JPH0448490Y2

JPH0448490Y2 -

Info

Publication number: JPH0448490Y2
Application number: JP1983199355U
Authority: JP
Priority date: 1983-12-28
Filing date: 1983-12-28
Publication date: 1992-11-16
Also published as: JPS60109009U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、重力方向を基準として懸吊された
光学部材を有する補正装置を組み込んだ測量機に
関するものである。

従来、測量機としては、視準望遠鏡の光路内に
重力方向を基準として光学部材を懸吊した補正装
置を組み込み、常に望遠鏡視準軸を水平に保つよ
うに構成したいわゆるオートレベルが知られてい
る。また、トランシツトの高低角読取光学系の光
路内に補正装置を組み込み、本体の傾きにかかわ
らず常に正しい高低角を読み取るようにした高低
角自動補正装置付トランシツトが知られている。

従来のこの種の測量機は、鏡筒内に補正装置が
収納されている。すなわち、鏡筒は、光学系の組
付精度を維持するための金属で形成された鏡筒本
体と、軽量化および廉価を図るため樹脂で形成さ
れた蓋とからなり、鏡筒本体の補正装置組み込み
用に形成された開口部に、蓋が装着されるように
なつている。この鏡筒に収納された補正装置は、
光学部材が重力方向を基準として懸吊され、この
光学部材にこれと一体となつて動く懸吊部が設け
られており、この懸吊部が蓋の近傍に位置してい
る。

測量機が多少傾いて据付けられても、懸吊され
た光学部材が常に重力方向の力を受けて動き、適
正位置にくるため、視準軸又はメモリ読取系の光
軸が補正されるようになつている。

ところが、このような従来の測量機にあつて
は、軽量化等の目的から蓋が樹脂で形成されてい
たため、静電気が発生し、この静電気により光学
部材と一体の懸吊部が重力方向以外の力を受け、
光学部材の動きに影響を与え、補正精度の悪化を
招いている、という問題が発見された。

この考案は、このような従来の実情に鑑みてな
されたもので、蓋の軽量化を図つたうえで、この
蓋による悪影響を補正装置に及ぼさないようにし
て、補正精度を良好な状態に保つた補正装置を組
み込んだ測量機を提供することを目的としてい
る。

そこで、この考案の測量機は、鏡筒本体の開口
部に装着される蓋が、前記開口部を覆う大きさに
形成された樹脂製の蓋本体と、前記蓋の内面で少
なくとも前記懸吊部の蓋に対向する部分を充分に
カバーする範囲で、かつ、前記鏡筒本体と接触す
るように設けられ、該蓋本体と前記鏡筒本体とを
導通させる導電性膜とからなることを特徴とす
る。

以下、この考案を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図はこの考案をオートレベル
に適用した一実施例を示す図である。

まず構成を説明すると、図中符号１は鏡筒本体
２および蓋３からなる鏡筒で、この鏡筒１内に補
正装置４および図示省略の他の光学部品が組み込
まれて測量機が構成されている。

具体的には、鏡筒１の鏡筒本体２は、補正装置
４等の光学系の組付精度を維持するため金属（導
電性を有する）で形成され、上部に補正装置４を
収納するための開口部２ａが形成されている。ま
た、この開口部２ａに嵌合される蓋３は、軽量・
安価の目的から開口部２ａを覆う蓋本体３ａが樹
脂で形成され、この蓋本体３ａの内面に塗装ある
いはメツキ等により導電性膜３ｂが設けられて形
成されている。この導電性膜３ｂは、周縁部３ｃ
が蓋本体３ａの周縁端において折曲され、この周
縁部３ｃが鏡筒本体２の開口周縁部２ｂに当接
し、蓋本体３ａと鏡筒本体２とを導通させてい
る。

一方、補正装置４は、以下のような部品から構
成されている。すなわち、図中符号５は反射ミラ
ー、６は反射プリズムで、両者とも鏡筒本体２内
に固定されている。また、符号７は光学部材であ
る懸吊ミラーで、この懸吊ミラー７は、計４本の
プラスチツクの懸吊ひも８で重力方向を基準とし
て懸吊されるとともに、連結棒９を介して導電性
の制動板１０（従来例で述べた懸吊部に相当す
る）と接続されている。この制動板１０の両側に
は図示省略の電磁石が配設されている。

次に、かかる構成よりなる測量機の作用につい
て説明する。測量機が多少傾いて据付けられた場
合には、懸吊ひも８で吊された懸吊ミラー７が所
定量傾き、視準軸が水平に保たれることとなる。
また、この測量機が振動すると、懸吊ミラー７と
一体の制動板１０も振動しようとする。だが、電
磁石の間に配設された制動板１０には渦電流が発
生して、制動板１０が動こうとすれば抵抗力を受
ける。よつて、この制動板１０と一体の懸吊ミラ
ー７の振動が抑制され、良好な測量が行なわれ
る。

ところで、蓋３の蓋本体３ａは、樹脂で作られ
ているため、従来と同様に第２図のように帯電す
る。しかし、この蓋本体３ａの静電気は、導電性
膜３ｂを通つて周縁部３ｃからこれと接触してい
る鏡筒本体２へ逃げて行くため、補正装置４の制
動板１０が静電気の影響を受けることがない。よ
つて、従来のように補正精度の悪化を招くことが
なく、良好な補正が行なわれることとなる。勿
論、蓋３の重さとしては、蓋本体３ａが樹脂で形
成されるとともに、導電性膜３ｂも薄膜で軽く作
られているため、従来と同様軽量に製作されてい
る。

以上説明してきたように、この考案によれば、
蓋を蓋本体と導電性膜とで形成することにより、
蓋の軽量化等が図られるとともに、静電気による
悪影響を補正装置に及ぼすことがなく、補正精度
を良好に保つことができる、という効果を発揮す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の測量機の一実施例を示す一
部断面を含む側面図、第２図は一実施例の作用を
示す要部断面図である。１……鏡筒、２……鏡筒本体、２ａ……開口
部、２ｂ……開口周縁部、３……蓋、３ａ……蓋
本体、３ｂ……導電性膜、４……補正装置、７…
…懸吊ミラー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】金属性の鏡筒本体内へ該鏡筒本体の開口部か
ら、光学部材と一体で重力方向を基準として懸吊
される懸吊部を有する補正装置が収納され、前記
開口部に該補正装置を覆う蓋が装着された測量機
において、前記蓋は、前記開口部を覆う大きさに形成され
た樹脂製の蓋本体と、前記蓋の内面で少なくとも
前記懸吊部の蓋に対向する部分を充分にカバーす
る範囲で、かつ、前記鏡筒本体と接触するように
設けられ、該蓋本体と前記鏡筒本体とを導通させ
る導電性膜とからなることを特徴とする測量機。