JPH0446513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は刈払機や枝打機等の動力作業機に関す
る。

産業上の利用分野 動力作業機の一例としての刈払機には、作業者
が把持して操作する伸縮可能な操作桿を主桿部分
とそれに対して軸線方向へ移動可能に入れ子式に
嵌合する可動桿部分とで構成し、原動機として内
燃機関を主桿部分の後端部分に配置し、草を刈る
刈払刃装置を可動桿部分の前端部分に配置し、内
燃機関から操作桿内を通つて刈払刃装置へ延びる
伸縮式伝動軸を介して刈払刃装置を駆動するよう
になつているものがあり、操作桿は作業時に作業
を楽に行うために可動桿部分を主桿部分から引張
して長さを長くした状態に維持され、また刈払機
の運搬時や収納保管時には可動桿部分を主桿部分
内へ押込んで操作桿の長さを縮めた状態にして刈
払機の運搬や収納保管に便ならしめるようになつ
ており、また内燃機関の作動を停止するために操
作される手動スイツチを別に設けている。このよ
うな従来の伸縮式刈払機においては、操作桿の長
さを縮めた状態のままで作業者が不注意に内燃機
関を始動すると、刈払刃装置が作業者の近くで回
転駆動するので作業者にとつて非常に危険であ
り、また機関停止用の手動スイツチを別に設けて
いるので、その分製作コストが高い等の欠点があ
つた。

考案が解決しようとする課題 そこで、本考案はこのような従来の動力作業機
の欠点を取除くと共に、構造簡単にして使用に便
利であり、且つ安価に製作し得る動力作業機を提
供することを目的とする。

課題を解決するための手段 即ち、本考案によれば、内燃機関を動力源とし
て有し、操作桿を主桿部分と該主桿部分に対して
入れ子式に軸線方向へ移動し得る可動桿部分とで
構成した動力作業機は、前記可動桿部分が前記主
桿部分中へ移動して前記操作桿の長さを縮める時
に前記可動桿部分に係合して第１固定端子及び第
２固定端子の間を電気的に連結するように移動さ
れるスライドスイツチ端子と、該スライドスイツ
チ端子とは独立に操作されて前記第１固定端子及
び前記第２固定端子の間を電気的に連結する手動
スイツチとを設けた本体部分を有するスイツチ装
置を前記主桿部分に取付け、前記第１固定端子及
び第２固定端子を前記内燃機関の点火回路の停止
線へ連結したことを特徴とする。

作 用 従つて、操作桿が作業に適した長さに伸びてい
る時には内燃機関を始動することができるが、操
作桿の長さが縮められている時には点火回路は作
動せず、従つて内燃機関を始動しようとしても点
火栓は火花を発生せず、内燃機関は始動しない。
また、作業中に一時的に内燃機関を停止する時に
は、手動スイツチを操作して内燃機関を停止させ
ることができる。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。

図示した本考案一実施例としての刈払機は、そ
の操作桿１が第１図及び第２図に示すように中空
管状の主桿部分２と、該主桿部分２の内径より小
さい外径を有し、前記主桿部分２の前端部分３か
ら前方へ同軸状に延びる中空管状の可動桿部分４
とを有する。前記主桿部分２の前端部分３及び前
記可動桿部分４の後端部分５は互いに入れ子式に
軸線方向へ相対的に移動することができ、適当な
締着部材（図示せず）によつて互いに相対位置可
変に連結固定される。前記主桿部分２の後端部分
には、通常知られているように内燃機関（図示せ
ず）が配設されており、また前記主桿部分２内に
は中空管状の主伝動軸６が回転可能に支持されて
おり、該主伝動軸６はクラツチ（図示せず）を介
して内燃機関の出力軸へ連結されている。前記可
動桿部分４内には、可動伝動軸７が回転可能に配
置されており、該可動伝動軸７は前記可動桿部分
４の前端部分に取付けられた刈払刃装置の駆動軸
（図示せず）へ連結されて内燃機関からの駆動力
で刈払刃装置の駆動軸を駆動して草刈作業を行う
ようになつている。

