JPH0450405B2 - - Google Patents

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JPH0450405B2
JPH0450405B2 JP2226789A JP2226789A JPH0450405B2 JP H0450405 B2 JPH0450405 B2 JP H0450405B2 JP 2226789 A JP2226789 A JP 2226789A JP 2226789 A JP2226789 A JP 2226789A JP H0450405 B2 JPH0450405 B2 JP H0450405B2
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JP
Japan
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chitosan
fibers
pulp
contact zone
paper
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JP2226789A
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English (en)
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JPH02200810A (ja
Inventor
Masashi Nishama
Jun Hosokawa
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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Priority to JP2226789A priority Critical patent/JPH02200810A/ja
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、分離膜、医療用材料、食品包装紙等
の特殊紙の原料としてのキトサン繊維の新規な製
造法及び製造装置に関する。さらに詳しくいえ
ば、叩解したセルロースパルプ状のキトサン繊偉
維の簡便な製造法及びその製造装置に関する。こ
のパルプ状キトサン繊維はセルロースパルプ、合
成繊維及び無機繊維等のバインダーとして、ま
た、酵素あるいは酵母等の菌体の固定に利用する
ことも可能である。 従来技術 キチンは海老、蟹等の甲殻類、かぶと虫などの
昆虫類、菌類の細胞壁等に存在し、自然界ではセ
ルロースに次いで広くかつ多量に生産されてお
り、その化学構造はポリ〔〓(1−4)−2−ア
セトアミド−2−デオキシグルカン〕で表わされ
る多糖類である。しかしながら、キチンはセルー
スが広く各分野で利用されているのに比べてほと
んど利用されるに至つていない。 キチンを濃厚な水酸化ナトリウム液で加水分解
すると、脱アセトン化が起り、キトサンが生成す
る。脱アセトン化度70%以上のものは一般的にキ
トサンと呼ばれている。キトサンはアルカリや通
常の有機溶剤には溶解しないが、希酸には溶解す
る。そのキトサンを原料とするキトサン繊維の製
造法としてはキトサンを酢酸水溶液に溶解して、
細孔より凝固液中に押出し延伸してキトサン繊維
を製造する方法が提案されている(特開昭56−
26049号公報)。しかし、この方法で得られるキト
サン繊維は単独で紙にすると強度は小さく、多量
のバインダーを加える必要がある等の欠点を有し
ている。 また、粉末のキトサンを水に分散させ、高圧用
均質化装置を通過させて、キトサン懸濁液を製造
し、次いでキトサン懸濁液を抄紙する方法も提案
されていいる(特開昭59−84938号公報)。しかし
ながら、この方法は高圧用均質化装置という特殊
な装置を必要とするため、その製造コストが高く
なる上、高温下での高剪断力を加える等の苛酷な
条件のため、キトサンのグルコシド結合の切断を
伴うというう難点がある。 キトサンの希酸水溶液に撹拌下アルカリ金属水
酸化物を添加してキトサン懸濁液を調整し、次い
でこれを抄造するキトサン系抄造体の製造方法が
提案された(特開昭63−59499号公報)。しかしな
がら、この方法は家庭用ミキサー等で撹拌するた
め、キトサンはコロイド状となり、抄紙する際に
微細物による金網が目詰りし、脱水が困難となる
等の問題があつた。 このようにキトサン繊維の紙の原料として使用
するためには、繊維の構造に問題があり、紙の強
度は小さく多量のバインダーを加える必要がある
等の欠点を有している。 発明が解決しようとする課題 本発明は、叩解したセルロースパルプのような
枝分れした保水性のあるキトサン繊維を製造する
ことによつて、前記の欠点を解消することを見出
したものである。本発明は公知のセルロースパル
プのような繊維を簡便な方法で製造するための方
