JPH0446754Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は血液を体外に取り出して所定の処理を
施す、例えば血液透析、血液過、血漿採取、肺
補助などの血液体外循環装置、特に自動血圧計を
備えた装置に関するものである。

（従来の技術） 近年、血液を体外へ取り出してこれに所定の処
理を施すことは広く行われるようになつてきてい
る。なかでも血液透析は代表的なものである。こ
の血液透析は生体から血液を取り出して透析、浄
化し、その浄化した血液を再び生体内に戻すもの
であるが、その装置としては、体外へ取り出され
た血液を循環させる血液流路と、血液流路内の血
液を流通させる血液ポンプと、体外に取り出され
た血液を浄化する透析器を備えたものが用いられ
ている。

ところで、従来、このような血液透析において
は、体内循環血流量が一時的に減少するため、あ
るいは精神的な要因から低血圧発作、シヨツクを
ひきおこし、場合によつては心停止に至らしめる
などの問題があつた。このため、血液透析を行う
際に一定時間毎に自動的に血圧を測定して、血圧
低下の兆候を事前に捕え、早期に対策を施すこと
が行われている。例えば特開昭60−92769号には、
血液ポンプを間欠的に停止させて血液ポンプの上
流に設けた血圧測定装置で血圧を直接的に測定す
る装置が記載されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記装置は体外循環処理中に患者の血圧を自動
的に測定するため面倒な操作を行う必要がないと
いう利点を有しているが、血液流路に血圧測定装
置を取り付けるため血液流路が複雑になり、しか
も血圧測定時に血流を止める動作が血液の凝固系
に悪影響を与える可能性があるという問題があつ
た。また血流を止めたときに血液流路、エアート
ラツプ等のコンプライアンスにより、測定された
血圧値が真の患者の血圧値を示しているかどうか
疑問があつた。

（問題点を解決するための手段） したがつて、本考案の目的は何ら面倒な操作を
することがなく、しかも正確に患者の血圧を測定
することのできる血液体外循環測定装置を提供す
ることにある。そして、この目的を達成するた
め、本考案に係る装置は、生体内から取り出され
た血液を循環させる血液流路と、該血液流路に設
けられて血液を流通させる血液ポンプと、血液に
所定の処理を施す処理手段とを含む血液体外循環
装置において、被測定部位に装着されるカフに外
圧を加えて血圧を測定する自動血圧計と、該自動
血圧計への起動信号を入力し、かつ該自動血圧計
で測定された血圧の値を出力する入出力手段と、
該入出力手段に間欠的に自動血圧計の起動信号を
発信するタイマー手段と、該入出力手段から発信
された血圧の測定値と血圧設定手段で設定された
設定値とを比較して、測定された血圧が予め設定
された血圧の下限値よりも低いときに警報を発す
るとともに、血液ポンプの駆動を停止させる制御
手段を備えたことを特徴とする血液体外循環装置
である。

（作用） 本考案装置では、自動血圧計の測定信号を体外
循環装置の血液ポンプ駆動制御側に読み込むこと
により、血液流路の構成部品を増やすことなく一
定時間毎に血圧の測定ができる。しかもマンシエ
ツト型の血圧計を用いることにより患者の血圧を
正確に測定でき、血圧シヨツク等の兆候を事前に
確実に捕えることができる。

（実施例） 次に本考案装置の一実施例を図面にて説明す
る。第１図において、２２は患者から取り出され
た血液を循環させるための血液流路であり、この
血液流路に一定量の血液を流通させるための血液
ポンプ１７と、血液を内部に導いて血球成分と血
漿成分に分離し、分離された血球成分を再び血液
流路に送り出す血漿分離器１９とが設けられてい
る。そして膜を収容した血漿分離器で分離された
液（血漿成分）は血漿ポンプ１８で外部へ排出
される。上記血漿ポンプで排出された液と等量
の置換液かバツグ２０から血漿分離器の血液導出
側の血液流路に送られ、血球成分ともに患者に戻
される。

また患者の腕にはマンシエツト型の自動血圧計
（例えば立石電機製デジタル血圧計・HEN−
90PC）を構成するカフ１が装着されている。こ
の血圧計は第２図に示すように、ポンプを作動さ
せる起動手段３、血圧・心拍数測定手段２とを有
している。１２は上記血圧計１４の制御を実現す
るCPU１２である。CPU１２へは外部から血圧
計の起動信号を入力し、かつ血圧計で測定された
血圧値を出力する入出力手段１３が接続されてい
る。上記入出力手段１３へはタイマー手段２１か
ら一定時間毎にタイムアツプ信号を発してコンピ
ユータを作動させて、ポンプ駆動血圧、心拍数の
読み取りをさせる。上記入出力手段１３からの血
圧測定信号は制御手段５へ送られる。制御手段で
は測定された血圧の値を表示手段６へ表示し、ま
た、その値と予め設定された血圧値とを比較し
て、血圧の測定値が予め設定された下限値よりも
低いときには、上記表示手段６へ表示するととも
に、警報手段７による警報音の発生と、血液ポン
プ１７と血漿ポンプ１８へ駆動停止信号を発信す
る。また注入ポンプ２３への駆動信号により該ポ
ンプから所定量の薬液の注入が行われる。薬液と
は例えば、酒石酸水素メタラミノール、ノルエピ
ネフリン、等の昇圧剤、高張ぶとう糖、マニトー
ル等の循環血液量を増大させる薬剤である。すな
わち血圧値が下限値を下回つている場合には、警
報音によつて血圧値が下限値より下がつたことが
知らされるとともに、血圧の昇圧、循環血液量の
増大が図られるのである。

（考案の効果） 本考案装置は血液流路の構成部品を増大させる
ことなく性格な血圧測定を行うことができる。ま
た血圧計の測定信号を血液ポンプの駆動制御側に
読み込み、予め設定された血圧値との比較を行う
ことにより低血圧シヨツク等の兆候を迅速に捕ら
え必要な処置を施すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す血漿分離装置
のフロー図であり、第２図は本考案装置の制御を
示すブロツク図である。 １……カフ、５……制御手段、１３……入出力
手段、２１……タイマー手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 生体内から取り出された血液を循環させる血液
   流路と、該血液流路に設けられて血液を流通させ
   る血液ポンプと、血液に所定の処理を施す処理手
   段とを含む血液体外循環装置において、被測定部
   位に装着されるカフに外圧を加えて血圧を測定す
   る自動血圧計と、該自動血圧計への起動信号を入
   力し、かつ該自動血圧計で測定された血圧の値を
   出力する入出力手段と、該入出力手段に間欠的に
   自動血圧計の起動信号を発信するタイマー手段
   と、該入出力手段から発信された血圧の測定値と
   血圧設定手段で設定された設定値とを比較して、
   測定された血圧が予め設定された血圧の下限値よ
   りも低いときに警報を発するとともに、血液ポン
   プの駆動を停止させる制御手段を備えたことを特
   徴とする血液の体外循環装置。