JPH0448852Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 『産業上の利用分野』 本考案は、例えばマーカーペンのようなペン等
に使用される円筒状容器の塗装装置に関し、さら
に詳しくは、チエーンにより１本ずつ搬送されて
来る円筒状容器の胴体周面に、塗料を複数の回転
体により挟んで転着させると同時に、その底面に
塗料をエアスプレーガンにより吹付け付着させる
ようにした円筒状容器の塗装装置に関するもので
ある。

『従来の技術』 この種塗装装置は、前工程の円筒状容器製造装
置、及び後工程の収納物充填装置等と連結して使
用されるのが常で、狭い場所で瞬時に塗装が行な
われることが要求されるものである。

そこで従来のこの種円筒状容器の塗装装置にお
いては、ただ単に円筒状容器を、塗料を外周に添
着させた回転ドラム体と他の押圧回転体との間に
挟んで、これらの回転ドラム体と押圧回転体とを
回転させることにより上記円筒状容器の胴体表面
のみを塗装させるようになし、底面には塗装を行
なわないのが一般的である。

『考案が解決しようとする問題点』 しかし、上記従来装置は、円筒状容器の底面に
は塗装することができず、塗装商品としての価値
が低いので、底面にも塗装を行なう塗装装置の開
発が熱望されている。

しかし、周面である円筒状容器の胴体表面と、
平面である底面とに効率的に塗装を行なうには、
その塗装方式を異にしなくてはならず、装置が複
雑大型化する欠点を有し、また、鋭意研究・試作
を試みたところ、限られたスペースで短時間に複
数回の塗装を行なうと、塗装層の重合が避け得な
いもので、この塗装層の重合部が『塗装むら』と
なつてかえつて商品価値を低下させる欠点を生ず
ることが判明した。

そこで本考案は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、円筒状容器の胴体周面と底面とを同時に
塗装させることにより、簡易・コンパクトな装置
で、塗装むらのない塗装商品としての価値が高い
円筒状容器を高能率的に得ることができる円筒状
容器の塗装装置を提供することを目的としたもの
である。

『問題点を解決するための手段』 上記の目的に沿い、先述実用新案登録請求の範
囲を要旨とする本考案の構成は前述問題点を解決
するために、塗料槽からの塗料を添着させながら
常時回転する回転ドラム体と、チエーンに未塗装
の円筒状容器を挿入するための心棒を該チエーン
の進行方向対して直角に所定間隔で突設し、該心
棒が上記回転ドラム体の周面の側方を通る搬送路
と、上記円筒状容器がこの回転ドラム体の対向位
置に到来したときに上記チエーンをたるませて搬
送を停止させる上記チエーンの局所間欠駆動機構
と、上記円筒状容器の胴体に向けて一対の案内ロ
ーラーを往復移動させて上記円筒状容器の胴体を
上記回転ドラム体の外周に圧接させる回転ローラ
ー圧接機構と、回転ローラー圧接機構で円筒状容
器を回転ドラム体に押圧挟持した位置において前
記円筒状容器の底面に対向配置しされ該底面に塗
料を吹付けるスプレーガン装置とよりなる技術的
手段を講じたものである。

『作用』 それ故、本考案の円筒状容器の塗装装置は、チ
エーンにより搬送している円筒状容器が塗料を添
着しながら回転する回転ドラム体の対向位置に到
来した時にチエーンをたるませて円筒状容器の搬
送を局所的に間欠停止させると共に、複数の案内
ローラーを上記円筒状容器の胴体を介して水平移
動させて上記回転ドラム体に圧接し、上記円筒状
容器の胴体表面を塗装させると同時に上記円筒状
容器の底面をスプレーガンにより塗装させるもの
である。そして、この回転ドラム体の回転は底面
をも回転させてスプレーガンによる底面の全面へ
の均一な塗装条件を提供し、また同一場所での同
時塗装はスプレーガンによる塗装で円筒状容器の
胴体表面側まで回り込んだ塗料を回転ドラム体の
表面に添着した塗料に吸収して塗料層重合部を他
の胴体表面と均一化する作用を呈するものであ
る。

