JPH0440091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、加熱源としてのヒータに備えたヒー
タ付電子レンジ等の調理器に関する。

〔従来の技術〕

通常、庫内にヒータを配設した調理器、たとえ
ばヒータ付電子レンジにあつては、ヒータが調理
庫内の上部空間に配置されることから、該ヒータ
に熱による天板への影響を抑制する必要があり、
このため、天板とヒータとの間に耐熱性の保護カ
バーが設けられる。

一方、この保護カバーは、庫内の被調理物より
飛散する油滴や煙等による天板の汚損を防止する
ように機能するが、保護カバー自信の汚れを除去
するために、該カバーは着脱自在とされる。

第７図ないし第９図は、この種従来の調理器を
示しており、調理器本体１に形成された前記開口
を有する調理庫２内において、底部に被調理物を
載置するターンテーブル３が、上部にヒータ４が
それぞれ配設されると共に、調理庫２の天板５と
ヒータ４との間に水平な平板状の耐熱性保護カバ
ー６が着脱自在に設けられている。

前記調理庫２内の左右側壁には、天板５とヒー
タ４との間の同一水平位置における前後にそれぞ
れレール部材７が固設され、各レール部材７の前
後及び左右内方に開口した溝８にカバー６を抜差
自在に挿入することにより、カバー６が合計４個
のレール部材７により支持される構成になつてい
る。

このレール部材７の溝８は、カバー６の抜差を
円滑にするため、カバー６の厚みより大きい上下
幅に形成されており、さらに、カバー６の前縁
は、その引抜きの際の操作性を考慮して上方へ折
曲されている。

なお、９は調理庫２の前面開口を開閉自在に閉
塞したドアである。

また、従来では、第１０図以下の図面に示すよ
うに、調理庫２内に水平に支持された保護カバー
６′が前方へ容易に抜出てしまわないようにした
ものがある。

これは、調理庫２内の左右側壁における前部の
レール７′の上下幅の大きい溝８′を形成すると共
に、溝８′の下面の最前部にストツパ１０を突設
し、前縁に折曲部を有さない平板状保護カバー
６′の前方への抜けをストツパ１０により阻止す
るようにしたものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来の調理器では、保護カバー６，
６′の装着時、カバー６，６′の後縁を前部のレー
ル部材７，７′の溝８，８′に通した後、カバー
６，６′を押込んで挿入していくが、このカバー
６，６′の押込みに伴ない、第９図及び第１１図
に示すように、カバー６，６′の自重によりカバ
ー６，６′の後部が下方へ傾き、後部のレール部
材７の溝８に挿入することができなくなる。

このため、カバー６，６′の後部を押上げて支
えながらカバー６，６′を押込んでいく必要があ
り、作業性が悪い欠点を有している。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に留意してなされたものであり、その目的とす
るところは、保護カバーの調理庫内への挿入が自
重による下方への傾きを生じることなく簡単かつ
確実に行える調理器を提供しようとするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するための本考案の構成を、実
施例に対応する第１図を用いて説明する。

本考案による調理器は、前面に開口を有する調
理庫２内に配設されたヒータ４と、前記調理庫２
内の左右側壁の前記調理庫２の天板５と前記ヒー
タ４との間の同一高さの位置にそれぞれ固設され
前後及び内方に開口した溝８，１２を有する複数
個のレール部材７，１１と、該各レール部材７，
１１の溝８，１２に前方より抜差自在に挿入され
前記各レール部材７，１１により支持された水平
な耐熱性保護カバー６とよりなり、最前位置の左
右の前記レール部材１１のそれぞれの溝１２の前
部上面及び後部下面に、下方への凸部１３及び上
方への凸部１４をそれぞれ形成すると共に、前部
の前記凸部１３の下面と後部の前記凸部１４の上
面との間の上下方向の距離を前記保護カバー６の
厚みに等しくしたことを特徴としている。

〔作用〕

保護カバー６を調理庫２内に装着するに際し、
カバー６の後部両側を最前位置の両レール部材１
１のそれぞれの溝１２に挿入し、カバー６を後方
へ押込んでいく。

前記両レール部材１１の溝１２には前部の下方
への凸部１３及び後部の上方への凸部１４が形成
されているので、カバー６の挿入初期において、
該カバー６を斜め上方に向けて挿入すれば、挿入
操作が容易となる。

