JPH0446238Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ガスの圧力計や液体の液面計などの
各種計器類における指針の回転を遠隔室で監視す
る場合とか、この指針の回転に基づいて別の機構
の自動制御を行う場合に、計器指針の回転角を光
学的検出手段を用いて正確に伝達できるようにし
た計器用指針回転角の検出機構に関するものであ
る。

〔従来技術〕

従来において、各種計器の指針にアルミ箔など
の反射板を取付け、この指針回転軸の中心線上に
発光素子を設けると共に、この発光素子を中心と
する円周上には、複数個の受光素子を夫々配置し
て、発光素子からの光を指針上の反射板により反
射させて受光素子に入射させるように構成し、指
針の回転角上に位置する特定の受光素子からの電
気信号により、指針の回転角の位置を検出するよ
うにした機構は既に公知である（特開昭57−
54808号）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記の従来形検出装置において
は、指針回転角の上方に配置された発光素子から
の光を指針から受光素子へ向けて反射するための
反射手段が、指針上に設けたアルミ箔などの平坦
な反射であるために、特に計器が屋外に配置され
たものである場合には、この反射板が発光素子に
よる光線以外の太陽光などの外部光線を反射する
率が多くなり、特定位置の受光素子に対する外部
乱光による影響が増大して、指針の正確な回転角
が捕捉しにくくなり、更には発光素子の形状が大
きいため計測点数が制限され、分解能が悪く検出
値が不正確になりやすいという欠点を有してい
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、従来におけるこの種の装置の問題点
を解消するために、計器が屋外に配置された場合
においても指針が外部乱光による影響を受けるこ
となく、専ら発光素子からの光のみを指針の回転
した位置の受光素子に正確に反射伝達できるよう
に、また、精度の向上を計るため受光部には光フ
アイバーを円上に設置するように改良した指針回
転角検出装置の提供を目的とするものである。

本考案はそのための具体的手段として、目盛板
上を回転する指針の回転軸上方部分に、一端の内
側反射面が前記回転軸と同軸線上に位置するプリ
ズム又は同等の動作をする物を、保持枠を介して
指針の長さ方向に添つて配置し、前記指針の外部
同軸線上には、前記プリズムの内側反射面に向け
て光線を導入する投光用光フアイバーもしくは光
電発光素子を配置して、前記プリズムの他端の外
側反射面上方部を含む一連の環状線上には、夫々
の受光端が位置するように前記投光用光フアイバ
ーもしくは光電発光素子を中心とした多数本の受
光用光フアイバーを環状に配列させ、該受光用光
フアイバーの出力端側を前記の配列順に従つて直
線状に並列して夫々の光位置センサー内に接続さ
せたことを特徴とするものである。

〔作用〕

この考案に係る検出装置では、指針回転軸の上
方に配置された投光用光フアイバーもしくは光電
発光素子から光線が指針に向けて投光されると、
この入射光線が指針上のプリズム一端の内側反射
面に入射されたのち、該反射面によつて正確に直
角方向に屈折されて、プリズム内を他端の外側反
射面に向けて反射する。プリズム内を通過する光
線は外側反射面により前記入射光の向きと同方向
に反射屈折され、この外側反射面の位置する部分
のいずれか一つの受光用光フアイバー内に入射さ
れる。受光用光フアイバー内に入射された光線は
他端の光位置センサー内に伝えられ、指針の位置
をデジタル信号として検出する。

〔実施例〕

次に、この考案に係る装置の実施例を図面によ
り説明すると、第１図はこの装置の構成を示す側
方断面図であり、計器１内の目盛板２上に回転軸
３を介して支持される指針４上に、保持枠６に嵌
込まれたマイクロプリズム５を該指針４の長さ方
向に添つて配置する。このマイクロプリズム５
は、計器１外から入射する光を該プリズム５内に
反射する向きの45°の傾斜面をもつた内側反射面
７ａが、回転軸３の中心線上に位置するようにし
て、前記保持枠６内に取り付けられている。

この指針４の中心部上には、アクリル板８を貫
通した取付け枠１５が固定されており、この取付
け枠１５における前記回転軸３と同軸線上には、
投光用光フアイバー９の先端に設けられたロツド
レンズ１０が取付けられている。また、この投光
用光フアイバー９の他端には、投光方LED１２
からの光が集光レンズ１１を介て導入されるよう
になつている。

