JPH044977B2 - - Google Patents

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JPH044977B2
JPH044977B2 JP17333585A JP17333585A JPH044977B2 JP H044977 B2 JPH044977 B2 JP H044977B2 JP 17333585 A JP17333585 A JP 17333585A JP 17333585 A JP17333585 A JP 17333585A JP H044977 B2 JPH044977 B2 JP H044977B2
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iron
fecl
titanium tetrachloride
ferrous
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【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は鉄を含有するチタン鉄質原料、例えば
イルメナイトまたは酸化チタン鉱滓などを多段階
工程で塩素化する方法に関する。この発明は供給
鉱石の一部を第1次の塩素化器の中で塩素を使用
して非選択的に塩素化し、4塩化チタン
(TiCl4)と塩化第1鉄または塩化第2鉄または
第1、第2塩化鉄の混合物を生成し、鉱石の残り
を第2次の塩素化器の中で塩素第2鉄を使用して
非選択的に塩素化し、4塩化チタンと塩化第1鉄
とを生成する方法を提供する。第2次の塩素化器
と第1次の塩素化器から(若干でも塩化第1鉄が
生成する場合)生ずる塩化第1鉄は、第2次の塩
素化器内で塩素化剤として使用される塩化第2鉄
と酸化第2鉄とに転換される。 従来の技術 本発明の背景と従来の技術についてのべれば、
各種のチタン鉄質鉱石の中のチタン分を転換する
ことはこれまでに主として流動床の条件のもとで
鉱石と炭素の混合物を塩素化することで達成され
て来た。普通には塩素化剤は元素の塩素であつ
た。鉄を含有するチタン鉄質鉱石から生ずる副産
物の塩化鉄は廃棄処理に問題を生じ、貴重な塩素
を浪費する。以前には、副産物の塩化鉄の中の塩
素分は、空気または酸素を用いてそれを酸化第2
鉄と塩素とに完全に酸化することで回収してい
た。 本発明方法では、塩化第1鉄の部分酸化によつ
て得られる利点は従来の研究努力の中で考えられ
ていた塩化第1鉄−第2鉄の完全酸化に比べて顕
著性がある。これまでによく実施していたような
単段の塩素化法ではなく、本発明では2段階工程
を意図している。第1段階では処理すべき鉱石の
大部分、即ち重量で60%から90%を従来型の流動
床反応器で塩素化し、4塩化チタンおよび塩化第
2鉄または塩化第1鉄またはその両者の混合物を
生成する。第2の鉱石の小部分、即ち重量で10%
から40%を粉砕(325メツシユ以下)し、希釈相
反応器の中で塩化第2鉄蒸気で塩素化する。塩素
鉄の中の塩素分は塩化第1鉄を塩化第2鉄と酸化
第2鉄に部分酸化することによつて回収する。 塩化第1鉄または塩化第2鉄を酸化して塩素と
することを志向した従来技術は沢山あつて、この
反応に固有の問題を解決することを試みている。 希釈相または同伴流の塩素化に関する特許文献
はそれほど広汎ではない。本出願と所有者を同じ
くする米国特許第4183899号と第4343775号とは参
照しなければならない。 塩化第1鉄と塩化第2鉄を完全酸化して塩素と
するときの主な問題は、熱力学が有利にはたらく
低温度では反応が遅いことである。反応が実際向
きの速度で進行する高温度では、熱力学が不利で
あつて、反応はとても完結しない。 この問題を克服するために、ダン(Dunn)の
米国特許第3887694号と第3376112号及びボンサツ
ク(Bonsack)の米国特許第3944647号と第
3919400号とは触媒を使用して低温度での反応速
度を上げ熱力学をより有利にすることを教示して
いる。ダン(Dunn)の米国特許第3865920号とボ
ンサツク(Bonsack)の米国特許第4094854号で
はまた高温度で運転するシステムを提案し、そこ
では、未反応の塩化第2鉄を分離して酸化域にリ
サイクルしている。ダン(Dunn)の第3865920号
では、酸化域の排出部に非常に長い「ダクト管」
(flue pipe)を使用して排出部を低温度に保持す
ることも提案している。 塩化第1鉄と塩化第2鉄を酸化して塩素にする
ときのもう一つのきびしい問題点は、反応器の内
壁ことに酸化域排出部の近傍に硬くて緻密な酸化
第2鉄の沈着を形成することである。この問題を
解決する試みはソーヤ(Sawyer)に与えられた
米国特許第2642339号、ネルソン(Nelson)の第
3050365号と第3092456号、リーブス(Reeves)
の第3793444号及び三菱の第4073874号の主題であ
つた。 以下に、この分野の従来技術をより詳細に米国
特許の記載で再検討してみる。 ウイルコツクス(Wilcox)の第2589466の開示。 イルメナイトの鉱石を1250℃以上ただし1500℃
以下の温度に熱して鉱石からチタンを4塩化チタ
ンの形で除去し、同様に塩素を同温度に熱し、つ
いでこの塩素と鉱石を一緒に反応室に導く。イル
メナイト鉱石中の鉄の成分は固体の残渣として除
去され、一方TiCl4は反応器外へ蒸発させられる
方法。 ソーヤ(Sawyer)の第2642339号の教示。 ハロゲン化鉄を酸化して酸化鉄と塩素を生成す
る方法で、塩化第2鉄と乾燥空気とを蒸気相で
600℃から800℃までの温度で反応させ、これを微
細な酸化鉄の触媒床を有する鉛直の反応域で、反
応器の内壁面に反応生成物がかなり蓄積するのを
