JPH04371217A - 同位体分離方法及び装置 - Google Patents

同位体分離方法及び装置

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JPH04371217A
JPH04371217A JP15190591A JP15190591A JPH04371217A JP H04371217 A JPH04371217 A JP H04371217A JP 15190591 A JP15190591 A JP 15190591A JP 15190591 A JP15190591 A JP 15190591A JP H04371217 A JPH04371217 A JP H04371217A
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向田 秀敏
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和則 塩田
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山本 仁美
Isao Imamura
功 今村
Motohisa Abe
素久 阿部
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、同位体分離方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】同位体分離の一つに、レーザ光を利用し
た方式がある。このレーザ光を利用した同位体分離は、
レーザ光を使用して同位体を選択的にイオン化し、該イ
オン化した同位体を、一の同位体と他の同位体とに電気
的に分離する方式である。
【0003】このようなレーザ光を利用した同位体分離
の一例として、例えば、Kurt D.Kerkele
y による米国特許明細書4,035,574 号で示
された発明がある。この特許又は他の公知化されている
レーザ光を利用した同位体分離の原理を以下説明する。 すなわち、複数種類の同位体を含む原料は、原料容器に
収納される。この原料に対して、電子銃から発射された
電子ビームが連続的に照射される。電子ビームの照射を
受けた原料は、高温に加熱される。高温に加熱された原
料は、溶融状態になって蒸発する。これにより、同位体
の蒸気流が連続的に生成されることになる。この蒸気流
に対して、回収すべき特定の同位体のみが選択的に励起
され得るべく選ばれたレーザ光が照射される。また回収
すべき特定の同位体には、さらに電離用レーザ光が照射
される。そうすると、電離用レーザ光が照射された特定
の同位体は、電子を放出して正電荷を有するイオン化同
位体となる。このイオン化同位体である蒸気流は、陽電
極と陰電極との間に形成された電界空間を通過する。こ
の通過の際に、イオン化同位体のみが陰電極の表面に偏
向され、吸着回収される。一方、イオン化されない同位
体等の中性原子は、電界の影響を受けずに電極間を直進
し、電極を通過したところに配設した蒸気回収板により
回収される。
【0004】しかし、このような従来のレーザ光を利用
した同位体分離においては、原料容器内に収納した原料
に対して電子ビームを照射して該原料を加熱蒸発させる
ものであるため、次のような問題点がある。
【0005】第1の問題点。加熱溶融した原料を保持す
るための原料容器は、当該容器を構成する材料の耐熱性
、耐食性などの制限から冷却する必要がある。このため
、必要な電子ビームエネルギーの量は、原料を溶融する
ためのエネルギー量と、原料容器の冷却によって失われ
るエネルギー量とが必要とである。この原料容器の冷却
によって失われるエネルギー量は、本来の目的には無関
係の無駄なエネルギーである。結局、エネルギーの有効
利用が図れていない、という問題がある。
【0006】第2の問題点。原料表面に入射した電子ビ
ームの一部は、原料表面において反射し、装置内に散逸
してしまう。このため、当該電子ビームの一部は、原料
の蒸発に寄与せず、エネルギーの有効利用が図れていな
い、という問題がある。
【0007】第3の問題点。電子ビームで原料を蒸発さ
せる場合、加熱により生成された蒸気と電子ビームとが
衝突することにより、当該蒸気はイオン化してしまう。 そして、イオン化した蒸気は、電極間へ流れ込む。この
ため、イオン化した蒸気は、レーザ光により電離された
特定同位体イオンと共に電界の作用で回収されてしまう
。これは同位体の分離度を低下させることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来のレ
ーザ光を利用した同位体分離にあっては、熱源としての
電子ビームにより、原料を蒸発させる方式を採用してい
るため、エネルギーロスが大きく、同位体の回収に関し
ても電子が悪影響を及ぼす等多くの問題があった。
【0009】そこで本発明の目的とするところは、エネ
ルギー効率の向上を図り得且つ高い分離度を達成する同
位体分離方法及び装置を提供することにある。
【0010】また、本発明の目的とするところは、エネ
ルギー効率の向上を図り得且つ高い分離度を達成すると
共に、常に、原料の有効な活用と最適な分離条件で効率
的に同位体分離を行うことが可能な同位体分離装置を提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る方法発明
は、複数種類の同位体を含む線状原料、棒状原料、ワイ
ヤー及び溶融原料、ジェット流化原料の如き原料体を,
真空容器内に配置された電極の間に供給する第1ステッ
プと、この第1ステップにより供給された原料体に対し
て電流を流してジュール熱を発生させる第2ステップと
、この第2ステップにより発生された熱により前記原料
体を加熱蒸発させて蒸気流を生成する第3ステップと、