前記可動桿部分４の後端部分５にスリーブ状の
ストツパ部材８が固定されており、該ストツパ部
材８は前記主桿部分２の内周面に沿つて軸線方向
へ摺動することができ、前記可動桿部分４が前記
主桿部分２から前方へ引出される時に前記締着部
材に当接して、前記可動桿部分４が前記主桿部分
２から離脱するのを防止するストツパとして作用
する。前記ストツパ部材８内に焼結含油軸受等の
適当な軸受９が取付けられており、該軸受９は、
前記主伝動軸６の円形外周面に接触して主伝動軸
６を回転可能に支持し、且つ軸線方向への相対的
に移動可能に前記ストツパ部材８に保持されてい
る。前記主伝動軸６は、その内周面が四角形等の
非円形断面形状を有するように形成されている。
一方、前記可動伝動軸７の後端部には、前記主伝
動軸６の内周面と相補した形状を有する軸継手部
材１０を取付けており、該軸継手部材１０は前記
主伝動軸６の内周面に係合して主伝動軸６の駆動
力を前記可動伝動軸７へ伝達すると共に、前記操
作桿１の長さ調節時に、前記可動桿部分４の移動
に従つて前記主伝動軸６の内周面に沿つて軸線方
向へ摺動することができる。

前記操作桿１の主桿部分２は、その前端部分３
に近い外周部分にスイツチ装置１１を取付けてい
る。該スイツチ装置１１は、ベークライトや合成
樹脂等の絶縁材料で成形された中空の本体部分１
２を有し、該本体部分１２は、適当な手段によつ
て前記主桿部分２の周囲に固定された下方部分１
３と、環状スペーサ１４によつて前記下方部分１
３から上方へ離間して配置された上方部分１５
と、該上方部分１５及び前記スペーサ１４を貫通
して前記下方部分１３に螺合しそれらを一体的に
結合する一対のねじ１６及び１７とで構成されて
いる。前記下方部分１３の底部分３２は前記主桿
部分２に形成された穴１８内に嵌合されている。
また、前記下方部分１３の底部分３２には穴１９
が形成されており、この穴１９を通して導電性の
スライドスイツチ端子２０の半球状の先端部分２
１が、前記下方部分１３内から前記操作桿１の主
桿部分２内へ突出している。前記スライドスイツ
チ端子２０は、前記下方部分１３内に配置された
フランジ部分２２を一体的に形成しており、該フ
ランジ部分２２が前記下方部分１３の底部分３２
に当接することによつて、前記スライドスイツチ
端子２０は前記下方部分１３から外方へ離脱しな
いように保持される。更に、前記下方部分１３
は、前記スペーサ１４との間に導電性の環状の第
１固定端子２３を固定しており、この第１固定端
子２３と前記スライドスイツチ端子２０の前記フ
ランジ部分２２との間に、導電性の第１圧縮コイ
ルばね２４が配設されており、該第１圧縮コイル
ばね２４は、前記スライドスイツチ端子２０を下
方へ押圧して、その先端部分２１を前記操作桿１
の主桿部分２内へ突出させる作用と、前記スライ
ドスイツチ端子２０と前記第１固定端子２３との
間を電気的に常時導通する作用とを果たす。

一方、前記スペーサ１４と前記上方部分１５と
の間に導電性の環状の第２固定端子２５が固定さ
れており、前記上方部分１５には手動スイツチボ
タン２６が設けられている。該手動スイツチボタ
ン２６は、その絶縁材料製頭部２７直下の導電性
キヤツプ部材３３のフランジ部分２８と前記第２
固定端子２５との間に配置された導電性の第２の
圧縮コイルばね２９によつて上方へ押圧されてお
り、それにより、前記フランジ部分２８を前記上
方部分１５の上端部の内面に当接させて、前記手
動スイツチボタン２６を前記上方部分１５から上
方へ離脱不能に保持すると共に、前記頭部２７を
前記上方部分１５から上方へ突出させている。

