JPH0435366Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は防寒用として用いる柔軟で扁平な温熱
具を所望の個所に極めて有効に係着出来、その係
着状態を着用外観上に現出させることなく使用出
来る防寒着に関する。

従来の技術 従来より鉄粉の発熱酸化反応を利用し、揉みや
振動を与えることで発熱する携帯用の使い捨懐
炉、或いはカーボンを利用した面状発熱体に通電
する電熱式懐炉やベンジン懐炉等が防寒時の発熱
体として利用されている。

斯かる懐炉等は、防寒着の内ポケツトに収納し
たり、下着の上面へ直に装備したり或いは懐炉等
の保持袋を腹巻に縫着するもの（例えば実開昭59
−157407号）等が周知されている。

然し乍らこのような懐炉は身体の特定位置のみ
を加熱することとなり、その融通性に乏しく、使
用者の任意個所に固定させることは出来ず、且つ
単に袋内に収納する構成であるため、身体と発熱
体とが適度な接触を図れず、ヒートロスが生じる
欠陥があつた。

更には一重仕立ての防寒着のみならず二重仕立
ての防寒着にあつても、当該表地と裏地とに何等
技術的な加工がなく、従つて発熱体の装着状態を
着用外観上から認識されて甚だ見苦しいもので遺
憾とせるところであつた。更に、実公昭52−669
号に於いて、発熱体を裏地内面に設けたポケツト
に収納する暖房衣服が知られているが、発熱体の
位置がポケツトに制限されるために、身体の必要
部位に、或いは個人差による好みの位置に発熱体
を位置決めできない欠点があり、また発熱体から
リード線により連結する電源を、例えばバンド等
に取り付けるものであるから、不注意な脱衣によ
りリード線が引張られ発熱体または電源の破損が
生じ易い欠点があつた。

解決しようとする問題点 然るに本考案にあつては、既述従来の欠陥を防
止して、所要防寒着に於ける裏地の後身頃部分に
弾縮部材を配設することで、体格肥痩に応じて裏
地のみを任意に絞り込め、而して裏地に係着させ
た発熱体を身体に適度に接触させ得る温熱具を任
意位置に使用できる防寒着を提供することを目的
としている。更に、不注意な脱衣により発熱体ま
たは電源の破損が生じないようにした、極めて安
全な温熱具を任意位置に使用できる防寒具を提供
することを目的としている。

問題点を解決する手段 前述した目的を達成するがために、本考案にな
る温熱具の使用できる防寒着は、表地１と裏地２
とを各別に縫合した防寒具Ａであつて、少なくと
も裏地２の後身頃２ａを毛羽地となし、その後身
頃２ａの両脇間に亘る腰部近傍に帯状の弾縮部材
３の一部を露出させて絞り込み自在に形成すると
共に、防寒着Ａの所要部位に小孔４ａを穿つた電
源収納用の内ポケツト４を内備して成り、該裏地
内面の任意位置に、発熱体５を収納すると共にベ
ルベツトフアスナー片８を裏面に附設した柔軟扁
平温熱具９を係着して、その電源６を内ポケツト
４に収納可能としたことを特徴とする温熱具を任
意位置に使用できる防寒着を特徴としている。

以下に、本考案に係る温熱具の使用できる防寒
着の具体的構成について詳述する。

本考案は所望のアウトウエアー、例えばベス
ト、カーデイガン、ジヤケツト等の防寒着Ａに展
開することが出来るものであつて、該防寒着Ａ
は、表面１と裏地２とが各別に縫合一体化された
二重仕立てにより縫成されており、そして表地１
は布帛や毛糸等の編成によつてウエアー型に製出
されている。

斯様に製出された表地１の裏面には、その前身
頃１ａと後身頃２ａの全面、或いはその少なくと
も後身頃２ａにパイル編みの毛羽地より成る裏地
２が配設されている。

そうして前記裏地２の後身頃２ａに於ける左右
両脇側の間に亘つては防寒着Ａを着用した際の腰
部近傍に、伸縮性テープ例えばゴム紐を挿通し
て、腰部近傍の裏地を伸縮自在に適宜に絞り込め
るようにゴム紐の一部を露出させた弾縮部材３が
形成されている。更に当該防寒着Ａの所要部位、
例えば裏地２に於ける前身頃１ａの下方部位には
発熱体５に通電するための電池や蓄電池等の電源
６収納用の内ポケツト４が内備されると共に、内
ポケツト４の側縁には、電源６と発熱体５とを電
気的に接続するリード線７案内用の小孔４ａが穿
設されている。

而して、当該防寒着Ａの裏地２の内面、特に裏
地２に於ける弾縮部材３が形成された附近に、所
望の電気的に通電することにより発熱する発熱体
５が収納されると共に、一面にベルベツトフアス
ナー片８が附設された柔軟な扁平温熱具９が係着
されるものとなる。扁平温熱具９は発熱線を内包
した柔軟で扁平な発熱体５とリード線７、及び電
源６とで構成している。

考案の効果 記述したように本考案になる温熱具の使用でき
る防寒着は、その防寒着自体を表地１と裏地２に
よる二重仕立てにより形成し、且つ裏地２をパイ
ル状の毛羽地製としているので、発熱体５を収納
した温熱具９の一面に附設されたベルベツトフア
スナー片８を裏地２の任意個所に広範囲に亘つて
瞬時に取着出来ると同時に、裏地２に於ける後身
頃２ａの両脇間に亘る腰部近傍には帯状の弾縮部
材３を形成しているので、該弾縮部材３の絞り込
みに伴い、身体のしびれが大きな腰部近傍に裏地
２のみが沿う構成となり、従つて腰部近傍に係着
された温熱具９も身体に接触或いは極めて接近
し、発熱体５の身体に対する熱伝達を良好とな
し、ヒートロスの防止を図ることが出来るものと
なり、従来の如く裏地が身体に沿わず裏地と身体
との間に空隙が生じることでヒートロスが発生す
る欠陥が阻止し得るものとなる。

そして弾縮部材３は裏地２のみに形成し、表地
にはその絞り込み状態が何等影響しないために、
防寒着を着用した際に温熱具９を使用中であるこ
とが判別出来ず、着用外観が頗る良好となる利便
がある。

また発熱体５と電源６とがリード線７を介して
接続され、その電源６は内ポケツト４に収容可能
としているので携帯用として好適であり、更にリ
ード線７は内ポケツト４の小孔４ａに支持案内さ
れているのでリード線７の弛みがなくて嵩張ら
ず、且つ電源６の脱落毀損も同時に防止出来るも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を展開した一部切欠正面図、第
２図は同使用状態を示す一部切欠正面図、第３図
は温熱具の見取図、第４図は発熱体の見取図、第
５図は防寒着の着用状態を示す見取図である。 Ａ……防寒着、１……表地、２……裏地、３…
…弾縮部材、４……内ポケツト、５……発熱体、
６……電源、８……ベルベツトフアスナー片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表地１と裏地２とを各別に縫合した防寒具Ａで
   あつて、少なくとも裏地２の後身頃２ａを毛羽地
   となし、その後身頃２ａの両脇間に亘る腰部近傍
   に帯状の弾縮部材３の一部を露出させて絞り込み
   自在に形成すると共に、防寒着Ａの所要部位に小
   孔４ａを穿つた電源収納用の内ポケツト４を内備
   して成り、該裏地内面の任意位置に、発熱体５を
   収納すると共にベルベツトフアスナー片８を裏面
   に附設した柔軟扁平温熱具９を係着して、その電
   源６を内ポケツト４に収納可能としたことを特徴
   とする温熱具を任意位置に使用できる防寒着。