一方、前記計器全面の取付け枠１５の周囲に
は、前記投光用光フアイバー９を中心にして、多
数の受光用光フアイバー１３の受光端１３ａが、
夫々前記マイクロプリズム５の外側反射面７ｂの
上部を含む一連の環状線上に位置するように周設
されている。前記投光用LED１２から集光レン
ズ１１を通して投光用光フアイバー９内に光線が
送られると、同フアイバー９内の光線はロツドレ
ンズ１０を通して、指針４上のマイクロプリズム
５の内側反射面７ａに入射されたのち、該反射面
７ａから同プリズム５内の反対側の外側反射面７
ｂの方向へ反射され、同外側反射面７ｂの上方に
位置する特定の受光用光フアイバー１３内に入射
される。マイクロプリズム５は指針４と共に回動
するので、中心部の投光用光フアイバー９から送
られてくる光は、該プリズム５を介してその外側
反射面７ｂが位置する上方の受光用光フアイバー
１３にその都度光を正確に反射する。

前記夫々の受光用光フアイバー１３の他端は、
第３図および第４図に示すように、直線状に並列
された状態で光位置センサー１４の内部に接続さ
れ、この光位置センサー１４によつて、前記計器
１における目盛板２の指針回転角度が直線状に変
換されて検出される。

なお、前記の実施例においては、指針４の中心
部上に設ける発光手段として、投光用光フアイバ
ー９とその先端に接続したロツドレンズ１０とを
用いたが、第５図に示す別の実施例のように、こ
の発光手段として、図示外の電源と導線１７を介
して接続された光電発光素子１６を用いるように
してもよい。

〔効果〕

この考案に係る検出機構では、指針の回転軸外
方から投光用光フアイバーもしくは光電発光素子
から投入される光を、指針上に設けたプリズムを
通して外側の環状に周設された受光用光フアイバ
ーに入射させるようにしたので、夫々の受光用光
フアイバーは専ら投光用光フアイバーもくは光電
発光素子から投入された光線のみを光位置センサ
ーに送ることとなり、反射手段として指針上にア
ルミ箔を設けた従来のこの種の装置のように、こ
の平坦なアルミ箔が計器外部からの光線を乱反射
することによる不確実な要素を含む光信号がセン
サー方向に送られるという外乱光による影響を防
止でき、更には、受光用光フアイバーを周設する
ため光フアイバーの形状が小さい利点から計測点
が連続的に可能となり、分解能を向上させること
で常に精度の高い正確なデータを検出することが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る指針回転角検出機構の構
成を示す計器の部分断面図、第２図は第１図の
−線における断面図、第３図は第１図に示した
受光用光フアイバーの他端側の構成を示す側面
図、第４図は第３図の−線における断面図、
第５図は発光手段として光電発光素子を用いた場
合の指針回転角検出機構の構成を示す計器の部分
断面図である。 １……計器、２……目盛板、３……回転軸、４
……指針、５……プリズム、６……保持枠、７ａ
……内側反射面、７ｂ……外側反射面、８……ア
クリル板、９……投光用光フアイバー、１０……
ロツドレンズ、１１……集光レンズ、１２……
LED、１３……受光用光フアイバー、１４……
光位置センサー、１５……取付け枠、１６……光
電発光素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 目盛板上を回転する指針の回転軸上方部分に、
   一端の内側反射面が前記回転軸と同軸線上に位置
   するプリズム又は同等の動作をする物を、保持枠
   を介して指針の長さ方向に添つて配置し、前記指
   針の外部同軸線上には、前記プリズムの内側反射
   面に向けて光線を導入する投光用光フアイバーも
   しくは光電発光素子を配置して、前記プリズムの
   他端の外側反射面上方部を含む一連の環状線上に
   は、夫々の受光端が位置するように前記投光用光
   フアイバーもしくは光電発光素子を中心とした多
   数本の受光用光フアイバーを環状に配列させ、該
   受光用光フアイバーの出力端側を前記の配列順に
   従つて直線状に並列して夫々の光位置センサー内
   に接続させたことを特徴とする計量用指針回転角
   の検出機構。