JPH0442565B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、溶融金属用容器等の加熱や乾燥に
用いる二段燃焼式のロングフレームバーナーに関
するものである。

（従来技術とその問題点） 溶鋼鍋などの溶銑、溶鋼容器を予熱、乾燥する
場合、容器底部まで均一に加熱する必要があり、
このため従来においては、火炎の長さを長くする
ロングフレームバーナーが開発されている。

このロングフレームバーナーは、実開昭57−
145103号等に提案されているように、燃焼用空気
Ａを一次と二次に分割して二段燃焼を行なうこと
により、燃料ガスＧの燃焼反応を遅らせ、火炎を
長くするように構成されている（第３図参照）。
ここで、空気Ａと燃料ガスＧの流速は、通常20〜
30m／ｓとし、遠方まで到達できるようにしてい
る。

しかしながら、溶鋼鍋等の加熱、乾燥では、予
熱時間の初期、中期、後期で燃焼条件を刻々と変
える必要があり、従来のロングフレームバーナー
においてガスや空気流量が変わると燃焼炎の長さ
も変わるという問題があり、特に低負荷で流速が
低下すると火炎が短くなる問題点がある。

例えば、溶鋼鍋の加熱、乾燥においては、通
常、耐火物の保護のために耐火物温度あるいは排
ガス温度管理を行なつており、上限の温度を上回
つた場合、燃焼量を減少させることになる。

この場合、定格負荷で適合している火炎の長さ
が、低負荷で短かくなり、燃焼熱が鍋底部まで到
達せず、鍋の底部が冷えてしまう。そのため、従
来においては、一定以下の流量低減は行なわず、
必要以上の燃焼を行なつているのが、一般であつ
た。

また、バーナーの噴出部断面を可変とし、燃焼
状態を調整可能にしようとするバーナーが特開昭
60−4704号などに提案されているが、燃料ガス、
一次空気、二次空気の一部であり、燃焼状態の微
調整用にすぎず、フレーム長さを調整することは
できなかつた。

この発明は、前述のような事情に鑑みて提案さ
れたもので、その目的は、負荷変動があつてもフ
レーム長さを調整でき、特に低負荷時においてロ
ングフレームを維持し得るロングフレームバーナ
ーを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明においては、 バーナー外管内に燃料ガス噴射管とバーナータ
イルを有する二段燃焼式のロングフレームバーナ
ーにおいて、燃料ガス噴射管、バーナー外管の先
端部をテーパ管とするとともに、バーナータイル
の内面、外面を前記テーパ管にそれぞれ対応した
テーパ面として、断面積可変の一次、二次空気噴
出孔を形成し、さらに燃料ガス噴射管の中心に流
量調整棒を配設さて断面積可変の燃料ガス噴出孔
を形成する。

そして、流量調整棒およびバーナータイルを、
それぞれの噴出孔の断面積が可変となるように軸
方向に移動可能となるように構成する。

（作用） 低負荷時においては、流量調整棒およびバーナ
ータイルを軸方向に移動させてそれぞれの噴出孔
の断面積を小さくして、流速の低下が生じないよ
うにする。これにより低負荷時においてもロング
フレームが維持される。

（実施例） 以下、この発明を図示する一実施例に基づいて
説明する。

第１図に示すように、これはロングフレームバ
ーナー１を取鍋１８の上蓋１９に下向きに取付け
た例である。ロングフレームバーナー１は、バー
ナー外管３の中心に燃料ガス噴射管２を配設し、
この燃料ガス噴射管２先端部とバーナー外管３先
端部との間に、リング状のバーナータイル４を設
置し、バーナー１の中央から燃料ガスＧが、バー
ナータイル４の内側から一次空気A₁が、外側か
ら二次空気A₂が噴出するように構成されている。

このような構成において、本発明では、燃料ガ
ス噴射管２の先端部を先細りのテーパ管２Ａ、バ
ーナー外管３の先端部を未広がりのテーパ管３Ａ
とするとともに、バーナータイル４の内面、外面
をテーパ管２Ａ，３Ａに対応したテーパ面４Ａ，
４Ｂとして先細リング状の一次空気噴出孔５、末
広リング状の二次空気噴出孔６を形成する。

さらに、燃料ガス噴射管２の中心に、先端にテ
ーパ部７Ａを有する流量調整棒７を配設して先細
リング状の燃料ガス噴出孔８を形成し、この燃料
ガス噴出孔８の断面積が可変となるように流量調
整棒７を軸方向に移動可能とする。

