JPH0443180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内部に熱板で囲まれた被調理食品に対
する収容部を有する上蓋と下蓋とが互いに開閉で
き、取手部分を重合することで閉止し、該取手部
分又は本体部分に締付具を設けることで、取手の
固定が容易且つ確実にでき、しかも蓋の開放動作
は勿論のこと閉鎖動作についてもほとんど片手に
よるワンタツチ操作で行うことができる電気調理
器に関する。

〔従来の技術〕

従来、内部に発熱体を有する電気調理器、例え
ばホツトサンドメーカーとして、例えば第１図で
その基本の概略が示されるようなものがある。こ
の電気調理器であるホツトサンドメーカーは、上
蓋と下蓋からなり、両蓋は図中右方に位置する枢
軸部分で上下に開閉可能となり、その内部には側
端に一部が露出している上下２枚の熱板によつ
て、被調理食品を加熱調理するための収容部が設
けられている。この電気調理器を構成する上蓋並
びに下蓋は、それぞれ開閉可能に設定されている
が、前面には図例の如く取手を構成しており、該
取手は、例えば従来のものでは、第６図で示す如
き締付具で調理器内部に被調理食品としてのサン
ドイツチを収容した後、これを加圧固定するもの
である。第６図の締付具は、上蓋ａと下蓋ｂの取
手ｃの一方、図例のものにおいては上方のものに
先端内面には係止爪片ｄを有し、その基端には内
方へ一部を偏心膨出させた基部ｅを有する係止片
ｆを枢軸ｇで回動自在に枢着するとともに、前記
基部ｅの膨出部と他の部分との接触により係止爪
片ｄへ係合方向への弾性附勢力を与えるための金
属製バネ板ｈが設けられている。そして、他方の
取手ｃ、即ち図例の下蓋ｂの取手ｃ前面には前記
爪片ｄと係合する被係合部ｉが、例えば杆材を取
手ｃに設けることで設けられている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、このような従来のホツトサンドメーカ
ー等の調理器における締付具では、内部に被調理
食品を収容して、加圧閉止した後、締付具を係止
する為には取手ｃを加圧近接した状態で係止片ｆ
の爪片ｄを被係止部ｉに係合させる動作が必要と
なる。このため、取手ｃを開放させんとする反力
に抗して押さえておく動作と、係止片ｆの爪片ｄ
を被係止部ｉへ係合する作業が閉蓋と同時に必要
となるうえに、これら操作には必ず両手が必要と
なり、早朝の短時間でものごとを処理する必要な
状況下の機器の開閉動作としては手間がかかり、
その締付具の改良が望まれるとともに、従来の係
止片ｆに設けた爪片ｄでは一段であるため、例え
ば熱板間に収容するパンの厚みが厚くなるとこの
係止爪片ｄで係合する動作が困難になつたり、又
不可能になることがある。本考案は従来のこのよ
うな問題点を鑑み、これらを改良したものを提供
せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案にかかる電気調理器は、２枚の熱板を相
対向配置することで内部に被調理食品の収容部を
作成し、且つこれら熱板の外側にあつて前面に取
手を設けた２個の蓋を蓋背面の枢着部で回動自在
に枢着するとともに取手又は本体の一方には、先
端側内面に複数の爪片を鋸歯状に突設し、蓋を重
合、閉止した状態の両取手間に渡り合える長さを
有する係止片の基部を枢軸で回動自在に取付けて
なり、前記鋸歯状に突設した爪片は略水平に設け
た係止面と当該係止面と30°〜60°の角度をなした
傾斜面を有する構成となすとともに、係止片先端
部に枢支点下を越えて爪片突設方向へ与えられる
自重による変位力又はバネ等の弾性附勢手段で前
記係止片先端部を係合方向へ常時附勢させて、爪
片を当該係止片を枢着する枢軸下方の垂線よりも
係止方向へ張り出した状態に附勢位置を設定して
なり、取手又は本体の他方には前記係止片の爪片
と係合しうる被係止部を設け、爪片の傾斜面に沿
つて被係止部を係止面まで案内して係合させた後
の係止片と被係止部の係合関係で締付具を構成
し、両蓋閉止時の閉蓋締付けを可能にしたことを
特徴としている。また弾性附勢の限界位置を設定
するために、係止片の内面側に位置する取手適所
にストツパーを設けること等も採用される。

