JPH0436833Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 この考案は病院などで使用する、患者の全身或
いは上半身を蚊帳状に囲つたカバー内に無菌空気
を送り出すための可搬式無菌フード（以下単に無
菌フードという）に関する。

〓従来の技術〓 病院などで使用する無菌フードは、必要に応じ
随時患者のベツドの枕元に搬送して来て、患者の
全身又は上半身を蚊帳状に囲つたカバー内に、清
浄空気吹出ユニツトから清浄空気を送り込み、該
清浄化空気をカバーで覆われベツド上に横臥する
患者に供給するようにしたものである。

従来の此の種無菌フードは、キヤスター等を設
けて走行可能とした脚部の立ち上がり部に清浄空
気吹出ユニツトを設け、それをカバーで囲つたも
のであり、清浄空気吹出ユニツトの高さが、脚部
に固定されている関係で調整できなかつた。その
ため、ベツドの高さが異なる場合天井ユニツトか
らの清浄空気吹出口と患者との距離が変動し送風
の風速、風圧、風量、患者の状態等により患者に
影響を及ぼす恐れがあり、又、無菌フードの形
状、重量等が大きいため使用しないときの格納に
余分なスペースを要し看護婦が一人で搬送設置使
用するには余分の労力を必要とした。

〓考案が解決しようとする問題点〓 本考案は上記の点に鑑みて清浄空気吹出ユニツ
トを上下可動式とし、清浄空気吹出ユニツトの清
浄空気吹出口と病人との位置関係を最善に保つこ
とができる可搬式の無菌フードを得ることを目的
としている。

〓問題点を解決するための手段〓 この考案の無菌フードは清浄空気吹出ユニツト
を脚部で支え、清浄空気吹出ユニツトを含む装置
上部を密閉されたカバーで被い、その内部を患者
用空間とした可搬式無菌フードにおいて、清浄空
気吹出ユニツトをスライド用コロ等の摺動支持部
材を介して脚部の立ち上がり部に支持し、前記立
ち上がり部と一体に設けたコンストンバネの一端
を前記清浄空気吹出ユニツトに固定し、清浄空気
吹出ユニツトを脚部の立ち上がり部の任意の高さ
の位置に昇降停止せしめ得るようにして解決し
た。

〓作用〓 この考案の無菌フードは清浄空気吹出ユニツト
を摺動支持部材を介して脚部の立ち上がり部に支
持することによつて、清浄空気吹出ユニツトの位
置をベツド上の患者の状態に応じ適宜に上下動し
て、患者に対する清浄空気の供給を随時制御す
る。

清浄空気吹出ユニツトは、コンストンバネによ
つて摺動自在に脚部に支えられているから、清浄
空気吹出ユニツトは前記バネによりその荷重が支
えられることになり、上下動に際して少ない力を
それに加えれば容易に上下動させ得る。

〓実施例〓 本考案無菌フードの実施の一例を図面と共に次
に説明する。

本考案無菌フードは清浄空気吹出ユニツト１が
脚部２に上下摺動自在に支持されている。脚部２
は、キヤスター３を有する基部４に続く立ち上が
り部５を有する左右一対のフレームをロツド６，
６で連結してなる。立ち上がり部５の上端には取
付金具７によつてコンストンバネ８を固定する。
図示の例ではコンストンバネ８は片側に三個設け
てある。

清浄空気吹出ユニツト１は水平部分１０と垂直
部分１１とよりなる側面形状が逆Ｌ字状の箱体を
構成している。垂直部分１１の下部両側端に、複
数のコロ１２によつて脚部２の立ち上がり部５を
挟持してなる摺動支持部材１３を固定し、前記脚
部２に清浄空気吹出ユニツト１を支える。摺動支
持部材１３には高さ位置固定用のつまみ９を設け
る。そして、前記左右の摺動支持部材１３，１３
間に垂直部分１１の箱体内に設けたビーム部材１
４にコンストンバネ８の引き出した一端を固定す
る。コンストンバネ８の弾性は、清浄空気吹出ユ
ニツト１の重量を支えることができる程度以上の
ものとする。図示の例ではコンストンバネ８を左
右三個ずつ設けてある。

清浄空気吹出ユニツト１の水平部分１０、垂直
部分１１内には空気流路１５，１６が設けられ、
空気流路１５内にはヘパフイルターの如きフイル
ター１７が設けられ、空気流路１５の端部の空気
吹出口にはパンチング板１８が設けられている。
空気流路１６の端部には送風ユニツト２０に連な
るフレキシブルホース２１が着脱自在に連結され
ている。送風ユニツト２０は、キヤスター２２を
有する箱体２３内に送風機２４を設け、送風機２
４にフレキシブルホース２１を接続し、箱体２３
の吸気孔にはプレフイルター２５が設けられてい
る。