この第3ステップにより生成された蒸気流に対してレー
ザ光を照射して蒸気流中の特定の同位体のみを選択的に
イオン化する第4ステップと、この第4ステップにより
イオン化された同位体を,少なくとも電界及び磁界のう
ち少なくとも一方によって分離する第5ステップと、か
らなる。
【0012】請求項2に係る装置発明は、内部に複数の
電極を配置してなる真空容器と、複数種類の同位体を含
む線状原料、棒状原料、ワイヤー及び溶融原料、ジェッ
ト流化原料の如き原料体を前記電極間に供給する原料体
供給手段と、前記電極を介して前記原料体に電流を流す
ことにより加熱して前記原料体を蒸発させるための電源
と、前記原料体による蒸気流中の特定の同位体を選択的
にイオン化するべく当該蒸気流に対してレーザ光を照射
するレーザ光学系と、このイオン化した同位体に電界及
び磁界のうち少なくとも一方を印加して当該イオン化し
た同位体を分離するイオン分離手段と、を具備する。
【0013】請求項3に係る装置発明は、内部に複数の
電極を配置してなる真空容器と、複数種類の同位体を含
む線状原料、棒状原料、ワイヤー及び溶融原料、ジェッ
ト流化原料の如き原料体を前記電極間に供給する原料体
供給手段と、前記電極を介して前記原料体に電流を流す
ことにより加熱して前記原料体を蒸発させるための電源
と、前記原料体による蒸気流中の特定の同位体を選択的
にイオン化するべく当該蒸気流に対してレーザ光を照射
するレーザ光学系と、このイオン化した同位体に電界及
び磁界のうち少なくとも一方を印加して当該イオン化し
た同位体を分離するイオン分離手段と、前記電極の間に
おける原料体の残量を検出するセンサと、前記蒸気流に
照射されるレーザ光の光量及び強度のうち少なくとも一
方を検出するセンサと、前記蒸気流の密度を検出するセ
ンサと、これらセンサの出力に基づき前記原料体の供給
,前記電源の電圧の調整,前記蒸気流の密度低下を知ら
せる警報制御のうち少なくとも一つを行う制御手段と、
を具備する。
【0014】
【作用】請求項1に係る方法発明によれば、線状原料、
棒状原料、ワイヤー及び溶融原料、ジェット流化原料の
如き原料体に電流を流してジュール熱を発生させ、その
熱により当該原料体を加熱蒸発させて蒸気流を生成して
いるので、投入されたエネルギーの殆ど全てが蒸発のた
めのエネルギーとして有効に利用することができ、原料
体の蒸発効率を向上させることが可能となる。また、電
子ビームを使用していないので、電子と蒸気の衝突によ
るイオンの発生もなく、分離性能に優れたものとなり、
高い濃縮度で同位体を分離することができる。
【0015】請求項2に係る装置発明によれば、原料体
供給手段により線状原料、棒状原料、ワイヤー及び溶融
原料、ジェット流化原料の如き原料体を電極間に供給し
て電源により通電するだけで原料体が加熱蒸発するので
、原料体を保持するための原料容器を必要とせず、しか
も無駄なエネルギーの要因となる原料容器の冷却が不要
となり、装置の構成が非常に単純化できると共に長寿命
化を図ることが可能となり、信頼性の高い装置となし得
る。
【0016】請求項3に係る装置発明によれば、請求項
2に係る装置発明に加え、次のような作用を奏する。す
なわち、レーザ光の光量及び強度のうち少なくとも一方
が、所定値よりも小さい場合、蒸気密度は、照射すべき
レーザ光の光量及び強度のうち少なくとも一方に比較し
て高い状態となっており、このため分離されずに回収さ
れる同位の割合が増すので、前記電源の電流値を小さく
して原料体の蒸発量を低下させる。また、警報によって
も上述した状態を操作員に知らせ、最適化のための調整
を促するものとなる。これらにより、原料の有効な活用
と最適な分離条件で効率的に同位体分離を行うことが可
能とし得る。
【0017】
【実施例】以下本発明の好ましい実施例を図面を参照し
て説明する。先ず、第1の実施例装置を図1〜図4を参
照して説明する。図1及び図2において、円筒状の真空
容器10は、両端開口部が閉塞板12によりそれぞれ閉
塞されている。この真空容器10内には、円筒状の蒸気
回収板14が同軸的に配設されている。円筒状の蒸気回
収板14は、真空容器10内にあって想定される中心軸
から最も離れた位置に配置されている。この蒸気回収板
14の上部の開口部の近傍には、電極支持部材16が配
置されている。電極支持部材16の略中心部には、上部
電極18が配置されている。
【0018】また、蒸気回収板14の下部の開口部の近
傍には、電極支持部材20が配置されている。この電極
支持部材20の略中心部には、下部電極22が配置され
ている。これら上部電極18及び下部電極22は、該上
部電極18及び下部電極22に所定の大電流が流れて発
熱した場合であっても、該上部電極18及び下部電極2
2が溶融しないように、所定の高融点材料から作られて
いる。この高融点材料としては、後述する線状原料20
0がウラニウムの場合は、ウラニウムよりも融点が高く
且つ電気抵抗が小さいタングステン,モリブデン,イリ
ジウム等を採用することができる。
【0019】さらに、蒸気回収板14の内周部には、複
数個の電極板24が、その中心軸に対して放射状に配設
されている。さらに、電極板24の下方部には、特定同
位体回収容器26が設けられている。また、蒸気回収板
14の下方部には、回収容器28が設けられている。
【0020】また、ワイヤ供給機構30は、真空容器1
0の外部であって且つ上部閉塞板12の近傍に設けられ
ている。このワイヤ供給機構30は、ワイヤドラム32
及びワイヤ送り装置34からなる。ワイヤ送り装置34
は、ロール回転を利用した機械的送り装置、あるいは、
移動磁界と誘導電流との電磁気力により駆動力を発生す
るリニアモータを採用することができる。ワイヤドラム
32には、ワイヤの如き線状に形成された原料体である
原料200が巻取られている。
