JPH04363579A - 多筒式乾燥装置 - Google Patents
多筒式乾燥装置Info
- Publication number
- JPH04363579A JPH04363579A JP17827491A JP17827491A JPH04363579A JP H04363579 A JPH04363579 A JP H04363579A JP 17827491 A JP17827491 A JP 17827491A JP 17827491 A JP17827491 A JP 17827491A JP H04363579 A JPH04363579 A JP H04363579A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder
- wet material
- suction
- tube
- heating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000001035 drying Methods 0.000 title claims abstract description 73
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 claims abstract description 96
- 239000000463 material Substances 0.000 claims description 128
- 238000000605 extraction Methods 0.000 claims description 3
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 abstract description 5
- 239000000123 paper Substances 0.000 description 23
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 17
- 230000001105 regulatory effect Effects 0.000 description 6
- 238000009423 ventilation Methods 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 4
- 230000000704 physical effect Effects 0.000 description 4
- 238000001291 vacuum drying Methods 0.000 description 4
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 238000011084 recovery Methods 0.000 description 3
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000007664 blowing Methods 0.000 description 2
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 2
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 2
- 238000007726 management method Methods 0.000 description 2
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 2
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 2
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 2
- 230000000452 restraining effect Effects 0.000 description 2
- 229910001018 Cast iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920001131 Pulp (paper) Polymers 0.000 description 1
- 238000005299 abrasion Methods 0.000 description 1
- 230000009471 action Effects 0.000 description 1
- 239000007900 aqueous suspension Substances 0.000 description 1
- 208000018747 cerebellar ataxia with neuropathy and bilateral vestibular areflexia syndrome Diseases 0.000 description 1
- 230000008859 change Effects 0.000 description 1
- 239000011248 coating agent Substances 0.000 description 1
- 238000000576 coating method Methods 0.000 description 1
- 238000004891 communication Methods 0.000 description 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000013016 damping Methods 0.000 description 1
- 230000006837 decompression Effects 0.000 description 1
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 1
- NBVXSUQYWXRMNV-UHFFFAOYSA-N fluoromethane Chemical compound FC NBVXSUQYWXRMNV-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 230000017525 heat dissipation Effects 0.000 description 1
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000005012 migration Effects 0.000 description 1
- 238000013508 migration Methods 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 239000004745 nonwoven fabric Substances 0.000 description 1
- 239000011087 paperboard Substances 0.000 description 1
- 230000008569 process Effects 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 230000002000 scavenging effect Effects 0.000 description 1
- 238000003756 stirring Methods 0.000 description 1
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 description 1
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 description 1
- 238000007738 vacuum evaporation Methods 0.000 description 1
- 239000002918 waste heat Substances 0.000 description 1
- 238000004804 winding Methods 0.000 description 1
- 230000037303 wrinkles Effects 0.000 description 1
Landscapes
- Drying Of Solid Materials (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に不織布、紙、加工
紙、板紙などを抄造する際に、抄出されて来る帯状湿材
を加熱して真空乾燥するための多筒式乾燥装置に関する
。
紙、板紙などを抄造する際に、抄出されて来る帯状湿材
を加熱して真空乾燥するための多筒式乾燥装置に関する
。
【0002】
【従来の技術】一連の加熱筒を上下互い違いに並列する
よう配置し、帯状湿材をこれらの加熱筒に順次巻き付け
てジグザグ状に搬送させながら乾燥させる多筒式乾燥装
置は従来から知られている(例えば特公昭52ー117
84号)。この形式の乾燥装置では、上下互い違いに配
置された加熱筒によって帯状湿材の両面が交互に加熱さ
れるので、両面の均等な乾燥が可能である。加熱筒から
次の加熱筒へと移る途中の搬送路における帯状湿材は、
全く支持されない(フリーラン状態という)か、あるい
は上述した特公昭52ー11784号のように片面のみ
