は第１図の高圧ナトリウムランプの発光管の一実
施例を製造する工程を例示するフローチヤートで
ある。 ５：ガラス容器、７：ベース部材、９：ガラス
ステム部材、１１，１３：電気導体、１５：導電
性支持部材、１７，１９：クロスバー、２１：ス
プリングのような部材、２３，２５：ゲツタ、２
７：発光管、２９，３１：電極、３７：酸素吸収
用ゲツタ、３９：電極部材、４１：セラミツクウ
エハ、４３：シヤンク部材、４５：カソード部
分、４９：基体、５１：酸素吸収用金属合金。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 孔のあいたかつ割られたニツケルめつきの鉄
   の基体に焼結されたジルコニウム−アルミニウム
   合金の形式にある酸素吸収用ゲツタを、前記孔の
   あいたかつ割られた基体によつて一対の電極の少
   なくとも一方に取り付ける段階と、 前記一対の電極の一方を管状セラミツク容器の
   一端部に封止する段階と、 水銀、ナトリウムおよび希ガスを前記容器内に
   挿入する段階において、当該ナトリウムおよび水
   銀はそれぞれナトリウムおよび水銀が完全に蒸発
   して不飽和蒸気形式高圧ナトリウムランプを提供
   する量だけ挿入せられる段階と、 ゲツタの取付けられた前記一対の電極の他方
   を、当該ゲツタが前記管状セラミツク容器内でこ
   の容器から離間されて配置された状態で、前記管
   状セラミツク容器の他端に封止し、不飽和蒸気形
   式高圧ナトリウムランプ用の発光管を形成する段
   階 とからなることを特徴とする不飽和蒸気形式高圧
   ナトリウムランプ用の発光管の製造方法。 ２ 前記水銀、ナトリウムおよび希ガスを前記容
   器内に挿入する前記段階がナトリウム−水銀アマ
   ルガムを前記容器内に挿入することを含む特許請
   求の範囲第１項記載の製造方法。