前記スライドスイツチ端子２０は、その内部に
上端が開いた凹部３０を形成しており、この凹部
３０内に導電性の第３のコイルばね３１が支持さ
れている。該第３のコイルばね３１は、その上端
が前記手動スイツチボタン２６のキヤツプ部材３
３の下端から下方へ離間した位置に配置されるよ
うな長さを有する。しかしながら、前記操作桿１
の可動桿部分４が前記主桿部分２内へ移動されて
前記ストツパ部材８が前記スライドスイツチ端子
２０の先端部分２１に係合し、スライドスイツチ
端子２０を上方へ押上げた時に、前記第３のコイ
ルばね３１の上端は前記手動スイツチボタン２６
の下端に接触する。また、別に手動スイツチボタ
ン２６の頭部２７を押下げた時にも手動スイツチ
ボタン２６のキヤツプ部材３３の下端と第３のコ
イルばね３１の上端とは互いに接触するように構
成されている。

前記スイツチ装置１１の第１固定端子２３及び
第２固定端子２５は、それぞれ導線を介して図示
しない内燃機関の点火回路の停止線へ連結されて
いる。このため、操作桿１が表面処理を施したア
ルミニユウム合金製管材や合成樹脂等の絶縁材料
で作られている場合でも、上記した電気的連結は
確実に維持される。

草刈作業に際して、操作桿１の可動桿部分４を
主桿部分２に対して図示した位置以上の長さまで
引出し、スイツチ装置１１を図示した開の状態に
維持する。この状態で内燃機関を始動して草刈作
業を行うことができる。作業を終了して内燃機関
を停止する時、手動スイツチボタン２６を押下
げ、それにより手動スイツチボタン２６のキヤツ
プ部材３３を第３のコイルばね３１へ接触させ
て、第１及び第２固定端子２３及び２５を電気的
に連結してスイツチを閉状態として、内燃機関の
点火回路を短絡させることができ、このため点火
栓は火花放電を停止して内燃機関の作動を停止す
る。

また、可動桿部分４を主桿部分２内へ引込めて
操作桿１の長さを縮めた状態で内燃機関を始動し
ようとしても、スライドスイツチ端子２０がスト
ツパ部材８によつて上方へ押上げられて第３のコ
イルばね３１が手動スイツチボタン２６のキヤツ
プ部材３３に接触しているので、点火回路は短絡
された状態にあり、内燃機関は始動不能の状態に
あるので、作業者に対する安全は確実に維持され
る。

なお、手動停止スイツチとしては、ボタンスイ
ツチ以外のものも用いることができる。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案は、
操作桿が作業に適する長さに伸びている時には内
燃機関を始動して作業を行うことができるが、操
作桿が縮められている時には内燃機関は始動され
ず、作業者の安全を確実に得ることができ、また
手動停止スイツチもスイツチ装置に一体的に組込
んだので、構造簡単にして使用に便利な装置を提
供することができ、且つ従来の動力作業機にも簡
単な改造によつて本考案を適用することができる
等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例としての刈払機を示す
要部破断縦断面図であり、第２図は第１図の矢線
−方向の断面図である。 １……操作桿、２……主桿部分、４……可動桿
部分、１１……スイツチ装置、１２……スイツチ
装置の本体部分、２０……スライドスイツチ端
子、２３……第１固定端子、２５……第２固定端
子、２６……手動スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関を動力源として有し、操作桿１を主桿
   部分２と該主桿部分に対して入れ子式に軸線方向
   へ移動し得る可動桿部分４とで構成した動力作業
   機において、前記可動桿部分が前記主桿部分中へ
   移動して前記操作桿の長さを縮める時に前記可動
   桿部分に係合して第１固定端子２３及び第２固定
   端子２５の間を電気的に連結するように移動され
   るスライドスイツチ端子２０と、該スライドスイ
   ツチ端子とは独立に操作されて前記第１固定端子
   及び前記第２固定端子の間を電気的に連結する手
   動スイツチ２６とを設けた本体部分１２を有する
   スイツチ装置１１を前記主桿部分に取付け、前記
   第１固定端子及び第２固定端子を前記内燃機関の
   点火回路の停止線へ連結したことを特徴とする動
   力作業機。