JPH0435593B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は錠止金具に関し、より詳しくは窓、扉
等の引き障子に使用する錠止金具に関する。

錠止金具は、ハウジング内に設けられて、突出
した位置にかんぬきを錠止するために該かんぬき
に連結された摺動部材と該摺動部材の移動方向に
上下に互に重ねられ、かつ少なくとも一つの突出
歯を作動させるつめを有し、かつ摺動部材と一体
の掴み部とかんぬきの移動に先立つて摺動部材を
無負荷走行させる錠止装置の制御手段とによつて
作動される錠止手段とを備える。本発明は建築用
金具の分野において殊に有用である。

〔従来の技術〕

摺動部材をハウジングに収容しかつひつかけか
んぬきに連結した引き障子用錠止金具は公知であ
る。この摺動部材は引き障子の解錠又は施錠位置
に対応した位置にひつかけかんぬきを移動させる
ために該ひつかけかんぬきを垂直方向に移動させ
る。又錠止金具は錠止装置を備える。該錠止装置
の機能は施錠位置にひつかけかんぬきを閉塞させ
ることである。

より詳しく述べると、この錠止装置は、かんぬ
きが施錠位置にある時にハウジングの壁部の一つ
に設けた溝孔に協同する突出歯を作動させるつめ
を有する。このつめは摺動部材に固着された掴み
部と摺動部材に取付けられた制御手段とを介して
作動される。制御手段によつてひつかけかんぬき
の移動に先立つて摺動部材が無負荷走行を行な
い、摺動部材のこの無負荷の走程中に、条件に応
じて突出歯が突出し或は引込まれる。

上記の錠止金具の外形寸法を極端に減少させ、
かつ障子のせまいだき幅の設置を容易にするため
に、錠止装置及び制御手段は摺動部材の移動方向
に上下に互に重ねて配設される。

〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし上記の公知の錠止金具には多くの欠点、
殊に作動性能に関して多くの欠点がある。

事実、障子が開き位置にありかつかんぬきを施
錠位置に移動させる摺動部材と一体の掴み部が不
適当に操作されると、かんぬきがキーパに向合う
ことがある。このような条件下で障子を閉めると
かんぬきがキーパに衝突する。この衝突によつて
かんぬき又はキーパが破損する。上記の破損の怖
れは、ハウジングの平行壁の一つに設けた溝孔と
つめの突出歯との協同によつて増加する。

本発明の目的は、窓、扉等の引き障子の錠止金
具機構を破損させる誤動作の怖れを減少させた装
置を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成する本発明は、窓、扉等の引
き障子用の錠止金具であつて、ハウジング間に設
けられて、突出した位置にかんぬきを錠止するた
めに該かんぬきに連結された摺動部材と、該摺動
部材の移動方向に上下に互に重ねられ、かつ少な
くとも一つの突出歯を作動させるつめを有し、か
つ摺動部材と一体の掴み部とかんぬきの移動に先
立つて摺動部材を無負荷走行させる錠止装置の制
御手段とによつて作動される錠止装置とを備えた
ものにおいて、かんぬきを解錠位置に引戻す弾発
性要素を有する閉塞装置を備え、弾発性要素を有
する閉塞装置は移動時に摺動部材と一体状となつ
た錠止金具である。

本発明によつて得られる利点は、障子が開かれ
た後は摺動部材を操作することができなくて、障
子を再び閉めた後に始めて上記の摺動部材を解放
してかんぬきをその解錠位置から施錠位置に戻し
得ることである。

本発明は以下に述べる限定されることのない実
施例及び添付図面によつて完全に理解されるであ
ろう。

〔実施例〕

図面について本発明の錠止金具を説明すると、
錠止金具１は孔３，４を有する取付板２を備え
る。該孔には窓、扉等の建具に錠止金具１を一体
状に取付けるための締結要素を通す。

取付板２の背面部５にはハウジング６が設けら
れる。ハウジング６は、摺動部材９の案内の役目
をする略平行な二つの壁部７，８を備える。この
摺動部材９は取付板２の背面部５の長手方向に沿
つて移動し、掴み部１０を備える。又摺動部材９
は、かんぬき保持部材１１を介してひつかけかん
ぬき１２に接続している。摺動部材９の背面部１
３には、上縁１５と下縁１６とによつて該摺動部
材９の移動方向に沿つて区画形成された凹み１４
を有する。