防止するような条件のもとで行う。 ロー(Rowe)の第2657976号の表示。 チタン鉄質の鉄鉱石から酸化鉄と4塩化チタン
とを生成する方法。この方法によると、鉄を含有
するチタン鉱石を粉砕し、炭素と混合し室に入れ
る。この室に塩素と水分を含む空気とを導入し、
高温で実質的に4塩化チタンを含まない揮発性の
塩化第2鉄を生成する。加えられる塩素の量は鉄
分と反応するに必要な量であつてチタン分との反
応量ではない。水分を含む空気も加えている。塩
化第2鉄は揮発させられ、チタン濃縮液から分離
され、この塩化第2鉄は酸素と直ちに反応して酸
化第2鉄と塩素ガスを生成する。このようにして
生成された酸化第2鉄と塩素を分離し、塩素は戻
されて濃縮液中のチタン分と反応し、4塩化チタ
ンを生成する。これらの反応は個別の反応器中で
行われる。 ネルソン(Nelson)他の第3067005号の開示。 イルメナイトのようなチタン酸鉄を流動床反応
器中で塩素化する方法。反応域から生ずるガス流
中の未反応塩素を、そのガス流に粒状のFeCl2
加えることによつて固定(即ち通常の固体の形態
に転換)し、一方、このガス流はなおFeCl2が適
度の速度でFeCl2と反応するような温度(即ち
700℃以上)である。ここで生ずるFeCl3は直ち
に昇華し、排ガスと一緒になるが、この分離は容
易である。この方法は本発明の第1次の塩素化段
階に適合する。 グローブス(Gloves)の第3105735号の開示。 塩素化域の中の原料床の中の金属を含む材料の
塩素化の方法であつて、この材料に対して不活性
のガスの上向流中に懸濁している塩素化すべき粉
体状の材料について1対の流動床を完成したこと
に改善がある。この流動床は上部水位を有し、そ
の上部水位の下方で連通している。第1床の上部
水位は1側では流動床で境界され、他側では不活
性の流動化ガスで境界された面を形成する。第2
床の上部水位は塩素化域と直接連通している。第
1床には材料の供給量をより多くしてあるので、
材料は第2床の方へ流れ、ついでそこから上部水
位の流れによつて塩素化域へ流れる。 エンゲルマン(Engelmann)の第3144303号の開
示。 揮発性のハロゲン化金属、ことに4塩化チタン
と塩化第2鉄を閉じた反応容器内で高温で連続的
に生成する方法をガス状のまたは微細に粉砕した
還元剤と、塩素と、イルメナイトまたはルチルの
ようなチタン鉄質原料の微細粉材料の流動床懸濁
液との存在のもとで行つている。流動床の温度と
組成は最適の操作条件とされ、その維持は反応体
床の粒体の1部と、制御下に維持されるかまたは
非反応条件に規制される別個の補助の流動床との
連通で得られる粒体との間の力学的相互交換によ
つている。 ダン(Dunn)他の第3376112号の記載。 式XFeCl4で示される溶融金属の錯塩の流動方
法で、Xはアルカリ金属であり、この流動は酸素
を含むガスと併流の不活性粒状材料の移動床上の
薄い膜として流れる。この方法は生成物としての
塩素の回収方法でもある。 ノワツク(Nowak)他の第3466169号はコーク
スの存在下での鉱石の塩素化の方法を供給してい
る。塩素の量は塩化物を形成するのに最大の親和
力を持つ金属の塩化物を形成するに必要な化学量
論の量に限られている。このときの温度はそこで
できる塩化物の蒸発温度以上に維持されている。
これによつて、塩化物を形成する親和力の最も大
きな金属のすべてをその鉱石から除去する。生成
された塩化物のガスは形成される塩化物のどの不
純物とも一緒に新しい鉱石上に移され、この鉱石
は炭素を含まず、その時点では塩化物の不純物は
塩化物形成の親和力の最大な金属の塩化物を得る
のに好都合に除去され、塩化物形成の親和力の最
大な金属の純粋な塩化物が得られる。ついでこの
純粋な金属塩化物を還元して0価の状態の金属を
生成し、そのときには塩化物形成の親和力の最大
な金属を全く含まなくなつた鉱石を処理すると同
様に塩化物形成の親和力が次に大きい金属の塩化
物を収集することができる。この方法によつて
TiCl4を意図している。 ジヨーンズ(Jones)の第3495936号の開示。 チタン鉄鉱石の希釈相の塩素化方法。ここでは
この鉱石は希釈相の反応器システム中で塩素及び
炭素質の還元剤と反応し、金属塩化物主として4
塩化チタンを生成する。 ダン(Dunn)の第3683590号の教示。 ガス状の流れから2段階で塩化鉄を凝縮する方
法で、第1ステツプはガスを約675℃に冷却して
塩化第1鉄を液体に凝縮し残りの気体の第1鉄を
残し、ついで第2ステツプで塩素ガスと塩化ナト
リウム塩を個別に加える。ここで残りのFeCl2
FeCl3に酸化され、このものは最初からある
FeCl3とともにNaFeCl4に転換され、この生成品
を159℃以上の温度に冷却する。この方法は廃棄
ガスから塩化鉄を回収し空気の汚染を少くするの
に有用である。 ピコロ(Piccolo)他の第3787556号に従つて4
塩化チタンが製造できる。その方法は粉末にした
イルメナイトあるいはチタン鉱滓を試薬と塩素な
らびに石炭の燃焼生成物の加熱ガス流とともに反
応器に供給する。試薬は炭素である。 オスマー(Othmer)の第3859077号の教示。 4塩化チタンと鉱滓あるいはイルメナイトのよ
うな鉱石の中に含まれる鉄の酸化物との間の1000
℃の温度でのハロゲンと酸素の交換による還元条
件のもとで純粋な2酸化チタンの生産。鉄と各種
の不純物はハロゲン化物として揮発させられる。
固体のTiO2といくらかの不純物が残るが、不純
物は水または水溶液の酸もしくはアルカリで洗浄
できる。ついで気体のハロゲン化鉄は2酸化チタ
ンのいくらかまたは全部および還元剤とともに
1550℃以上で反応し、溶融金属鉄に還元され、気
体のハロゲン化チタンを与え、これは第1の反応