を可撓通気性の無端帯で支持されるようになされていた
。
よう配置し、帯状湿材をこれらの加熱筒に順次巻き付け
てジグザグ状に搬送させながら乾燥させる多筒式乾燥装
置は従来から知られている(例えば特公昭52ー117
84号)。この形式の乾燥装置では、上下互い違いに配
置された加熱筒によって帯状湿材の両面が交互に加熱さ
れるので、両面の均等な乾燥が可能である。加熱筒から
次の加熱筒へと移る途中の搬送路における帯状湿材は、
全く支持されない(フリーラン状態という)か、あるい
は上述した特公昭52ー11784号のように片面のみ
を可撓通気性の無端帯で支持されるようになされていた
。
【0003】一方、真空度の高い状態では比較的低い温
度で効率よく乾燥できることが知られている。特公昭3
8ー25156号には、かかる真空乾燥を実現するため
に上述したような多筒式乾燥装置全体を真空フード内に
収容したものが開示されている。
度で効率よく乾燥できることが知られている。特公昭3
8ー25156号には、かかる真空乾燥を実現するため
に上述したような多筒式乾燥装置全体を真空フード内に
収容したものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した特公昭38ー
25156号に開示された、真空フード内に乾燥装置全
体を収容したものは、図8に示すように先ず乾燥せんと
する紙匹wをダブルキャンバス多筒式の予備乾燥機1′
により予備乾燥に付した後、さらにこれを二段または三
段以上の、多筒式のシリンダ6′およびシングルキャン
バス単筒式のシリンダ10’よりなる6段構成の乾燥部
を通すものであるが、次のような欠点を有している。第
1に、設備が大掛かりなものになり、真空状態と常圧状
態との切り替えが容易でない。減圧室3′、8′、9′
を形成している真空フード内に作業員が入って必要な作
業や管理を行うときには常圧状態としなければならない
し、操業の際には直ちに真空状態としなければならない
。また、シリンダ1′、10′より構成される単筒式、
多筒式の大型の乾燥段を真空フード内に収容することは
極めて困難である。
25156号に開示された、真空フード内に乾燥装置全
体を収容したものは、図8に示すように先ず乾燥せんと
する紙匹wをダブルキャンバス多筒式の予備乾燥機1′
により予備乾燥に付した後、さらにこれを二段または三
段以上の、多筒式のシリンダ6′およびシングルキャン
バス単筒式のシリンダ10’よりなる6段構成の乾燥部
を通すものであるが、次のような欠点を有している。第
1に、設備が大掛かりなものになり、真空状態と常圧状
態との切り替えが容易でない。減圧室3′、8′、9′
を形成している真空フード内に作業員が入って必要な作
業や管理を行うときには常圧状態としなければならない
し、操業の際には直ちに真空状態としなければならない
。また、シリンダ1′、10′より構成される単筒式、
多筒式の大型の乾燥段を真空フード内に収容することは
極めて困難である。
【0005】第2に、紙匹wたる帯状湿材の湿気はいっ
たん大きな真空フード内に放出されて温度が下がるため
、湿気の保有熱を回収しようとしても、回収効率は低い
ものとなる。また、従来の単筒式および多筒式乾燥装置
においては、帯状湿材は、加熱筒上では無端帯によって
押さえつけられて長手方向および幅方向に関して拘束さ
れているが、前述したように、単筒式および多筒式乾燥
部の各段内や各段間における加熱筒と次の加熱筒との間
の搬送路では全く支持されないか片面のみを無端帯で支
持されているだけなので、次のような欠点を伴う。
たん大きな真空フード内に放出されて温度が下がるため
、湿気の保有熱を回収しようとしても、回収効率は低い
ものとなる。また、従来の単筒式および多筒式乾燥装置
においては、帯状湿材は、加熱筒上では無端帯によって
押さえつけられて長手方向および幅方向に関して拘束さ
れているが、前述したように、単筒式および多筒式乾燥
部の各段内や各段間における加熱筒と次の加熱筒との間
の搬送路では全く支持されないか片面のみを無端帯で支
持されているだけなので、次のような欠点を伴う。
【0006】第1に、加熱筒間における帯状湿材は、長
手方向に強く引っ張られている一方、幅方向に関しては
自由な状態なので、乾燥されたときに長手方向に平行な
筋状のしわ(ストリークと呼ばれる)が出来やすい。あ
るいはストリークが生じなくとも、長手方向と幅方向と
で残留応力に差ができるので、製品となった後、温度や
湿度の変化によって変形するおそれがある。
手方向に強く引っ張られている一方、幅方向に関しては
自由な状態なので、乾燥されたときに長手方向に平行な
筋状のしわ(ストリークと呼ばれる)が出来やすい。あ
るいはストリークが生じなくとも、長手方向と幅方向と
で残留応力に差ができるので、製品となった後、温度や
湿度の変化によって変形するおそれがある。
【0007】第2に、前記加熱筒間の搬送路において帯
状湿材が煽られ、よじれたり切れたりしやすい。切れ端
は垂れて装置に絡み付き、トラブルを起こすので、装置
は一旦停止されねばならない。第3に、乾燥装置を始動
する際に、帯状湿材の先端を加熱筒から次の加熱筒へと
導くための複雑な機構の通紙装置が必要となる。また、
帯状湿材の先端は狭幅で切れやすく、切れた場合には装
置を一旦停止して通紙作業をやり直さなければならない
。
状湿材が煽られ、よじれたり切れたりしやすい。切れ端
は垂れて装置に絡み付き、トラブルを起こすので、装置
は一旦停止されねばならない。第3に、乾燥装置を始動
する際に、帯状湿材の先端を加熱筒から次の加熱筒へと
導くための複雑な機構の通紙装置が必要となる。また、
帯状湿材の先端は狭幅で切れやすく、切れた場合には装
置を一旦停止して通紙作業をやり直さなければならない
。
【0008】本発明は、従来装置のこれらの欠点を解消
し、簡単な構成で高い熱回収効率が期待できる真空乾燥
を実現するとともに、帯状湿材を全搬送路にわたって拘
束支持可能でかつ該湿材の表裏面をほぼ均等に加熱乾燥
可能な多筒式乾燥装置を提供することを課題とする。
し、簡単な構成で高い熱回収効率が期待できる真空乾燥
を実現するとともに、帯状湿材を全搬送路にわたって拘
束支持可能でかつ該湿材の表裏面をほぼ均等に加熱乾燥
可能な多筒式乾燥装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による多筒式乾燥
装置は、第1の筒群と該第1の筒群に並設される第2の
筒群との2つの筒群のみからなる一連の筒群と、可撓通
気性の第1および第2の無端帯とを備えてなる。第1の
筒群は、互いに近接して前後に並設された回転可能な導
入および導出吸引筒ならびにこれら2つの吸引筒に対し
て上方かつ近接した位置に配置された回転可能な1つの
上側加熱筒からなり、第2の筒群は、互いに近接して前
後に並設された回転可能な導入および導出吸引筒ならび
にこれら2つの吸引筒に対して下方かつ近接した位置に
配置された回転可能な1つの下側加熱筒からなる。第1
の筒群および第2の筒群の各筒は、上下互い違いになり
ながら並列するように配置されており、帯状湿材がそれ
ぞれの筒に順次巻き付きながらジグザグ状に搬送される
ようになされている。第1の無端帯は、前記第1の筒群
の導入および導出吸引筒上では帯状湿材の下側になって
該帯状湿材を支持し、かつ前記第1の筒群の上側加熱筒
上では帯状湿材の上側になって該帯状湿材を上側加熱筒
に直接接触させるようにして該上側加熱筒との間に挟持
するよう、各筒に巻き付けられている。また、第2の無
端帯は、前記第2の筒群の導入および導出吸引筒上では
帯状湿材の下側になって該帯状湿材を支持し、かつ前記
第2の筒群の下側加熱筒上では帯状湿材の上側になって
該帯状湿材を下側加熱筒に直接接触させるようにして該
下側加熱筒との間に挟持するよう、各筒に巻き付けられ
ている。さらに第1および第2の無端帯は、第1および
第2の筒群のうち何れか一方の筒群の導出吸引筒とこれ
に隣接して配置された他方の筒群の導入吸引筒との間に
おいて帯状湿材を挟持案内するようになされている。
装置は、第1の筒群と該第1の筒群に並設される第2の
筒群との2つの筒群のみからなる一連の筒群と、可撓通
気性の第1および第2の無端帯とを備えてなる。第1の
筒群は、互いに近接して前後に並設された回転可能な導
入および導出吸引筒ならびにこれら2つの吸引筒に対し
て上方かつ近接した位置に配置された回転可能な1つの
上側加熱筒からなり、第2の筒群は、互いに近接して前
後に並設された回転可能な導入および導出吸引筒ならび
にこれら2つの吸引筒に対して下方かつ近接した位置に
配置された回転可能な1つの下側加熱筒からなる。第1
の筒群および第2の筒群の各筒は、上下互い違いになり
ながら並列するように配置されており、帯状湿材がそれ
ぞれの筒に順次巻き付きながらジグザグ状に搬送される
ようになされている。第1の無端帯は、前記第1の筒群
の導入および導出吸引筒上では帯状湿材の下側になって
該帯状湿材を支持し、かつ前記第1の筒群の上側加熱筒
上では帯状湿材の上側になって該帯状湿材を上側加熱筒
に直接接触させるようにして該上側加熱筒との間に挟持
するよう、各筒に巻き付けられている。また、第2の無
端帯は、前記第2の筒群の導入および導出吸引筒上では
帯状湿材の下側になって該帯状湿材を支持し、かつ前記
第2の筒群の下側加熱筒上では帯状湿材の上側になって
該帯状湿材を下側加熱筒に直接接触させるようにして該
下側加熱筒との間に挟持するよう、各筒に巻き付けられ