【0021】この線状原料200は、複数種類の同位体
を含むオリジナル原料に対して、所定の加工を施すこと
により細線状にしたものである。この線状原料200は
、ワイヤ送り装置34により真空容器10内に供給され
る。すなわち、上部閉塞板12の中心部には、ワイヤ導
入部36が形成されている。このワイヤ導入部36には
貫通孔が形成されている。従って、ワイヤ送り装置34
により付勢された線状原料200は、ワイヤ導入部36
の貫通孔を通って真空容器10内に送出される。ワイヤ
導入部36の貫通孔には、図面には示されない非接触形
真空シールが設けられている。この非接触形真空シール
は、磁性流体で真空をシールする如き手段を採用するこ
とができる。非接触形真空シールを使用する理由は、線
状原料200は、ワイヤ導入部36の貫通孔を高速で移
動するため、Oリング等の接触形の真空シールは使用で
きないからである。
【0022】また、真空容器10内に供給される線状原
料200は、ガイドローラ38によりガイドされること
により、上部電極18に形成された貫通孔を通して垂直
方向に移動し、その先端が下部電極22と接触する。
【0023】さらに、上部及び下部閉塞板12の周面部
には、各回収電極24間に対応させて窓40がそれぞれ
設けられている。この各窓40はガラス体42により閉
塞されている。従って、図示しないレーザ光発振源から
放出されるレーザ光44は、ガラス体42を透過して真
空容器10内に導入され得る。また、ガラス体42に対
応させて複数の反射鏡46がそれぞれ設けられている。 反射鏡38は、真空容器10の外部に配置されている。 これらの反射鏡46により、レーザ光44は、図9又は
図10に示すように、真空容器10にあって、次々に円
周方向又は径方向に反射を繰返すことになる。なお、真
空容器10内におけるレーザ光44の存在位置は、線状
原料200による蒸気流202が所定の蒸気密度になっ
ている状態にて、当該蒸気流202に対してレーザ光4
4が照射されるような関係となっている。
【0024】一方、電源48は、上部電極18と下部電
極22とに接続されている。この電源48は、上部電極
18及び下部電極22間が線状原料200により電気的
に接続されると、線状原料200に電流を流すためのも
のである。これにより線状原料200は、ジュール熱を
発生させる。線状原料200は、このジュール加熱によ
り蒸発され得る。
【0025】次に上述した第1の実施例の同位体分離装
置の作用について述べる。先ず、ワイヤ供給機構30に
より線状原料200が、真空容器10内に送り出される
。線状原料200は、ガイドローラ38により垂直方向
にガイドされる。線状原料200は、上部電極18の貫
通孔を通して高速移動する。
【0026】そして、線状原料200の先端が下部電極
22に接触する。これにより、電源48と、上部電極1
8と、線状原料200と、下部電極22とによる電気回
路が形成される。従って、電源48より線状原料200
に大電流を流すことができる。そうすると、線状原料2
00は、自らが有する電気抵抗によりジュール熱を発生
し、瞬時に加熱蒸発する。この蒸発した原料は、放射方
向に急速に拡散する蒸気流202となる。この時、図示
しないレーザ光発振源より放出されたレーザ光44は、
ガラス体42を通して真空容器10内に導入される。こ
のレーザ光44は、図9又は図10に示すように、反射
鏡46により反射されながら電極板24相互間を、次々
に円周方向又は径方向に反射を繰返すことになる。
【0027】蒸気流202は放射方向に進に従い膨脹す
る。従って、蒸気流202の密度は放射方向に進に従い
低下する。蒸気流202が所定の蒸気密度になっている
状態にて、当該蒸気流202に対してレーザ光44が照
射される。従って、レーザ光44が照射されると、蒸気
流202中の特定同位体のみが電離する。なお、線状原
料200は、通電により蒸気流202となるが、ガイド
ローラ38により真空容器10内に高速に供給され得る
。従って、電源48と、上部電極18と、線状原料20
0と、下部電極22とによる電気回路は実質的に常時形
成されることになる。
【0028】また、蒸気流202中の電離した特定電離
体は、電極板24によって発生される電界、磁界により
偏向加速されて電極板24の表面に付着する。電極板2
4に付着した特定同位体は、高温加熱により液化して下
部へ流れ、電極板24の下部に設置されている特定同位
体回収容器26に回収される。
【0029】さらに、蒸気流202から電離されなかっ
た中性原子は、電極板24の外周に配設された蒸気回収
板14の表面に付着する。この蒸気回収板14に付着し
た中性原子は、高温加熱により液化して下部へ流れ、蒸
気回収板14の下部に設置されている回収容器28に回
収される。このように回収された特定同位体及び中性原
子は、適切な形状に形成されて容器外に搬出される。
【0030】このように第1の実施例装置では、原料を
蒸発させるために電子ビームを使用せずに、線状原料2
00に電流を流してそのジュール熱により加熱蒸発させ
ているので、従来装置のように溶融した原料を保持する
ための原料容器及び原料容器を冷却するための冷却設備
が不要である。これにより、装置全体を簡単な構成にな
し得ると共に装置の寿命を長くできる。また、投入エネ
ルギーの殆どすべてを線状原料200を蒸発させるため
のエネルギーとして利用できる。
【0031】一方、電極板24を円周方向に360°の
全方位に配置できるため、蒸気流202の大部分が回収
部へ流入し利用することが可能となり、蒸気流202の
利用効率を高めることができる。さらに、電子ビームを
使用していないため、電子と蒸気流202との衝突によ
るイオンの発生もなく、特定同位体の分離性能を向上さ
せることができる。一方、本実施例においては、線状原
料200を供給する原料供給機構30を、真空容器10
