JPH0446586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は歯科ブリツジ形成用の歯科ポンテイツ
ク、ポンテイツク用連結子および組立体に関す
る。

発明の背景 歯冠およびブリツジ等の人工的装置を用いて１
つまたはそれ以上の歯の完全な修復あるいは１つ
またはそれ以上の自然歯の補充に関する学問であ
り技術である。ブリツジは少なくとも１つ以上の
欠損歯を補充するために用い、自然歯により支持
される。１つの部品として鋳造されていないブリ
ツジは、無菌空〓を充填するポンテイツク、およ
び該ポンテイツクを、該ポンテイツクに隣接する
橋脚歯上に形成される歯冠のような保持部材に接
合する連結子を包含する。従来のブリツジにおい
て、該ポンテイツクは連結子を形成するろう着接
合によりリテーナに接合される。

歯科ブリツジの第１の目的は、咬合力を受け、
橋脚を通してそれを伝達し、患者に咬み合わせを
回復させることによつて咀しやくに寄与すること
である。該ブリツジは、また、患者の発音する能
力を増大させ、対向歯の位置を維持する。今日の
歯科ブリツジの製作はろう引き、スプルーイング
（spruing）、被覆、鋳造、洗浄、トリミング
（trimming）、切断およびストーニング
（stoning）を包含する多くの独立した方法の適用
を必要とし、時間を浪費しかつ入り組んで複雑な
工程である。該工程は従来に実施されたように、
一般には「ロストワツクス鋳造法」と呼ばれ、現
在、ブリツジの製作法として一般的に認められて
いる。以下の方法では、時間を浪費するばかりで
なく、鋳造品の精度および正しい適合を保証する
ため各ステツプは細部まで厳しい注意を払う歯科
技工士にこと細かに従わなくてはならない。誤差
を補正するために鋳造ブリツジにいかなる調整を
行うことも困難である。

プレハブ（prefabricated）ポンテイツク（予
め製作したポンテイツク）からブリツジを製作す
ることにより、スピード、容易さおよび鋳造ブリ
ツジに優る実質的なコストの節約等の利点が得ら
れる。金属製リテーナに非調整ブリツジを組み込
むためのプレハブポンテイツク組立体を製作する
ため、従来から多くの試みがなされてきたが、こ
のような従来技術による製作は実際面での使用に
対してあまり広範でないか、またはブリツジに許
容される臨床基準にあう充分な強度の近心接合を
提供することができない。従来、はんだを用いて
金属レテーナとポンテイツクの間に形成された近
心接合は弱いことで知られる。

発明の概要 本発明のプレハブポンテイツクは、ろう引き、
スプルーイング、被覆および鋳造を要しない。該
ポンテイツクは、好ましくは本発明のポンテイツ
ク連結子を用いて橋脚歯に接合され、鋳造ブリツ
ジの接合部の強度に匹適する近心接合を形成す
る。さらに、本発明のポンテイツクは橋脚歯の間
で容易に適合し、正しい配列に調整される。

本発明のプレハブポンテイツクは、ブリツジの
製作において、無菌空〓を隔てた橋脚歯上に設け
られた金属製保持部材に接合するのに適してお
り、橋脚歯間のスパンより短い近遠心径を有する
金属体と、該金属体間に挿入されるトラフ状の溝
を有し、該金属体の各々の対向端部から伸びかつ
該金属体と保持部材との間での配列用のトラフ状
の溝を有するアームとからなる。

本発明のポンテイツク連結子は、ブリツジの製
作において、その各々の対向端部から伸びるアー
ムを有するプレハブポンテイツクを、その間にろ
う着接合を形成するための橋脚歯上の保持部材に
連結し、さらに連結子をポンテイツクのアームに
取り付ける手段と、該取付手段から突出した薄い
金属部材とからなり、ろう着しかつ保持部材に対
するアームのアタツチメントで形成されるろう着
接合を強化するための準備において、該保持部材
に関して整合した位置でポンテイツクを保持する
ため、該薄い金属部材は該保持部材の表面に適合
するように充軟でかつ調整可能である。

本発明は、また、無菌空〓を隔てた橋脚歯上に
設けられる金属製リテーナ間に歯科ブリツジを組
み込むための組立体に関し、橋脚歯間のスパンよ
り短い近遠心径を有する金属体を有するプレハブ
ポンテイツクと、該橋脚歯に隣接する各々の対向
端部から伸びるトラフ状の溝を有するアームと、
ろう着の準備において、各アームを隣接歯間の金
属製リテーナに接合するための手段とからなる。

