JPH0443700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、ガスオーブン用ガスバーナの改良に
関するものである。

【従来技術とその課題点】

燃焼管に列設されている炎口に添つて火移板が
取りつけてあり、該火移板は所要数に分割してあ
り、火移板間には空隙部が形成されており、火移
板間の空隙部には火移り連結板が配設してあるガ
スバーナは特開昭61−91420号で開示されている。
このガスバーナは燃焼管に取り付けてある火移板
の変形を防止する点において有効である。しか
し、炎口が火移板間の空隙部に来ると、その箇所
の燃焼用ガスが逃げる為、火移りに時間がかか
り、特に空気が多い燃焼用ガスの場合は火移り効
率の点で難点があることがわかつた。

【考案の目的】

そこで本考案の目的は、炎口が火移板間の空隙
部に来てもその箇所の燃焼用ガスを逃げにくくし
て、空気が多い燃焼用ガスの場合でも火移り効率
を良好にしたガスオーブン用ガスバーナを提供す
ることにある。

【考案の構成】

上記目的を解決するために講じた本考案の構成
は次の通りである。即ち本考案は、 燃焼管に列設されている炎口に添つて火移板が
取りつけてあり、該火移板は所要数に分割してあ
り、火移板間には空隙部が形成されており、火移
板間の空隙部には火移り連結板が配設してあるも
のにおいて、前記火移り連結板の両側縁には下方
に向けてガス保持突縁が形成され、ガス保持突縁
は前記炎口よりも張り出しているガスバーナであ
る。 なお、火移板の底面と火移り連結板の底部裏面
とが密着するようにすることは任意である。 作用・効果 燃焼管に火移板を取り付ける際に、炎口が火移
板間の空隙部に来てもガス保持突縁でその箇所の
燃焼用ガスは逃げにくくなる。したがつて空気が
多い燃焼用ガスの場合でも火移り効率は良好とな
る。 また、ガス火移板の底面と火移り連結板の底部
裏面とが密着するようにしたものは、火移板と火
移り連結板との間にガスが溜まらないので、不必
要な箇所での燃焼は起こらない。