〔作用〕

以上のように、本考案にかかる電気調理器は、
締付具である係止片は、常に一方の取手又は本体
から他方の取手又は本体方向へ張り出し、そして
係止方向へ常に附勢した状態で係止爪片が被係止
部材方向へ向き、且つ係止位置よりも爪片先端が
より深い状態に設定して設けているので、単に閉
蓋するだけで、又は少し手で押すだけで係止片先
端の爪片は被係止部材に係合することができる
し、収容したサンドイツチ等の厚みが厚いときに
は係止爪片が複数あればその適宜な爪片を選択し
て係合することが可能となるのである。開蓋時の
係止片の解除は単に係止片の先端を解錠方向へ引
くだけで簡易に上蓋を下蓋から開放できる。また
係止爪片は略水平に設けた係止面と当該係止面と
30°〜60°の角度をなした傾斜面を有した構成であ
ることから、上蓋を押下げるだけで、爪片の傾斜
面に沿つて被係止部を円滑に案内して爪片をスム
ーズに乗り越えさせることが可能であり、したが
つて上蓋の閉鎖動作を上蓋を片手で押下げるだけ
で行うことができる。しかも爪片は複数設けら
れ、被係止部と爪片との係合動作は上から順番に
自動的に行われることから、サンドイツチ等の厚
みがやや厚い場合であつてもサンドイツチへの加
圧力を考慮しながら段階的に上蓋を閉止すること
ができる。そして、被係止部と爪片との係合は上
蓋を押下げるだけのワンタツチ操作によつて行う
ことができるから、上蓋の閉鎖動作を片手だけで
手軽に行うことができる。

〔実施例〕

本考案の詳細を更に図示した実施例により説明
する。第１図は本考案にかかる電気調理器の説明
用斜視図である。図中１が蓋で上蓋を構成し、ま
た２は蓋で下蓋を構成している。この上蓋１並び
に下蓋２は、第１図の調理器背面で互いに枢軸３
で枢着され、この軸体を回動中心として開閉可能
としている。上蓋１並びに下蓋２における図中４
は取手であり、この取手４の中央又は上蓋並びに
下蓋２における一方から他方へかけて設けた５が
締付具である。２つの取手４，４を互いに近接
し、締付具５を一方から他方へ係合することで、
取手４，４間の離反、即ち二つの蓋が開放するこ
とを防止して互いに閉止させるのである。図中６
は２枚の熱板で、この内部にはサンドイツチ等の
被調理食品を収容する収容凹部を有している。又
７は前方脚部、８は後方脚部である。

このような電気調理器における前記締付具５の
代表的使用状態が、第２図並びに第３図によつ
て、説明されている。即ち、第２図のものにおい
ては下蓋２に対し上蓋１を完全に閉止した状態の
使用例、又第３図は半開きの状態で閉止した状態
を示している。そこに示す締付具５の詳細は、第
４図並びに第５図によつて示されている。第４図
で示した締付具５は、図例の如く、取手４又は蓋
１，２の一方、図例のものでは上蓋１側に係止片
９を枢軸１０によりその基部１１で回動自在に枢
支し、遊動垂下状態で係止片９先端部が枢支点の
下方垂線を越えて、係止片９の下部表面に形成し
た爪片１３の突設方向へ、その自重による変位力
で張り出した状態に（第４図ａ参照）に設定して
おり、もつて爪片１３係止方向へ係止片９を常時
附勢した状態とし、その方向の爪片１３係合位置
にバー、突片等の被係止部１２を設けて、蓋１と
蓋２を互いに閉じることにより第４図ａの係止片
９先端が被係止部１２先端と接しながら下降し、
複数個突設した鋸歯状の爪片の適当なものと係合
し、閉蓋する。