器に送られる。補給用のハロゲンを必要とするだ
けである。 ダン(Dunn)の第3865920号(前出)の教示。 チタン鉄鉱石は選鉱するときの塩化方法によつ
て得られる塩化鉄とその混合物とに、流動床の上
方の空間ガス中に酸素を注入することによつて酸
化し塩素と酸化鉄を生成している。 ロビンソン(Robinson)の第3897537号の教示。 酸化によつて凝ブルカイトを含む材料を生成
し、この酸化生成物を還元してその鉄含有分の少
くとも4%を第2鉄の状態に転換し、次に還元さ
れた材料を浸出させることによつてイルメナイト
鉱石の選鉱をしている。選鉱物から流動床反応の
条件下で塩素化に適しており、TiCl4を生成す
る。福島他の第3925057号の教示。 チタンを含有する酸化鉄鉱石の選択的塩素化処
理の中で塩素ガスをリサイクルし、TiO2を濃縮
した鉱石を得るための方法。ここでは、塩素化反
応中に導入される塩素ガスは酸化鉄との反応によ
つて塩化第2鉄に転換される。この塩化第2鉄は
酸化工程中の酸素との反応によつて遊離塩素に再
転換され、単離した塩素は塩素化段階に戻され
る。 グレーサー(Glaeser)の第3926614号の教示。 塩素化剤としてのFeCl3と固体の炭素質還元剤
を使用してチタン鉄鉱石の鉄の成分を選択的に塩
素化する方法。このFeCl3はこの選択的塩素化か
ら生ずるFeCl2を酸化し、それによつてリサイク
ル操作を可能にすることで生成される。 グレーサー(Glaeser)の第3977862号の教示。 塩化第1鉄のみを使用し、または、塩素、塩化
水素もしくは塩化第2鉄などの他の塩素化材との
組合わせを塩素化材の1部または全部として使用
して選択的な塩素化をすること。この塩素化の間
には、950℃ないし1400℃の高温を維持している。 グレーサー(Glaeser)の第3977863号の開示。 本質的には前特許と同じような方法。 グレーサー(Glaeser)の第3977864号の開示。 イルメナイトのようなチタン鉄質原料の処理の
ための本質的に同じ還元/塩素化の方法。 オスマー(Othmer)の第3989510号の記載。 1950℃のような高温で反応器を運転することを
含む方法。この反応器には鉄を含むチタン鉄鉱
石、シリカ、アルカリ金属またはアルカリ土類金
属の塩化物及びコークスのような固体の還元剤の
混合物が供給される。TiCl4が生成される。アダ
チ(足立、安達)他の第4014976号の教示。 粒度150メツシユのTiO2の材料を粗い炭素質材
料の存在で希釈相の流動システム内で塩素と反応
させることによつてTiCl4を生成している。 グレーサー(Glaeser)の第4017304号の教示。 前記4件のグレーサー(Glaeser)の特許で論
じたものと本質的に同じ方法。 ロビンソン(Robinson)の第4046853号の教示。 イルメナイトのような鉄を含有するチタン鉄鉱
石の中の鉄分とチタン分の同時塩素化。ここで
は、イルメナイトは塩化第1鉄に転換されるが、
発生する廃ガスは4塩化チタンの回収処理が困難
である。排気中の鉄分は部分的Fe2O3とFeCl3
酸化され、それによつて塩化第1鉄の分圧を減少
させ、一方で塩化第1鉄のいくらかの存在を保持
して塩素化段階から発生する塩素を純化
(scavenge)する。残りの気体の塩化鉄は凝縮さ
れ、塩素を含まない4塩化チタンを残りの気体か
ら回収できる。 奥平の第4055621号の教示。 チタン鉄質鉱石の塩素化で塩化鉄を得、塩化鉄
に合計混合物に対して重量で10%以上の酸化鉄を
加え、この混合物を流動焙焼炉に供給して酸化さ
せることによつて上記塩化鉄から塩素を得る方
法。余剰分は第2の反応器で酸化される。このよ
うにして得られた酸化鉄は第1次の反応器にリサ
イクルして炉内の反応温度の制御に使用する。 ターナー(Turner)他の第4140746号の記載。 鉄を含むチタン鉄質原料の塩素化で生成される
塩化鉄から、ことに、たとえば2酸化チタンの顔
料を形成するいわゆる塩化ルートの第1段階であ
るようなイルメナイトの炭素−塩素化から得られ
る塩素分の回収。 塩化第2鉄または塩化第1鉄である塩化鉄を還
元と酸化の反応をさせる。還元反応では塩化第2
鉄は塩素化工程にリサイクルするために塩化化合
物を生成するのに適した還元剤によつて脱塩素化
して塩化第1鉄にする。酸化反応では、塩化第1
鉄を酸化して酸化第2鉄と塩化第2鉄にし、この
塩化第2鉄を還元反応にリサイクルする。この方
法により、塩素分は、塩化第2鉄と酸素との間の
むずかしい反応を避けて塩素と酸化第2鉄を生成
するルートによつて副産物の塩化鉄から回収され
る。 リーベス(Reeves)他の第4174381号の教示。 多段の再循環流動床反応器の中で塩素と酸化鉄
を生成するための改良方法と装置。ここにおい
て、蒸気相の塩化第2鉄が過剰の酸素と550℃な
いし800℃で反応する。改良点としては、最初の
“濃密域”と下流の“希釈域”を含む反応器を使
用することにある。濃密域では、燃料を燃焼さ
せ、反応材と再循環の酸化鉄粒体が加熱され、塩
化第2鉄が蒸発し、塩化第2鉄の少くとも50%が
塩素と酸化鉄に変換される。下流の希釈域では、
塩化第2鉄の転換が継続されて95%以上完結す
る。 以下の6件はいずれも本発明当人のボンサツク
(Bonsack)もしくはボンサツク(Bonsack)他
の特許である。 第4183899号の教示。 鉄を含むチタン鉄質の原料を塩素を使つて塩素
化し、塩化チタンと副産物の金属の鉄との生成流
を一連のフロー工程で生成する。 第4279871号の教示。 塩素化したチタン鉄質材料中のバナジウムの不
純物を、その塩素化したチタン鉄質材料を高表面
積の炭素と高温中で反応させることによつて除去