【実施例】

本考案を図面に示した実施例に基づき更に詳細
に説明する。第１図は本考案の一実施例を示す分
解斜視図、第２図は火移板と火移り連結板を燃焼
管に取り付けた状態を示す端面図である。 ガスバーナは、先端が閉鎖されている円筒形状
の燃焼管１を有しており、燃焼管１の上面には多
数の炎口１０が二列平行に穿設してある。炎口１
０の先部Ａ側及び元部Ｂ側には、炎口１０の一部
に着火した火を炎口１０全体に着火できるように
する火回り炎口１１，１１ａが、二列平行に穿設
してある炎口１０を連結するようにして穿設され
ている。 燃焼管１の上面には、炎口１０前部に火が移る
のを助けるための火移板２が取り付けてある。 この火移板２は、元火移板２ａと中火移板２ｂ
と先火移板２ｃの三つに分割されている。なお、
火移板２の分割は三つに限定されるものではな
く、燃焼管１の長さやその他の条件によつて適宜
数に分割される。 元火移板２ａには、所要数の取着孔２０が穿設
されているが、取着孔２０のうち、元火移板２ａ
の元部Ｂ側は、元火移板２ａが膨張して伸びても
火回り炎口１１を塞がないように円形の固定孔２
３となつている。そして先部Ａ側の取着孔２４を
含むその他の取着孔２０は、元火移板２ａが膨張
することによつて長さが伸びようとする場合に、
ビス４０で取り付けられていてもその伸びを妨げ
ないように長孔となつている。 中火移板２ｂには、所要数の取着孔２０が穿設
されているが、取着孔２０のうち中央部の取着孔
２０は円形の固定孔２６となつている。 両端の取着孔２５，２７を含むその他の取着孔
２０は、中火移板２ｂが膨張することによつて長
さが伸びようとする場合に、この伸びを妨げない
ように長孔となつている。 先火移板２ｃにも、所要数の取着孔２０が穿設
されているが、先部Ａ側の取着孔２０は、先火移
板２ｃが膨張して伸びても火回り炎口１１ａが塞
がないように円形の固定孔２９となつている。 そして元部Ｂ側の取着孔２８を含むその他の取
着孔２０は、先火移板２ｃが膨張することによつ
て長さが伸びようとする際に、この伸びを妨げな
いように長孔となつている。 上記した元火移板２ａと中火移板２ｂと先火移
板２ｃとの間には、所要長さの空隙部５，５ａが
設けられており、元火移板２ａ、中火移板２ｂ、
先火移板２ｃが膨張したり、燃焼管１が変形する
際の変形を吸収できるようにされている。 しかし、この空隙部５，５ａが設けてあると火
移りが悪くなるため、空隙部５，５ａは火移り連
結板３ｃ，３ｄで覆われている。火移り連結板３
ｃ，３ｄの両側縁には下方に向けてガス保持突縁
３０が形成され、ガズ保持突縁３０は前記炎口１
０よりも張り出している。 火移り連結板３ｃの元部Ｂ側には円形の固定孔
３４が穿設されており、先部Ａ側には長孔の取着
孔３５が穿設されている。火移り連結板３ｄの元
部Ｂ側には長孔の取着孔３７が穿設されており、
先部Ａ側には円形の固定孔３８が穿設してある。 また、火回り炎口１１は着火板３ａで、火回り
炎口１１ａは火回り板３ｂで覆われて、それぞれ
火の回りが良くなるようにしている。 この着火板３ａの略中央には円形の固定孔３２
が穿設してあり、着火板３ａの先部Ａ側には着火
板３ａが膨張することによつて長さが伸びようと
する際に、この伸びを妨げないように長孔の取着
孔３３が穿設してある。また、火回り板３ｂの略
中央には円形の固定孔３９が穿設してある。 着火板３ａの両側部に比較的長い切欠部４１を
形成して着火板３ａと火移板２が膨張しても突き
当らないようにして変形するのを防止している。
また、理由ははつきりしないが着火孔６３に切欠
溝６４を形成すると着火の際に炎が炎孔１０に移
る速度が速くなる。 次に第１図を参照しながら、元火移板２ａ、中
火移板２ｂ、先火移板２ｃ、着火板３ａ、火回り
板３ｂ、火移り連結板３ｃ，３ｄと、燃焼管１と
の取り付け状態を説明する。 燃焼管１上には、元火移板２ａ、中火移板２
ｂ、先火移板２ｃが空隙部５，５ａを形成しなが
ら直列に配設される。この空隙部５，５ａを覆う
ようにして、元火移板２ａ、中火移板２ｂ、先火
移板２ｃの上に火移り連結板３ｃ，３ｄが載置さ
れる。更に、元火移板２ａの元部Ｂ側の上には着
火板３ａが、また、先火移板２ｃの先部Ａ側の上
には火回り板３ｂが、それぞれ一部が重なつた状
態で配設される。そうして固定孔３２、取着孔３
３と固定孔２３、固定孔３４と取着孔２４、取着
孔３５と取着孔２５、固定孔２６、取着孔３７と
取着孔２７、固定孔３８と取着孔２８、固定孔３
９と固定孔２９に夫々ビス４０が挿通され、夫々
の孔の下に穿設してある取着孔１２，１３，１
４，１５，１６，１７，１８，１９にねじ止めさ
れて元火移板２ａ、中火移板２ｂ、先火移板２
ｃ、着火板３ａ、火回り板３ｂ、火移り連結板３
ｃ，３ｄは燃焼間１に取り付けられる。この実施
例では火移板２の両端部は燃焼管１に固定された
状態となつている。しかし、ガス燃焼用バーナ装
置の構造によつては、両端部を含む火移板２全体
は、燃焼管１に可動状態に取り付けられていても
良い。つまり、火移板が所要数に分割され、火移
板間に空隙部が形成されて火移板の変形が防止で
きればよい。 なお、他の取着孔２０には、必要に応じてビス
４０と同じ止めビス（図示省略）が挿通され燃焼
管１にねじ止めされるものである。 上記構造によれば、ガスバーナに点火して燃焼
管１が膨張しても、元火移板２ａと中火移板２ｂ
と先火移板２ｃとの間に設けられている空隙部
５，５ａによつて、元火移板２ａと中火移板２ｂ
と先火移板２ｃの膨張あるいは収縮は吸収されて
火移板２全体は変形を起さない。 第３図は、火移板と火移り連結板の形状及び相
互関係の他の実施例を示す要部斜視図である。 火移板２ｃの底板５１には、底板５１の端部を
上方に折曲して段が設けられ、火移板２ｂの底板
５２の上に重なる火移り連結板５３が一体に形成
されている。火移り連結板５３の両側縁には下方
に向けてガス保持突縁３０が形成され、ガス保持
突縁３０は前記炎口１０よりも張り出している。
火移り連結板５３には長孔の取着穴５４が穿設さ
れている。また、底板５２には円形の固定穴５５
が穿設されている。そして火移板２ｂと火移板２
ｃは、火移板２ｂと火移板２ｃとの間に空隙部５
０を設け、ビス５６を取着穴５４と固定穴５５に
挿通して第１図に示している燃焼管１に取りつけ
られる。 本実施例では、火移り連結板５３は火移板２ｃ
の底板５１と一体に形成されているが、火移り連
結板５３を第１図に示すように別に作成してお
き、火移板２ｃに溶接等によつて取り付けても支
障はない。なお、本実施例では、火移板２ｃと火
移板２ｂの隣接箇所についてだけ説明したが、第
１図に示す火移板２ａと火移板２ｂとの間にも当
然適用されるし、火移板２を更に数多く分割した
場合は、それぞれの火移板間にも適用されるのは
いうまでもない。 本実施例の場合は部品点数も少なく、取りつけ
工程数も少ないので組立作業の効率が良い。 第４図は、他の実施例の火移り連結板を使用し
た状態を示す端面図である。本実施例における火
移り連結板３ｅは、中央部を凹ませた形状で、火
移板２への装着時、底部裏面が火移板２の底面に
密着する。これによると、火移板と火移り連結板
との間にガスが溜まらないので、不必要な箇所で
の燃焼は起こらない。 なお、本考案は本実施例に限定されるものでは
なく、実用新案登録請求の範囲の記載内において
数々の変形が可能である。