図面の簡単な説明 本発明の他の利点は、以下の図面とともに解釈
した以下の詳述から明らかとなる。

第１Ａ図は、犬歯および小臼歯に代表される２
つの橋脚歯の作業モデルにおいて、金属製リテー
ナ間に配列する準備における本発明のプレハブポ
ンテイツクの側面図である。

第１Ｂ図は、第１Ａ図のプレハブポンテイツク
の１Ｂ−１Ｂ線に沿つた断面図である。

第２図は本発明のポンテイツク連結子の斜視図
である。

第３図は、ポンテイツクの各アーム上に設けら
れた第２図のポンテイツク連結子を有する隣接保
持部材と隣接する位置で装着された第１Ａ図のプ
レハブポンテイツクの側面図である。

第４図は、３ユニツトのブリツジと製作するた
めの作業モデルにおいて、保持部材に適合した各
ポンテイツク連結子を有する第３図の装置の側面
図である。

第５図は、本発明の好ましい前歯のプレハブポ
ンテイツクの斜視図である。

第６図は、第５図のポンテイツクの斜視図であ
る。

第７図は、３ユニツトのブリツジ用作業モデル
において、２つの保持部材間の位置に示された本
発明のプレハブポンテイツクの他の具体例の側面
図である。

発明の詳細な説明 本発明のプレハブポンテイツクは、各々第１
Ａ、３，４，５および７図中、照合番号１０で識
別され、前歯または大臼歯の修復の準備に用いら
れる。各々の場合、該ポンテイツクは金属体１２
と該金属体１２の各々の対向端部から伸びるアー
ム１４とからなる。該ポンテイツク１０は任意の
所望の金属または金属合金組成物から製作される
が、金属または金属合金の選択は口腔内で用いら
れる適合性基準に合うべきである。従つて、該ポ
ンテイツクは、好ましくはその必須成分の１つと
して金を包含すべきである。さらに、ポンテイツ
ク１０を予め製作するため、従来のダイキヤスト
および圧印成形を包含するいかなる従来の製造方
法を用いてもよい。

金属体１２はいかなるデザインまたは形状に成
形してもよく、金属固体であつても、開口スペー
ス有していてもよい。さらに、該金属体１２の幾
何学的形状は大臼歯または前歯の修復が包含され
るかどうかにより、かなり変化する。ポンテイツ
ク金属体１２の形状は本発明においては臨界的で
はないが、参考のためにここで引用した米国特許
第4231740号において教示された製作上の原則に
従い、後方修復用金属体の形状は第１，３および
４図に示すようなゆりかご状を形成するのが好ま
しい。該ゆりかご状の幾何学的構造は大きい咬合
陥凹１６を有する。金属体１２は、翼状のアーム
１９，２０内に相対的に大きい開口スペース１
７，１８を有するべきであり、該スペースは頬側
および舌側修復面に向かつて外側に伸びるる。該
開口スペースは開口した金属製の枠組みを提供す
る。金属体１２の下側２１は咬合歯肉方向
（occluso gingivally）でループとなり、弓形を
形成する。該金属体１２の長さ“Ｌ”は橋脚歯間
のスパン“Ｓ”より近遠心的に短くなければなら
ない。

第５図および第６図に示すように、前歯修復用
の好ましい金属体のデザインは、参考のためにこ
こで引用した米国特許第4318697号の一般的な教
示に従つてもよい。後方デザインと前方デザイン
の間の主な相違点は、咬合側に向かつて実質的に
直上に伸びる咬合ブレス（brace）２２および歯
肉的に垂れ下がる羽根状の拡張部分（extension）
２３が付加されることである。一対の翼状のアー
ム２４，２５は開口スペース２６ともに修復の頬
側および舌側面に向かつて外方に伸び、凹面形状
を有する開口した金属製の枠組みを形成する。前
歯は後方歯より寸法的に小さいが、後に詳述する
ようにブリツジの組立時、ポンテイツク１０のア
ーム１４にスペースを設けるため、前方および後
方ポンテイツクの両方用の金属体１２の長さは近
遠心的に橋脚歯間のスパン“Ｓ”よりも短いこと
が本発明には必須である。

ポンテイツク１０のアーム１４は、好ましくは
対称的で均一な厚さを有するが、このような対称
性および同一寸法の厚さは必ずしも必要ではな
い。しかしながら、アーム１４がトラフ状の溝３
０を形成することは本発明の必須要件である。該
トラフ状の溝３０は、好ましくは“Ｕ−形状”で
あるが、開口頂部を有する“Ｖ−形状”またはボ
ツクス−形状も機能的に同一の目的に役立つ。こ
の点で、適当に深いくぼみ３０を咬合面歯肉側に
提供するいかなる形状も許容される。トラフ状の
溝３０の深さ“Ｄ”は修復にも依るが、一般には
0.5mm以上の深さを有するべきであり、一般には
深さ0.5mm〜２mm、最適には１mm〜1.5mmである。