ている。さらに第1および第2の無端帯は、第1および
第2の筒群のうち何れか一方の筒群の導出吸引筒とこれ
に隣接して配置された他方の筒群の導入吸引筒との間に
おいて帯状湿材を挟持案内するようになされている。
【0010】
【作用】本発明の多筒式乾燥装置を使用した場合、帯状
湿材は加熱筒により加熱乾燥されるとともに、導入およ
び導出吸引筒により真空乾燥される。一般に、帯状湿材
からの水分蒸発量が特に多い所は、単筒式および多筒式
乾燥部の各段内や各段間において加熱筒により加熱され
てから次の加熱筒に至るまでの帯状湿材搬送路区間であ
り、全水分蒸発量の約70ないし80%がこの区間から
のものであると考えられている。本発明の乾燥装置にお
いては、この区間の帯状湿材を回転可能な吸引筒に巻き
付け、真空乾燥するようになされている。かかる吸引筒
の使用により、本発明では乾燥部全体または各乾燥段を
それぞれ収容するような大掛かりな真空フードを必要と
しない。また、帯状湿材から放出された湿気は拡散する
ことなく殆ど吸引筒内へ吸引されるので、湿気の保有熱
は有効に回収することができる。
湿材は加熱筒により加熱乾燥されるとともに、導入およ
び導出吸引筒により真空乾燥される。一般に、帯状湿材
からの水分蒸発量が特に多い所は、単筒式および多筒式
乾燥部の各段内や各段間において加熱筒により加熱され
てから次の加熱筒に至るまでの帯状湿材搬送路区間であ
り、全水分蒸発量の約70ないし80%がこの区間から
のものであると考えられている。本発明の乾燥装置にお
いては、この区間の帯状湿材を回転可能な吸引筒に巻き
付け、真空乾燥するようになされている。かかる吸引筒
の使用により、本発明では乾燥部全体または各乾燥段を
それぞれ収容するような大掛かりな真空フードを必要と
しない。また、帯状湿材から放出された湿気は拡散する
ことなく殆ど吸引筒内へ吸引されるので、湿気の保有熱
は有効に回収することができる。
【0011】本発明の多筒式乾燥装置を使用した場合、
帯状湿材は、加熱筒上ばかりでなく、全搬送路にわたっ
て拘束支持される。すなわち、帯状湿材は、加熱筒上で
は該加熱筒と無端帯との間に挟持されることにより拘束
され、加熱筒に近接配置された吸引筒上では無端帯を介
して該吸引筒上に吸着されることにより拘束され、第1
および第2の筒群のうち何れか一方の筒群の導出吸引筒
とこれに隣接して配置された他方の筒群の導入吸引筒と
の間では第1の無端帯と第2の無端帯との間に挟持され
ることにより拘束される。全搬送路におけるこれらの拘
束は、帯状湿材の長手方向および幅方向の双方に関して
有効である。したがって製品の変形を招来するような残
留応力差が長手方向と幅方向との間に生ずるのを防止す
ることができる。また、帯状湿材が走行中に煽られて、
よじれたり切れたりすることもない。さらに、乾燥装置
の始動の際には、帯状湿材の先端は全搬送路を拘束支持
されながら送られることになるので、従来装置のように
特別の通紙装置を利用する必要がない。また、たとえ通
紙の際または乾燥作業中に帯状湿材が切れたとしても、
帯状湿材の切れ端が垂れたりすることもないので、装置
を停止せずとも何の支障もない。
帯状湿材は、加熱筒上ばかりでなく、全搬送路にわたっ
て拘束支持される。すなわち、帯状湿材は、加熱筒上で
は該加熱筒と無端帯との間に挟持されることにより拘束
され、加熱筒に近接配置された吸引筒上では無端帯を介
して該吸引筒上に吸着されることにより拘束され、第1
および第2の筒群のうち何れか一方の筒群の導出吸引筒
とこれに隣接して配置された他方の筒群の導入吸引筒と
の間では第1の無端帯と第2の無端帯との間に挟持され
ることにより拘束される。全搬送路におけるこれらの拘
束は、帯状湿材の長手方向および幅方向の双方に関して
有効である。したがって製品の変形を招来するような残
留応力差が長手方向と幅方向との間に生ずるのを防止す
ることができる。また、帯状湿材が走行中に煽られて、
よじれたり切れたりすることもない。さらに、乾燥装置
の始動の際には、帯状湿材の先端は全搬送路を拘束支持
されながら送られることになるので、従来装置のように
特別の通紙装置を利用する必要がない。また、たとえ通
紙の際または乾燥作業中に帯状湿材が切れたとしても、
帯状湿材の切れ端が垂れたりすることもないので、装置
を停止せずとも何の支障もない。
【0012】さらに、帯状湿材の表裏面は上側加熱筒お
よび下側加熱筒によりそれぞれほぼ同程度に加熱される
ので、該帯状湿材の厚さ方向に関して物理的特性差を僅
少にできる。
よび下側加熱筒によりそれぞれほぼ同程度に加熱される
ので、該帯状湿材の厚さ方向に関して物理的特性差を僅
少にできる。
【0013】
【実施例】本発明に係る多筒式乾燥装置を抄紙機に適用
した場合の一実施例を図1ないし図7に示す。
した場合の一実施例を図1ないし図7に示す。
【0014】図1においては、第1および第2の2つの
筒群のみからなる一連の筒群と第1および第2の無端帯
とからなる本発明の多筒式乾燥装置の一実施例が、補助
吸引筒40b、41bおよび案内ロール1c、1d、1
e、3c、4d、4eと組合わされて示されている。
筒群のみからなる一連の筒群と第1および第2の無端帯
とからなる本発明の多筒式乾燥装置の一実施例が、補助
吸引筒40b、41bおよび案内ロール1c、1d、1
e、3c、4d、4eと組合わされて示されている。
【0015】図1で左側に配置された第1の筒群は、互
いに近接して前後に並設された回転可能な導入吸引筒1
aおよび導出吸引筒1bならびにこれら2つの吸引筒1
a、1bに対して上方かつ近接した位置に配置された回
転可能な1つの上側加熱筒1からなる。
いに近接して前後に並設された回転可能な導入吸引筒1
aおよび導出吸引筒1bならびにこれら2つの吸引筒1
a、1bに対して上方かつ近接した位置に配置された回
転可能な1つの上側加熱筒1からなる。
【0016】第1の筒群の右側に配置された第2の筒群
は、互いに近接して前後に並設された回転可能な導入吸
引筒3aおよび導出吸引筒3bならびにこれら2つの吸
引筒3a、3bに対して下方かつ近接した位置に配置さ
れた回転可能な1つの下側加熱筒3からなる。
は、互いに近接して前後に並設された回転可能な導入吸
引筒3aおよび導出吸引筒3bならびにこれら2つの吸
引筒3a、3bに対して下方かつ近接した位置に配置さ
れた回転可能な1つの下側加熱筒3からなる。
【0017】加熱筒は、抄紙機に通常装備される内部水
蒸気加熱の鋳鉄製加熱筒でよいが、熱油などの他の高温
媒体で加熱するか、電熱で加熱するものであってもよい
。様々な形態の加熱筒が利用出来る。
蒸気加熱の鋳鉄製加熱筒でよいが、熱油などの他の高温
媒体で加熱するか、電熱で加熱するものであってもよい
。様々な形態の加熱筒が利用出来る。
【0018】吸引筒は後述するように内筒と該内筒に対
して回転可能な外筒とからなる。外筒には多数の通気孔
が設けられており、内筒と外筒との間には該通気孔と連
通する真空室が形成されている。
して回転可能な外筒とからなる。外筒には多数の通気孔
が設けられており、内筒と外筒との間には該通気孔と連
通する真空室が形成されている。
【0019】吸引筒は、ひとつの真空室を有するもので
もよいし、互いに区分された複数の真空室を有するもの
でもよい。
もよいし、互いに区分された複数の真空室を有するもの
でもよい。
【0020】湿潤紙材である帯状湿材wは、それぞれの
加熱筒および吸引筒に順次巻き付きながらジグザグ状に
搬送される。
加熱筒および吸引筒に順次巻き付きながらジグザグ状に
搬送される。
【0021】可撓通気性の第1の無端帯は、図1の実施
例では上列無端帯8として示されている。上列無端帯8
は、第1の筒群の導入吸引筒1aおよび導出吸引筒1b
上では帯状湿材wの下側(内側)になって該帯状湿材w
を支持し、かつ第1の筒群の上側加熱筒1上では帯状湿
材wの上側(外側)になって該帯状湿材wを上側加熱筒
1に直接接触させて該上側加熱筒1との間に挟持するよ
う、各筒に巻き付けられる。
例では上列無端帯8として示されている。上列無端帯8
は、第1の筒群の導入吸引筒1aおよび導出吸引筒1b
上では帯状湿材wの下側(内側)になって該帯状湿材w
を支持し、かつ第1の筒群の上側加熱筒1上では帯状湿
材wの上側(外側)になって該帯状湿材wを上側加熱筒
1に直接接触させて該上側加熱筒1との間に挟持するよ
う、各筒に巻き付けられる。
【0022】同じく可撓通気性の第2の無端帯は、図1
の実施例では下列無端帯9として示されている。この下
列無端帯9は、第2の筒群の導入吸引筒3aおよび導出
吸引筒3b上では帯状湿材wの下側(内側)になって該
帯状湿材wを支持し、第2の筒群の下側加熱筒3上では
帯状湿材wの上側(外側)になって該帯状湿材wを下側
加熱筒3に直接接触させて該下側加熱筒3との間に挟持
するよう、各筒に巻き付けられている。第2の無端帯す
なわち下列無端帯9はまた、第1の筒群の導出吸引筒1
bと第2の筒群の導入吸引筒3aとの間で、第1の無端
帯すなわち上列無端帯8とともに帯状湿材wを挟持案内
している(図4中、Lで示す箇所を参照のこと)。
の実施例では下列無端帯9として示されている。この下
列無端帯9は、第2の筒群の導入吸引筒3aおよび導出
吸引筒3b上では帯状湿材wの下側(内側)になって該
帯状湿材wを支持し、第2の筒群の下側加熱筒3上では
帯状湿材wの上側(外側)になって該帯状湿材wを下側
加熱筒3に直接接触させて該下側加熱筒3との間に挟持
するよう、各筒に巻き付けられている。第2の無端帯す