上記の凹み１４内には、かんぬき保持部材１１
の前面部１７が収つている。かんぬき保持部材１
１は、下方に向けて開口したＵ形樋１９で形成さ
れた溝１８を介して摺動部材９に接続している。
この溝１８内には、摺動部材９の上縁１５を越し
て延びた垂直状の翼部２０が嵌入している。又、
かんぬき保持部材１１の下部２２には、摺動部材
９のフランジ２４と協同する鍵形要素２３を備え
る。このフランジ２４は摺動部材９の凹み１４の
底部に平行でかつ摺動部材の下縁１６から突出し
ている。

又、かんぬき保持部材１１の前面部１７に錠止
装置２５を備える。この錠止装置２５は摺動部材
９の移動方向に対して直角方向に摺動するつめ２
６を有する。このつめ２６の一方の側面２７に
は、ハウジング６の一方の壁部７に形成された少
なくとも一つの溝孔２９と協同する突出歯２８が
設けられている。又、つめ２６の他方の側面３０
には盲孔３１が設けられていて、この盲孔３１に
は弾発性要素３３の一方の外端３２が係合されて
いる。弾発性要素の他方の外端３４はハウジング
６の他方の壁部８に当接する。この弾発性要素３
３によつてつめ２６を後押しするので、つめ２６
の突出歯２８が溝孔２９に対面すると、該突出歯
２８は弾発性要素３３の押圧力を受けて自然に溝
孔２９に挿入される。

つめ２６の上面３５に凹み３６を設けて、つめ
２６の走行経路に直角状に配列した二つの平行な
縁部３７，３８が形成されている。この凹み３６
に制御手段４０の制御指３９が係合する。この制
御指３９は制御手段４０の下縁４１から下方に突
出している。制御手段４０は、摺動部材９の移動
方向に直角な回動軸線４２の周りを回動可能であ
る。

制御手段４０は、該手段の上縁４４から上方に
突出した第２の制御指４３を備える。第２の制御
指４３の高さ４５はかんぬき保持部材１１が移動
する以前の、摺動部材９の無負荷走程４６に等し
い。即ち錠止金具１の錠止位置において、制御手
段４０の上縁４４は凹み１４の上縁１５から、無
負荷走程４６の長さだけ離れている。

この無負荷走程４６は、溝１８の下部４７とか
んぬき保持部材１１の前面部１７に設けた肩部４
９の上部ストツパ面４８間の間隙と、垂直状翼部
２０の上縁５０と摺動部材９の凹み１４の上縁１
５間の間隙との差に等しい。

錠止金具１は下記のように作動する。

錠止位置にある摺動部材９を掴み部１０を掴ん
で下方に押下げる。凹み１４の上縁１５によつて
制御指４３が押圧されるので、制御手段４０が回
動軸線４２の周りを回動する。弾発性要素３３が
圧縮されて、つめ２６の縁部３８が制御指３９に
よつて押戻される。このようにして突出歯２８が
溝孔２９から外れ、ひつかけかんぬき１２が解放
される。これらの作動は摺動部材９の無負荷走程
４６中に行われる。

無負荷走程４６中に制御指４３は完全に引込ま
れるが、該無負荷走程４６が終了した後に摺動部
材９の凹み１４の上縁１５がかんぬき保持部材１
１の上部ストツパ平面４８に接触して該上部スト
ツパ平面を押下げる。このためひつかけかんぬき
１２は開放位置に移動する。

これとは逆に掴み部１０を押上げると、垂直状
翼部２０の上縁５０は無負荷走程４６に等しい無
負荷走行をした後に溝１８の下部４７と接触する
だけでかんぬき保持部材１１を動かす。この無負
荷走行中に、凹み１４の上縁１５は上部ストツパ
平面４８から離脱する。上述の上縁１５によつて
制御指４３が保持されていず、また弾発性要素３
３の影響を受けているので、つめ２６の縁部３８
は制御指３９を押戻して、制御手段４０をその回
動軸線４２の周りに上述と反対の方向に回動させ
る。そして最終的には制御指４３が再び上部スト
ツパ平面４８から持上げられる。これと同時に弾
発性要素３３によつてつめ２６を押戻して突出歯
２８を溝孔２９に挿入する。このようにしてかん
ぬき保持部材１１、従つてひつかけかんぬき１２
が施錠される。