の外部に配設しているので、線状原料200の追加は容
易であり、また、原料供給機構30の保守を容易に行な
える。
【0032】また、上部電極18及び下部電極22の材
質は、線状原料200に電流を流したときに生じるジュ
ール熱よって溶融しない所定の高融点材料であって、ま
た、線状原料200がウラニウムの場合は、ウラニウム
よりも融点が高く且つ電気抵抗が小さいタングステン,
モリブデン,イリジウム等であるから、上部電極18及
び下部電極22における発熱は前記ジュール熱よりも低
いものとなる。従って、熱による上部電極18及び下部
電極22の損傷は低く抑えることができ、長寿命化が図
られる。
【0033】次に本発明の第1の実施例装置の変形例に
ついて説明する。すなわち、図1及び図2に示す実施例
では、高融点材料の固体金属で作られた上部電極18を
採用した。この理由は、電極の消耗や抵抗を低減するた
めである。従って、同じ理由から、上部電極18及び下
部電極22のうち少なくとも一方を液体金属である溶融
金属にて構成することができる。この場合、上部電極1
8及び下部電極22のうち少なくとも一方の電極材料は
、蒸発させる線状原料200と同じ材料を用い、予め融
点以上に加熱して溶融した状態で使用されるものである
【0034】このように上部電極18及び下部電極22
のうち少なくとも一方を溶融金属にて作ることにより、
線状原料200は、当該溶融金属によく濡れるため、接
触抵抗も少なく、溶融金属である上部電極18及び下部
電極22における損失が少なくなる。この場合、溶融金
属である上部電極18及び下部電極22の一部は、加熱
されて蒸発することもある。しかし、当該溶融金属であ
る上部電極18及び下部電極22と線状原料200とは
同じ材質であるため、不純物とはならない。しかも、溶
融金属は、線状原料200と電極との間に存在する隙間
から下部へ少し洩れることがあるが、溶融金属は線状原
料200と同じ材質なので何等問題は生じない。
【0035】また、溶融金属である上部電極18及び下
部電極22の一部は、蒸発する。しかし、線状原料20
0から生じる蒸気流202の一部は、溶融金属である上
部電極18及び下部電極22に付着するため、当該溶融
金属である上部電極18及び下部電極22は実質的に消
耗しない。さらに、上部電極18及び下部電極22が溶
融金属であっても、線状原料200から生じた蒸気流2
02は、高速且つ短時間にて上部電極18及び下部電極
22を通過するため、溶融金属である上部電極18及び
下部電極22そのものは溶けることはない。
【0036】次に、本発明の第2実施例装置を図3及び
図4を参照して説明する。すなわち、図1及び図2に示
す実施例は、原料供給機構30を、真空容器10の外部
の上部に設けた構成である。従って、原料体である線状
又は棒状原料204を真空容器10の外部から真空容器
10の内部に送出すものである。これに対し、図3及び
図4に示す第2の実施例装置は、原料送り機構50を、
真空容器10の内部であり且つ蒸気回収板14の側方部
位に設けている。この原料送り機構50は、所定の長さ
を有する複数の線状又は棒状原料204を、真空容器1
0の内部にあって並列に配設している。なお、第2の実
施例装置における上部電極18及び下部電極22あって
も、その材質は、線状又は棒状原料204がウラニウム
の場合は、ウラニウムよりも融点が高く且つ電気抵抗が
小さいタングステン,モリブデン,イリジウム等を採用
することができる。
【0037】ここで、原料送り機構50は、線状又は棒
状原料204を順次水平方向に移動させるためのスライ
ド機構52を有している。線状又は棒状原料204それ
ぞれは順次水平方向に移動される。これにより、線状又
は棒状原料204個々は順次中心軸上に送り出される。 この場合、一つの線状又は棒状原料204が、下部電極
22に到達したとき、電源48から電流が供給され、当
該線状又は棒状原料204が加熱蒸発される、ことは前
述の例と同様である。
【0038】また、このような原料供給方式によると、
各線状又は棒状原料204の所定の上下方向の位置は予
め確保されているので、通電時には各線状又は棒状原料
204を単に水平方向に移動するだけである。従って、
線状又は棒状原料204を更新する時間が短縮され得る
。また、第1の実施例装置と同様に、上部電極18及び
下部電極22の材質は、線状又は棒状原料204に電流
を流したときに生じるジュール熱よって溶融しない所定
の高融点材料であって、また、線状又は棒状原料204
がウラニウムの場合は、ウラニウムよりも融点が高く且
つ電気抵抗が小さいタングステン,モリブデン,イリジ
ウム等であるから、上部電極18及び下部電極22にお
ける発熱は前記ジュール熱よりも低いものとなる。従っ
て、熱による上部電極18及び下部電極22の損傷は低
く抑えることができ、長寿命化が図られる。
【0039】次に、本発明の第3の実施例装置を図5及
び図6を参照して説明する。すなわち、第3の実施例装
置は、原料供給方式に特徴がある。先ず、第1の実施例
装置とほぼ同じ原料送り機構30は、線状原料200に
代えて高耐熱性ワイヤ206を真空容器10内に供給す
る。当該ワイヤ206は、液体ウラニウムの如き原料体
である液体原料208を流すためのガイドとしてのみ機
能させる。またワイヤ206は、後述するジュール発熱
に耐え得る耐熱特性を有する材料により作られている。
【0040】新規の上部電極支持板54及び下部電極支
持板56が、真空容器10内に配置されている。上部電
極支持板54の略中央部には、液体原料208を溜める
ためであり且つ上部電極である上部原料容器58が設け
られている。また、液体原料208を上部原料容器58
に供給するための原料供給系64を有する。下部電極支
持板56の略中央部には、下部電極である下部原料容器