なわち下列無端帯9はまた、第1の筒群の導出吸引筒1
bと第2の筒群の導入吸引筒3aとの間で、第1の無端
帯すなわち上列無端帯8とともに帯状湿材wを挟持案内
している(図4中、Lで示す箇所を参照のこと)。
【0023】無端帯としては、通常抄紙機に用いられる
フェルトやカンバスでよいが、特に通気度の高いものが
好ましい。また、長手方向に亙って両縁部の通気度を低
くするように、該両縁部のみを密に織成したりフッソ系
樹脂などの耐熱耐摩耗樹脂で加工するなどして、両縁部
と加熱筒の放熱外周面対応部分との間の気密性を高めた
、いわゆる可変通気性帯が最も好ましい。さらに、多数
の孔を設けられた合成樹脂性薄帯や金属製帯でもよい。
フェルトやカンバスでよいが、特に通気度の高いものが
好ましい。また、長手方向に亙って両縁部の通気度を低
くするように、該両縁部のみを密に織成したりフッソ系
樹脂などの耐熱耐摩耗樹脂で加工するなどして、両縁部
と加熱筒の放熱外周面対応部分との間の気密性を高めた
、いわゆる可変通気性帯が最も好ましい。さらに、多数
の孔を設けられた合成樹脂性薄帯や金属製帯でもよい。
【0024】無端帯8、9と係合するように配置された
案内ロール1c、3cは、可変通気性カンバスである無
端帯8,9を夫々補助的に案内するためのものであり、
無端帯8、9と係合する外周面部分より熱風を吹き出し
て、無端帯8、9が湿材wと当接したときに付着する紙
粉や塗材などを除去すると共に該無端帯を除湿する。ま
た、湿材wの送入部(第1図で見て左端部)には、移行
湿材wを下列無端帯9の表面に吸い付けて支持させると
共に下列無端帯9の移行方向を変更するための吸引案内
ロール1dが配設され、湿材wの送出部(第1図で見て
右端部)には、湿材wを拘束挟持して補助吸引筒41b
の多孔外周面に巻き付く上下列無端帯8、9に加圧空気
を吹き付け上列無端帯8を湿材wから離すための加圧案
内ロール4dが配設されている。
案内ロール1c、3cは、可変通気性カンバスである無
端帯8,9を夫々補助的に案内するためのものであり、
無端帯8、9と係合する外周面部分より熱風を吹き出し
て、無端帯8、9が湿材wと当接したときに付着する紙
粉や塗材などを除去すると共に該無端帯を除湿する。ま
た、湿材wの送入部(第1図で見て左端部)には、移行
湿材wを下列無端帯9の表面に吸い付けて支持させると
共に下列無端帯9の移行方向を変更するための吸引案内
ロール1dが配設され、湿材wの送出部(第1図で見て
右端部)には、湿材wを拘束挟持して補助吸引筒41b
の多孔外周面に巻き付く上下列無端帯8、9に加圧空気
を吹き付け上列無端帯8を湿材wから離すための加圧案
内ロール4dが配設されている。
【0025】前記送入部上方には案内ロール1eが配設
され、加圧案内ロール4dを経て循環して来る上列無端
帯8を案内している。前記送出部には案内ロール4eが
配設され、下列無端帯9を前記送入部へと案内している
。補助吸引筒40b,41bは、吸引筒1a、3a、1
b、3bとほぼ同じ構成であり、前記送出部において互
いに近接対峙して並設され、送出される湿材wを十分に
放湿させるための補助的吸引筒であり、設置しなくても
よい。
され、加圧案内ロール4dを経て循環して来る上列無端
帯8を案内している。前記送出部には案内ロール4eが
配設され、下列無端帯9を前記送入部へと案内している
。補助吸引筒40b,41bは、吸引筒1a、3a、1
b、3bとほぼ同じ構成であり、前記送出部において互
いに近接対峙して並設され、送出される湿材wを十分に
放湿させるための補助的吸引筒であり、設置しなくても
よい。
【0026】吸引筒1a、3a、1b、3b,および補
助吸引筒40b,41bは前述のようにほぼ同じ構成で
あるから、上側導出吸引筒1bについてのみ、その構成
を詳述する。吸引筒1bは、位置調整可能に支持された
軸部材5を両端に突設された内筒6と、該内筒6に外挿
された外筒10とを備えてなる。外筒10は、軸受50
を介して内筒6の軸部材5に回転自在に支持された円環
状軸頸部材12,13を両端に有している。外筒10の
外周面には多数の通気孔11が設けられ、多孔外周面を
形成している。内筒6の外周面と外筒10の内周面との
間には気密室62が形成されている。気密室62は、内
筒6の外周面に突設されて径方向外方に延びる仕切壁6
0、60a、61、61aによって区分され、4x5の
真空室10b−13bおよび1x5の加圧室14bから
なる。仕切壁の先端には、外筒10の内周面と摺接する
封止部材(図示せず)が設けられている。各気密室62
は、外筒10の孔11に連通している。
助吸引筒40b,41bは前述のようにほぼ同じ構成で
あるから、上側導出吸引筒1bについてのみ、その構成
を詳述する。吸引筒1bは、位置調整可能に支持された
軸部材5を両端に突設された内筒6と、該内筒6に外挿
された外筒10とを備えてなる。外筒10は、軸受50
を介して内筒6の軸部材5に回転自在に支持された円環
状軸頸部材12,13を両端に有している。外筒10の
外周面には多数の通気孔11が設けられ、多孔外周面を
形成している。内筒6の外周面と外筒10の内周面との
間には気密室62が形成されている。気密室62は、内
筒6の外周面に突設されて径方向外方に延びる仕切壁6
0、60a、61、61aによって区分され、4x5の
真空室10b−13bおよび1x5の加圧室14bから
なる。仕切壁の先端には、外筒10の内周面と摺接する
封止部材(図示せず)が設けられている。各気密室62
は、外筒10の孔11に連通している。
【0027】各気密室62には、調圧弁71を有する通
気管63が夫々ひとつづつ接続されている。また、各気
密室62には、内部圧力を個別に検知するための圧力検
知器70が夫々接続されている。圧力検知器70及び調
圧弁71は、図2に示す導出吸引筒1bの側断面図で見
て左端の軸部材5を貫通する信号線を介して圧力調節装
置(図示せず)に連結されている。1x5の加圧室14
bとなる部分の気密室62に夫々接続された通気管63
は、図2でみて左端の軸部材5を貫通して内筒6に内挿
された加圧主管66へと、調圧弁71を介して接続され
、その外端は加圧ポンプ(図示せず)に連通されている
。4x5の真空室10b−13bとなる部分の気密室6
2に夫々接続された通気管63は、図2でみて左端の軸
部材5を貫通して内筒6に内挿された真空主管65へと
、調圧弁71を介して接続され、その外端は真空ポンプ
(図示せず)に連通されている。図2で見て右端の外筒
10の軸頸部材13には歯車14が装着され、該歯車1
4は電動機(図示せず)により駆動せしめられる歯車1
5と噛合されている。加熱筒1、3は、それぞれに巻く
無端帯8、9の移動により回転駆動される。
気管63が夫々ひとつづつ接続されている。また、各気
密室62には、内部圧力を個別に検知するための圧力検
知器70が夫々接続されている。圧力検知器70及び調
圧弁71は、図2に示す導出吸引筒1bの側断面図で見
て左端の軸部材5を貫通する信号線を介して圧力調節装
置(図示せず)に連結されている。1x5の加圧室14
bとなる部分の気密室62に夫々接続された通気管63
は、図2でみて左端の軸部材5を貫通して内筒6に内挿
された加圧主管66へと、調圧弁71を介して接続され
、その外端は加圧ポンプ(図示せず)に連通されている
。4x5の真空室10b−13bとなる部分の気密室6
2に夫々接続された通気管63は、図2でみて左端の軸
部材5を貫通して内筒6に内挿された真空主管65へと
、調圧弁71を介して接続され、その外端は真空ポンプ
(図示せず)に連通されている。図2で見て右端の外筒
10の軸頸部材13には歯車14が装着され、該歯車1
4は電動機(図示せず)により駆動せしめられる歯車1
5と噛合されている。加熱筒1、3は、それぞれに巻く
無端帯8、9の移動により回転駆動される。
【0028】図示実施例による多筒式乾燥装置は次の様
に作用する。例えば抄紙機に適用した場合について述べ
ると、金網部で木材パルプ等の紙材含有水懸濁液を脱水
成形して得られた帯状湿潤紙材を、搾水部で圧搾脱水圧
延し含水率60%前後の薄厚な帯状湿材wに成形し、テ
ール通し(後述する。)後、該テールを全幅に拡げて湿
材wを通紙させる。湿材wは、吸引案内ロール1d上で
該ロールと係合する下列無端帯9の表面に吸引移乗して
担持され、下列無端帯9により搬送されて導入吸引筒1
aへと導かれる。その際、上列無端帯8が巻き付いた吸
引筒1aの多孔外周面には、真空室10aよりの真空吸
引力が作用しているので、湿材wは、通気性の上列無端
帯8を介してこの吸引力の作用を受け、該無端帯8の表
面に吸い付き、拘束支持される。湿材wは、このように
拘束支持された状態のまま吸引筒1aの回転とともに周
動し、上側加熱筒1へと搬送される。下列無端帯9は、
導入吸引筒1aに巻き付いた湿材wを該吸引筒1aの外
周面との間に挟持した後、該吸引筒1aを離れ、案内ロ
ール1cによって導出吸引筒1bへと導かれる。導入吸
引筒1aの加圧室11aは、上側加熱筒1の放熱外周面
の前面下側に近接対峙した外筒の多孔外周面と連通して
おり、上列無端帯8はこの加圧室11aからの加圧を受
けて、導入吸引筒1aを離れるとほぼ同時に上側加熱筒
1に移乗せしめられる。湿材wはかかる上列無端帯8の
動きに伴い上側加熱筒1へ移乗し、該加熱筒1の外周面
上に直接押圧される。湿材wは、その上に巻かれる上列
無端帯8により上側加熱筒1上に拘束挟持される。湿材
wは、100°C前後の上側加熱筒1の平滑放熱外周面
に密着して巻き付き、上列無端帯8により拘束挟持され
