JPH0450734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は寄せ棟型の屋根小屋組構造に係るもの
である。

（従来の技術） 従来、トラス型の屋根小屋組を寄せ棟型にする
場合、陸梁ａ上における真束の位置に南爪束ｂを
立設し、同南爪束ｂに隅梁ｃ（隅棟々木ともいう）
妻梁ｄを寄せ掛けて構成していた。（第３図乃至
第５図参照） 図中ｅは合掌、ｆは大棟々木、ｇは隅合掌であ
る。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来の寄せ棟型屋根小屋組においては、南
爪束の加工に多大の手間を要するという問題点が
あつた。

本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたもので、その目的とする処は、南爪束を
使用することなく、簡単に施工しうる寄せ棟型の
屋根小屋組構造を提供する点にある。

（課題を解決するための手段） 前記の目的を達成するため、本考案に係る屋根
小屋組構造は、相対する一双の合掌における棟よ
りやや下方の前面に夫々突設された取付部片間に
亘つて、横木を横架するとともに、同横木に隅
梁、妻梁の上部を架乗せしめて構成されている。

（作用） 本考案によれば前記したように、相対する左右
一双の合掌における各棟部より下方において、同
各合掌の前面に、夫々取付部片を突設し、同各取
付部片間に亘つて横木を横架し、かくして前記左
右一双の合掌の棟よりやや下方位置において、横
木を持ち出して配設し、同横木の持ち出し量を調
整することによつて、同横木に隅梁、妻梁をその
先端位置が前記合掌頂上の棟木と揃うように架乗
せしめ、かくして南爪束を使用することなく、簡
易に寄せ棟型の屋根小屋組を構成しうるものであ
る。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

１は左右一双の合掌で、棟よりやや下方の位置
において、前面に前記取付部片を構成するアング
ルピース２の垂直部片が、ボルト３を介して固着
されている。

更に前記一双の合掌１に固着された各アングル
ピース２の水平部片間に亘つて、横木４を横架し
てボルト５で固着し、同横木４に隅梁６及び妻梁
７の上部を架乗せしめて、寄せ棟型の屋根小屋組
を構成するものである。

この際、前記横木４の合掌１からの持ち出し量
を、同横木４に上部が架乗された前記隅梁６、妻
梁７の上端部が、合掌１頂上の棟木８と揃うよう
に調節するものである。

このように前記実施例によれば南爪束を使用す
ることなく、寄せ棟型の屋根小屋組が簡易に構成
されるものである。

なお前記横木４の持ち出し長さをそれ程大きく
する必要のないときは、アングルピース２を省略
して、横木４を直接合掌１に取付け、同横木４の
厚みで持ち出し効果を挙げることもでき、また横
木４を木材の替りに鋼材で構成してもよい。

（考案の効果） 本考案によれば前記したように、相対する一双
の合掌の棟よりやや下方の前面に夫々取付部片を
突設し、同取付部片間に横木を横架し、このよう
に前記一双の合掌に持ち出して取付けた横木に隅
梁、妻梁の上部を架乗せしめたことによつて、複
雑な構造を有する南爪束を使用することなく、寄
せ棟型の屋根小屋組を構成しうるものであり、施
工が著しく簡略化され、工費が節減されるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る屋根小屋組構造の一実施
例の要部を示す斜視図、第２図はその側面図、第
３図は従来の寄せ棟型屋根小屋組構造の要部を示
す斜視図、第４図はその平面図、第５図は南爪束
の斜視図である。 １……合掌、２……アングルピース、３……ボ
ルト、４……横木、５……ボルト、６……隅梁、
７……妻梁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対する一双の合掌における棟よりやや下方の
   前面に夫々突設された取付部片間に亘つて、横木
   を横架するとともに、同横木に隅梁、妻梁の上部
   を架乗せしめてなることを特徴とする屋根小屋組
   構造。