係止片９は、その構造と枢支点の関係から、図
例の如く、全体が弧状をなし、上端の枢軸１０で
遊動自在に枢支したときに先端内側に位置する爪
片１３部分が枢支点下方の垂線より爪片突出方向
へ突出した状態即ち内方へ突出した状態に設定し
てなり下端は指係り部１４として被係止部１２へ
の係脱を容易となし、又爪片は、爪片上面に略水
平状態あるいはわずかの傾斜を与えて設けた係止
面１３ｂと当該係止面１３ｂと30°〜60°の角度を
なした傾斜面１３ａを設けた構成である。傾斜面
１３ａは被係止部１２を多段階に設けた爪片１３
に順次係合させる際し、各爪片１３を乗り越えさ
せるための案内部としての機能を有するものであ
り、その傾斜角度を係止面１３ｂに対して30°〜
60°に設定することにより案内が抵抗無くスムー
ズに行えるようにしている。なお、図中１６はス
トツパー部材である。以上の例は自重による変位
力で係止片に附勢力を与えていたがバネの強制弾
性で附勢した例を第５図によつて示す。第５図の
締付具５は、図例の如く係止片９の基端部には一
方の取手４に設けた枢軸１０に枢着するための基
部１１があり、先端内面には他方の取手４に設け
た被係止部１２への係止爪片１３が１個又は図例
の如く複数、例えば２個、前記第１実施例と同様
に設けている。このような係止片９が一方の取手
４又は本体に枢着され、又他方の取手４又は本体
には被係止部１２が設けられ、この間の係脱をす
ることにより、両蓋１，２の係合を可能とするも
のである。このとき係止片９には、図例１５とし
て示す弾性附勢手段、例えば巻きバネで常に図中
矢印の如く内面側、即ち係止爪片１３の係合方向
へ弾性附勢し、係止爪片１３の先端が図例の如く
枢軸１０の下方垂線よりも内方方向へ常に位置す
るように設定している。このような位置関係を設
定するため、弾性附勢手段１５と対向して移動最
終位置を決定する位置に想像線で示す如きストツ
パー１６を設ける。このようにすることで該締付
具５は、常に、その弾性附勢手段１５で係止方向
へ弾性附勢され、しかもストツパー１６等で最終
位置が規制されて、爪片１３先端が……枢軸１０
の下方垂線より内側へ位置した状態で設定されて
いることから、例えば第２図の下蓋２に対し上蓋
１を開放し、両熱板６，６間の図示しない被調理
食品収容部にサンドイツチを収容して両取手４，
４を近接することで、二つの蓋１，２は閉止さ
れ、内部に調理すべきサンドイツチをはさんだ状
態で閉止される。そして、取手４，４間では、前
記締付具５としての係止片９先端の爪片１３は、
常に内方方向、即ち係止方向へ弾性附勢された状
態であるので、図中の被係止部１２に爪片１３先
端が当たれば、自動的にそれぞれの爪片１３の山
は弾性附勢手段の附勢力に抗しながら爪片１３を
乗り越えて、第２図の如き係合関係が与えられ
て、両取手４，４が開放する方向への移動を規制
する。第３図は、前記収容部に収容したパンが厚
く熱板６，６で挾持したときの反力で一部開いた
状態を示しており、このときも係止片９先端は内
方へ弾性附勢されているから、爪片１３の傾斜面
１３ａの案内によつて単に両取手４，４を接近さ
せるだけで爪片１３先端は被係止部１２の山を乗
り越えて係合し、この爪片１３が複数段あるとき
には、介在させたパンによる反力に応じて適当な
間隔、即ち半開きの状態を作り出すことができる
のである。そして、調理後、この下蓋２に対して
上蓋１を開くときには、係止片９先端の指係り部
１４をもつて手前へ引けば、収容している被調理
食品で与えられる反力で上蓋１は自動的に上方へ
開く場合があるし、また反力がないときには係合
解除とともに一方の取手４を持ち上げれば、容易
に上蓋１を開くことができるのである。尚、図例
の如く本調理器の下蓋２下面に前方の脚部７と後
方の脚部８を設けておくことにより、水平に寝か
せた状態で本調理器の使用ができると同時に、第
２図並びに第３図で示す如く上蓋１並びに下蓋２
の背面に設けた枢着部３の後端縁の位置と後方脚
部８の後端縁の位置とが互いに同一平面上の位置
に設定したり、又図示しないがその背面に複数の
後方脚部又は単なる突起を複数個の支持面を形成
するようにして設けておけば、本電気調理器を支
持面積の少ない垂直状態に立起させて使用できた
り、又非使用時に空間をとらずに保管等すること
ができるのである。