ながら加熱されつつ搬送される。上側加熱筒1の放熱外
周面の後面下側に近接対峙した上側導出吸引筒1bの、
上列無端帯8が巻き付き始める多孔外周面には、1x5
の真空室10bとなる部分の気密室62からの真空吸引
力が作用しており、上列無端帯8は上側加熱筒1を離れ
るとほぼ同時に導出吸引筒1bの該多孔外周面前面部分
に巻き付く。
に作用する。例えば抄紙機に適用した場合について述べ
ると、金網部で木材パルプ等の紙材含有水懸濁液を脱水
成形して得られた帯状湿潤紙材を、搾水部で圧搾脱水圧
延し含水率60%前後の薄厚な帯状湿材wに成形し、テ
ール通し(後述する。)後、該テールを全幅に拡げて湿
材wを通紙させる。湿材wは、吸引案内ロール1d上で
該ロールと係合する下列無端帯9の表面に吸引移乗して
担持され、下列無端帯9により搬送されて導入吸引筒1
aへと導かれる。その際、上列無端帯8が巻き付いた吸
引筒1aの多孔外周面には、真空室10aよりの真空吸
引力が作用しているので、湿材wは、通気性の上列無端
帯8を介してこの吸引力の作用を受け、該無端帯8の表
面に吸い付き、拘束支持される。湿材wは、このように
拘束支持された状態のまま吸引筒1aの回転とともに周
動し、上側加熱筒1へと搬送される。下列無端帯9は、
導入吸引筒1aに巻き付いた湿材wを該吸引筒1aの外
周面との間に挟持した後、該吸引筒1aを離れ、案内ロ
ール1cによって導出吸引筒1bへと導かれる。導入吸
引筒1aの加圧室11aは、上側加熱筒1の放熱外周面
の前面下側に近接対峙した外筒の多孔外周面と連通して
おり、上列無端帯8はこの加圧室11aからの加圧を受
けて、導入吸引筒1aを離れるとほぼ同時に上側加熱筒
1に移乗せしめられる。湿材wはかかる上列無端帯8の
動きに伴い上側加熱筒1へ移乗し、該加熱筒1の外周面
上に直接押圧される。湿材wは、その上に巻かれる上列
無端帯8により上側加熱筒1上に拘束挟持される。湿材
wは、100°C前後の上側加熱筒1の平滑放熱外周面
に密着して巻き付き、上列無端帯8により拘束挟持され
ながら加熱されつつ搬送される。上側加熱筒1の放熱外
周面の後面下側に近接対峙した上側導出吸引筒1bの、
上列無端帯8が巻き付き始める多孔外周面には、1x5
の真空室10bとなる部分の気密室62からの真空吸引
力が作用しており、上列無端帯8は上側加熱筒1を離れ
るとほぼ同時に導出吸引筒1bの該多孔外周面前面部分
に巻き付く。
【0029】加熱筒1と導出吸引筒1bとの間の帯状湿
材wの搬送路部分を拡大して示す図4からも理解される
ように、加熱筒1と導出吸引筒1bとは互いに近接して
並設されており、加熱筒1の外方より第1の無端帯8に
押圧されて加熱筒1の回転とともに拘束搬送されてきた
帯状湿材wは、無端帯8に支持されて無端帯8とともに
加熱筒1の放熱外周面を離れたのち、導出吸引筒1bの
多孔外周面に巻き付く無端帯8の表面に吸い付けられて
導出吸引筒1bの回転とともに拘束搬送される。
材wの搬送路部分を拡大して示す図4からも理解される
ように、加熱筒1と導出吸引筒1bとは互いに近接して
並設されており、加熱筒1の外方より第1の無端帯8に
押圧されて加熱筒1の回転とともに拘束搬送されてきた
帯状湿材wは、無端帯8に支持されて無端帯8とともに
加熱筒1の放熱外周面を離れたのち、導出吸引筒1bの
多孔外周面に巻き付く無端帯8の表面に吸い付けられて
導出吸引筒1bの回転とともに拘束搬送される。
【0030】この加熱筒1と導出吸引筒1bとの隣接区
間において、図4に矢印P2で示すように、無端帯8と
導出吸引筒1bの外筒10とにより形成された楔状ポケ
ットから無端帯8の内部を長手方向に対しほぼ平行に流
れて導出吸引筒1bの外筒10の通気孔11を経て真空
室10bへと吸い込まれる気流P2が、幅方向にわたっ
て形成される。かくして、帯状湿材wおよび無端帯8間
は気流P2の真空雰囲気に曝されることになる。すなわ
ち、帯状湿材wの外側面(無端帯8と反対側)はほぼ常
圧P1に曝され、かつ内面側(無端帯8側)は真空圧P
2に曝されるから、帯状湿材wは無端帯8の表面へ押圧
されて拘束支持される。
間において、図4に矢印P2で示すように、無端帯8と
導出吸引筒1bの外筒10とにより形成された楔状ポケ
ットから無端帯8の内部を長手方向に対しほぼ平行に流
れて導出吸引筒1bの外筒10の通気孔11を経て真空
室10bへと吸い込まれる気流P2が、幅方向にわたっ
て形成される。かくして、帯状湿材wおよび無端帯8間
は気流P2の真空雰囲気に曝されることになる。すなわ
ち、帯状湿材wの外側面(無端帯8と反対側)はほぼ常
圧P1に曝され、かつ内面側(無端帯8側)は真空圧P
2に曝されるから、帯状湿材wは無端帯8の表面へ押圧
されて拘束支持される。
【0031】湿材wは、各真空室10bからの真空(約
−70,−80,−100,−80,−70mmHgの
幅方向真空値分布)による吸引力を上列無端帯8を介し
て受けているので、上列無端帯8を下側(内側)にして
導出吸引筒1bに巻き付けられる。次いで湿材wは、1
x5の真空室11bからの真空(−100,−120,
−150,−120,−100mmHgの幅方向真空値
分布)による吸引力を上列無端帯8を介して受けたのち
、1x5の真空室12bからの真空(−120,−15
0,−200,−150,−120mmHgの幅方向真
空値分布)による吸引力を受けて急速放湿し、前述した
各真空室11bと同じ幅方向分布値の真空による吸引力
を1x5の真空室13bから受けたのち、1x5の加圧
室14bと連通する多孔外周面部分に達する。一方、導
入吸引筒1aの下面にて一時湿材wを挟持した下列無端
帯9は、案内ロール1cを経て導出吸引筒1bの下面で
再び湿材wを覆うようにして挟持しながら導出吸引筒1
bを巻くように案内される。上下列無端帯8,9に挟ま
れた状態で真空吸引力を受けながら搬送される湿材wは
、各加圧室14bの領域にて該加圧室14bからの加圧
を受け、導出吸引筒1bを離れる。
−70,−80,−100,−80,−70mmHgの
幅方向真空値分布)による吸引力を上列無端帯8を介し
て受けているので、上列無端帯8を下側(内側)にして
導出吸引筒1bに巻き付けられる。次いで湿材wは、1
x5の真空室11bからの真空(−100,−120,
−150,−120,−100mmHgの幅方向真空値
分布)による吸引力を上列無端帯8を介して受けたのち
、1x5の真空室12bからの真空(−120,−15
0,−200,−150,−120mmHgの幅方向真
空値分布)による吸引力を受けて急速放湿し、前述した
各真空室11bと同じ幅方向分布値の真空による吸引力
を1x5の真空室13bから受けたのち、1x5の加圧
室14bと連通する多孔外周面部分に達する。一方、導
入吸引筒1aの下面にて一時湿材wを挟持した下列無端
帯9は、案内ロール1cを経て導出吸引筒1bの下面で
再び湿材wを覆うようにして挟持しながら導出吸引筒1
bを巻くように案内される。上下列無端帯8,9に挟ま
れた状態で真空吸引力を受けながら搬送される湿材wは
、各加圧室14bの領域にて該加圧室14bからの加圧
を受け、導出吸引筒1bを離れる。
【0032】そののちに導入吸引筒3aに巻かれるまで
の間、湿材wは上下列無端帯8、9間に拘束挟持されな
がら搬送される(図5参照)。したがって、導出吸引筒
1bと導入吸引筒3aとの間隔は離れていてもかまわな
い。その湿材wが巻き付き始める導入吸引筒3aの多孔
外周面部分は、前記各真空室11bと同じ分布値の真空
に調圧された1x5の真空室30aと連通しており、該
真空室30aからの真空吸引力を下列無端帯9を介して
受ける湿材wは、下列無端帯9の表面に吸い付き拘束支
持されながら導入吸引筒3aの多孔外周面の前面に巻か
れてゆく。次いで湿材wは1x5の真空室31aから前
記各真空室12bと同じ分布値の真空による吸引力を下
側無端帯9を介して受けたのち、1x5の真空室32a
からの真空(−140,−180,−250,−180
,−140mmHgの幅方向真空値分布値)による吸引
力を同じく下列無端帯9を介して受け、被加熱面側から
急速放湿される。この間に、湿材wを挟持していた上列
無端帯8は導入吸引筒3aの上部で該吸引筒3aから離
れ、案内ロール3cを経て導出吸引筒3bへと移る。 一方、湿材wは前記真空室31aと同じ分布値の真空に
よる吸引力を1x5の真空室33aから下列無端帯9を
介して受けたのち、1x5の加圧室34aと連通する、
下側加熱筒3の放熱外周面の前面上側に近接対峙する多
孔外周面部分に達する。そこで、下列無端帯9は各加圧
室34aからの加圧を受けて導入吸引筒3aを離れると
ほぼ同時に、湿材wを内側にして近接する下側加熱筒3
に巻き付く。湿材wは、下側加熱筒3の平滑放熱外周面
に密着して巻き付き、外側を巻く下列無端帯9により押
し付けられるように拘束挟持されて前記被加熱面と反対
側の面を加熱されつつ搬送される。
の間、湿材wは上下列無端帯8、9間に拘束挟持されな
がら搬送される(図5参照)。したがって、導出吸引筒
1bと導入吸引筒3aとの間隔は離れていてもかまわな
い。その湿材wが巻き付き始める導入吸引筒3aの多孔
外周面部分は、前記各真空室11bと同じ分布値の真空
に調圧された1x5の真空室30aと連通しており、該
真空室30aからの真空吸引力を下列無端帯9を介して
受ける湿材wは、下列無端帯9の表面に吸い付き拘束支
持されながら導入吸引筒3aの多孔外周面の前面に巻か
れてゆく。次いで湿材wは1x5の真空室31aから前