する。高表面積の炭素の製造方法の記載もある。 第4310495号の教示。 チタン鉄質材を流動床中で塩素化する低温度
(800℃以下)の方法。直径2ミリミクロン以下の
微孔を有する多孔性炭素の還元剤を在来品のチタ
ン鉄質材と在来の塩素源とともに使用して、本発
明の低温度で反応を達成させている。 第4329322号の共同の教示。 塩素化したチタン鉄質材料中のバナジウムの不
純物を、その塩素化したチタン鉄質材料を高表面
積の炭素と反応させて、炭素化の工程の間で除去
する方法。 第4343775号の教示。 チタン鉄質材料の塩素化の流動式方法。この方
法は、直径2ミリミクロン以下の孔を有すること
を特徴とする特別な微孔の多孔性炭素(無煙炭)
を使用する。これによつて反応速度が改善される
とともに反応の完結度が得られる。 第4442076号の開示。 鉄を含む微細なチタン鉄質材料を塩素ガス及
び/または有機塩化物を使用して微孔質の石炭を
基材とする還元剤の粉体の存在のもとで下向流の
非選択的な同伴流塩素化を行う方法で、チタンお
よび鉄の塩化物の生成物を得ており、ここで上記
の混合の粉体を同伴し、少くとも約800℃の温度
で塩素化域を通つて下向きに流動する。本発明の
方法は類似の条件を使用しているが、塩素化剤は
塩素ガスまたは有機塩化物の代りにFeCl3である
点で異なつている。(上記の第4343775号も参照の
こと) 発明が解決しようとする問題点 上記の先行技術から理解されるように、チタン
鉄質の原料、例えばイルメナイト、ルチルおよび
チタン鉄質の鉱滓などを塩素化してTiCl4および
FeCl2またはFeCl3を生成するための各種の方法
にあつては、塩素化剤は一般に塩素であり、塩素
はCl2またはFe2O3への酸化によつてFeCl2または
FeCl3から回収する。 問題点を解決するための手段 本発明の場合には、チタン鉄質原料の供給は2
部分に分割されており、各部が異つた処理をされ
る。第1の部分は塩素または塩素を多く含むガス
を塩素化剤として使用する任意の在来方法によつ
て塩素化されてFeCl2またはFeCl3とTiCl4を生成
する。第2の少ない方の部分は希釈相の反応器中
で第1段階からのおよび/または部分酸化ステツ
プから回収されるFeCl3を使用してTiCl4及び
FeCl2に塩素化され、ここで塩素化の両段階から
生ずる副産物のFeCl2は部分酸化されてFeCl3
よびFe2O3となる。この方法においては、塩素分
はすべてTiCl4の生成に使用されている。 本発明はTiCl4を造る方法であつて、鉄を含む
チタン鉄質の原料の60%ないし90%を、第1の塩
素化域で、たとえば塩素及び炭素の還元剤を使用
し、非選択的な塩素化条件のもとで塩素化して
TiCl4、塩化鉄及び酸化炭素を生成し;この固体
の塩化鉄をTiCl4と酸化炭素とから分離する。上
記鉄を含むチタン鉄質の原料の10%ないし40%
を、第2の隔離した塩素化域で塩化第2鉄の塩素
化剤と炭素の還元剤を使用し、非選択的に塩素化
してTiCl4、塩化第1鉄及び酸化炭素を含む第2
の流れを生成し;この固体の塩化第1鉄を上記第
2の塩素化域からのTiCl4及び酸化炭素とから分
離し;この固体の塩化第1鉄を分子状の酸素を使
用してFeCl2の溶融点以下の温度で酸化すること
によつてFeCl3の蒸気とFe2O3を生成し;この塩
化第1鉄の蒸気の少くとも1部を第2の独立の塩
素化域にリサイクルし、そして第1と第2の塩素
化域からの生成TiCl4を合流させる、ことを要旨
としている。 本発明のさらに具体的な説明では、第1の塩素
化域における塩素化は、在来の流動床塩素化条件
のもとで塩素を使用して約800℃ないし1100℃、
好ましくは1000℃で実施し、第2の塩素化域にお
ける塩素化は同伴流塩素化条件のもとで(塩素化
剤を除いては前記第4343775号参照)、FeCl3を使
用して約900℃ないし1400℃、好ましくは1150℃
で実施する。流動床塩素化用には鉱石の粒度は比
較的粗くてよく、即ち−20+40メツシユ(米国の
標準ふるい規格)である。第2の独立の反応器内
の同伴流の条件では、鉱石の粒度は非常に微細な
ものが望ましく、−325メツシユ即ち10ないし40ミ
クロンである。 本明細書中の記載では「生成物」の語による
TiCl4は各種のガス流を急冷するのに使用される
液体のTiCl4と区別して、本発明の方法で生成さ
れるTiCl4として理解すべきものであり急冷用の
TiCl4自体は本発明の方法中でまたはそれに従つ
てその前に生成されたものであつて別のものを表
現する。 作 用 この分野の普通の方法は、単独の反応器(流動
床同伴流、または他の型式)の中でCl2またはCl2
を含む混合ガスを使用して、鉄を含むチタン鉄質
の原料を塩素化することを含んでいるけれども、
本発明の方法は予め定めた量の鉱石を2段階に塩
素化する点で先行研究とは異つている。即ち、(a)
鉱石の60%ないし90%をCl2を唯一のまたは主た
る塩素化剤として使用して、従来の方法で塩素化
し;ついで(b)その鉱石の10%ないし40%をFeCl3
の蒸気を塩素化剤として使用して第2の独立の希
釈相反応器の中で塩素化する。このFeCl3は主と
してFeCl2をFeCl3及びFe2O3に部分酸化して得ら
れている。従来の塩素化法とFeCl3による塩素化
法の化学的な比較は、TiCl4を形成するのに使用
されない塩素がすべて塩素化剤としてリサイクル
できて回収される点である。鉄の不純物は廃棄処
理の容易な材料(Fe2O3)として回収される。 第1図及び第2図中の各反応器30と10への
鉱石の相対供給量は、その鉱石中のFe対Tiの原
子比で決定される。第4図には鉱石の成分と、第
1次反応器中に塩素化される鉱石量との関係を示
している。曲線のAは第1次塩素化器30内で生
成される塩化鉄がFeCl2(第1図)であるときに