前記清浄空気吹出ユニツト１の水平部分１０の
先端部には、後述するカバー２６の支持部材とし
てガイドパイプ２７を出没自在に設けてある。ガ
イドパイプ２７の基端部にはストツパー２８が設
けられ、ガイドパイプ２７を引き出したときの脱
落を防止している。

カバー２６は透明な合成樹脂シートからなり、
ガイドパイプ２７を引き出した状態のもとで、清
浄空気吹出ユニツト１の全体及び脚部２の上部を
被つて蚊帳状に設ける。尚、前記送風ユニツト２
０は随時搬送設置可能な箱形のものの例を示した
が、別室に設備された送風機から、建物の天井、
壁、床などを通して他の室内に至る送風管を設置
し、室内に開口する該送風管の管端にとりつけら
れた連結管を介して無菌フードの天井ユニツトと
連結する形式のものであつても差支えない。

本考案無菌フードは、第１図に示す如く患者の
ベツドの枕元に置き、清浄空気吹出ユニツト１を
患者の頭部の上に位置させ、カバー２６で患者の
上半身を被い送風機２４を作動させる。送風機２
４の作動によりプレフイルター２５を通り箱体２
３内に入つた空気はフレキシブルホース２１を経
て清浄空気吹出ユニツト１に入り、空気流路１
６，１５を経てヘパフイルターの如きフイルター
１７で濾過され清浄空気となつてパンチング板１
８からカバー２６内の患者用空間３０に放出され
る。患者用空間３０の空気は適宜カバー２６の裾
部分からカバー外部に逃げる。

患者に対する水平部分１０の位置或いは吹き出
す風量などの関係で、水平部分１０の位置を変え
たい場合は、高さロツク用のつまみ９をゆるめ、
脚部２の立ち上がり部５と摺動部材１３の固定を
解き、手動により清浄空気吹出ユニツト１の高さ
を調整し再度つまみ９を回し固定する。

上記の清浄空気吹出ユニツト１の上下動は、立
ち上がり部５の頂部に設けたコンストンバネ８
が、清浄空気吹出ユニツト１の重量を支えている
ために、上昇させるときは該バネの縮少方向に力
を貸すことになり極めて軽く持ち上げられる。

〓考案の効果〓 以上詳細に述べた通りこの考案の無菌フードは
清浄空気吹出ユニツトを脚部で支え、清浄空気吹
出ユニツトを含む装置上部を密閉されたカバーで
被い、その内部を患者用空間とした可搬式無菌フ
ードにおいて、清浄空気吹出ユニツトをスライド
用コロ等の摺動支持部材を介して脚部の立ち上が
り部に支持し、前記立ち上がり部と一体に設けた
コンストンバネの一端を前記清浄空気吹出ユニツ
トに固定し、清浄空気吹出ユニツトを脚部の立ち
上がり部の任意の高さの位置に昇降停止せしめ得
るようにしたものであるから天井ユニツトを任意
高さに上下することができ、天井ユニツトを最低
位置に下げ、全体をコンパクト化して格納搬送に
便ならしめることが可能となり、又、使用時はベ
ツドの高さ、送風の風速、風圧、風量、患者の状
態等使用条件に応じて天井ユニツトの高さを制御
し、ベツド上の患者の上半身上に天井ユニツトを
位置せしめてカバーで被つた後送風することがで
きるから、カバー内の患者に対し常に最適な条件
下で清浄化された空気を供給することができる。

また、脚の立ち上がり部にコンストンバネを用
いて清浄空気吹出ユニツトを昇降させるとき特に
上昇させるときは極めて軽く操作することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の無菌フードの使用状態を示す
斜視図、第２図は本考案の無菌フードの正面図、
第３図は本考案の無菌フードと送風ユニツトの関
係を示す側面断面図、第４図は脚部の立ち上がり
部に清浄空気吹出ユニツトを取り付ける部分の正
面図、第５図は同上側面図である。 １……清浄空気吹出ユニツト、２……脚部、４
……基部、５……立ち上がり部、８……コンスト
ンバネ、１０……水平部分、１１……垂直部分、
１２……コロ、１３……摺動支持部材、１７……
フイルター、２０……送風ユニツト、２６……カ
バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 清浄空気吹出ユニツトを脚部で支え、清浄空気
   吹出ユニツトを含む装置上部を密閉されたカバー
   で被い、その内部を患者用空間とした可搬式無菌
   フードにおいて、清浄空気吹出ユニツトをスライ
   ド用コロ等の摺動支持部材を介して脚部の立ち上
   がり部に支持し、前記立ち上がり部と一体に設け
   たコンストンバネの一端を前記清浄空気吹出ユニ
   ツトに固定し、清浄空気吹出ユニツトを脚部の立
   ち上がり部の任意の高さの位置に昇降停止せしめ
   得るようにしたことを特徴とする可搬式無菌フー
   ド。