法及び装置を提供することを目的とするものであ
る。 課題を解決するための手段 本発明者らは、従来のキトサン繊維の製造法に
代わる新規な製造方法の工業的な有利な製造法に
ついて鋭意検討した結果、キトサンの水分散液に
酢酸などの酸を添加してキトサンを溶解させ、次
にたがいに対向する2方向から2つの連続層流と
して流れている凝固液の中間に、このキトサン溶
液を連続的又は断続的に加えると、意外にも叩解
したセルロースパルプのように、枝分れしたた繊
維長1mm以上のパルプ状キトサンが生成し、これ
を通常の方法で抄紙すると、良好な地合いと優れ
た強度特性を有し、しかも密度の高いキトサン系
抄造体が容易に得られることを発見し、本発明を
完成するに至つた。 すなわち、本発明は、所定の接触帯域におい
て、キトサン溶液と凝固液とを接触ささせてキト
サン繊維を製造するに当り、該接触帯域に凝固液
をたがいに対向する2方向から2つの連続層流と
して導入し、該接触帯域においてそれぞれの層流
をほぼ直角方向に方向転換させながら排出させる
と共に、該接触帯域にキトサン溶液を連続的又は
断続的に導入し、凝固と同時に繊維状化すること
によつてパルプ状キトサン繊維を製造する方法及
び凝固液を満たした上方開放容器、容器中にほぼ
等間隔で2列2行に直立して配置した4本の回転
ローラ、隣接する各ローラをそれぞれ逆方向に回
転させるための駆動機構及び4本の回転ローラの
ほぼ中央位置に向けて開口したキトサン溶液導入
管から成るパルプ状キトサン繊維の製造装置を提
供するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において使用するキトサンとしては、市
販されているキチン又は海老殻や蟹殻等から採取
したキチンを常法により脱アセチル化した脱アセ
チル化度70%以上のキトサンを挙げることができ
る。また、これらのキトサンに鉱酸又は酸化剤を
作用させて得れる低分子化キトサンも挙げること
ができる。また、キトサンを溶解させる溶剤とし
ては、ギ酸、酢酸等の有機酸及び塩酸等の鉱酸の
水溶液が挙げれる。また、凝固液としては水酸化
ナトリウム、水酸化カルシウムやエチレンジアミ
ン等のアミン類のアルカリ水溶液又はアルカリメ
タノール溶液が用いられる。 次に添付図面に従つて、本発明の製造装置を説
明する。第1図は本発明装置の要部を示す斜視図
であり、また第2図は平面図であつて、本発明装
置は、箱状の凝固浴槽2中にほぼ等間隔に2列2
行に配置した4本のロール1,1,1,1から構
成され、これらのロールは所要の駆動機構、例え
ばモータ(図示せず)によりそれぞれ隣接するも
のがたがたいに逆方向に回転するように、すなわ
ち各矢印方向に回転するように構成されている。
この回転速度は例えば0〜1500rpmの範囲で調整
しうるようになつている。このようにしてロール
1,1,1,1を回転させると凝固液は第2図の
A,Aの方向から凝固槽2の中心部3に向つて内
方へ移動し、この地点からB,B方向に向きを変
え、外方へ移動する。このようにして乱流のない
層流が形成される。 そして、この中心部3に対
し導入管4を介してキトサン溶液を連続的又は断
続的にに滴下すると、キトサン溶液は左右に延伸
されるとともに傑固し、枝分れした繊維長1mm以
上のキトサン繊維が得られる。このパルプ状キト
サン繊維を200メツシユの金網で受け十分に水洗
を行う。最適な条件下で製造したパルプ状キトサ
ン繊維では、200メツシユの金網を通過する微細
物はほとんどなく繊維状物のみが得られる。 本発明におけるパルプ状キトサン繊維の調整
は、例えば以下のような方法で行うことができる
が、これらの具体例に限定されるものではない。 まず、キトサン濃度が0.1〜10%、望ましくは
10〜2000cpになるようにキトサンの希酸水溶液
を作成する。次にパルプ状キトサン製造装置の凝
固浴槽に水酸化ナトリウム水溶液など凝固液を入
れ、ロールを回転させる。4本のロールの中心点
付近にキトサンの希酸水溶液を連続的あるいは断
続的に滴下する。キトサンの濃度によつて異なる
が、ロールの回転速度が遅いとビーズ状あるいは
まが玉状となり、回転速度が速すぎるとコロイド
状となる傾向がある。しかし、500〜1300rpmの
回転速度では、枝分れしたたパルプ状の繊維が得
られる。最適な回転速度において、キトサンの濃
度の影響を調べると、低濃度では微細な鱗状とな
り、高濃度ではビーズ状となるが、最適な濃度で
はパルプ状のキトサン繊維が得られる。低分子化
したキトトサンでは、最高濃度を高めることも可
能である。凝固液としては、5%の水酸化ナトリ
ウムが適していた。 このような方法で得られる本発明のパルプ状キ
トサン繊維は叩解したパルプと同様に保水性が高
く、水に対する分散性も優れている。水洗後、こ
のパルプ状キトサン繊維紙料を単独又はセルロー
スと混合し、JISP8209法に準じて抄紙すること
ができる。 本発明によるパルプ状キトサン繊維は通常の抄