本発明の錠止金具１は閉塞装置５１を備える。
閉塞装置５１はひつかけかんぬき１２の取付・調
節ねじ５３の上方の位置に案内部材５２を有す
る。この案内部材５２は摺動部材９の移動方向に
対して直角方向に移動するようになつている。

この目的でかんぬき保持部材１１の外面５４に
は該かんぬき保持部材を貫通した空所５５が形成
されている。この空所５５の底面５６には二つの
肩部５８，５９を区画形成する凹み５７が設けら
れる。該二つの肩部５８，５９は案内部材５２の
下部突起６０を案内する。又、垂直壁部６１の一
つに、別の二つの肩部６３，６４を区画形成する
凹み６２を設けて、案内部材５２の側部突起６５
と協同させる。このように形成したので、案内部
材５２は垂直方向及び側方方向に導かれる。側方
突起６５の反対側には、ハウジング６の壁部７，
８の山形部６９，７０の厚さ６８よりも大きな高
さ６７を有する第２の側部突起６６が設けられて
いる。又、案内部材５２の幅７１は上記の山形部
６９，７０の内縁７３，７４間の距離７２よりも
小さいので、案内部材５２は垂直方向に摺動移動
することができる。

案内部材５２はフイーラ７５を支持する役目を
する。案内部材５２に空洞部７７を設け、該案内
部材５２の両外面７６には空洞部７７に連通する
螺切孔７８を形成する。この螺切孔７８に、フイ
ーラ７５の本体部を構成する螺切棒７９をねじ込
む。螺切棒７９はフイーラ７５の頭部８０に接続
している。この頭部はハウジング６の壁部７の外
面８１から突出するばかりでなく、障子の縁部か
らも突出している。障子には上記の頭部８０が通
過するように長形の開口が設けられている。フイ
ーラ７５をねじ形にすると好都合である。フイー
ラの頭部は、障子を閉めた時に変形しないように
衝撃を吸収することが好ましい。

フイーラ７５の本体部を構成する螺切棒７９に
環状溝８２を形成し、該溝８２に弾発性要素８４
の下端８３を取付ける。又弾発性要素８４の本体
部８５を空所８６に収容する。この空所８６はか
んぬき保持部材１１の上面８７に形成した孔にす
ることができる。隙間８８を介して空所８６を空
所５５に連絡して弾発性要素８４を挿通する。

本発明によれば閉塞装置５１は、錠止装置２５
とその制御手段４０を通る平面９０に平行な平面
８９上に位置している。

この弾発性要素８４はひつかけかんぬき１２が
施錠位置にあるときに加圧されているが、案内部
材５２はハウジング７の壁部８により移動を拘束
されている。ひつかけかんぬき１２が開き位置に
あるときには、案内部材５２はハウジング７の壁
部８から開放され、それとともに弾発性要素８４
は弛緩状となり、案内部材５２の外面７６がハウ
ジング６の壁部７の外面と面一となる位置で停止
する。

又、壁部７には、ストツパ平面９２が得られる
ように非係合部９１が形成されている。ストツパ
平面９２の幅９３は案内部材５２の第２の側部突
起６６の高さ６７に等しい。

開き行程中に別の実施態様によつて、案内部材
５２の後面の金具を通して閉塞装置５１を作動さ
せるのでかんぬき保持部材１１の壁部内で重なり
合い、ハウジング６の壁部７，８に対して閉塞す
る。

次に閉塞装置５１の作動を説明する。

錠止金具１が錠止位置にあると仮定する。掴み
部１０を作動させることにより、制御手段４０を
介して錠止装置２５が解錠され、摺動部材９が移
動する。一方ひつかけかんぬき１２とキーパ９４
間の係合が解かれる。この移動中に案内部材５２
は、ハウジング６の壁部７の山形部７０の内縁７
４の長さだけ摺動移動する。案内部材５２の第２
の側方突起６６が非係合部９１のストツパ平面４
８を越すと、換言すれば錠止金具が障子の開らき
位置にあると弾発性要素８４の下端８３によつ
て、案内部材５２とフイーラ７５とによつて構成
されたユニツトが外方に押出されて、案内部材５
２の外面７６がハウジング６の壁部７の外面と面
一となる。突出位置にある第２の側方突起６６と
ストツパ平面９２との協同によつて摺動部材９を
上方に移動させることがない（第３図及び第４図
参照）。