記各真空室12bと同じ分布値の真空による吸引力を下
側無端帯9を介して受けたのち、1x5の真空室32a
からの真空(−140,−180,−250,−180
,−140mmHgの幅方向真空値分布値)による吸引
力を同じく下列無端帯9を介して受け、被加熱面側から
急速放湿される。この間に、湿材wを挟持していた上列
無端帯8は導入吸引筒3aの上部で該吸引筒3aから離
れ、案内ロール3cを経て導出吸引筒3bへと移る。 一方、湿材wは前記真空室31aと同じ分布値の真空に
よる吸引力を1x5の真空室33aから下列無端帯9を
介して受けたのち、1x5の加圧室34aと連通する、
下側加熱筒3の放熱外周面の前面上側に近接対峙する多
孔外周面部分に達する。そこで、下列無端帯9は各加圧
室34aからの加圧を受けて導入吸引筒3aを離れると
ほぼ同時に、湿材wを内側にして近接する下側加熱筒3
に巻き付く。湿材wは、下側加熱筒3の平滑放熱外周面
に密着して巻き付き、外側を巻く下列無端帯9により押
し付けられるように拘束挟持されて前記被加熱面と反対
側の面を加熱されつつ搬送される。
【0033】その後、湿材wは、下側加熱筒3を離れ、
導出吸引筒3bにおいて各気密室から前記真空値を越え
る真空による吸引力を受けて急速放湿し、さらに補助吸
引筒40b,41bにおいて各気密室より最高値の真空
による吸引力を受けて所望の乾燥度に調湿されて送出さ
れる。その後、湿材wはその張りを調整するため、所望
速さで後続の多筒式乾燥装置へと送入される。
導出吸引筒3bにおいて各気密室から前記真空値を越え
る真空による吸引力を受けて急速放湿し、さらに補助吸
引筒40b,41bにおいて各気密室より最高値の真空
による吸引力を受けて所望の乾燥度に調湿されて送出さ
れる。その後、湿材wはその張りを調整するため、所望
速さで後続の多筒式乾燥装置へと送入される。
【0034】次に前記各吸引筒を代表する導出吸引筒1
bの作用につき、図2、3を参照しつつ詳述する。
bの作用につき、図2、3を参照しつつ詳述する。
【0035】導出吸引筒1bの軸方向および周方向に連
なって設けられている気密室62のうち、上列無端帯8
が巻き付く多孔外周面の中央部分と連通して周方向に連
なる4つの真空室10b−13b及び1つの加圧室14
bとなる気密室62に夫々接続された圧力検知器70が
、これらの各室内の圧力を検知する。その他の気密室6
2においては、回転軸線方向に関して相隣接して周方向
に連なる各気密室62,62に導管を介して連通する圧
力検知器70によって該各相隣接する気密室内圧力の差
圧が検知される。斯くして、前記中央部分と連通する各
気密室62の室内圧を夫々調整する各圧力調節装置(図
示せず)の設定変更をすれば、同一の軸方向真空値又は
加圧値分布パターンを維持しながら自動的にそれらの値
を増減することができる。また、乾燥処理後の湿材wの
幅方向含水分率分布(水分プロファイル)を周知の水分
計(図示せず)により検知すると共に、該検知値に応じ
て前記各圧力調節装置の目標値を個別に且つ同一僅少幅
だけ順次設定変更し、該水分計の応答のうち最大値を示
す吸引筒内部の気密室を逆探知して、該各圧力調節装置
の設定を個別に変更することも可能である。更に、前述
のように湿材wが巻く多孔外周面の周方向両縁部分及び
回転軸線方向両縁部分へ向かって次第に真空度及び加圧
度が低くなるように各室圧を調整すれば、各気密室62
間を封じる封止部材(図示せず)の摺接度合を小さくし
てもその封止作用が維持できるので、湿材の高真空放湿
が可能となり且つ吸引筒の外筒の駆動負荷も軽減し得る
。
なって設けられている気密室62のうち、上列無端帯8
が巻き付く多孔外周面の中央部分と連通して周方向に連
なる4つの真空室10b−13b及び1つの加圧室14
bとなる気密室62に夫々接続された圧力検知器70が
、これらの各室内の圧力を検知する。その他の気密室6
2においては、回転軸線方向に関して相隣接して周方向
に連なる各気密室62,62に導管を介して連通する圧
力検知器70によって該各相隣接する気密室内圧力の差
圧が検知される。斯くして、前記中央部分と連通する各
気密室62の室内圧を夫々調整する各圧力調節装置(図
示せず)の設定変更をすれば、同一の軸方向真空値又は
加圧値分布パターンを維持しながら自動的にそれらの値
を増減することができる。また、乾燥処理後の湿材wの
幅方向含水分率分布(水分プロファイル)を周知の水分
計(図示せず)により検知すると共に、該検知値に応じ
て前記各圧力調節装置の目標値を個別に且つ同一僅少幅
だけ順次設定変更し、該水分計の応答のうち最大値を示
す吸引筒内部の気密室を逆探知して、該各圧力調節装置
の設定を個別に変更することも可能である。更に、前述
のように湿材wが巻く多孔外周面の周方向両縁部分及び
回転軸線方向両縁部分へ向かって次第に真空度及び加圧
度が低くなるように各室圧を調整すれば、各気密室62
間を封じる封止部材(図示せず)の摺接度合を小さくし
てもその封止作用が維持できるので、湿材の高真空放湿
が可能となり且つ吸引筒の外筒の駆動負荷も軽減し得る
。
【0036】尚、加熱筒1、3の各露出放熱外周面部分
と該各加熱筒の前後面に夫々近接対峙して配置された導
入吸引筒1a、3a及び導出吸引筒1b、3bの無端帯
が巻く多孔外周面部分とで前後及び上下方向を囲まれて
形成されたポケットに放湿される湿気は、該各ポケット
に挿入された吸引管(図示せず)により吸い出される。 また各吸引筒1a、3a、1b、3b、40b、41b
の真空主管65を経て吸出されて来る濃密な湿気を、周
知の排熱回収装置(図示せず)を通すことにより、その
保有熱及び凝縮水は高率で回収することができる。
と該各加熱筒の前後面に夫々近接対峙して配置された導
入吸引筒1a、3a及び導出吸引筒1b、3bの無端帯
が巻く多孔外周面部分とで前後及び上下方向を囲まれて
形成されたポケットに放湿される湿気は、該各ポケット
に挿入された吸引管(図示せず)により吸い出される。 また各吸引筒1a、3a、1b、3b、40b、41b
の真空主管65を経て吸出されて来る濃密な湿気を、周
知の排熱回収装置(図示せず)を通すことにより、その
保有熱及び凝縮水は高率で回収することができる。
【0037】更に、乾燥装置を始動する際に狭幅の帯状
湿材(これをテールと称する)を通紙する作業に関して
いえば、各吸引筒1a、3a、1b、3b、40b、4
1b及び吸引案内ロール1d及び加圧案内ロール4dの
各多孔外周面の軸方向操作側縁部分に連通し周方向に延
びて連なる、テール幅のひとつ以上の気密室62を夫々
の吸引筒および案内ロールの内部に形成し、該テールの
通紙に際し、該操作側縁部分に連通した気密室62のみ
を真空又は加圧にすることにより、該テールは前記帯状
湿材wが受けた作用と同様の作用を受けつつ、確実且つ
安定した状態でに通紙させることができる。
湿材(これをテールと称する)を通紙する作業に関して
いえば、各吸引筒1a、3a、1b、3b、40b、4
1b及び吸引案内ロール1d及び加圧案内ロール4dの
各多孔外周面の軸方向操作側縁部分に連通し周方向に延
びて連なる、テール幅のひとつ以上の気密室62を夫々
の吸引筒および案内ロールの内部に形成し、該テールの
通紙に際し、該操作側縁部分に連通した気密室62のみ
を真空又は加圧にすることにより、該テールは前記帯状
湿材wが受けた作用と同様の作用を受けつつ、確実且つ
安定した状態でに通紙させることができる。
【0038】
【応用例】本発明による多筒式乾燥装置の実施例を抄紙
機の多段乾燥部の各段に適用した場合を図6に示す。こ
のような応用例は、乾燥のために多量の熱量を必要とす
る、例えば厚手の帯状湿材を加熱乾燥するための多筒式
多段乾燥部に好適であり、本発明による多筒式乾燥装置
の実施例を乾燥部の複数段のそれぞれに適用して互いに
連設させることにより構成される。図6の例では、本発
明の多筒式乾燥装置の実施例が2段乾燥部のそれぞれの
段に適用されている。すなわち、乾燥部の最初の段にお
ける本発明の乾燥装置は、第1の筒群として加熱筒1、
導入吸引筒1aおよび導出吸引筒1bと含み、第2の筒
群として加熱筒3、導入吸引筒3aおよび導出吸引筒3
bを含んでいる。そして、乾燥部の第2段における乾燥
装置は、第1の筒群として加熱筒2、導入吸引筒2aお
よび導出吸引筒2bを含み、第2の筒群として加熱筒4
、導入吸引筒4aおよび導出吸引筒4bを含んでいる。 図1の実施例における案内ロール1c、3cと同様の案
内ロール2c、4cが追加的に設けられている。各段の
乾燥装置における湿材wの拘束態様は図1の実施例の場
合と同様である。また、最初の段の導出吸引筒3bと第
2段の導入吸引筒2aとの間、すなわち各段の乾燥装置
間の連接部分における湿材wは、図1の実施例において
説明した吸引筒1b、3a間における湿材wと同様に、
無端帯8および9によってこれらの間を拘束状態で挟持
案内されている。
機の多段乾燥部の各段に適用した場合を図6に示す。こ
のような応用例は、乾燥のために多量の熱量を必要とす
る、例えば厚手の帯状湿材を加熱乾燥するための多筒式
多段乾燥部に好適であり、本発明による多筒式乾燥装置
の実施例を乾燥部の複数段のそれぞれに適用して互いに
連設させることにより構成される。図6の例では、本発
明の多筒式乾燥装置の実施例が2段乾燥部のそれぞれの
段に適用されている。すなわち、乾燥部の最初の段にお
ける本発明の乾燥装置は、第1の筒群として加熱筒1、
導入吸引筒1aおよび導出吸引筒1bと含み、第2の筒
群として加熱筒3、導入吸引筒3aおよび導出吸引筒3
