JPH0441262Y2 - - Google Patents

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JPH0441262Y2
JPH0441262Y2 JP1987110011U JP11001187U JPH0441262Y2 JP H0441262 Y2 JPH0441262 Y2 JP H0441262Y2 JP 1987110011 U JP1987110011 U JP 1987110011U JP 11001187 U JP11001187 U JP 11001187U JP H0441262 Y2 JPH0441262 Y2 JP H0441262Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は揺動式圧縮機に係り、特にロータとプ
ラネツトプレートの相互間隙に介在させたスラス
ト軸受の取付構造に関するものである。
〔従来の技術〕
一般にカークーラー用の揺動式圧縮機の駆動は
外部のエンジン等により主軸を回転させることで
行なわれる。該主軸の一端には楔形のロータが固
定されている。ロータが回転すると、ピストンが
往復運動をなし、冷媒ガスの吸入圧縮作用を行な
う。冷媒ガスの圧縮時には、圧縮力が負荷として
ピストンに加わる。その圧縮力はロツドを通して
プラネツトプレートに伝わり、さらにロータをへ
てフロントハウジングに受けられている。
このような負荷にもかかわらずロータの回転を
円滑に行なうために、フロントハウジングとロー
タの間隙及びロータとプラネツトプレートの間隙
にはそれぞれスラスト軸受が介在している。これ
らのスラスト軸受の各々は、互いに対向した二つ
のリング状のスラストレースと、これらのスラス
トレースの間に介在したスラストニードルとを有
している。（例えば実公昭55−56215号公報参照）。
その場合、スラストレースの内周面には径方向
内側へ突出した複数の爪を設けている。一方、フ
ロントハウジング、ロータ、及びプラネツトプレ
ート等の取付対象物には、スラストレースの内側
に嵌合した部分の外周面に溝を形成している。そ
してスラストレースを取付対象物に取付ける際、
スラストレースの爪を取付対象物の溝に嵌合させ
る。この結果、スラストレースの取付対象物に対
する回転は爪と溝との係合により阻止される。
〔考案が解決しようとする問題点〕
通常、レースの爪部は相手側溝に対し適当量の
遊びをもつてセツトされる。従つてレースは回転
方向に若干量のガタを有することになる。
ところで、揺動板式圧縮機においては、周知の
ように揺動板は回転阻止機構により自転を阻止さ
れ、揺動運動成分のみ伝達される。その場合に使
用される回転阻止機構は一種の角運動変換機構で
あり、完全に等角加速度の運動変換特性を持つも
のは実現し難い。従つて主軸の回転数が高くなる
と、この不等速性から揺動板に回転方向の遅れ進
みの変動トルクが生じる。この変動トルクはガス
圧縮で生ずるトルク変動分に重畳されてトルク変
動を起す。このトルク変動がある値を超えると、
回転方向の振動が生じる。この振動の振幅は回転
阻止機構の遊び量によつて決定される。さらにそ
の振動の伝達過程で上記スラストレースの爪の遊
び部においても回転方向の振動が生じる。結果と
して、スラストレースは爪と溝のスキマ分を激し
く振動し、溝と爪との衝突をくりかえす。
通常、スラストレースはその用途上、鋼にて作
られており、相手材、即ち、取付対象物は軽量化
のためにアルミ合金にて作られている。このため
上述の振動が発生すると、爪は相手材にくいこ
み、長時間運転すると爪が溝を完全に喰いちぎる
か、爪の破損が生ずるという重要な問題が生じる
おそれもある。
このような傾向は特に回転阻止機構の不等速性
の大きいものほど顕著であり、例えば、傘歯車の
組合せによるよりも、プラネツトプレート外周に
設けたスライダとケース側に設けたガイドレール
とによる回転阻止機構の方が激しい。最近の容量
可変型の揺動式圧縮機においては、後者の回転阻
止機構が必要であるため、特に高速で高負荷運転
される時に耐久上大きな問題となつている。又、
このような状態では、爪の衝突運動による騒音も
大きく、それへの対策が必要であつた。
それ故に本考案の課題は、レース部が全く自由