得られたものであり、曲線のBは第1次塩素化器
10内で生成される塩化鉄がFeCl3(第2図)で
あるときのものである。実際の運転のためには、
第3図で例示するように、2曲線AとBとの間で
行われて、FeCl2とFeCl3の両者が生成される。 典型的な鉄を含むチタン鉄質の鉱石はFe対Ti
の原子比が0.56のものであつて、Fe/Tiの比は、
TiCl4とFeCl2を生成する流動床中の第1段階の
塩素化には、そのうちの78モル%が砂粒大(−20
+140メツシユ)であることが必要である。残り
の22モル%は塩素化剤としてFeCl3を使用する第
2段階の同伴流塩素化のために−325メツシユに
微粉砕される。 例えば0.78モル部の多量の方は第1段階域で非
選択的に塩素化されてTiCl4、CO2、CO及び塩化
第1鉄を生成し、そのときの排気中には多くとも
数%の塩化第2鉄しか含まれない。好ましくは気
体の塩素とできるだけ安価な炭素(本発明では石
油コークス)を従来型の流動床塩素化器中に使用
する。 第1段塩素化器(若干の同伴鉱石と固形炭素を
含む)の上方から液体のTiCl4を使用して約500
〜600℃に急冷し、塩化第1鉄を多く含む雪のよ
うな粒体に凝縮する。この現象を「スノウ・アウ
ト(snow out)」という。この粒体(同伴固形物
があれば一緒に)を残りの蒸気流から分離すると
ついで残りの蒸気流から粗成材のTiCl4が凝縮さ
れる。 第2段の塩素化域は好ましくは同伴流塩素化
(EFC)運転がよく、この中では、この工程の後
段から出る塩化第2鉄は供給鉱石の少量の方すな
わち残りの部分(22%)のための気体状塩素化剤
を構成する。EFCの排出生成物はTiCl4、CO2
CO及び塩化第1鉄である。ここで加えられる炭
素は反応性(多孔性)のものが有利である(有用
な多孔性炭素の検討については米国特許第
4329322号参照)。このEFC排出物は液体のTiCl4
のスプレイで約500℃ないし600℃に急冷し、固相
の塩化第1鉄に凝縮し部分酸化に供される。こう
して生じた塩化第1鉄の粒体を残りの蒸気から分
離する。次にこの蒸気にさらに液体のTiCl4を加
えて約350℃に再冷却し、TiCl4と酸化炭素の蒸
気を固形廃材から分離すると、これらは全く鉄を
含んでいない。次に粗成材のTiCl4を残りの蒸気
流から凝縮する。 第1と第2の段階の塩素化の際に凝縮される
FeCl3を伴うまたは伴わない塩化第1鉄は、つい
で分子状の酸素で部分酸化され、固体の酸化第2
鉄と塩化第2鉄の蒸気となる。酸化第2鉄は分離
して集められ、塩化第2鉄の蒸気は第2段塩素化
にリサイクルされ、塩素化用剤の一部とされる。 この例の代表的な化学式は次のようになる。 第1段塩素化 () a 2FeTiO3+6Cl2+3C →2TiCl4+3CO2+2FeCl2 () b 2FeTiO3+7Cl2+3C →2TiCl4+3CO2+2FeCl3 () a 2FeTiO3+6Cl2+6C →2TiCl4+6CO+2FeCl2 () b 2FeTiO3+7Cl2+6C →2TiCl4+6CO+2FeCl3 第2段塩素化 () 2FeTiO3+12FeCl3+3C →2TiCl4+3CO2+14FeCl2 () FeTiO3+6FeCl3+3C →TiCl4+3CO+7FeCl2 塩化第1鉄の酸化 () 12FeCl2+3CO2 →2Fe2O3+8FeCl3 第1図は第1次塩素化における塩化鉄生成物が
FeCl2であるときの本発明を実施する装置を概略
で示すフロー図である。化合物に与えられた数値
はモルを単位としている。図示の工程で使用され
ている鉄を含むチタン鉄質の鉱石はオーストラリ
ア産のイルメナイト鉱である。この鉱石の分析値
は経験式でFe0.56TiO2.8に相当する。この鉱石は
砂粒大の材料(産出時−40+140メツシユ)とし
て得られる。この鉱石の最初の装荷供給量を2部
に分割する。チタン鉄質鉱石、Fe0.56TiO2.8、の
0.78モル部と石油コークス(または褐炭もしくは
無煙炭、−6+40メツシユ)の1.1モル部とを流動
床条件のもとで950℃とした塩素化器30に供給
する。塩素化ガスの希釈剤として窒素を使用して
もよい。塩素ガス2モル部を導入し、従来方式で
塩素化を行う。頂部ガス流32は0.78モルの生成
物TiCl4、0.44モルのFeCl2及び1.1モルのCO2とし
て表示した酸化炭素とからなる。このガス流32
は後述するように34の点でさらにTiCl4+FeCl2
を加えられ、ついで液体のTiCl4のスプレイで冷
却(急冷)36され、約600℃になつてFeCl2
「スノウアウト」し、一方、TiCl4は蒸気状態に
保たれている。サイクロンセパレータ38では固
相と気相の分離が行われる。合流生成物のTiCl4
の量は1.0モルであり、CO2としての酸化炭素は
1.4モルである。ついでこのTiCl4は冷却され、そ
の後在来方法によつて純粋にされる。 TiCl4のガス流から分離された固体のFeCl2
酸化器40に導かれ、ここで0.42モル部のO2また
は均等量の空気を用いて部分酸化される。この反
応は完全に近く処理可能のFe2O30.28モル部と蒸
気としてのFeCl31.12モル部を生成する。この
FeCl3はダクト42を通つて希釈相の同伴流塩素
化器44の頂部に供給され、ここで−325メツシ
ユに微粉砕したイルメナイト鉱石の0.22モル部
(即ち最初の鉱石の1モルの残り)と接触し、同
伴流塩素化条件のもとで、例えば石油コークスの
ような同様の粒度の炭素と、約1100ないし1300℃
例えば1150℃で塩素化される。ガス状の生成物は
0.22モル部のTiCl4、1.24モル部の気体のFeCl2
びCO2として計算される酸化炭素0.3モルからな
り、導管46によつて前記34の点に導かれ、そ