障子を閉めると、フイーラ７５の頭部８０はキ
ーパ９４に当接する。頭部８０とキーパ９０との
協同によつて案内部材５２が後方に移動して、ハ
ウジング６の壁部７，８の山形部６９，７０の内
縁７３，７４間に収まる。このようにして、案内
部材５２の第２の側方突起６６と非係合部９１の
ストツパ平面９２との間の協同を解除して摺動部
材９を錠止位置に戻すことができる。これと同時
に弾発性要素８４は付勢状態になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は障子の施錠位置で示した図で、本発明
の閉塞装置を備えた錠止金具の平面図、第２図は
第１図の−線に沿つて示した断面図、第３図
は障子の解錠位置で示した錠止装置の平面図、第
４図は第２図の−線に沿つて示した断面図、
第５図は本発明の錠止装置の全体を縮少して示し
た側面図、第６図はハウジングに収容した錠止装
置を第１図の−線に沿つて示した断面図であ
る。 ６……ハウジング、７，８……壁部、９……摺
動部材、１１……かんぬき保持部材、１２……か
んぬき、５１……閉塞装置、５２……案内部材、
５５……空所、５７，６２……凹み、５８，５
９，６３，６４……肩部、６０……下部突起、６
５，６６……側方突起、６７……高さ、６８……
厚さ、６９，７０……山形部、７１……幅、７２
……距離、７５……フイーラ、７６……外面、７
７……空洞部、７８……螺切孔、７９……螺切
棒、８０……頭部、８１……外面、８２……環状
溝、８３……下端、８４……弾発性要素、９１…
…非係合部、９２……ストツパ平面、９３……
幅、９４……キーパ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 窓、扉等の引き障子用の錠止金具であつて、
   ハウジング間に設けられて、突出した位置にかん
   ぬきを錠止するために該かんぬきに連結された摺
   動部材と、該摺動部材の移動方向に上下に互に重
   ねられ、かつ少なくとも一つの突出歯を作動させ
   るつめを有し、かつ摺動部材と一体の掴み部とか
   んぬきの移動に先立つて摺動部材を無負荷走行さ
   せる錠止装置の制御手段とによつて作動される錠
   止装置とを備えたものにおいて、 摺動部材９と一体的に形成されて該摺動部材の
   移動方向に対して直角の方向に付勢された弾発性
   要素８４を有する閉塞装置５１は、ハウジング６
   の平行な壁部７，８のうちの一つの壁部７に非係
   合部９１を形成することにより得たストツパ平面
   ９２と協同する案内部材５２を備え、かつ摺動部
   材９と一体のかんぬき保持部材１１の外面に形成
   された空所５５内を摺動移動するものであり、 上記の案内部材５２は、障子が開放位置にある
   時にかんぬき１２施錠位置のハウジング６の壁部
   ７の外面８１と面一となる外面７６と、 それ自体がかんぬき保持部材１１の壁間に重な
   り合つて以つてハウジング６の壁部７，８に対し
   て閉塞する金具を備えた後面と、 そのうちの一つの側方突起６６の高さ６７がハ
   ウジング６の平行な壁部７，８の山形部６９，７
   ０の厚さ６８よりも大で、ストツパ平面９２の幅
   ９３よりも若干小さい二つの側方突起６５，６６
   と、 空所５５内に形成された凹み５７，６２の肩部
   ５８，５９，６３，６４と協同する下部突起６０
   と、 ハウジング６の平行な壁部７，８の山形部６
   ９，７０の内縁間の距離７２よりも小さい寸法の
   幅７１とを備えたことを特徴とする錠止金具。 ２ 弾発性要素を有する閉塞装置がキーパ９４と
   協同する突出状のフイーラ７５を備え、一方にお
   いては障子の縁部から突出した頭部８０を有し、
   他方においては案内部材５２の外面７６に形成さ
   れる空洞部７７に係合する螺切棒７９によつて形
   成された本体部を有し、上記螺切棒７９の端部は
   案内部材５２の螺切孔７８内にねじ込まれ、又螺
   切棒７９には環状溝８２が形成されその中に弾発
   性要素８４の下端８３が取付けられていて、該弾
   発性要素８４はかんぬき１２が施錠位置にある時
   に加圧されると共にかんぬき１２が開放位置にあ
   る時に弛緩状となり、上記弾発性要素８４は閉塞
   装置５１を通過する垂直平面内に位置され、従つ
   て摺動部材９の移動方向内に位置した特許請求の
   範囲第１項記載の錠止金具。