『実施例』 次に本考案の実施例を添付第１図乃至第３図に
従つて説明すれば以下のとおりである。

図において、１は塗料槽で、この塗料槽１内に
は、後述する円筒状容器１６の胴体１６ａ表面に
塗着する塗料１′が入つていおり、また、この塗
料槽１には該塗料槽１からの塗料１′を添着させ
ながら常時回転する回転ドラム体Ａが配設してあ
る。

図示例において上記回転ドラム体Ａは、図示し
ないモーターからの回転駆動力を得て常時回転す
るゴムなどよりなりその一部が上記塗料槽１内を
回転しながら通過するように配設した第一の回転
ドラム体２と、該回転ドラム体Ａの主要部を構成
する第二の回転ドラム体６と、該第一の回転ドラ
ム体２と第二の回転ドラム体６とにともに圧接回
転する中間回転体７とから構成されており、第一
の回転ドラム体２と同軸上には第一歯車３が固設
され、この第一歯車３は第二歯車４と噛合しさら
に該第二歯車４は第三歯車５と噛合するようにな
つている。そして、この第三歯車５は同軸上に上
記の第二の回転ドラム体６が固設されているもの
である。そして上記中間回転体７の回転軸７′は
適所に固設されたアングル８に設けた孔９に、ス
プリング１０により所定のテンシヨンが付与され
て回転自在に軸承されその周面は上記両回転ドラ
ム２，６の両周面に圧接さるようになしてある。
なお、１１は上記テンシヨンを調節するためのス
クリユウである。

また、１２はドクターナイフで、その先端を第
一の回転ドラム体２との間に適宜の微小間隙をも
つて配設されている。この微小間隙寸法は、調節
スクリユウ１３によつて回転軸１４を中心に自由
に変えられ、このドクターナイフ１２の存在によ
つて回転する第一の回転ドラム体２に添着される
塗料の厚みが一定の厚さに規定されるものであ
る。なお図からは必ずしも明確ではないが、上記
調節スクリユウ１３は第１図奥手前側に所定間隔
で所定数並設してあり、ドクターナイフ１２の長
手方向の一部分において塗料の厚みを適宜調整す
ることができるようになしてある。

そして、本考案装置は上記回転ドラム体Ａの側
方を通る搬送路Ｂを有してなる。すなわち、１５
が該搬送路Ｂを構成する例えばマンドレー付チエ
ーンで、該チエーン１５に未塗装の円筒状容器１
６を挿入するための心棒１７を該チエーン１５の
進行方向対して直角に所定間隔で突設（第３図参
照）し、該心棒１７が上記第二の回転ドラム体６
の周面の側方を通るようになしてある。

なお、上記チエーン１５は、前工程または後工
程の装置とともにエンドレスに構成され、図示し
ない前工程装置（円筒状容器１６の製造装置、及
びその洗浄装置等）より延設され、第一スプロツ
ケト１８、第二スプロツケト１９、第三スプロツ
ケト２０、第四スプロツケト２１、第五スプロツ
ケト２２、第六スプロツケト２３、第七スプロツ
ケト２４、第八スプロツケト２５を経て、同じく
図示しない後工程装置（塗装面の乾燥装置、及び
円筒状容器１６への充填装置等）へ進行するよう
になしてある。また３３はモーターでこのモータ
ー３３の回転軸３３′に取付けたプーリー３４と
第八スプロツケト２５の回転軸２５′に取付けた
プーリー３５との間には伝動ベルト３６が掛けら
れて、このモーター３３でチエーン１５を回動さ
せているが、図示しない前・後工程装置に該チエ
ーン１５の駆動源を有する場合はこのモーター３
３は省略してよいことは無論である。

そして、上記搬送路Ｂには、上記円筒状容器１
６が回転ドラム体Ａ（正確には第二の回転ドラム
体６）の対向位置に到来したときに上記チエーン
１５をたるませて搬送を停止させる上記チエーン
１５の局所間欠駆動機構Ｃが配されている。

