JPH0450115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の技術的分野） 本考案は、多色平台校正印刷機の印刷定盤上
で、印刷用紙を定位置に固定する紙押さえカムに
関するものである。

（従来の技術） 第２図は、従来の多色平台校正印刷機のうち、
代表的である２色平台校正印刷機を示す側面図で
あり、第３図は、同２色平台校正印刷機の印刷定
盤２上の印刷用紙３を固定する位置に設けられた
紙押さえカム１の配置である。校正印刷を行う場
合、印刷定盤２上に印刷用紙３を置いて紙押さえ
カム１を用いて固定し、その上より架台４に設け
られた第１ブランケツトローラー５と第２ブラン
ケツトローラ６が順次通過することにより、印刷
用紙３におのおののブランケツトローラーに用い
られた色の印刷が印刷用紙３に施される。ただし
このときの印刷定盤２上の印刷用紙３は、紙押さ
えカム１で最初にブランケツトローラーと接触す
る１辺にしか固定されていなかつた。

（本考案が解決しようとする問題点） 従来、多色平台校正印刷機にて印刷時に問題と
なつていたのは、第４図で示すように、１つ前の
ブランケツトローラーにて印刷を行つた後、印刷
用紙は印刷用紙上に転移したインキとブランケツ
トローラーに残るインキの剥離現象により引き上
げられ、印刷用紙と定盤の間に隙間ができること
である。従つて、この印刷用紙と定盤の間に空気
が充填されることとなり、印刷用紙が自重にてこ
の空気を排出するには、長い時間がかかる。しか
し、次の色の印刷を行うブランケツトローラー
は、一般に印刷用紙が完全に落下する前に印刷を
行う。このため印刷用紙は、まず先端部以外の箇
所でブランケツトローラーと接触し、次にこのブ
ランケツトローラーと定盤に挟まれる。この時、
このブランケツトローラーと最初に接触した箇所
と定盤に挟まれて接触する箇所とは僅かに違う
為、印刷用紙とブランケツトローラーとは僅かに
擦れる。この擦れは、印刷においてスラーとよば
れる現象となつて現れる。つまり、印刷画像が印
刷方向に擦れるのである。

最近特に廉価の印刷用紙の需要が高まつてお
り、この廉価な印刷用紙は軽量なものが多い。一
般に、軽量な印刷用紙ほど前記した紙浮きが大き
くなる傾向がある。スラー現象はこうした背景に
より多発している。

ところで、印刷用紙は、紙押さえカムにより１
辺のみで定盤に固定する様になつている。従つて
紙押さえカムにより固定されていない他方は、自
由に浮き上がれる様になつている。このため、容
易にスラー現象が発生する様になつている。

（問題点を解決する為の手段） 本考案は、以上のごとき従来の欠点を解消し、
第２色以降のブランケツトローラーが印刷を行う
際にも第１のブランケツトローラーが印刷を行う
際と同様に、印刷用紙が定盤から浮いていないよ
うにする為に、印刷用紙を固定する紙押さえカム
が、最初にブランケツトローラーと接触する辺だ
けでなく、この辺と直交する何れかの辺も合わせ
た２辺に関して設置してある多色校正印刷機を用
いて校正印刷を行うと、上述のスラー現象が容易
に現れなくなる。

（作用） 上述のスラー現象は、印刷用紙が、印刷方向と
垂直方向にたわんで定盤との間に空気が入つてブ
ランケツトローラーと先立つて正常でない位置で
接触していた。これに対して本考案を用いると、
印刷用紙を固定する紙押さえカムが、最初にブラ
ンケツトローラーと接触する辺だけでなく、この
辺と直交する何れかの辺も合わせた２辺に関して
も設置してある為にいずれ方向にも紙押さえカム
が働き、印刷用紙が固定され、容易に撓む事がな
くなつた。

（考案の実施例） 次に本考案について、２色平台校正印刷機を例
にとつて図面を参照にしながら詳細に説明する。

第１図は、２色平台校正印刷機の紙押さえカム
１の配置であり、第２図は、同全体を示す側面図
である。すなわち印刷定盤２上の印刷用紙３は、
紙押さえカム１で２辺に関し固定されている。こ
れにより、架台４に設けられている第１ブランケ
ツトローラー５により１色目が印刷された後、印
刷用紙３の浮きは小さく押さえられる、従つて、
第１ブランケツトローラー５と第２ブランケツト
ローラー６との間が狭くともあまり印刷用紙３が
浮き上がらない、従つて印刷用紙３が先行して第
２ブランケツトローラー６と接触する事がなくな
り、スラー現象が容易に起きなくなるのである。

なお、紙押さえカム１の個々の形状は従来どお
り印刷用紙をくわえることで定盤に固定する方式
であり、また上昇、下降のタイミングも従来どお
り、足踏みスイツチなどで行つている。

（考案の効果） 以上述べたように、本考案の多色平台校正印刷
機を使用すれば、印刷用紙の浮きを小さくするこ
とができ、その結果第２のブランケツトローラー
以降のブランケツトローラーに起こるスラー現象
を押さえることができるようになり、印刷ミスで
あるヤレが減り、又印刷品質が向上するのであ
る。しかも、本考案の多色平台校正印刷機の設
計、製作は従来の多色平台校正印刷機に比べて
も、単に１辺にカムを加えるだけのため、非常に
軽微な変更ですみ、容易に従来の多色平台校正印
刷機に適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の多色平台校正印刷機の紙押
さえカム部分を示す説明図である。第２図は、本
考案および従来例の実施例の多色平台校正印刷機
のうち、２色平台校正印刷機を示す側面図であ
る。第３図は、従来例の押さえカム部分を示す説
明図である。第４図は、印刷用紙が印刷用紙上に
転移したインキとブランケツトローラーに残るイ
ンキの剥離現象により引き上げられて印刷用紙と
定盤の間に隙間ができたときを示す側面図であ
る。 １……紙押さえカム、２……印刷定盤、３……
印刷用紙、４……架台、５……第１ブランケツト
ローラー、６……第２ブランケツトローラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のブランケツトローラーと、印刷用紙を載
   置する一つの定盤を有する多色平台校正印刷機に
   おいて、該定盤上の印刷用紙を押さえる紙押さえ
   カムを、該印刷用紙が前記ブランケツトローラー
   と最初に接触する辺と、該辺と直交する何れかの
   辺に設けることを特徴とする多色平台校正印刷
   機。