ポンテイツク１０は、橋脚歯間のポンテイツク
に適合するのに必要な長さより意図的に長いアー
ム長さＸを有するように予め製作されるべきであ
り、ポンテイツクアームは任意の２つの橋脚歯間
の間隔“Ｓ”の差を調整するために短くしてもよ
い。従つて、該ポンテイツクが橋脚歯間に相対的
に締まつた嵌合で正確に装着するように金属体１
２の片側上の各アーム１４の長さを短くしてもよ
い。各アーム１４は、トラフ状の溝３０を形成す
るのに充分長いという必要条件のみを有する任意
の長さからなつてもよい。

ポンテイツク１０の各アーム１４は隣接する金
属製保持部材３５に強力なアタツチメントを提供
する相対的に剛性であるべきである。各保持部材
３５は任意のタイプの金属リテーナを意味し、全
体的または部分的に、ブリツジを保持するため橋
脚歯にセメント合着される。該金属製保持部材３
５は全部歯冠の製作用の金属製コーピングを表す
ための図に示される。好ましい金属製保持部材３
５は米国特許第4459112号および第4492579号に開
示されるような予め製作した金属製コーピングで
ある。前記特許に開示されたように、該コーピン
グは、複数の折線を有する予め折り曲げられた形
状に配列された２つ以上の金属層からなる薄い金
属箔から形成され、修復される好ましい歯の型に
コーピングを適用するための準備に折り畳まれ
る。該コーピングは次いで型に適用され、加熱処
理される。

一旦、ポンテイツク１０が金属製リテーナ３５
に隣接する確実な位置に装着され、アーム１４は
金属製リテーナ３５にろう着されて隣接位置でろ
う着接合を形成する。充分に強いろう着接合を形
成するためには、通常、高度の技術を必要とす
る。

好ましい金属製連結子４０は、第２，３および
４図に示すように、好ましくは、ろう着作業を行
うために部品を共に一直線に保持するために用い
られる。該金属製連結子４０は、また、保持部材
３５とともにアタツチメントの箇所で形成される
ろう着接合を強化する。予め製作した金属製連結
子４０は穴４２を有する帯の形態の薄い部材４１
と、該帯４２から突出する金属製の拡張部または
リム４３とからなる。アーム１４は穴４２を通し
て適合される。該リム４３は、容易に曲げられ、
隣接する金属製リテーナ３５の１つ以上の表面に
適合させるように非常に充軟であるべきである。
環状帯４１が好ましいが、該帯は完全に360゜を覆
う必要はない。その他に、該帯部材４１はアタツ
チメントをアーム１４に設ける取付（clip on）
手段を意味する。同様に、リム４３は任意の幾何
学的形状であつてもよい。実際は、該リム４３は
帯４１から１方向のみに伸びる必要がある。さら
に、該リム４３は、特に大臼歯の修復用により広
い咬合面領域を覆うように形状が不規則であつて
もよい。穴４２はアーム１４に適応すべきであ
り、こういうものとしては該アーム１４の形状に
合うように丸いかまたは“Ｕ−形状”であつても
よい。

連結子４０、さらに詳しくはリム４３は、リム
をリテーナに容易に適合できるようにする柔らか
い金属材料からなるべきである。該材料の組成
は、口腔内での使用に適するべきであり、こうい
うものとしては非酸化金属または金属合金からな
るべきである。さらに、連結子４０またはそのリ
ム４３だけは、ろう着後も無傷を保つように、は
んだの溶融温度より高い溶融温度を有する１つの
層を有する多層構造から形成し得る。こういうも
のとしては、ブンゼンバーナからの炎適用する
か、または炉内で溶融してろう着接合を形成する
ろう着材料として連結子４０の１つの層を用いる
ことができる。