また、バーナータイル４も、一次、二次空気噴
出孔５，６の断面積が可変となるように軸方向に
移動可能とする。

流量調整棒７およびバーナータイル４に接続さ
れた伝達軸９が軸受１０，１１により回転自在に
支持され、サーボモーター１２，１３によりねじ
部材を回転されることにより流量調整棒７および
伝達軸９が軸方向に移動するように構成されてい
る。なお、バーナータイル４は、キー１４とキー
溝１５により軸方向に移動自在に支持されてい
る。

また、取鍋１８内の雰囲気温度を温度計１６に
より測定し、検出信号に基づいて温度制御器１７
によりサーボモーター１２，１３を制御する。

以上のような構成において、先細の燃料ガス噴
出孔８により燃料ガスＧが比較的速い噴出速度で
噴出され、先細の一次空気噴出孔５からの一次空
気A₁と比較的早期に混合される。末広の一次空
気噴出孔６からの二次空気A₂は比較的遠方まで
達し、ロングフレークが得られる。

低負荷時には、流量調整棒７を下方へ移動させ
るとともに、バーナータイル４を上方へ移動さ
せ、噴出孔５，６，８の断面積を小さくして流速
の低下が生じないようにする。これにより低負荷
時において流量が低下しても定常状態のロングフ
レームが維持される。

また、このような制御は温度計１６からの測定
値、昇温速度に基づいて調整棒７およびバーナー
タイル４を温度制御器１７により駆動して噴出孔
断面積を調整することにより、自動的に行なわ
れ、噴出速度が略一定に保持される。

次に、具体的数値例をあげる。

これは、 定格負荷 460万Kcal／Ｈ 燃料ガス コークス炉ガス（4600Kcal／Ｎm³） の溶鋼鍋予熱用バーナーにおいて、定格負荷時、
ガス空気吐出流速30m／ｓで設計されたもの（一
次：二次空気＝30％：70％）でテストした例であ
り、低負荷時の可視火災長は第２図に示すとおり
となり、従来に比較してロングフレームが低負荷
でも維持されることがわかる。

また、同時に従来のターンダウン比１／10が
１／30まで可能となり燃料比の消滅が可能とな
る。

（発明の効果） 前述のとおり、この発明によれば、二段燃焼式
ロングフレームバーナーにおいて、燃料ガス、一
次、二次空気の噴出孔の断面積をテーパにより可
変となるように構成したため、低負荷時において
も流速低下を抑えることができ、ロングフレーム
を維持でき、また負荷変動があつても略一定のロ
ングフレームを維持できる。

これにより、容器全体を十分に加熱、乾燥する
ことができるとともに消費燃料の消滅を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係るロングフレームバー
ナーを示す概略断面図、第２図は燃焼負荷と可視
火炎長の関係を示すグラフ、第３図は従来のロン
グフレームバーナーを示す概略断面図である。 １……ロングフレームバーナー、２……燃料ガ
ス噴射管、２Ａ……先細りのテーパ管、３……バ
ーナー外管、３Ａ……末広がりのテーパ管、４…
…バーナータイル、４Ａ，４Ｂ……テーパ面、５
……一次空気噴出孔、６……二次空気噴出孔、７
……流量調整棒、７Ａ……テーパ部、８……燃焼
ガス噴射管、９……伝達軸、１０，１１……軸
受、１２，１３……サーボモーター、１４……キ
ー、１５……キー溝、１６……温度計、１７……
温度制御器、１８……取鍋、１９……上蓋。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ バーナー外管の中心に配設された燃料ガス噴
   射管から燃料ガスを噴出させ、前記燃料ガス噴射
   管とバーナー外管との間に配設したバーナータイ
   ルの内側、外側から一次空気、二次空気をそれぞ
   れ噴出させてなる二段燃焼式のロングフレームバ
   ーナーにおいて、 燃料ガス噴射管、バーナー外管の先端部をテー
   パ管とするとともに、バーナータイルの内面、外
   面を前記テーパ管にそれぞれ対応したテーパ面と
   して一次空気噴出孔、二次空気噴出孔を形成し、 前記燃料ガス噴射管の中心に流量調整棒を配設
   して燃料ガス噴出孔を形成し、この燃料ガス噴出
   孔を断面積が可変となるように流量調整棒を軸方
   向に移動可能とし、 前記バーナータイルを、前記一次、二次空気噴
   出孔の断面積が可変となるように軸方向に移動可
   能としたことを特徴とするロングフレームバーナ
   ー。