60が設けらる。上部電極支持板54及び上部原料容器
58の略中央部には、貫通孔62が形成されている。こ
の貫通孔62の直径は、ワイヤ206の直径よりも大き
い。
【0041】従って、ワイヤ206の先端は、上部原料
容器58、貫通孔62を通って、下部電極容器60に到
達し得る。また、上部原料容器58に溜められた液体原
料208は、ワイヤ206を覆いながら、下部原料容器
60に流れ落ちる。なお、ワイヤ206を覆っている液
体原料208を、膜状化原料210と称する。この場合
、液体原料208がウラニウムの場合、上部電極である
上部原料容器58及び下部電極である下部原料容器60
の材質は、ウラニウムよりも融点が高く且つ電気抵抗が
小さいタングステン,モリブデン,イリジウム等を採用
することができる。
【0042】このような第3の実施例装置によると、先
ず、ワイヤ供給機構30によりワイヤ206が、真空容
器10内に送り出される。ワイヤ206は、ガイドロー
ラ38により垂直方向にガイドされる。ワイヤ206は
、上部電極58の貫通孔62を通して高速移動する。 そして、ワイヤ206の先端が下部電極60に接触する
ものとなる。これにより、電源48と、上部電極58と
、ワイヤ206及び膜状化原料210と、下部電極60
とによる電気回路が形成される。
【0043】以上によると、電源48よりワイヤ206
及び膜状化原料210に大電流を流すことができる。そ
うすると、ワイヤ206及び膜状化原料210は、自ら
が有する電気抵抗によりジュール熱を発生し、瞬時に加
熱蒸発する。この蒸発した膜状化原料210は、放射方
向に急速に拡散する蒸気流212となる。これ以降の現
象は、第1の実施例装置の場合と同様である。なお、ワ
イヤ206の一部は、通電により焼損するが、該焼損分
はガイドローラ38により真空容器10内に高速に供給
され得る。よって、電源48と、上部電極58と、ワイ
ヤ206及び膜状化原料210と、下部電極60とによ
る電気回路は実質的に常時形成されることになる。また
、第1,第2の実施例装置と同様に、上部電極である上
部原料容器58及び下部電極である下部原料容器60の
材質は、膜状化原料210に電流を流したときに生じる
ジュール熱よって溶融しない所定の高融点材料であって
、また、液体原料208及び膜状化原料210がウラニ
ウムの場合は、ウラニウムよりも融点が高く且つ電気抵
抗が小さいタングステン,モリブデン,イリジウム等で
あるから、上部電極である上部原料容器58及び下部電
極である下部原料容器60における発熱は前記ジュール
熱よりも低いものとなる。従って、熱による上部電極で
ある上部原料容器58及び下部電極である下部原料容器
60の損傷は低く抑えることができ、長寿命化が図られ
る。
【0044】次に、本発明の第3の実施例装置の変形例
を図7を参照して説明する。すなわち、本実施例は、ワ
イヤ供給機構30及び原料供給系64を共に真空容器1
0内に配置した構成である。
【0045】次に、本発明の第4の実施例装置を図8を
参照して説明する。すなわち、前述した各実施例では、
いずれも、複数種類の同位体を含む原料を細線状に加工
した原料他体である線状原料を、所定の位置に配設され
た上部電極と下部電極との間に送り出す構成である。こ
れに対し第4の実施例装置は、図8に示すように、上部
電極支持部材64と下部電極体66を真空容器10内に
配置している。上部電極支持部材64の略中央部には、
貫通孔64Aが形成されている。上部電極支持部材64
には、るつぼ68が配置されている。るつぼ68の端部
には、ノズル70が形成されている。ノズル70は、貫
通孔64A内に配置されている。るつぼ68は溶融原料
208を収容している。この溶融原料208はノズル7
0を介してジェット状に噴出させる。このジェット流化
原料214に対して電流を流すことで、当該ジェット流
化原料214を蒸発させるようにしている。
【0046】さらに第4の実施例装置を詳細に説明する
。すなわち、複数種類の同位体を含む原料を、真空容器
10内の上部に配設されたるつぼ68で加熱溶融する。 るつぼ68に付設した加圧装置72により当該るつぼ6
8の内部に圧力をかけることにより、溶融原料208は
、ノズル70を通してジェット状に噴出する。なお、る
つぼ68及びノズル70は、上部電極として機能する。 このジェット流化原料214は、真空容器10の下部電
極66に到達すると、電源48より電流が供給され、ジ
ェット流化原料214は瞬時に蒸発する。この場合、ジ
ェット流化原料214は連続的にノズル70より噴射す
るため、蒸発間隔はジェット流化原料214が電極間を
通過する速度で決定される。なお、本実施例においても
、溶融原料208がウラニウムの場合、上部電極として
機能するつぼ68及びノズル70及び下部電極66の材
質は、ウラニウムよりも融点が高く且つ電気抵抗が小さ
いタングステン,モリブデン,イリジウム等を採用する
ことができる。
【0047】このような第4の実施例に係るジェット方
式同位体分離装置によると、高速にて原料供給が可能で
あり、運転効率を向上させることができる。また、原料
供給機構のメカニズムが不要となり、装置の構造を単純
化できると共に、装置の寿命及び信頼性も大幅に向上さ
せることができる。さらに、第1,第2,第3の実施例
装置と同様に、上部電極として機能するるつぼ68及び
ノズル70と下部電極66の材質は、ジェット流化原料
214に電流を流したときに生じるジュール熱よって溶
融しない所定の高融点材料であって、また、溶融原料2
08及びジェット流化原料214がウラニウムの場合は
、ウラニウムよりも融点が高く且つ電気抵抗が小さいタ
ングステン,モリブデン,イリジウム等であるから、上
部電極として機能するるつぼ68及びノズル70と下部
電極66における発熱は前記ジュール熱よりも低いもの
となる。従って、熱による上部電極として機能するるつ