bを含んでいる。そして、乾燥部の第2段における乾燥
装置は、第1の筒群として加熱筒2、導入吸引筒2aお
よび導出吸引筒2bを含み、第2の筒群として加熱筒4
、導入吸引筒4aおよび導出吸引筒4bを含んでいる。 図1の実施例における案内ロール1c、3cと同様の案
内ロール2c、4cが追加的に設けられている。各段の
乾燥装置における湿材wの拘束態様は図1の実施例の場
合と同様である。また、最初の段の導出吸引筒3bと第
2段の導入吸引筒2aとの間、すなわち各段の乾燥装置
間の連接部分における湿材wは、図1の実施例において
説明した吸引筒1b、3a間における湿材wと同様に、
無端帯8および9によってこれらの間を拘束状態で挟持
案内されている。
【0039】図7は、本発明による多筒式乾燥装置の実
施例を、抄紙機の多段乾燥部における周知の段間に挿置
される段に適用した例を示す。この応用例は、上述した
応用例と同様、乾燥のために多量の熱量を必要とする、
例えば厚手の帯状湿材を加熱乾燥するための多筒式多段
乾燥部に好適である。この応用例は、周知の、例えば米
国特許第3,868,780号明細書に開示されている
ようなシングルキャンバス多筒式乾燥装置からなる複数
の乾燥段間に、本発明による多筒式乾燥装置の実施例を
適用した乾燥段を挿置することにより構成することがで
きる。図7の例における本発明の乾燥装置は、第1の筒
群として加熱筒2、導入吸引筒2aおよび導出吸引筒2
bを含み、第2の筒群として加熱筒3、導入吸引筒3a
および導出吸引筒3bを含んでいる。本発明による多筒
式乾燥装置の前後に隣接する乾燥段の加熱筒1、4と、
本発明の乾燥装置の吸引筒2a、3bとの間の構成は、
図4に関して前述したものと同様である。図7の応用例
における本発明の実施例では、第1の筒群と第2の筒群
との間、すなわち吸引筒2bと吸引筒3aとの間Lが、
図1の実施例の場合と比較して長くなっている。しかし
ながら、この間の搬送路における湿材wが無端帯8およ
び9により拘束状態で挟持案内されることは図1の実施
例の場合と同様である。
施例を、抄紙機の多段乾燥部における周知の段間に挿置
される段に適用した例を示す。この応用例は、上述した
応用例と同様、乾燥のために多量の熱量を必要とする、
例えば厚手の帯状湿材を加熱乾燥するための多筒式多段
乾燥部に好適である。この応用例は、周知の、例えば米
国特許第3,868,780号明細書に開示されている
ようなシングルキャンバス多筒式乾燥装置からなる複数
の乾燥段間に、本発明による多筒式乾燥装置の実施例を
適用した乾燥段を挿置することにより構成することがで
きる。図7の例における本発明の乾燥装置は、第1の筒
群として加熱筒2、導入吸引筒2aおよび導出吸引筒2
bを含み、第2の筒群として加熱筒3、導入吸引筒3a
および導出吸引筒3bを含んでいる。本発明による多筒
式乾燥装置の前後に隣接する乾燥段の加熱筒1、4と、
本発明の乾燥装置の吸引筒2a、3bとの間の構成は、
図4に関して前述したものと同様である。図7の応用例
における本発明の実施例では、第1の筒群と第2の筒群
との間、すなわち吸引筒2bと吸引筒3aとの間Lが、
図1の実施例の場合と比較して長くなっている。しかし
ながら、この間の搬送路における湿材wが無端帯8およ
び9により拘束状態で挟持案内されることは図1の実施
例の場合と同様である。
【0040】
【発明の効果】本発明の多筒式乾燥装置によれば、帯状
湿材の表側を加熱するための加熱筒と該帯状湿材の裏側
を加熱するための加熱筒との間で吸引筒を利用すること
により、従来のように乾燥部全体やそれを構成する個々
の乾燥装置を収容するための大きな真空フードを必要と
することなく、簡単な構成で真空乾燥を行うことができ
る。本発明においては、従来の大型真空フード内の真空
と常圧との切り替えに要する時間の問題や、管理および
作業のための作業員のアクセスの困難さの問題は解消さ
れている。
湿材の表側を加熱するための加熱筒と該帯状湿材の裏側
を加熱するための加熱筒との間で吸引筒を利用すること
により、従来のように乾燥部全体やそれを構成する個々
の乾燥装置を収容するための大きな真空フードを必要と
することなく、簡単な構成で真空乾燥を行うことができ
る。本発明においては、従来の大型真空フード内の真空
と常圧との切り替えに要する時間の問題や、管理および
作業のための作業員のアクセスの困難さの問題は解消さ
れている。
【0041】しかも、濃密な湿気を、拡散させることな
く吸引筒によって直接採集することができるので、湿気
の温度低下は比較的少なく、湿気の保有熱を有効に回収
することができる。
く吸引筒によって直接採集することができるので、湿気
の温度低下は比較的少なく、湿気の保有熱を有効に回収
することができる。
【0042】本発明の多筒式乾燥装置によれば、帯状湿
材をその全搬送路に亙り拘束支持しながら加熱と放湿と
を繰り返して該帯状湿材の表裏面をほぼ均等に乾燥する
ので、長手方向、幅方向、厚さ方向の張力差に起因する
好ましくない物理特性差を無くし、前記従来の単筒式な
どの形式の乾燥装置における帯状湿材の片面側加熱によ
ることなく、カール等の変形を生じない高品質な製品を
作ることができる。
材をその全搬送路に亙り拘束支持しながら加熱と放湿と
を繰り返して該帯状湿材の表裏面をほぼ均等に乾燥する
ので、長手方向、幅方向、厚さ方向の張力差に起因する
好ましくない物理特性差を無くし、前記従来の単筒式な
どの形式の乾燥装置における帯状湿材の片面側加熱によ
ることなく、カール等の変形を生じない高品質な製品を
作ることができる。
【0043】また、帯状湿材が煽られてよじれたり切れ
たりすることもないので、従来のようにこれらのトラブ
ルに伴い装置を停止することもなくなる。
たりすることもないので、従来のようにこれらのトラブ
ルに伴い装置を停止することもなくなる。
【0044】全搬送路に亙り拘束支持されていることに
より、帯状湿材の走行は安定する。したがって、高速走
行が可能である。
より、帯状湿材の走行は安定する。したがって、高速走
行が可能である。
【0045】また、各吸引筒に巻き付く無端帯の表面に
吸着された状態で拘束支持された湿材の露出面部分に、
強力な乾気や熱風を吹き付けても走行が不安定になる等
の心配もないので、このような吹き付けにより湿材から
の放湿を促進することもできる。また、前述したポケッ
トからの掃気も、湿材への物理的影響を心配せずに強力
に実施できる。
吸着された状態で拘束支持された湿材の露出面部分に、
強力な乾気や熱風を吹き付けても走行が不安定になる等
の心配もないので、このような吹き付けにより湿材から
の放湿を促進することもできる。また、前述したポケッ
トからの掃気も、湿材への物理的影響を心配せずに強力
に実施できる。
【0046】乾燥装置始動時の通紙作業においても、特
別の通紙装置を必要とすることなく、これを行うことが
できる。たとえ狭幅のテールが切れたとしても、テール
は全搬送路に亙って拘束支持されているので、そのまま
で運転を続けても通紙作業に支障はない。
別の通紙装置を必要とすることなく、これを行うことが
できる。たとえ狭幅のテールが切れたとしても、テール
は全搬送路に亙って拘束支持されているので、そのまま
で運転を続けても通紙作業に支障はない。
【0047】本発明の多筒式乾燥装置によれば、各筒群
において互いに近接するようになされた加熱筒および吸
引筒の配置構成から、湿材は加熱筒の放熱外周面に大き
な巻き付け角で巻き付き効率のよい加熱を受けることが
できるとともに、乾燥装置全体を小型化することもでき
る。
において互いに近接するようになされた加熱筒および吸
引筒の配置構成から、湿材は加熱筒の放熱外周面に大き
な巻き付け角で巻き付き効率のよい加熱を受けることが
できるとともに、乾燥装置全体を小型化することもでき
る。
【0048】なお、湿材搬送中、任意に選択された吸引
筒において、湿材を吸着して拘束支持する多孔外周面部
分での幅方向真空値分布パターンを随所で且つ随時に調
整可能とした場合には、乾燥前又は乾燥中における湿材
の水分プロファイルの不均一や幅方向物理的特性値の不
均一を矯正できる。
筒において、湿材を吸着して拘束支持する多孔外周面部
分での幅方向真空値分布パターンを随所で且つ随時に調
整可能とした場合には、乾燥前又は乾燥中における湿材
の水分プロファイルの不均一や幅方向物理的特性値の不
均一を矯正できる。
【0049】本発明の多筒式乾燥装置は、無端帯に摺接
する部材がないから、高速運転をしても無端帯の損耗は
極めて少ない。
する部材がないから、高速運転をしても無端帯の損耗は
極めて少ない。
【図1】本発明に係る多筒式乾燥装置の一実施例を補助
吸引筒および案内ロールとともに示す側断面図。
吸引筒および案内ロールとともに示す側断面図。
【図2】図1における吸引筒1bの縦断面図であり、図
3におけるB−B断面図に相当する。
3におけるB−B断面図に相当する。
【図3】図2におけるA−A断面図。
【図4】図1中、矢印イで示す部分の拡大図。
【図5】図1中、矢印ロで示す部分の拡大図。
【図6】本発明による多筒式乾燥装置の応用例を示す側
断面図。
断面図。
【図7】本発明による多筒式乾燥装置の別の応用例を示
す側断面図。
す側断面図。
【図8】従来の抄紙機の多段乾燥部の真空蒸発式ドライ
ヤーを示す略式側面図。
ヤーを示す略式側面図。
1、2、3、4: 加熱筒 1a、2a、3a
、4a: 導入吸引筒 1b、2b、3b、4
b: 導出吸引筒 8: 第1の無端帯 9:
第2の無端帯w: 帯状湿材