こで流導床塩素化器30からの排出ガスと上述し
たように混合され、処理される。 FeCl2とFeCl3の混合物が第1塩素化器で生成
されるときには、フロー図は第3図のようになる
が、以下の点を除いては第1図のフロー図と類似
している。 (1) 第1塩素化器に供給される鉱石の量は
FeCl2/FeCl3の比に左右される。たとえば、
50対50のモル比のときには第4図の2曲線の中
間点にあたる。第1図、第2図に使用した組成
(Fe0.56TiO2.8)を有する鉱石にあつては、第1
塩素化器には74.5モル%の鉱石を供給し、第2
塩素化器には25.5モル%を供給する。 (2) 液体のTiCl4の急冷36は、32と46の合
流ガスを150ないし300℃に冷却し、FeCl3
FeCl2の両者を凝縮させる。 (3) ついで部分酸化器40に供給される固体の
FeCl3は蒸発し、新たに生成したFeCl3蒸気を
伴い、これら両者は管42を通つて第2塩素化
器に運ばれる。 実運転の面から見ると、第3図に示した構成は
任意のFe/Ti比に対して使用できる。従つて、
流動床塩素化の生成物が第1図のようにFeCl2
あるか、または、FeCl3もしくはFeCl2とFeCl3
混合物であるかに拘わらず、固体の塩化鉄のすべ
てを都合よく部分酸化装置に供給することができ
る。第4図の曲線Aまたは曲線Bにそつて正確に
運転するための正確な制御法はまだ実現されてい
ない。 第2図を参照して、ここでは、第1の塩素化で
FeCl3が生成する場合の本発明を実施するに好ま
しい態様のフローシート図を示している。 在来型の流動床反応器10の側面から0.71モル
部を石油コークス、無煙炭または褐炭(−6ない
し+40メツシユ)とともに導入する。炭素の量は
化学量論よりも幾分か過剰とする量が望ましく、
この量は、所望の最終生成物がCOかCO2かまた
はCOとCO2の混合物であるかどうかに左右され
る(前記の式及び参照)。反応器10の底部
のところから2モル部の塩素ガスを導入し、供給
速度を、鉱石中の金属分の流動化と完全な非選択
的塩素化のために調節する。反応温度は800〜
1100℃、例えば1000℃である。 気体の反応生成物は図中では適宜の導管12に
よつて液体のTiCl4のスプレイ冷却器13に運ば
れ、ここでガスの温度は例えば250℃に十分下げ
られてFeCl3が凝縮し固体の粒体となり、一方
TiCl4と酸化炭素は気体状に保たれている。これ
らの混合物はサイクロン・セパレーター14中で
分離される。ここで0.71モルのTiCl4蒸気、0.39
モルのFeCl3固体及び1.0モルの酸化炭素(CO2
して)が得られる。スプレイと生成物のTiCl4
合流物は頂部からとり出され後述する第2段中の
鉱石の第2部分から生成するTiCl4に合流する。 鉱石の残り部分(0.29モル部)は10ないし40ミ
クロンの平均粒度まで微粉砕され、同様の粒度の
炭素粉(10ないし40ミクロン)とともに下向き方
向の同伴流反応器16に導入されて、以後の酸化
ステツプからの蒸気のFeCl3と前段の塩素化ステ
ツプから回収された「スノウアウト」した固体の
FeCl3とを使つて塩素化される。炭素の量は所望
の最終生成物がCOかCO2かCOとCO2の混合物で
あるかどうかによつて化学量論より僅かに過剰の
量とする(前記の式及び参照)。この運転に
よつて0.29モル部のTiCl4と1.68モル部のFeCl2
酸化炭素が生成される。塩素化器16からのこの
ガス状の流出物は18の点で液体のTiCl4のスプレ
イを用いて約500℃ないし600℃に冷却され、ガス
流からはFeCl2が「スノウアウト」され、粉塵の
固体となる。固相と気相とは適宜のサイクロン・
セパレータ20で分離される。 気体のTiCl4は22の点で液体のTiCl4を使用し
てさらに冷却され、ガスと固体の廃物はサイクロ
ン・セパレータ24中で分離される。このセパレ
ータ24から排出されたTiCl4の粗生成物は塩素
化器10からの生成物のTiCl4と合流して1.0モル
部のTiCl4粗生成物と冷却TiCl4と酸化炭素を生
成する。 同伴流塩素化器16からの固体のFeCl2はつい
で酸化器26に導入されここで部分酸化される
(「部分」というのは酸素が限定されているので、
Cl2への完全酸化は達成されない)。この部分酸化
によつて0.28モル部のFe2O3と1.12モル部のFeCl3
が生成する。酸素または空気を適当な反応器26
の底部に導入し、次式に従う酸化を行う。 12FeCl2(s)+302→ 8FeCl3(v)+2Fe2O3(s) この酸化段階では、Fe2O3とFeCl3蒸気を生成
するだけの空気が使用され、市販の大きさの酸化
器中で余剰の熱が必要なときに炭素を燃焼させて
CO2とするのに必要な分を加えるだけでよい。こ
の点は大がいの従来技術の方法でCl2とFe2O3
生成するのに強制的に酸化を完成させるのと対照
的な点である。FeCl3とFe2O3とはサイクロン・
セパレータ27中で約600℃で分離される。 FeCl2の酸化は600℃の近辺では比較的早く、
FeCl3とFeCl6の酸化は遅い。実施例1、2及び
3について第1表に示したデータから、FeCl2
酸化は600℃において僅か2.4秒で本質的に完結す
ることが予測できる。 熱力学の予測では、FeCl2の酸化は350〜650℃
の範囲で極めて容易であることが分かり、反応は
本質的に完結する。 また、酸化反応によつて生成される塩化第2鉄
蒸気は単量体(FeCl3)であるよりはむしろ主と
して二重体であることもわかる。600℃ではFe
()の80モル%は二量体であり、400℃では約98
%である。したがつて酸化方程式をより正確に記
