JPH0448194B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、地中に埋設された例えばガス管、水
道管等の配管中に取り付けられた継手、コツク類
の物体の位置を地上から地中探査レーダーを用い
て確認する方法に関するものである。

［従来の技術］ 地中に埋設された配管中には継手とかコツク類
が取り付けられており、この位置を後で確認し、
掘削したりすることが必要となることがある。こ
のような場合、位置を地上から探査する方法とし
て、地中探査レーダーの使用が公知である。この
地中探査レーダーを用いて行う探査例を第１図に
示す。

制御装置０１によつてコントロールされて送信
器０２で作られた電磁波（連続波或いはパルス
波）を送信アンテナ０３を用いて地中に送り出
し、そして地中に進んだ送信波が地中の物標（周
囲の土壌と物理的性質の異なつた物）で反射し、
受信アンテナ０４で受信されたものを受信器０５
を介して処理部０６へ送り、ここで前記制御装置
０１により一部コントロールを行い、表示・記録
装置０７により物標ａの位置の判定、深度、埋設
状況の確認等を行うものである。

［従来技術の問題点］ 上記地中探査レーダーでは、探査物標のの種
類、探査深さ等により、最適な送信波を選定する
ことが必要となる。そして、地中に埋設されたパ
イプライン、例えばガス管を検知したり、その深
さ、方向等を探査するような場合には100MHz〜
500MHz程度の周波数のパルス波が用いられてい
る。

しかし、上記地中探査レーダーでは、パイプの
ような長尺物の位置、深さ、埋設方向等の探査は
可能であるが、パイプの管継手位置、管分岐位置
等の位置判定までを行うことはできない。

また、付近に類似物標が多数ある場合には、目
標探査物標の判定がむずかしくなることもある。

更に、目標物標の電気物理的性質が周囲土壌の
性状と同等（近い）の場合或いは目標物標が微小
である場合には検知できないという問題がある。

本発明は、配管中に取り付けられた管継手位
置、分岐位置等の位置等を正確に確認する方法を
提供することである。

［課題を解決するための手段］ 本発明の構成は次のとおりである。

輪状に形成した導線の両端にコンデンサーを結
線して成る電磁共振型の標識体を、対象物体の近
傍において、垂直、且つ配管と平行又は直角にな
るようにあらかじめ埋設しておく、 探査に際して放射された電波の電界が常に一定
方向である直線偏波特性を有するアンテナを用い
ると共にこのアンテナの偏波方向を前記標識体が
埋設配管に対して平行に埋設してある場合には埋
設配管の延長方向と平行に、標識体が直角に埋設
してある場合には直角になるように設定しながら
配管に沿つてアンテナを移動させる、 標識体の埋設位置に到達することにより探査レ
ーダーに共振波形が表われたなら、その位置でア
ンテナを90゜回転し、前記共振波形の消失を確認
する、 ことにより埋設配管中に取り付けられた特定物体
の位置を確認する方法。

［作 用］ 本発明は以上の如き構成から成り、先ず標識体
は目的物体の近傍において垂直、かつ配管に平行
又は直角になるように埋設しておく。なお、コン
デンサーの位置は問わない。

次に、上記標識体上において送・受信アンテナ
の長軸方向（偏波出力）を配管の延長方向に対し
て標識体が平行に埋設してある場合には平行に、
直角の場合には直角になるように設定しながら配
管に沿つてアンテナを移動する。この移動中にア
ンテナが標識体上に通過するときに受信される特
異な信号（波形）をとらえたなら、その位置でア
ンテナを90゜回転して波形の消失を確認し、この
波形の変化から、目標とする物体の位置を確認し
て、ここを掘削する。

［実施例］ 第２図に本発明方法の実施に際して使用される
標識体を示す。このて標識体１の構成は線径２mm
の導線２を輪径100mmの輪状に形成してこの両端
にセラミツクコンデンサー（4pF（４×10^-12F）
３を取り付けたもので、所謂LC共振回路構成
（共振周波数145MHz（空中）、120MHz（土中）の
電磁共振型である。