ぼ68及びノズル70の損傷は低く抑えることができ、
長寿命化が図られる。
【0048】前述した各実施例は、線状の原料が下部電
極に到達することにより、線状の原料が下部電極に電気
的に接触することをもって、上部電極であるつぼ68及
びノズル70、下部電極66、電源48、ジェット流化
原料214との間にて通電回路が形成される構成である
。これに対し、電源側に図示しないスイッチを設け、原
料が上部電極であるつぼ68及びノズル70から下部電
極66に到達しているか否かを確認してから、当該スイ
ッチをオン、オフして、通電回路を形成するようにして
もよい。
【0049】次に、本発明の同位体分離装置に使用され
るレーザ光学系の第1例を図9を参照して説明する。す
なわち、図9に示す第1例のレーザ光学系は、レーザ発
生器74から発生されるレーザ光44は、真空容器10
内に導入される。このレーザ光44は、反射鏡46で反
射されることにより、図9に示すように、レーザ光44
を、次々に円周方向に位置を替えながら通過させるよう
にしている。
【0050】このようなレーザ光照射方式とすれば、真
空容器10内にあってレーザ光44を略円周方向に細か
く引き回すことが可能なため、レーザ光44の利用率を
大幅に高めることができる。
【0051】次に、本発明の同位体分離装置に使用され
るレーザ光学系の第2例を図10を参照して説明する。 すなわち、図10に示す第2例のレーザ光学系は、レー
ザ発生器74から発生されるレーザ光44は、真空容器
10内に導入される。このレーザ光44は、反射鏡46
で反射されることにより、図10に示すように、レーザ
光44を、次々に放射方向に位置を替えながら通過させ
るようにしている。レーザ光44は、図示符号S1 〜
S31に従って照射される。このようなレーザ光照射方
式である第2例は、第1例における反射鏡46の配置を
変更することにより実現される。
【0052】このようなレーザ光照射方式とすれば、真
空容器10内にあってレーザ光44を略放射方向に細か
く引き回すことが可能なため、レーザ光44の利用率を
大幅に高めることができる。
【0053】次に、本発明の第5の実施例装置を図11
及び図12を参照して説明する。すなわち、第5の実施
例装置は、第1の実施例装置に対して第3例のレーザ光
学系を組合せた構成である。第1,第2の例のレーザ光
学系は、真空容器10内にあってレーザ光44による多
数の伝搬路が形成される。このレーザ光44の伝搬路は
、円周方向又は放射方向である。第3例のレーザ光学系
は、断面が円形の一つ太いレーザ光76が真空容器10
内に導入されるだけである。図11及び図12において
、円筒状の真空容器10は、上部開口部は新規な上部閉
塞板78により閉塞されている。
【0054】この上部閉塞板78にはレーザ光の出入り
のための窓は形成されていない。真空容器10の下部開
口部は新規な下部閉塞板78により閉塞されている。こ
の閉塞板78の略中心部には、大きな窓82が形成され
ている。この大きな窓82は、ガラス体82で密閉され
ている。この大きな窓82に臨んで反射板86が配置さ
れている。真空容器10内の上部電極支持部材16には
、反射板88が設けられている。第1の実施例と同様に
、真空容器10内には、円筒状の蒸気回収板14が同軸
的に配設されている。円筒状の蒸気回収板14は、真空
容器10内にあって想定される中心軸から最も離れた位
置に配置されている。電極支持部材16の略中心部には
、上部電極18が配置されている。また、蒸気回収板1
4の下部の開口部の近傍には、電極支持部材20が配置
されている。この電極支持部材20の略中心部には、下
部電極22が配置されている。
【0055】これら上部電極18及び下部電極22は、
該上部電極18及び下部電極22に所定の大電流が流れ
て発熱した場合であっても、該上部電極18及び下部電
極22が溶融しないように、所定の高融点材料から作ら
れている。また、蒸気回収板14の内周部には、複数個
の新規な電極板90が、その中心軸に対して放射状に配
設されている。さらに、電極板90の下方部には、特定
同位体回収容器26が設けられている。また、蒸気回収
板14の下方部には、回収容器28が設けられている。 電極板90は、第1の実施例装置のものよりも幅が大き
いものであり、線状原料200に近接して配置されてい
る。他の構造は、第1の実施例装置と実質的に同じであ
る。
【0056】このような、第5の実施例装置によっても
第1の実施例と同様の動作が得られる。ただし、第5の
実施例装置は、第1例,第2例のレーザ光学系には無い
次の利点がある。すなわち、第3例のレーザ光学系で使
用されるガラス体及び反射鏡は1組である。これに対し
、第1例,第2例のレーザ光学系で使用されるガラス体
及び反射鏡は多数組である。従って、レーザ光伝搬中に
おける減衰量は、第3例のレーザ光学系の方が第1例,
第2例のレーザ光学系よりも格段に小さい。これは、第
5の実施例装置においては、第1の実施例装置よりもレ
ーザ光の高効率化が実現されていることを示している。
【0057】次に、本発明の第6の実施例装置を図13
を参照して説明する。すなわち、第6の実施例装置は、
第4の実施例装置に対して第3例のレーザ光学系を組合
せた構成である。この第6の実施例装置においても、第
4の実施例装置よりもレーザ光の高効率化が実現される
ことを示すことは、容易に理解できるだろう。
【0058】次に、本発明の第7の実施例装置を図14
を参照して説明する。すなわち、第7の実施例装置は、
第1の実施例装置に対して新規な制御系を組合せた構成
である。先ず、線状原料200の残量を検知するセンサ
90を下部電極22の近傍に配置している。このセンサ
90の出力は、コントローラ92に与えられる。コント
ローラ92は、センサ90の出力に基づきワイヤ送り装