すと: 12FeCl2(s)+302→ 4Fe2Cl6(v)+2Fe2O3 であり、 12FeCl2(s)+302→ 8Fe2Cl3(v)+2Fe2O3 が寄与する部分はごく小部分である。 酸化反応は長さ122mm、内径約20mmの石英のた
て型反応管内で行われ、ガスの取入口は底部、取
出口は頂部についている。この反応管はその長さ
の60mmを電気抵抗ヒーターによつて所望の温度に
維持されていた。反応管の底部には粗いシリカの
砂の層をおきその60mmの高温域内にFeCl2粉のベ
ツドを支えるようにしてある。 FeCl2の粉(平均径175ミクロン)のベツドを
反応管に投入し、1000cm3/分のN2を上向きに管
内に吹込み、高さ1mmあたり2.0ないし2.3gの
FeCl2を含む約28mmのFeCl2のベツドを得た。こ
の反応器をN2を吹込みつづけて所望の温度に熱
した。所望温度に達したのちN2流を停止し、反
応器頂部のガス取出口にテフロン製のガス捕集の
袋をとりつけ、ついでO2を注入した。O2の流入
速度は管内を上向きに見かけの速さで調節し、実
施例1、2及び3では毎秒10mm、実施例4では毎
秒5mmとした。(空積の反応管を仮定して計算し
たが温度補正は加味した)。15gないし17gの
FeCl2(ベツドの高さで約7.6mmに相当)と反応す
るに必要な量のO2が加えられたのち、O2流を止
め、O2と同一速度でN2を入れた。未反応のO2
いくらかのCl2を取除いてガス捕集の袋に追い出
すに十分な量を加えたところでN2流を止めた。 ガス捕集袋の内容物をガスクロマトグラフイー
によつてN2、O2及びCl2の百分比(炭素を含めば
CO及びCO2も共に)を分析した。これらの結果
とテフロン袋に測られたN2の体積とから、O2
Cl2(及び炭素を含む場合にはCOとCO2も)の体
積を計算した。 FeCl2の実験の反応量を計算したのち、新たな
FeCl2の粉体をこの量だけ前記と同じようにN2
ともにFeCl2のベツドの上に加えた。さらに15な
いし17gのFeCl2が反応し、この操作をくり返し
た。 FeCl2ベツドの下方部分にFe2O3が蓄積したと
きには、反応管をヒーターの中で下降させ、未反
応FeCl2のベツドを加熱域内に保つようにした。
Fe2Cl6の蒸気がヒーターと捕集袋との間の反応管
の冷たい部分で凝縮した。このものは管を閉塞し
ないように時折除去した。 このベツド上の置換2、3回(120ないし200g
のFeCl2)の反応(及び追加)ののち、実験を停
止した。ついでFeCl2の追加分ごとから得られた
結果を平均した。 FeCl2ベツドの平均の高さは24mmであり、見か
けの酸素の平均の接触時間は実施例1、2及び3
では2.4秒、実施例4では4.8秒であつた。 実施例 実施例 1 この実験では反応は490℃で行われた。 諸条件と結果を表1に示す。 実施例 2 この実験では反応は525℃で行われた。 諸条件と結果を表1に示す。 実施例 3 この実験では反応は600℃で行われた。 諸条件と結果を表1に示す。 実施例 4 本発明を実施するために、目下最良の態様の1
つと考えられるこの実験では、FeCl2の装荷供給
には炭素を加え反応は600℃で行つた。各8モル
のFeCl2ごとに1モルの炭素を加えた。諸条件と
結果を表1に示す。炭素は褐炭の炭であつて粒径
75ミクロン以下に微粉砕してあり、比表面積は
320m2/gであつた(米国特許第4329322号参照)。 本実施例を説明すると、充填床反応器では粒体
がO2または空気の上向きの対向流に対して下向
きに移動する。実際の運転装置では、Fe2O3の粉
体が連続的に星形弁を使つて底部から排出され
る。Fe2O3粉の平均の粒度は約10ミクロンでにぶ
灰色の光沢のない粉体である。FeCl3は酸化器か
ら蒸気として流出する。 O2とFeCl2との反応は高温では本質的に完結す
ることに留意されたい。この結果はO2/FeCl2
反応が早く、FeCl2に関して選択的であることを
示す。 表中の実施例3と4を比較すると、実施例4
中の炭素の存在はFe2Cl6と反応する酸素の量を
1.1%から0.16%に減少させ、未反応酸素を0.3%
から0.02%に減少させていることがわかる。 この例のイルメナイト塩素化法のFeCl2
FeCl3に酸化するステツプは充填床型の反応器に
は限定されず、他の形式の反応器で固体のFeCl2
を酸化するのに適当なものを使用することもでき
る。この実施例の充填床型装置を使用したこと
は、酸化反応器中の酸素に対して大量の過剰の固
体のFeCl2があるときのO2/FeCl2の反応の効率
がよいことの説明となる。この改良された酸化方
式は、1984年8月8日に出願の共通の所有者のボ
ンサツク(Bonsack)の米国特許出願第638098号
の主題になつている。第1,2及び3図で示され
た工程に使用するためには、FeCl2の酸化を添加
炭素の存在のもとで行うのがよく、ことに商業規
模の装置ではこの吸熱反応に内部の熱を与えるの
が好ましい。このような熱は小規模反応器では外
部熱源から与えることができる。炭素の量は装置
の規模に左右されるが、反応温度を525℃ないし
600℃の好ましい範囲に保つような量であればよ
い。
【表】
【表】 イルメナイトの第2段階の塩素化を説明するた
めに、第2段の運転を実施するパイロツトプラン
トを使用した。その構成の3つの主要部は (a) 塩化第2鉄発生器 (b) 塩素化器(同伴流型) (c) 洗浄装置 イルメナイトの第2段の塩素化は竪形のムライ
ト(3Al2O3−2SiO2)製の反応管内で行つた。こ
の管は長さ2800mm、内径160mmで頂部に取入装置、
底部に取出口を有する。所望の温度で反応を持続
するのに必要な熱は外部の電気炉によつて与えら
れていた。 気体のFeCl3は反応器の頂部から微粉体のイル
メナイトと石炭とN2(固体の担持体として及び各