地中探査レーダーに利用されている送信波は
6nsecモノサイクルパルス（中心周波数170MHz）、
繰り返し周期50KHz（20μsecに１回パルスを出
す）であつて、アンテナにはダイポール型アンテ
ナが使用され、送信アンテナと受信アンテナに同
一のアンテナ素子を用いる場合と別のアンテナ素
子を用いる場合の２通りが存在するが、アンテナ
から放射される電波は直線偏波特性を有し、この
偏波面とアンテナ素子の向きはいずれも一致して
いる。

次に標識体１の埋設方法であるが、物標（実施
例の場合継手）の近傍において、コンデンサー３
の位置は問わないが垂直、かつ配管に対して直角
又は平行に埋設することが条件である（但し、実
施例は直角）。

次に探査方法を説明する。

アンテナは地表に接近し、水平を保ちながら配
管の延長方向に対して長軸方向（偏波方向）が直
角になるように設定し、配管に沿つて第３図に示
すように移動する。このようにしてアンテナ４を
配管５に沿つて移動しても標識体１に接近してい
ないとき、第５図に示すように地表面からの反射
波形６と配管５からの反射波形７が表われる。

一方、アンテナ４が標識体１に接近し、平行に
重合すると、第６図に示すようにこの標識体１に
よつて特異な共振波形８が表われる。この共振波
形８を確認したなら、そこで先のアンテナ４の移
動方向に対して直角方向に90゜アンテナ４を回転
させる。このようにすると、先程の共振波形８が
発生した箇所において共振波形８が消え、第７図
に示すように配管５からの反射波形７′のみとな
る。

以上の波形の変化により、この位置に標識体１
が埋設されていることが判り、そして継手５′の
存在が確認できる。

第８図は標識体１の埋設例に対する共振反射波
形の実施例を示し、８−１は標識体１を垂直に立
てて埋設し、この標識体１上にアンテナを平行に
なるように重合した際の共振反射波形を示し、８
−２は標識体１がない場合の波形である。８−３
は標識体１を水平にして埋設した際の反射波形を
示し、８−４は標識体１に対してアンテナを直角
に重合した際の反射波形を示す。

以上の波形を比較すると明白であるが、標識体
とアンテナが平行なときに特異な共振波形が現わ
れるが、その他のときはこの共振波形は認められ
ない。

［本発明の効果］ 本発明は以上のように、輪状に形成した導体の
両端にコンデンサーを接続して標識体を製作し、
この標識体を目標探査物標の近傍に垂直に埋設
し、この標識体上を移動するアンテナの偏波面と
標識体とのなす角度の変化により現われる共振波
形をみて物標を確認できるから、従来のレーダー
探査では不可能であつた配管中の継手位置、方向
などの判定を確実に行うことができる。また、物
標近傍に誤認しやすい物体が存在しても標識体を
予め埋設しておくことにより、この標識体の位置
などの工夫から探知・識別が容易であると共に物
標と土壌との電気物理的定数が近い場合でも確実
に探査を行うことができる。

標識体は物標に近く垂直に埋設するだけのため
手数がいらず、又探査も従来と同じように地上に
おいてアンテナを移動するだけでよく、標識体か
らの反射波形も明確に現われるので、探査に要す
る時間は従来に比較して少なくて済む。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の地中探査レーダーを用いて行う
探査方法の説明図、第２図は本発明の実施に使用
される標識体の正面図、第３〜８図は本発明の実
施方法とデータ（波形）の説明図である。 １……標識体、２……導線、３……コンデンサ
ー、４……アンテナ、５……配管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 輪状に形成した導線の両端にコンデンサーを
   結線して成る電磁共振型の標識体を、対象物体の
   近傍において、垂直、且つ配管と平行又は直角に
   なるようにあらかじめ埋設しておく、 探査に際して放射された電波の電界が常に一定
   方向である直線偏波特性を有するアンテナを用い
   ると共にこのアンテナの偏波方向を前記標識体が
   埋設配管に対して平行に埋設してある場合には埋
   設配管の延長方向と平行に、標識体が直角に埋設
   してある場合には直角になるように設定しながら
   配管に沿つてアンテナを移動させる、 標識体の埋設位置に到達することにより探査レ
   ーダーに共振波形が表われたなら、その位置でア
   ンテナを90゜回転し、前記共振波形の消失を確認
   する、 ことにより埋設配管中に取り付けられた特定物体
   の位置を確認する方法。