【考案の効果】

このように、本考案によれば火移り連結板の両
側縁には下方に向けてガス保持突縁が形成され、
ガス保持突縁は前記炎口よりも張り出している。
このため、燃焼管に火移板を取り付ける際に、炎
口が火移板間の空隙部に来てもガス保持突縁でそ
の箇所の燃焼用ガスは逃げにくくなる。したがつ
て空気が多い燃焼用ガスの場合でも火移り効率は
良好となる。 また、ガス火移板の底面と火移り連結板の底部
裏面とが密着するようにしたものは、火移板と火
移り連結板との間にガスが溜まらないので、前後
端部の隙間から炎がもれるようなことはなく、不
必要な箇所での燃焼は起こらない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は火移板と火移り連結板を燃焼管に取り付
けた状態を示す端面図、第３図は火移板と火移り
連結板の形状及び相互関係の他の実施例を示す要
部斜視図、第４図は、他の実施例の火移り連結板
を使用した状態を示す端面図である。 １……燃焼管、２……火移板、３ｃ，３ｄ，３
ｅ，５３……火移り連結板、１０……炎口、３０
……ガス保持突縁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 燃焼管に列設されている炎口に添つて火移板
   が取り付けてあり、該火移板は所要数に分割し
   てあり、火移板間には空隙部が形成されてお
   り、火移板間の空隙部には火移り連結板が配設
   してあるものにおいて、前記火移り連結板の両
   側縁には下方に向けてガス保持突縁が形成さ
   れ、ガス保持突縁は前記炎口よりも張り出して
   いることを特徴とするガスオーブン用ガスバー
   ナ。 ２ 火移板の底面と火移り連結板の底部裏面とが
   密着していることを特徴とする請求項１記載の
   ガスオーブン用ガスバーナ。