度のない（ガタの全くない）状態で取付対象物に
装着されることにより、この部分での回転方向振
動を抑制して耐久上及び騒音上の改善を計つた揺
動式圧縮機を提供することにある。
本考案の他の課題は、プラネツトプレートの不
等速運動にもとづくスラストレースの回転方向の
振動を回避した揺動式圧縮機を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本考案によれば、フロントハウジングに回転可
能に主軸を支持し、該主軸のクランク室内の端部
にクサビ形ロータを取付け、該ロータを上記フロ
ントハウジングの内面にスラストニードル軸受を
介してスラスト支持し、上記ロータの傾斜面上に
相対回転可能に支持されたプラネツトプレートを
介してピストンを往復動させるようになし、かつ
上記プラネツトプレートとの間にそれぞれ、リン
グ状のスラストレースとスラストニードルとを有
するスラスト軸受を介在させた揺動式圧縮機にお
いて、上記スラストレースの内周面あるいは外周
面に複数個の切欠きを設ける一方、上記プラネツ
トプレートには上記切欠きを埋める凸部をカシメ
により形成したことを特徴とする揺動式圧縮機が
得られる。
〔実施例〕
以下本考案を実施例に示す図面によつて説明す
る。
第１図は本考案の一実施例による揺動式圧縮機
を示している。第１図において、１は一端に複数
個のシリンダー２を有するシリンダーブロツク
１′を内包した円筒状ケーシングである。円筒状
ケーシング１のシリンダーブロツク１′側の端部
は弁板３及び吸入室５と吐出室６を形成したシリ
ンダーヘツド４によつて閉塞し、他方端は中央部
に主軸７を支持したフロントハウジング８で閉塞
している。
フロントハウジング８の中央部にはラジアルニ
ードルベアリング９を配し、ここに支持する主軸
７のラジアル方向の負荷を受けて主軸７の回転を
円滑に行なわせる。主軸７の内端には楔形のロー
タ１０を嵌着固定させる。ロータ１０の傾斜面に
対向して、プラネツトプレート１１を配する。プ
ラネツトプレート１１の中央部には傘歯車１２が
固着されている。傘歯車１２はシリンダーブロツ
ク１の中央孔に固定された歯数の等しい傘歯車１
３と噛合つている。こうしてプラネツトプレート
１１の回転を阻止している。この結果、プラネツ
トプレート１１はロータ１０の回転に応じて揺動
を行なう。なお、傘歯車１及び１３間には鋼球１
４が介在している。
プラネツトプレート１１にはロツド１５を介し
てピストン１６が接続されている。ピストン１６
はプラネツトプレート１１の揺動に応じてシリン
ダー２内を往復運動する。
さらにフロントハウジング８とロータ１０との
間には第１のスラスト軸受２１が備えられてい
る。またロータ１０とプラネツトプレート１１と
の間には第２のスラスト軸受２２が備えられてい
る。
第１のスラスト軸受２１は、互いに対向した二
つのリング状のスラストレース２３，２４と、こ
れらのスラストレース間に介在した多数のスラス
トニードル２６とを含んでいる。一方のスラスト
レース２３はフロントハウジング８に取付けられ
る。他方のスラストレース２４はロータ１０に取
付けられる。なお第１のスラスト軸受２１の内側
にはガイドリング２７が配されている。このガイ
ドリング２７はフロントハウジング８に固定され
たものである。
第２のスラスト軸受２２は、互いに対向した二
つのリング状のスラストレース２８，２９と、こ
れらのスラストレース間に介在した多数のスラス
トニードル３１とを含んでいる。一方のスラスト
レース２８はロータ１０に取付けられる。他方の
スラストレース２９はプラネツトプレート１１に
取付けられる。なお第２のスラスト軸受２２の内
側にはガイドリング３２が配されている。このガ
イドリング３２はロータ１０に固定されたもので
ある。
次に第２のスラスト軸受２２のスラストレース
２９をプラネツトプレート１１に固定する構造に
つき、第２図乃至第４図を用いて説明する。
まずスラストレース２９の内周面には、第２図
に示すように複数の切欠き３３を円周方向で互い
に等間隔をおいて形成する。このスラストレース
２９をプラネツトプレート１１の隆起部３４の外
側に嵌合させる。そして第３図に示すように隆起
部３４には切欠き３３を埋める凸部３６をカシメ