所におけるパージ用に使用)との混合物とともに
導入された。固体の供給はグラピメトリツク ア
クリソン フイード(Gravimetric Acrison
Feed)のモデル403によつてミクロデータ
(Microdata)社のマイコン制御器を使用して定
常流で行つた。 この研究の便宜のためには、塩化第2鉄は塩素
を鉄に作用(公知の反応に従つて)によつて2室
反応器中で発生させた。FeCl3の発生速度はCl2
流速で制御した。 Cl2とN2の流れはともに流速計によつて制御し
た。 この反応の気体の生成物は未反応のイルメナイ
ト及び石炭とともに洗浄器に入れられ、そこで
0.1Nの水溶液のH2SO4で洗浄した。 洗浄溶液を未反応FeCl3(Fe+3)について分析
し反応の完結度を表示した。 この実験ではオーストラリア産のイルメナイト
(TiO2−60.69%、Fe2O3−30.58%、FeO−4.95
%)とオーストラリアン チヤー(Australian
Char)社から入手した褐炭の炭とを使用した。
イルメナイトと石炭とは重量比で50:50にまず混
合し、一緒にして粒度の中央値10.9ミクロンに微
粉砕した。 4回の実験の条件と結果を表に記載した。全
実験での近似の保持時間は30秒であつた。
【表】 上記の実施例においてFeCl3は表記のように発
生していたが、この実験の第2段の塩素化から回
収されるFeCl2はFeCl3に酸化され、その結果の
FeCl3蒸気は上述したような形で第2段の操作に
リサイクルされる。 発明の効果 本発明は触媒で及び触媒自体として、あるいは
高純度の顔料級の2酸チタンの前駆体として有用
な生成品のTiCl4を生成するための改良方法を提
供するものであり、しかもFeCl2またはFeCl3
ような副産物の処理に伴う問題が回避できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための装置を概略的
に示すフロー図、第2図は他の実施例、第3図は
さらに他の実施例、第4図はチタンに対する鉄の
原子比と第1次の塩素化器への供給材料の重量%
との関係を示すグラフである。 10,30……第1段塩素化器(流動床型)、
13,18,22,36……流体TiCl4のスプレ
イ、34……合流点、14,20,24,27,
38……セパレータ、26,40……酸化器、1
6,44……第2段塩素化器(同伴流型)、46
……導管。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鉄を含むチタン鉄質の鉱石から4塩化チタン
    を製造する方法であつて、 (a) 炭素の存在のもとで従来型の流動床塩素化器
    を使用し、従来型の流動床塩素化条件下に、
    800℃ないし1100℃の温度で塩素を用いて上記
    鉱石の60%ないし90%を非選択的に塩素化し、
    生成物の4塩化チタンと酸化炭素との第1次の
    気体流及び塩化鉄を生成させ、 (b) 上記(a)から生じた第1次の気体流を、675℃
    以下でしかも生成物である4塩化チタンを蒸気
    状態に保持しながら上記4塩化チタンを含む気
    体流と固体状の塩化鉄とを分離するのに十分な
    温度に冷却し、 (c) 上記固体の塩化鉄が塩化第1鉄を含む場合に
    は、上記(b)から得られた固体の塩化第1鉄を
    325℃ないし675℃の温度で分子状の酸素で部分
    酸化させて、Fe2O3と塩化第2鉄の蒸気とに転
    換し、その塩化第2鉄の蒸気を上記Fe2O3から
    分離し、 (d) 少くとも1部は上記(c)ステツプから得たか、
    または、上記(b)ステツプの固体生成物がFeCl2
    を含まない塩化鉄である場合には、上記(b)ステ
    ツプから得られた塩化第2鉄の存在のもとで、
    900℃ないし1400℃で前記鉱石の残りの10%な
    いし40%を非選択的に塩素化し、上記塩素化は
    同伴流の塩素化条件のもとで行われて、生成物
    の4塩化チタンと酸化炭素と塩化第1鉄との第
    2次の気体流を生成させ、 (e) 上記(d)から生じた第2次の気体流を675℃以
    下でしかも4塩化チタンを蒸気状態に保持しな
    がら蒸気4塩化チタンを含む第2次の気体流と
    塩化第1鉄とを分離するのに十分な温度に冷却
    し、 (f) (e)ステツプから得られた上記固体の塩化第1
    鉄を375℃ないし675℃の温度で分子状の酸素で
    部分酸化させて、Fe2O3と塩化第2鉄の蒸気と
    に転換し、その蒸気から塩化第2鉄を得るステ
    ツプからなることを特徴とするチタン鉄質鉱石
    から4塩化チタンを製造する方法。 2 分子状の酸素は空気の成分の酸素である特許
    請求の範囲第1項に記載の4塩化チタンの製法。 3 4塩化チタンを含む生成物の第1次及び第2
    次の気体流を液体の4塩化チタンを用いてそれぞ
    れ塩化鉄が沈澱するのに十分な温度に急冷するこ
    とによつてその気体流から固体の塩化鉄を分離す
    るものである特許請求の範囲第1項または第2項
    に記載の4塩化チタンの製法。 4 (b)ステツプで得られる塩化第1鉄を含む塩化
    鉄を(e)ステツプで得られる塩化第1鉄と合流さ
    せ、ついでこれらのステツプで得られる上記固体
    の第1塩化鉄を375℃ないし675℃の温度で分子状
    の酸素で部分酸化させて、Fe2O3と塩化第2鉄と
    に転換する特許請求の範囲第1、第2または第3
    項のいずれか1項に記載の4塩化チタンの製法。
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