〔考案の効果〕

以上のような本考案にかかる電気調理器は、以
下の効果を有する。

下蓋に対し上蓋を閉止した状態における係止
片の爪片位置を、当該係止片を枢着する枢軸下
方の垂線よりも係合方向へ張り出した状態に設
定して爪片を係合方向に常時附勢しているの
で、上蓋を単に片手で押下げるだけで、係止片
先端部に位置する爪片を被係止部に自動的に係
合させて上蓋と下蓋を閉止することができる。

係止片に設けた鋸歯状の爪片は略水平に設け
た係止面と当該係止面と30°〜60°の角度をなし
た傾斜面を有する構成となしたので、上蓋を押
下げるだけで、爪片の傾斜面に沿つて被係止部
を円滑に案内して爪片をスムーズに乗り越えさ
せることが可能である。しかも爪片は複数設け
られているから、上蓋を押下げるだけで被係止
部と爪片との係合動作を上から順番に一段ずつ
自動的に行うことが可能で、被調理食品の厚み
がやや厚い場合には被調理食品への加圧力を適
度に考慮しながら段階的に上蓋を閉止したり、
また被調理食品の厚みに応じて半開きの状態を
維持することにより、被調理食品への過剰加圧
力の印加を避けながら適度な加圧力を被調理食
品に加えることもできる。しかも爪片と被係止
部との係合は爪片傾斜部によつて確実に案内さ
れるから多段階中間位置での係合も確実に行わ
れ、且つその係合状態も安定している。そし
て、このような係止動作は単に上蓋を押下げる
だけで自動的になされるから、上蓋の閉止は片
手によるワンタツチ操作により行うことが可能
である。更に、上蓋の開放は、係止片をわずか
に外方へ引つ張るだけで一挙に行うことができ
るので開放動作も片手によるワンタツチ操作で
行うことができ、閉止及び開放の両方を片手に
よるワンタツチ操作によつて行うことができ
る。

とりわけ、自重による変位力で係止片下部が
被係止部方向へ張り出すように附勢されている
ときには多数の部品を必要とせず、構成簡単で
組み立て工数も減らすことが可能で、安価且つ
故障の少ない電気調理器を提供することができ
る。

また、係止片をバネで弾性附勢させたときに
は係止片の係合力が強くなるとともに、電気調
理器を載置する台が水平面でない場合にも片手
によるワンタツチ係合動作を保証することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる電気調理器であるホツ
トサンドメーカーの説明用斜視図、第２図並びに
第３図は使用状態の側面図を示す説明図、第４図
は締付具の第１実施例の要部説明図、第５図は締
付具の第２実施例の要部説明図、第６図は従来の
締付具に関する説明図である。 １……上蓋、２……下蓋、３……枢軸、４……
取手、５……締付具、６……熱板、７……前方脚
部、８……後方脚部、９……係止片、１０……枢
軸、１１……基部、１２……被係止部、１３……
係止爪片、１３ａ……傾斜面、１３ｂ……水平
面、１４……指係り部、１５……弾性附勢手段、
１６……ストツパー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ２枚の熱板を相対向配置することで内部に被
   調理食品の収容部を作成し、且つこれら熱板の
   外側にあつて前面に取手を設けた２個の蓋を蓋
   背面の枢着部で回動自在に枢着するとともに取
   手又は本体の一方には、先端側内面に複数の爪
   片を鋸歯状に突設し、蓋を重合、閉止した状態
   の両取手間に渡り合える長さを有する係止片の
   基部を枢軸で回動自在に取付けてなり、前記鋸
   歯状に突設した爪片は略水平に設けた係止面と
   当該係止面と30°〜60°の角度をなした傾斜面を
   有する構成となすとともに、係止片先端部に枢
   支点下を越えて爪片突設方向へ与えられる自重
   による変位力又はバネ等の弾性附勢手段で前記
   係止片先端部を係合方向へ常時附勢させて、爪
   片を当該係止片を枢着する枢軸下方の垂線より
   も係合方向に張り出した状態に附勢位置を設定
   してなり、取手又は本体の他方には前記係止片
   の爪片と係合しうる被係止部を設け、爪片の傾
   斜面に沿つて被係止部を係止面まで案内して係
   合させた後の係止片と被係止部の係合関係で締
   付具を構成し、両蓋閉止時の閉蓋締付けを可能
   にしてなる電気調理器。 ２ 係止片の内面側に位置する取手適所にストツ
   パーを設け、係止片の係止方向への移動限界を
   設けてなる実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の電気調理器。