置34を制御する。これは、上部電極18と下部電極2
2と間に線状原料200が常に存在するように制御して
いる。
【0059】また、蒸気流202の密度を検知するセン
サ94を上部電極18と下部電極22と間の空間内に配
置している。このセンサ94の出力は、コントローラ9
6に与えられる。コントローラ96は、センサ94の出
力が予め定めた値よりも小さいときに当該コントローラ
96に接続した警報器98を鳴動させる。これは、蒸気
流202の密度が所定値よりも小さいとき、警報するよ
うにしている。
【0060】さらに、レーザ光44の光量や強度を検出
するセンサ100を、真空容器10の窓40の外側に配
置している。センサ100は、図9及び図10の例で示
す、レーザ光44の最下流部位に配置することが好まし
い。このセンサ100の出力は、電源48に与えられる
。電源48は、センサ100の出力が予め定めた値より
も大きいときには電源48の出力電圧を大きくし、セン
サ100の出力が予め定めた値よりも小さいきには電源
48の出力電圧を小さくする。これにより、レーザ光4
4の光量又は強度に見合った蒸気流202が供給され得
る。これは、レーザ光発生装置は時間の経過と共に出力
が低下する傾向があることに対処したものである。なお
、線状原料200の残量を検知するセンサ90及びその
制御系と、蒸気流202の密度を検知するセンサ94及
びその制御系と、レーザ光44の光量や強度を検出する
センサ100及びその制御系とはそれぞれ単独で機能さ
せることができ、また、全体が一体で機能させることが
できる。
【0061】次に、本発明の第8の実施例装置を図15
を参照して説明する。すなわち、第8の実施例装置は、
第4の実施例装置に対して新規な制御系を組合せた構成
である。線状原料200の残量を検知するセンサ90を
下部電極22の近傍に配置している。このセンサ90の
出力は、コントローラ92に与えられる。コントローラ
92は、センサ90の出力に基づき圧力装置72のため
の駆動装置104を制御する。これは、上部電極18と
下部電極22と間にジェット流化原料214が常に存在
するように制御している。また、蒸気流202の密度を
検知するセンサ94、及びレーザ光44の光量や強度を
検出するセンサ100は、第7の実施例装置の場合と同
じである。
【0062】ここまでの説明では単体の同位体分離装置
の各種実施例を開示してきた。しかし、現実の使用にあ
っては、このような同位体分離装置を一つの分離ユニッ
トとし、該分離ユニット複数個を多段積みに重ねたシス
テムが使用に供される。
【0063】図16はこのようなシステム全体の構成例
を示す立面図である。図16に示すように、本システム
は、分離チャンバー真空容器110を有する。分離チャ
ンバー真空容器110は、入口側ハンドリングチェンバ
114を有する。この入口側ハンドリングチェンバ11
4は、分離モジュール112を搬入するための前室とし
て機能する。
【0064】分離モジュール112は、分離チャンバー
真空容器110内に真空バルブ116を介して設置され
ている。この入口側ハンドリングチェンバ114には、
交換用の新しい分離モジュール112が収納される。入
口側ハンドリングチェンバ114に、分離モジュール1
12を収納した後、当該チェンバ114の内部を真空排
気して待機状態にしておく。また、分離チャンバー真空
容器110の反対側には出口側ハンドリングチェンバ1
18が真空バルブ116を介して設置されている。この
出口側ハンドリングチェンバ118は、保守の必要とな
った分離モジュール112のみを引出すことができる。
【0065】このように図16に示すシステムは、複数
の分離モジュールを横方向及び縦方向に連結した構成で
あるから、分離チャンバー真空容器110を大気に開放
することなく、分離モジュール毎に、分離モジュール1
12を保守作業を実施することができる。
【0066】上記の例は、分離ユニット複数個を多段積
みに重ねたシステムであるが、図16は平面図として認
識することができる。この認識の下では、分離ユニット
複数個を横に配列したシステムとなる。また、分離ユニ
ット複数個を横に配列してモジュールを構成し、該モジ
ュール複数個を多段積みに重ねたシステムとしてもよい
【0067】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
できるものである。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明方法及び装置によれ
ば、線状原料、棒状原料、ワイヤー及び溶融原料、ジェ
ット流化原料の如き原料体に電流を流してジュール熱を
発生させ、その熱により当該原料体を加熱蒸発させて蒸
気流を生成しているので、投入されたエネルギーの殆ど
全てが蒸発のためのエネルギーとして有効に利用するこ
とができ、原料体の蒸発効率を向上させることが可能と
なる。また、電子ビームを使用していないので、電子と
蒸気の衝突によるイオンの発生もなく、分離性能に優れ
たものとなり、高い濃縮度で同位体を分離することがで
きる。また、本発明装置によれば、原料体供給手段によ
り原料体を電極間に供給して電源により通電するだけで
原料体が加熱蒸発するので、原料体を保持するための原
料容器を必要とせず、しかも無駄なエネルギーの要因と
なる原料容器の冷却が不要となり、装置の構成が非常に
単純化できると共に長寿命化を図ることが可能となり、
信頼性の高い装置となし得る。よって、本発明方法及び
装置によれば、エネルギー効率の向上を図り得且つ高い
分離度を達成する同位体分離方法及び装置を提供できる
ものである。
【0069】また、前記本発明装置に加え、レーザ光の
光量及び強度のうち少なくとも一方が、所定値よりも小
さい場合、蒸気密度は、照射すべきレーザ光の光量及び