、4a: 導入吸引筒 1b、2b、3b、4
b: 導出吸引筒 8: 第1の無端帯 9:
第2の無端帯w: 帯状湿材
Claims (1)
- 【請求項1】 互いに近接して前後に並設された回転
可能な導入および導出吸引筒ならびにこれら2つの吸引
筒に対して上方かつ近接した位置に配置された回転可能
な1つの上側加熱筒からなる第1の筒群と、互いに近接
して前後に並設された回転可能な導入および導出吸引筒
ならびにこれら2つの吸引筒に対して下方かつ近接した
位置に配置された回転可能な1つの下側加熱筒からなり
前記第1の筒群に並設される第2の筒群との2つの筒群
のみからなる一連の筒群であって、各筒が上下互い違い
になりながら並列するように配置されており、帯状湿材
がそれぞれの筒に順次巻き付きながらジグザグ状に搬送
されるところの一連の筒群と、前記第1の筒群の導入お
よび導出吸引筒上では帯状湿材の下側になって該帯状湿
材を支持し、かつ前記第1の筒群の上側加熱筒上では帯
状湿材の上側になって該帯状湿材を上側加熱筒に直接接
触させるようにして該上側加熱筒との間に挟持するよう
、各筒に巻き付けられる可撓通気性の第1の無端帯と、
前記第2の筒群の導入および導出吸引筒上では帯状湿材
の下側になって該帯状湿材を支持し、かつ前記第2の筒
群の下側加熱筒上では帯状湿材の上側になって該帯状湿
材を下側加熱筒に直接接触させるようにして該下側加熱
筒との間に挟持するよう、各筒に巻き付けられる可撓通
気性の第2の無端帯とを備え、前記第1および第2の無
端帯は、前記第1および第2の筒群のうち何れか一方の
筒群の導出吸引筒とこれに隣接して配置された他方の筒
群の導入吸引筒との間において前記帯状湿材を挟持案内
するようになされている、多筒式乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17827491A JPH04363579A (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 多筒式乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17827491A JPH04363579A (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 多筒式乾燥装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5565085A Division JPS61217673A (ja) | 1985-03-22 | 1985-03-22 | 多筒式乾燥装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04363579A true JPH04363579A (ja) | 1992-12-16 |
Family
ID=16045609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17827491A Pending JPH04363579A (ja) | 1991-07-18 | 1991-07-18 | 多筒式乾燥装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04363579A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014510893A (ja) * | 2011-02-15 | 2014-05-01 | ジョージア パシフィック コンスーマー プロダクツ エルピー | シート状製品の製造に関するシステムと方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5243922A (en) * | 1975-10-02 | 1977-04-06 | Pioneer Electronic Corp | Driving circuit of electric motor |
-
1991
- 1991-07-18 JP JP17827491A patent/JPH04363579A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5243922A (en) * | 1975-10-02 | 1977-04-06 | Pioneer Electronic Corp | Driving circuit of electric motor |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014510893A (ja) * | 2011-02-15 | 2014-05-01 | ジョージア パシフィック コンスーマー プロダクツ エルピー | シート状製品の製造に関するシステムと方法 |
US9670617B2 (en) | 2011-02-15 | 2017-06-06 | Georgia-Pacific Consumer Products Lp | System and methods involving fabricating sheet products |
US10337793B2 (en) | 2011-02-15 | 2019-07-02 | Gpcp Ip Holdings Llc | System and methods involving fabricating sheet products |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4183148A (en) | Paper machine drying section and method of operating the same | |
EP0345266B1 (en) | Apparatus for drying a web | |
EP0620313B2 (en) | Drying method and drying module, as well as dryer sections that make use of same, in particular for a high-speed paper machine | |
US5062216A (en) | Single tiered multi-cylinder paper dryer apparatus | |
JPS6360159B2 (ja) | ||
JPS6029800B2 (ja) | ドライヤ装置 | |
CA2136901A1 (en) | Method in the Drying of a Paper Web as Well as Dryer Sections of a Paper Machine | |
US6294050B1 (en) | Drying end of a machine for the production of a material web and method of drying a material web | |
US5163236A (en) | Method and apparatus for drying webs | |
US4172007A (en) | Method and apparatus for reliably transporting a web in a paper making machine | |
JPS59137595A (ja) | 紙又は板紙用ドライヤ | |
JP2003517116A (ja) | スルーエアー乾燥製紙機用シール構造 | |
US3150037A (en) | Papermaking machine utilizing centrifugal dewatering | |
JPH04363579A (ja) | 多筒式乾燥装置 | |
US5241761A (en) | Dryer section for a paper making machine with differing suction rolls | |
JPH0238873B2 (ja) | ||
US5522151A (en) | Single tier dryer section with dual reversing rolls | |
JPH10110397A (ja) | 製紙機械の紙通し用ドライヤ部及び紙通し方法 | |
JPH10502711A (ja) | 紙ウェブの乾燥装置 | |
CN105200840B (zh) | 卷烟纸的带材的干燥方法和由此得到的卷烟纸 | |
JP3723158B2 (ja) | ドライヤ真空ボックス | |
CA2240999C (en) | Continuous drying apparatus for porous web | |
FI65461C (fi) | Foerfarande och anordning i torkpartiet i en pappersmaskin foer stabilisering av pappersbanans foerlopp | |
US5337490A (en) | Single tier dryer threading nozzle for paper machines | |
US20050204580A1 (en) | Apparatus for conditioning a fabric in a papermaking machine and associated method |