加工により形成する。この結果、カシメ加工によ
り形成された凸部３６が切欠き３３に係合し、ス
ラストレース２９をプラネツトプレート１１にし
つかりと固着することになる。
この場合、カシメ加工は第４図に示すようにカ
シメ工具３７を矢印３８で示すようにプラネツト
プレート１１の隆起部３４に突当てることで行な
われる。なお３９は、カシメ加工の結果として生
じたへこみを示す。
これによると、スラストレース２９がプラネツ
トプレート１１にしつかりと固着されているの
で、プラネツトプレート１１の不等速運動にもと
づくスラストレース２９の回転方向の振動は確実
に回避される。またカシメ加工は、複数箇所で同
時にかつ同一の工具を用いて行なうことができ
る。
上述の構造は第１図に示したタイプの揺動式圧
縮機に限らず、第５図に示した可変容量タイプ
等、他の種の揺動式圧縮機にも同様に実施でき
る。
なお切欠き３３をスラストレース２９の外周面
に設けても同様な効果を得ることができる。
また上述では、特定のスラストレース２９をプ
ラネツトプレート１１に固定する場合につき説明
したが、他のスラストレース２３，２４，２８、
についても同様な構造によつて固定が可能なこと
はいうまでもない。
〔考案の効果〕
以上説明したように、本考案によれば、不等速
運動を行なうプラネツトプレートに固定されるス
ラストレースの回転方向の振動を確実に回避した
揺動式圧縮機が得られる。またそのスラストレー
スをプラネツトプレートに固定する作業も、カシ
メ加工により簡単に実施され得る。さらにスラス
トレースにその回転を阻止するための特別な出張
部を設けることは不要なためスラストレースの重
量を軽減でき、それ加えて、スラストレースの内
周面あるいは外周面に複数個の切欠きを設けるこ
とによつてもスラストレースの重量の軽減が計ら
れており、したがつてスラストレースの軽量化が
可能なためプラネツトプレートの不等速運動に対
する悪影響を低減できる。またスラストレースに
設けた複数個の切欠きをプラネツトプレートのカ
シメにより形成した凸部で埋める構造であるた
め、スラストレースの回転止めを重量の増加を伴
うことなく多数箇所に設けることが可能であり、
したがつて安定した回転方向保持力を提供でき
る。その上、回転阻止に寄与する複数個の切欠き
はスラストレースの内周面あるいは外周面に設け
たものであるため、スラストレースの加工がきわ
めて容易である。
【図面の簡単な説明】
第１図は本考案の一実施例による揺動式圧縮機
の縦断面図、第２図は第１図の揺動式圧縮機に使
用されたスラストレースの正面図、第３図は第２
図のスラストレースを取付けたプラネツトプレー
トの正面図、第４図はスラストレースをプラネツ
トプレートに取付ける作業の説明図、第５図は他
の実施例による揺動式圧縮機の縦断面図である。 ８……フロントハウジング、１０……ロータ、
１１……プラネツトプレート、２３，２４，２
８，２９……スラストレース、２６，３１……ス
ラストニードル、３３……切欠き、３６……凸
部、３７……カシメ工具。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. フロントハウジングに回転可能に主軸を支持
    し、該主軸のクランク室内の端部にクサビ形ロー
    タを取付け、該ロータを上記フロントハウジング
    の内面にスラストニードル軸受を介してスラスト
    支持し、上記ロータの傾斜面上に相対回転可能に
    支持されたプラネツトプレートを介してピストン
    を往復動させるようになし、かつ上記ロータと上
    記プラネツトプレートとの間に、リング状のスラ
    ストレースとスラストニードルとを有するスラス
    ト軸受を介在させた揺動式圧縮機において、上記
    スラストレースの内周面あるいは外周面に複数個
    の切欠きを設ける一方、上記プラネツトプレート
    には上記切欠きを埋める凸部をカシメにより形成
    したことを特徴とする揺動式圧縮機。
JP1987110011U 1987-07-20 1987-07-20 Expired JPH0441262Y2 (ja)

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