強度のうち少なくとも一方に比較して高い状態となって
おり、このため分離されずに回収される同位の割合が増
すので、前記電源の電流値を小さくして原料体の蒸発量
を低下させる。また、警報によっても上述した状態を操
作員に知らせ、最適化のための調整を促するものとなる
。これらにより、原料の有効な活用と最適な分離条件で
効率的に同位体分離を行うことが可能となる。
【0070】よって、本発明装置によれば、エネルギー
効率の向上を図り得且つ高い分離度を達成すると共に、
常に、原料の有効な活用と最適な分離条件で効率的に同
位体分離を行うことが可能な同位体分離装置を提供でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による同位体分離装置の第1の実施例を
示す縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う水平断面図。
【図3】本発明の第2の実施例装置におけるワイヤー原
料送り機構の配置を示す水平断面図。
【図4】第2の実施例装置におけるワイヤー原料と上部
電極と下部電極との関係を示す要部縦断面図。
【図5】本発明による同位体分離装置の第3の実施例を
示す縦断面図。
【図6】第3の実施例装置における要部詳細図。
【図7】本発明の第3の実施例装置の変形例を示すもの
であって、原料供給機構を真空容器の外側に設置した構
成を示す縦断面図。
【図8】本発明による同位体分離装置の第4の実施例を
示す縦断面図。
【図9】本発明による同位体分離装置に適用されるレー
ザ光学系の第1例を模式的に示す斜視図。
【図10】本発明による同位体分離装置に適用されるレ
ーザ光学系の第2例を模式的に示す斜視図。
【図11】第3例のレーザ光学系を第1の実施例装置に
適用した本発明による同位体分離装置の第5の実施例を
示す縦断面図。
【図12】図11のXII −XII 線に沿う水平断
面図。
【図13】第3例のレーザ光学系を第4の実施例装置に
適用した本発明による同位体分離装置の第6の実施例を
示す縦断面図。
【図14】制御系を第1の実施例装置に付設した本発明
による同位体分離装置の第7の実施例を示す縦断面図。
【図15】制御系を第4の実施例装置に付設した本発明
による同位体分離装置の第8の実施例を示す縦断面図。
【図16】本発明の各実施例におけるいずれかの同位体
分離装置を一つの分離ユニットとし、該分離ユニットの
複数を連結してなる同位体分離システムの構成例を示す
図。
【符号の説明】
10…真空容器、12…閉塞板、14…蒸気回収板、1
6…電極支持部材、18…上部電極、20…電極支持部
材、22…下部電極、24…電極板、26…特定同位体
回収容器、28…回収容器、30…ワイヤ供給機構、3
2…ワイヤドラム、34…ワイヤ送り装置、36…ワイ
ヤ導入部、38…ガイドローラ、40…窓、42…ガラ
ス体、44…レーザ光、46…反射鏡、48…電源、2
00…線状原料、202…蒸気流、204…棒状原料、
206…ワイヤ、208…液体原料、210…膜状化原
料、212…蒸気流、214…ジェット流化原料。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  複数種類の同位体を含む原料体を,真
    空容器内に配置された電極の間に供給する第1ステップ
    と、この第1ステップにより供給された原料体に対して
    電流を流してジュール熱を発生させる第2ステップと、
    この第2ステップにより発生された熱により前記原料体
    を加熱蒸発させて蒸気流を生成する第3ステップと、こ
    の第3ステップにより生成された蒸気流に対してレーザ
    光を照射して蒸気流中の特定の同位体のみを選択的にイ
    オン化する第4ステップと、この第4ステップによりイ
    オン化された同位体を,少なくとも電界及び磁界のうち
    少なくとも一方によって分離する第5ステップと、から
    なる同位体分離方法。
  2. 【請求項2】  内部に複数の電極を配置してなる真空
    容器と、複数種類の同位体を含む原料体を前記電極間に
    供給する原料体供給手段と、前記電極を介して前記原料
    体に電流を流すことにより加熱して前記原料体を蒸発さ
    せるための電源と、前記原料体による蒸気流中の特定の
    同位体を選択的にイオン化するべく当該蒸気流に対して
    レーザ光を照射するレーザ光学系と、このイオン化した
    同位体に電界及び磁界のうち少なくとも一方を印加して
    当該イオン化した同位体を分離するイオン分離手段と、
    を具備する同位体分離装置。
  3. 【請求項3】  内部に複数の電極を配置してなる真空
    容器と、複数種類の同位体を含む原料体を前記電極間に
    供給する原料体供給手段と、前記電極を介して前記原料
    体に電流を流すことにより加熱して前記原料体を蒸発さ
    せるための電源と、前記原料体による蒸気流中の特定の
    同位体を選択的にイオン化するべく当該蒸気流に対して
    レーザ光を照射するレーザ光学系と、このイオン化した
    同位体に電界及び磁界のうち少なくとも一方を印加して
    当該イオン化した同位体を分離するイオン分離手段と、
    前記電極の間における原料体の残量を検出するセンサと
    、前記蒸気流に照射されるレーザ光の光量及び強度のう
    ち少なくとも一方を検出するセンサと、前記蒸気流の密
    度を検出するセンサと、これらセンサの出力に基づき前
    記原料体の供給,前記電源の電圧の調整,前記蒸気流の
    密度低下を知らせる警報制御のうち少なくとも一つを行
    う制御手段と、を具備する同位体分離装置。
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