上記局所間欠駆動機構Ｃは、第三スプロツケト
２０と第六スプロケツト２３とを、ほぼ中央に転
子２６を設けた上下動し得るレバー２７の上下両
端部位に回転自在に取付け、このレバー２７の上
方部には、常時該レバー２７を下方に押動し得る
押えスプリング２８を取り付けている。そして、
４５は上記レバー２７に設けられた転子２６の下
方に配設した上記レバー２７の上下方向移動用カ
ムで常時回転している。このカム４５には４つの
突部が設けられ、後述カム３７の大径点Ｌ側頂部
によるレバー４０乃至４２の水平方向往動時にカ
ム４５の１つの突部が上記回転子２６を上方に押
動を開始するようになつている。なお、２９，３
０，３１，３２は上記レバー２７の案内ローラー
である。したがつて、このレバー２７が押えスプ
リング２８に抗して上方に移動すると、このレバ
ー２７に回転自在に設けられている第六スプロツ
ケト２３も上方に移動し、第五スプロツケト２２
と第七スプロツケト２４との間のチエーン１５掛
合状態がたるみ状態になり、その結果、チエーン
１５は全体は連続回動するも、第三スプロツケト
２４と第五スプロケツト２２との間においては、
レバー２７の上昇時は該チエーン１５のその部位
の進行が停止し、該レバー２７の下降時は他の部
位よりも、第三スプロツケト２４と第五スプロツ
ケト２２との下降速度が加わり早く進行すること
になる。

さらに、上記搬送路Ｂの回転ドラム体Ａの反対
側には、前記円筒状容器１６の胴体１６ａに向け
て一対の回転ローラー４３，４３を往復移動させ
て上記円筒状容器１６の胴体１６ａを上記回転ド
ラム体Ａ（第二の回転ドラム体６）の外周に圧接
させる回転ローラー圧接機構Ｄが配されている。
上記回転ローラー圧接機構Ｄは、常時回転してい
るカム３７を有し、このカム３７は、一方が支軸
３９により支持され、他方が他のレバー４０と枢
軸４１されているレバー３８を揺動するようにな
してある。すなわち、該レバー３８の下部には、
上記カム３７の大径点Ｌ側頂部により第１図左方
向に押動される突部３８ａが設けられている。さ
らに、４２は該レバー４０に連結しているレバー
で、このレバー４２上には、上記カム３７の大径
点Ｌ側頂部が突部３８ａを押動した時に上記チエ
ーン１５の心棒１７に挿入している円筒状容器１
６を押圧する一対の回転ローラー４３，４３と、
これら案内ローラー４３，４３を夫々回転させる
回転ローラー４４が介在されてなるものである。
なお、この回転ローラー４４は省略して円筒状容
器１６は第二の回転ドラム体６の回転に接動して
回転するようになしてもよく、さらには該回転ロ
ーラー４４を常時回転させておいても上記カム３
７の大径点Ｌ側頂部によるレバー４０，４２の水
平方向往動時にのみ回転させてもよい。また、図
しはしていないが、このレバー３８乃至レバー４
２の適所には一端を機台等の固定部に固定した引
張スプリングの他端が連結され、カム３７の小径
点Ｓ側頂部で案内ローラー４３，４３が復動する
ようになしてあることは無論であり、さらに、上
記レバー４２はレバー３８の揺動によつて水平方
向に往復動すべく図示しない案内レール等で案内
されるものである。

さらに、本考案装置は上記円筒状容器１６を上
記回転ローラー圧接機構Ｄで押圧挟持した位置に
おいて前記円筒状容器の底面に対向配置しされ該
底面に塗料を吹付けるスプレーガン装置Ｅを有し
てなる。このスプレーガン装置Ｅは塗料を上記円
筒状容器１６の底面１６ｂに吹付けるスプレーガ
ン４７よりなり、該スプレーガン４７は該底面１
６ｂの中心に向つて開口してもよいが図示例では
多少底面１６ａの偏心位置に向つて開口し、この
底面１６ａが回転することで全面に塗料を吹き付
けられるようになしてある。

なお、第３図中、４６は容器押込み噴気ノズル
で、このノズル４６により円筒状容器１６の底面
１６ｂに空気を噴射すると、容器内底部が心棒１
７の先端に当り、円筒状容器１６の位置が一定の
状態に保持されるようになしたものである。な
お、この噴気ノズル４６は、スプレーガン４７の
塗料吹付け位置より円筒状容器１６の搬送始端側
に取り付けられるようになつているが、該円筒状
容器１６を案内ローラー４３，４３で回転ドラム
体に圧接するより前に噴気するようになせばその
取付け位置は適宜選定してよいものである。

