JPH0449580Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は天井からクリーンエヤーを垂直層流
として吹下すようにしたクリーンルーム等におい
て、クリーンエヤーが偏流することなく正規な垂
直層流として吹下されているや否やを測定するに
使用する気流角度測定器に係る。

（従来の技術） クリーンルームの設営においては吹下した垂直
層流の吸込口の位置、開口度、クリーンルームの
規模等によつては室内で偏流を生じ、その結果に
よつてはクリーンルームとしての機能を発揮させ
るに適した設営上の手直しを必要とする場合があ
る。

従来このような吹下し層流の方向を検測する手
段としては天井面の所定位置から糸を吊り下げ
て、吹出し層流によつて偏向する該糸の垂直線に
対する傾斜角度を床面から上方の一定高さ位置で
検測することが行われ、この場合第４図で示すよ
うに作業員の１名は脚立を使用して天井から糸Ａ
を下げ、他の１名は計尺^B _Aを持ち、これを床面か
ら所定高さ位置で水平に保持して下げ糸Ａが偏流
によつて傾斜した状態即ち垂直線Ｃに沿つた位置
からの偏位量を該計尺Ｂで測定し、更に他の一名
は測定値を記録し、これをパラメータとして吹下
し層流の偏流角度を検出する。

その検出手段は第３図の図式による。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の手段における人手によるものは複数
の作業員による労力と煩雑な手数を要して作業能
率が悪く、気流角度は算出し得るも水平面におけ
る流れ方向の測定が困難であつた。又近時クリー
ン・ルームが大型化される結果、ルーム内の多く
の個所で上記手段のテストを行なうことは更に労
力と手数が増大し、能率が悪かつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記従来の不都合を排し、現場におい
て極めて簡便に吹下し層流の流れ角度および水平
面における流れ方向の測定を行うことができるよ
うにしたもので、床上に設置する円形台板の中心
部から上方に、所定長さに伸長させ得るよう長さ
目盛を設けた伸縮杆を突設すると共に該円形台板
面に伸縮杆を中心とする円形の角度目盛を設け、
水平方向の長さ目盛を有する適宜長さの計測片を
伸縮杆に対し上下方向に移動し且つ任意高さ位置
で固定し得られ更に伸縮杆を中心に水平面内で回
動し得るように挿着したことを特徴とする。

（作用） 第２図で示すように天井面からクリーンエヤー
を垂直層流として吹下すようにしたクリーンルー
ムにおいて、天井ｂの定点ｃから吊下した絹糸等
の吊下げ糸ａは吹出したエヤーの流れ方向に添
い、空気流に偏向があるときは吊下げ糸ａがその
吊下点Ｃからの垂直線に対して傾斜偏向する。

本考案による測定器は上記のように所期の垂直
層流に対して偏向したエヤー流れの偏向角度と偏
向方向を的確に検測するために使用され、伸縮杆
２が天井面の定点ｃの直下において垂直となるよ
うに調整して台板１を床上に設置した後、伸縮杆
２の上端を定点ｃに近接させるように上方に伸長
させて伸縮杆２を吊下げ糸ａに殆んど接する状態
に沿わせ、次で計測片６を高さ目盛８に従つて床
面から所定の高さ位置に移動設定すると共に吊下
げ糸ａの偏向方向に添うように該計測片６を伸縮
杆２に対し回動して、垂直方向に対し偏傾した吊
下げ糸ａの位置を水平方向の長さ目盛７で確認
し、その偏向値によつて垂直線に対する吊下げ糸
ａの偏向角度即ちエヤー層流の偏向度を検測し、
これと同時に計測片６の回動角度位置を台板１の
周縁に施した方向目盛３により確認して水平方向
におけるエヤーの偏流方向を検測し得るもので、
該検測の場合第２図で示すように計測片６から下
げ振１１を吊下して方向目盛３を確認すると便利
であり、更に下げ振１１に代えて計測片６と台板
１面との間に適宜長さの定規を立てて確認しても
よい。以上のように伸縮杆２は、その伸長により
天井面ｂの定点ｃからの垂直線を形成すると共
に、その長さ方向に設けた高さ目盛８により床面
からの高さ位置を確認し得られ、台板１は床面上
での設置により伸縮杆２を的確に垂直に保持し得
ると共にその周縁に施した方位目盛３により水平
面におけるエヤーの流れ方向を確認し得られ、計
測片６は伸縮杆２に対し回動し且つ上下動の位置
調整により床面からの所望高さ位置でのエヤーの
流動状態の検測に随時対処し得られると共に水平
方向の長さ目盛によつて吊下げ糸ａの偏位量の観
測を容易にし、更に計測片６はその回動位置によ
つて水平面内でのエヤーの流れ方向の観測を容易
にした。