紙法により抄紙することができ、得られた紙は高
密度でかつ耐水性の高い紙様を呈した。また、セ
ルロースパルプとの混抄においても、簡単に抄紙
することができ、耐水性の高い紙を製造すること
ができる。 発明の効果 本発明方法によるパルプ状キトサン繊維の製法
は簡便で繊維の切断を伴うこともなく製造できる
優れた方法である。 この方法で調製したパルプ状キトサン繊維は叩
解したセルロースパルプのように枝分れした繊維
からなり、保水性が高く、水分散性もよく、セル
ロースパルプと同様の用途に広く利用することが
できる等であつて、新しいタイプのキトサン繊維
として期待できるものである。また、セルロース
パルプがアニオン性を示すのに比べて、本発明の
パルプ状キトサン繊維はカチオン性を示すことを
利用してセルロースパルプ等との混抄やバインダ
ーとしても使用でき、さらに酵素や菌体の固定化
担体、分離性シートに利用できる等の応用範囲も
広く大いに期待できる。 実施例 次に本発明を実施例によつて詳細に説明する。 実施例 1 脱アセチル化度が100%のキトサン(0.5%キト
サン−0.5%酢酸水溶液の粘度は385cp/20℃)15
gに水1243gを入れ、キトサンの分酸液とし、こ
れに1%の酢酸水溶液1243gを添加し、2時間撹
拌して、0.6%濃度のキトサン溶液を調製した。
このキトサン溶液の粘度は419cp/20℃であつ
た。この溶液をろ過脱泡後、内径1mmのノズルを
つけた分液漏斗に入れた。 次に、パルプ状キトサン繊維製造装置の凝固浴
槽に5%の水酸化ナトリウムの水溶液を入れ、4
本のロールを800rpmで回転させた。その中央部
に分液漏斗からキトサン溶液を断続的に滴下し、
平均繊維長1mm以上のパルプ状キトサン繊維を製
造した。この繊維を200メツシユのふるいに入れ、
十分に水洗し、JIS法に準じ抄紙した。なお、水
洗中にふるいを通過するコロイド物質は皆無であ
つた。得られた紙は厚み0.06mm、密度0.92g/cm3
であり、裂断長は1.54Kmであつた。 実施例 2 実施例1で用いたキトサンを使用して、キトサ
ン濃度とパルプ状キトサン繊維の製造条件を調べ
た。その結果を第1表に示す。
【表】 第1表から明ららかなように、キトサンの濃度
が低いと溶解又はコロイド状となり、また濃度が
高いとビーズ状になることが判明した。最適な条
件下で、凝固浴濃度の影響を調べると、水酸化ナ
トリウムの濃度は1%以上必要であり、5%濃度
が最適であつた。 実施例 3 実施例1で使用したキトサンを鉱酸で加水分解
を行い、キトサンを低分子化した。0.5%の酢酸
に0.5%になるように溶解した時の粘度(20℃)
は92(A)及び14(B)cpであつた。この低分子化した
キトサンを用い、パルプ状キトサン繊維の製造条
件を調べた結果を第2表に示す。
【表】
【表】 第2表より明らかなように、低分子化すること
により、キトサン溶液を高濃度にしてパルプ状キ
トサン繊維が容易に得られることを認めた。 実施例 4 実施例1で得られたパルプ状キトサン繊維と
NBKPとの混抄を行つた。パルプ状キトサン繊
維の増加とともに得られた紙の密度は高くなり、
また抄紙排水である白水中のコロイド物質は著し
く減少することが判明した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するのに適用され
たパルプ状キトサン繊維の製造装置の概略図、第
2図はパルプ状キトサン繊維製造装置中のロール
を回転させた際の凝固液の流れを示す。 図中符号1はロール、2は凝固浴槽、3は中心
部、4はキトサン溶液導入管であり、A,Bは凝
固液の流れ方向である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 所定の接触帯域において、キトサン溶液と凝
    固液とを接触させてキトサン繊維を製造するに当
    り、該接触帯域に凝固液をたがいに対向する2方
    向から2つの連続層流として導入し、該接触帯域
    においてそれぞれの層流をほぼ直角方向に方向転
    換させながら排出させると共に、該接触帯域にキ
    トサン溶液を連続的又は断続的に導入し、凝固と
    同時に繊維状化することを特徴とするパルプ状キ
    トサン繊維の製造方法。 2 凝固液を満たした上方開放容器、容器中にほ
    ぼ等間隔で2列2行に直立して配置した4本の回
    転ローラ、隣接する各ローラをそれぞれ逆方向に
    回転させるための駆動機構及び4本の回転ローラ
    のほぼ中央位置に向けて開口したキトサン溶液導
    入管から成るパルプ状キトサン繊維の製造装置。
JP2226789A 1989-01-30 1989-01-30 パルプ状キトサン繊維の製造方法及び製造装置 Granted JPH02200810A (ja)

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