第３図は、歯科ブリツジ組立用の橋脚歯の作業
モデルにおいて、隣接するリテーナ３５に隣接す
る位置にアーム１４とともに寸法合わせを行い、
装着された第１図のポンテイツクを示す。連結子
４０は、該ポンテイツクが所定の位置に装着され
る前にアームの周囲に取り付けられる。次いで、
第４図に示すように適当な歯科工具を用いて連結
子４０のリム４３を曲げ、保持部材３５の１つ以
上の表面に該連結子４０を適合させる。予め製作
した組立体はすでにろう着されている。従来のろ
う着作業は、任意の歯科ろうを用い、1050℃以上
のろう着温度で行われる。連結子４０は、前記の
ようにろう着用組成物からなる１つの層を有する
ことができる。アーム１４の形状にそわせるた
め、条片または“Ｕ−形状”の部材のような任意
の所望のろう着用材料を用いて付加的なろう着を
加えてもよい。アーム１４により形成されたトラ
フ状の溝により、はんだが、くぼみに集積、流
動、充填し、それにより、アーム１４がリテーナ
３５と接合する領域の周辺に強いろう着接合を形
成する。該アーム１４はかくして負荷をリテーナ
３５に伝達できる。強化されたろう着接合が保持
部材３５より強いことが示された。予め製作した
連結子が用いられない他の具体例を第７図に示
す。アーム１４はその端部で切り開かれて分岐し
た一対のアーム連結子４７、４８を形成し、リテ
ーナ３５の頬側および舌側面に適合される。アー
ム内のトラフ状の溝は、ろう着用床を形成するた
め、いまだに必須である。３ユニツトの製作に関
連して本発明を記載したが、本発明が、２ユニツ
トの片持ブリツジまたは２つ以上のポンテイツク
を用いた多ユニツトのブリツジの製作に同様に適
用できることは明らかである。片持ブリツジにつ
いては、ポンテイツクの１つのアームが除去され
る。多ユニツトのブリツジについては、アームを
互いに連結することにより２つのポンテイツクを
接合する。該アームは溶接および／またはろう着
により結合され、１つののアームが他のアームと
組み重ねられるように寸法を決定する。

【図面の簡単な説明】

第１Ａ図は、犬歯および小臼歯に代表される２
つの橋脚歯の作業モデルにおいて、金属製リテー
ナ間に配列する準備における本発明のプレハブポ
ンテイツクの側面図、第１Ｂ図は、第１Ａ図のプ
レハブポンテイツクの１Ｂ−１Ｂ線に沿つた断面
図、第２図は、本発明のポンテイツク連結子の斜
視図、第３図は、ポンテイツクの各アーム上に設
けられた第２図のポンテイツク連結子を有する隣
接保持部材と隣接する位置で装着された第１Ａ図
のプレハブポンテイツクの側面図、第４図は、３
ユニツトのブリツジを組み込むための作業モデル
において、保持部材に適合した各ポンテイツク連
結子を有する第３図の装置の側面図、第５図は、
本発明の好ましい前歯のプレハブポンテイツクの
斜視図、第６図は、第５図のポンテイツクの斜視
図、第７図は、３ユニツトのブリツジ用作業モデ
ルにおいて、２つの保持部材間の位置に示された
本発明のプレハブポンテイツクの他の具体例の側
面図である。 図面中の主な符号はつぎのものを意味する。ポ
ンテイツク…１０、金属体…１２、アーム…１
４、開口スペース…１７，１８、溝…３０、保持
部材…３５、連結子…４０。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 無菌空〓を隔てた橋脚歯間のスパンより短い
   近遠心径を有する金属体と、該金属体から伸び、
   トラフ状の溝を有し、該金属体と、それが接合さ
   れる金属製保持部材との間に介在するアームから
   なることを特徴とする、ブリツジの製作におい
   て、ポンテイツクで充填される無菌空〓に隣接し
   た橋脚歯上に設けられた金属製リテーナを接合す
   るためのプレハブポンテイツク。 ２ 該金属体が、その各々対向した端部から伸び
   るアームを有し、各アームが各リテーナと隣接し
   たトラフ状の溝を有する特許請求の範囲第１項記
   載のプレハブポンテイツク。 ３ 該トラフ状の溝が咬合歯肉方向に約0.5mmよ
   り大きい深さを有する特許請求の範囲第２項記載
   のプレハブポンテイツク。 ４ 該トラフ状の溝が咬合歯肉方向に約0.5〜2.0
   mmの深さを有する特許請求の範囲第３項記載のプ
   レハブポンテイツク。 ５ 該トラフ状の溝が咬合歯肉方向に約1.0〜1.5
   mmの深さを有する特許請求の範囲第４項記載のプ
   レハブポンテイツク。 ６ 該トラフ状の溝が実質的に“Ｕ−形状”であ
   る特許請求の範囲第４項記載のプレハブポンテイ
   ツク。 ７ 橋脚歯間のスパンより短い近遠心径を有する
   金属体を有するプレハブポンテイツクと、該橋脚
   歯に隣接したその端部から伸びるトラフ状の溝を
   有するアームと、ろう着の準備において、該アー
   ムを隣接した金属製リテーナに連結する手段とか
   らなることを特徴とする無菌空〓を隔てた橋脚歯
   上に設けられた金属製リテーナ間に歯科ブリツジ
   を製作するための組立体。