（実施例） 本考案による測定器の実施例を第１図によって
説明する。

図面で１は床面上に設置する円形台板で、該台
板１の中心部から上方に任意に長さを調節し得る
伸縮杆２を突設する。該伸縮杆２は台板１に管状
の基管２ａを固定樹立し、これに小径杆２ｂを抜
挿し自在に挿嵌し、該小径杆２ｂを引出すことに
よつて所定長さまで伸長させ得るようにし、止ね
じ２ｃでその長さを安定させるようにした。円形
台板１の周縁には伸縮杆２を中心とする円形の方
位目盛３を施し、又台板１面には水準器４および
調整ねじ５を設けて床面上において台板１を水平
に設置させて伸縮杆２を正確に垂直状態として設
置させるようにした。伸縮杆２には水平方向の長
さ目盛７を有する適宜長さの計測片６を上下方向
に移動調整し且つ伸縮杆２を中心として水平面内
で自由に回動し得るように挿着した。伸縮杆２に
はその長さ方向に床面からの長さ目盛８を施し例
えば床面から60cm，120cm，180cmの位置には標識
８ａ，８ｂ，８ｃを施して、これら長さ目盛８に
従つて計測片６の高さ位置を定め、その位置にお
いて伸縮杆２に止ねじ１０で固定される受環９で
計測片６を支受安定させるようにした。

尚、１１は計側片６の中間部から吊下した下げ
糸を示す。

尚、台板１を床面に設置するに際しては水準器
４で水平度を検測しつつ調整ねじ５により水平度
を補正して伸縮杆２を正確に垂直状態とするよう
にし、伸縮杆２の基管２ａは例えば2m程度とし
て、これに長さ目盛８を施し、これに挿嵌する小
径杵２ｂは150cm以上として最高3.5mの天井高さ
のクリーンルーム内での使用を可能にした。

下げ糸ａは計測に際して図示するように天井面
ｂの梁等から吊下するも本考案による測定器の伸
縮杆２の先端から吊下してもよく、計測片６は第
２図で示すように適当な高さ位置に調整し、且つ
仮線で示すようにその高さ位置で受環９で支受さ
せて自由に回動自在に保持させる。

（考案の効果） 本考案によるときは伸縮杆を樹立した台板を床
面に設置させることにより該伸縮杆の伸長により
天井高さに応じて床面において台板を下げ糸の吊
下点Ｃに対し正しい直下位置に設置し得ると共
に、水平方向の目盛を有する計測片を伸縮杆に対
し上下動させて任意高さ位置に固定できるように
したので床面からの希望高さ位置での偏流角の観
測ができ、しかも計測片を回動自在としたの下げ
糸の偏流方向に随意添わせることができ又その回
動位置によつて水平面における偏流方向を同時に
観測でき、従つてクリーンルーム内における垂直
層流の性態観測を至極簡便にし、作業者１名の操
作によつても検測目的を達成し得られ作業能率を
著しく向上させた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案測定器の実施例を示す斜視図、
第２図はその使用状態を示す斜視図、第３図は検
測手段の図式、第４図は従来の検測手段を示す側
面図である。 １……台板、２……伸縮杆、３……方位目盛、
６……計測片、７……水平方向長さ目盛、８……
高さ目盛、ａ……吊下げ糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床上に設置する円形台板の中心部から上方に、
   所定長さに伸長させ得るよう長さ目盛を設けた伸
   縮杆を突設すると共に該円形台板面に伸縮杆を中
   心とする円形の方位目盛を設け、水平方向の長さ
   目盛を有する適宜長さの計測片を伸縮杆に対し上
   下方向に移動し且つ任意高さ位置で固定し得られ
   更に伸縮杆を中心に水平面内で回動し得るように
   挿着して成る気流角度測定器。