そして、カバー６の押込みの進行に伴ない、カ
バー６の自重によりその後部が下方へ下がろうと
すると、前記両レール部材１１の前部の凸部１３
と後部の凸部１４とが上，下よりカバー６を支え
るので、カバー６は水平状態に保持され、このま
まカバー６の押込みを続けることにより、カバー
６の後部両側が後方のレール部材７の溝８に挿入
され、非常に簡単にカバー６をヒータ４と天板５
との間に水平に配置することができる。

〔実施例〕

つぎに、本考案の実施例を第１図ないし第６図
を用いて説明する。なお、従来と同一記号は同一
もしくは相当するものを示すものとする。

まず、第１の実施例を示した第１図及び第２図
について説明する。

従来と異なる点は、調理庫２の左右側壁におけ
る最前位置のレール部材１１であり、該レール部
材１１の前後及び内方に開口した溝１２におい
て、その前部上面に山状に下方へ突出した凸部１
３を形成すると共に、後部下面に山状に上方へ突
出した凸部１４を形成し、両凸部１３，１４の頂
点間の上下方向の距離を保護カバー６の厚みに等
しくした点である。

このレール部材１１の後部の凸部１４の上面
は、後方のレール部材７における溝８の下面と同
一高さになつている。

したがつて、カバー６の後部両側を両レール部
材１１のそれぞれの溝１２に前方より挿入したの
ち、カバー６を後方へ押込んでいくと、カバー６
は両レール部材１１における両凸部１３，１４に
より水平状態に保持され、後部が自重により下方
へ傾くことなく、後方レール部材７の溝８に挿入
される。

つぎに、第２の実施例を示した第３図ないし第
６図について説明する。

この実施例に示すものは、調理庫２内の左右側
壁の最前位置の両レール部材７において、溝１２
の後部下面を上方へ傾斜した台形状とすると共に
その上辺に矩形状の凸部１４′を形成し、他方、
保護カバー６の前部両側に該カバー６の挿入完了
前に前記凸部１４′が嵌まり込む切欠き１５を形
成したものである。

この場合、レール部材７における前部の凸部１
３と後部の凸部１４′とのそれぞれの頂点間の上
下方向距離がカバー６の厚みに等しく形成され、
溝１２の前記台形状上辺が後方レール部材７の溝
８の下面と同一高さに形成されている。

したがつて、第１の実施例の場合と同様に、カ
バー６をほぼ水平状態で簡単かつ確実に挿入でき
るうえ、第６図に示すように、カバー６の挿入完
了位置で切欠き１５に凸部１４′が嵌まり込むか
ら、カバー６を位置決めでき、その前後のがたつ
きを防止することができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の調理器による
と、調理庫の点板とヒータとの間に保護カバーを
支持する複数個のレール部材において、最前位置
のレール部材の溝の前部上面及び後部下面にそれ
ぞれ凸部を形成するようにしたので、保護カバー
をその挿入過程で自重により下方へ傾くことなく
水平に保持でき、保護カバーをその押込みだけで
各レール部材の溝の円滑に挿入することができる
ものであり、保護カバーの着脱操作が極めて容易
となり、作業性が良好になるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案の調理器の実施例
を示し、第１図及び第２図は第１の実施例におけ
る概略側面図及び要部の切断側面図、第３図ない
し第６図は第２の実施例の要部を示し、第３図は
切断平面図、第４図は第３図の一部拡大図、第５
図及び第６図は保護カバーの挿入時及び挿入完了
時の切断側面図、第７図以下は従来の調理器を示
し、第７図は概略側面図、第８図は一部の正面
図、第９図は保護カバーの挿入時の一部の切断側
面図、第１０図及び第１１図はそれぞれ異なる状
態の一部の切断側面図である。 ２……調理庫、４……ヒータ、５……天板、６
……保護カバー、７，１１……レール部材、８，
１２……溝、１３，１４，１４′……凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 前面に開口を有する調理庫内に配設されたヒー
   タと、前記調理庫内の左右側壁の前記調理庫の天
   板と前記ヒータとの間の同一高さの位置にそれぞ
   れ固設された前後及び内方に開口した溝を有する
   複数個のレール部材と、該各レール部材の溝に前
   方より抜差自在に挿入され前記各レール部材によ
   り支持された水平な耐熱性保護カバーとを備えた
   調理器において、 最前位置の左右の前記レール部材のそれぞれの
   溝の前部上面及び後部下面に、下方への凸部及び
   上方への凸部をそれぞれ形成すると共に、前部の
   前記凸部の下面と後部の前記凸部の上面との間の
   上下方向の距離を前記保護カバーの厚みに等しく
   形成してなる調理器。