このように構成した装置において、円筒状容器
の胴体周面と底面に同時に塗料をむらなく一定の
塗着させるには、次の動作を行う。

まず、一方において塗料槽１の塗料１′を図示
しないモーターによつて第一の回転ドラム体２を
常時回転させながら、この第一の回転ドラム体２
の周面に適宜所定の厚さに添着させ取出す。この
第一の回転ドラム体２の周面の添着された塗料
１′は歯車３，４，５によつて連動される第二の
回転ドラム体６の周面に、中間回転体７を介して
転着され、そしてこの第二の回転ドラム体６は、
適宜一定の厚さの塗料がその周面に添着された状
態で常時回転している。

さらに他方において、これから胴体周面および
底面に夫々塗装しようとする未塗装の円筒状容器
１６をチエーン１５に固設した各心棒１７に夫々
挿入し、このチエーン１５を所定方向に搬送され
る。

この搬送される未塗装の円筒状容器１６が回転
している上記第二の回転ドラム体６の対向位置と
上記一対の案内ローラ４３，４３間との間に到来
した時に、一方で回転している上下方向移動カム
４５がその突部によりレバー２７を上方に移動さ
せてチエーン１５をたるませるとチエーン１５の
搬送が局所的に停止すると同時に、他方で回転し
ている上記カム３７の大径点Ｌ側頂部がレバー３
８の突部３８ａを押動してレバー４０，４２を介
して案内ローラー４３，４３および回転ローラー
４４を上記第二の回転ドラム体６に向つて水平往
動させるので、第１図示点鎖線のように、また第
２図に示すように未塗装の円筒状容器１６は一対
の案内ローラー４３，４３と外周に塗料１′が添
着されている第二の回転ドラム体６との間におい
て回転し、この円筒状容器の胴体表面１６ａに塗
料が転着される。

さらに、第３図に示すようにチエーン１５をた
るませ回転ローラー圧接機構Ｄで円筒状容器を押
圧挟持した位置において、この円筒状容器１６の
底面１６ｂに対向配置した容器押込み噴気ノズル
４６とスプレーガン４７とによつて一定の位置に
て上記円筒状容器の底面１６ｂに塗料を吹付け、
塗着させる。

このように胴体表面１６ａと底面１６ｂとを同
時に塗着させることにより塗装むらのない、美し
い色調、むらのない光沢を得た塗装品を自動的に
生産することができる。

『考案の効果』 本考案は、上記のごときであるので、チエーン
により搬送されて来る円筒状容器を、このチエー
ンをゆるませて局所的に一旦停止させ、この停止
時に常時回転している外周に塗料が添着している
回転ドラム体により円筒状容器の胴体周面を塗装
すると同時に、スプレーガンによりこの円筒状容
器の底面も塗装するので、塗装むらのない、美し
い色調の円筒状容器を高能率に多量に自動生産す
ることができ、しかも構成が簡易でコンパクトに
形成できる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案円筒状容器の塗装装置の一実施
例を示す概略正面図、第２図は本考案装置の要部
の概略側面図、第３図は本考案装置の要部の概略
正面図である。 １……塗料槽、１′……塗料、２……第一の回
転ドラム体、６……第二の回転ドラム体、１５…
…チエーン、１６……円筒状容器、１６ａ……円
筒状容器の胴体周面、１６ｂ……円筒状容器の底
面、１７……心棒、４３……案内ローラー、４４
……回転ローラー、４６……容器押込み噴気ノズ
ル、４７……エアスプレーガン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 塗料槽からの塗料を添着させながら常時回転す
   る回転ドラム体と、 チエーンに未塗装の円筒状容器を挿入するため
   の心棒を該チエーンの進行方向対して直角に所定
   間隔で突設し、該心棒が上記回転ドラム体の周面
   の側方を通る搬送路と、 上記円筒状容器がこの回転ドラム体の対向位置
   に到来したときに上記チエーンをたるませて搬送
   を停止させる上記チエーンの局所間欠駆動機構
   と、 上記円筒状容器の胴体に向けて一対の案内ロー
   ラーを往復移動させて上記円筒状容器の胴体を上
   記回転ドラム体の外周に圧接させる回転ローラー
   圧接機構と、 上記回転ローラー圧接機構で円筒状容器を回転
   ドラム体に押圧挟持した位置において前記円筒状
   容器の底面に対向配置しされ該底面に塗料を吹付
   けるスプレーガン装置とよりなる円筒状容器の塗
   装装置。