JPH0435142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はネジ推力によつて、粒状樹脂材料を射
出成形機、押出し成形機等の樹脂成形機の加熱シ
リンダに供給し、或は他の粒状物を所定の場所に
搬送する粒状物の送りスクリユーに関するもので
ある。

（従来の技術） 近時、樹脂成形の材料として樹脂の良成形性と
金属の機械的特性を兼ね備えた所謂エンジニアプ
ラスチツクが普及し、従来の樹脂製品では強度不
足で使用不可能と思われていた分野に広く使用さ
れる様になつた。

エンジニアプラスチツクは高価であるから、使
用済み部品は粉砕機によつて粉砕し、これを通常
の樹脂ペレツトと同様、射出成形機或は押出し成
形機への原材料として再供給し、新たな製品を生
み出している。

（解決しようとする問題点） エンジニアプラスチツクは一般に硬度が高いた
め、再利用のために粉砕する際、粉砕機の刃こぼ
れが生じ、その金属片が混じつたまま成形機に供
給されることがあり、又、エンジニアプラスチツ
クを使用した製品をスクラツプにして、粉砕機に
投入する際に金属部品が混入して、その金属片が
粉砕エンジニアプラスチツクと一緒に成形機に供
給されることがあつた。

射出成形機であれば、該金属片が加熱シリンダ
先端の溶融樹脂の逆流防止弁のシールに噛み込ん
で、逆流防止機能を損なうトラブルを招来し、そ
の都度シールを交換する手間と、それに起因する
稼働率の低下は由々しい問題であつた。

更に射出成形機の加熱シリンダの内面及び該シ
リンダ中に配備された押出しスクリユーの表面が
金属片で傷付けられることがあつた。

又、上記金属片が溶融樹脂と一緒に金型中に射
出され、成形品に金属片が埋設されてしまう問題
もあつた。

従来は、粉砕エンジニアプラスチツク（以下、
材料と呼ぶ）に混入した金属片の除去は、磁気を
帯びた網体に材料を通して該網体に金属片を吸着
せしめ、或は材料中に磁石を投入して、掻き混ぜ
て吸着除去している。

しかし、磁気を帯びた網体を使用しても、材料
と一緒に網目を素通りする金属片を完全除去する
ことは出来なかつた。

材料中に磁石を投入して掻き混ぜる場合、材料
の量が多ければ、金属片を残留量を無視出来る程
度に吸着除去するためには時間が掛かり、又、金
属片除去のための工程が増え、生産コストが上る
問題がある。

（問題点を解決する為の手段） 本考案は、粉砕したエンジニアプラスチツクを
磁気吸着力を有する送りスクリユーで所定の位置
まで搬送し、その搬送途上で金属片をスクリユー
５に吸着して、射出成形機の加熱シリンダ３内へ
の金属片の混入を防止し、逆流防止片３２、加熱
シリンダ３の内面及び押出しスクリユー３１の損
傷を防止すると共に成形品に金属片が埋設される
ことを防止出来、然も金属片を除去するための特
別の工程を必要しない、材料送りスクリユーを明
らかにするものである。

本考案の送りスクリユーは、スクリユーの螺旋
羽根５１の間の軸部に磁石５０を埋設する等によ
つて磁気吸着力が付与されていることを特徴とす
る。

（作用及び効果） 送りスクリユー５の回転によるネジ推力によつ
て材料が搬送される間に、材料に混入している金
属片がスクリユー５に吸着され、スクリユーの下
流側には金属片が除去された材料が排出される。

材料は送りスクリユー５によつて攪拌されつつ
徐々に下流側に送られるため、材料に混入した金
属片は確実にスクリユー５に吸着除去される。

金属片が除去された材料を射出成形機の加熱シ
リンダ３に供給することによつて、従来の様に該
シリンダ３の逆流防止弁３２の損傷、シリンダ３
内面及び押出しスクリユー３１の傷付きを防止出
来、更に金属片が成形品に埋設されることも防止
出来る。

上記の如く送りスクリユーで材料を搬送する途
上で材料に混入した金属片を吸着除去でき、金属
片を除去するための別工程を増やす必要はない。

（実施例） 第３図は射出成形機を示しており、基台１のガ
イドベース１１上に移動台２が金型取付け台９に
対して接近離間可能に配備されている。

移動台２には金型取付け台９へ向けて加熱シリ
ンダ３が突設され、該シリンダ３先端のノズル３
３の近傍に溶接材料の逆流防止弁３２が内蔵さ
れ、更に該シリンダ３内には材料加圧押出しスク
リユー３１が回転可能に配備され、該スクリユー
３１の基端は回転駆動装置（図示せず）に連繋さ
れている。

移動台２には加熱シリンダ３の基端の上方に材
料供給ホツパー６が取付けられ、ホツパーと加熱
シリンダ３との間に該シリンダと平行に材料送り
通路４が形成され、該通路４に本考案にかかる送
りスクリユー５が回転可能に配備されている。

送りスクリユー５は軸部５２の中央部に１条の
螺旋羽根５１を突設し、螺旋羽根５１の間の軸部
に強力な磁力を有す複数の磁石を埋設している。

送りスクリユー５螺旋羽根５１の基端上方に対
応して、前記ホツパー６の下部貫通孔２１が連通
しており、送りスクリユー５の前部下方に対応し
て、該貫通路２２によつて前記加熱シリンダ３の
基端に開設された供給孔３４が連通している。

送りスクリユー５の後端軸部は材料送り通路４
の奥端に配備した軸受２３に挿脱可能に貫通し
て、送りスクリユー回転駆動装置７の継ぎ手７２
に滑りキー７３等を介して継手と一体回転可能且
つ着脱可能に係合している。

送りスクリユー回転駆動装置７は無段変速機を
連繋したモータであつて、該変速機の出力軸７１
に送りスクリユー５の軸部を係合する前記継ぎ手
７２が突設されている。

送りスクリユー５の前端は、材料送り通路４の
前端開口にネジ止めした蓋体８に回転自由に嵌ま
り、該蓋体８に装着した軸受８１に抜き挿し可能
に支持されている。

蓋体８を外し、送りスクリユー５を引き出す
と、該スクリユー５と回転駆動装置の継ぎ手７２
の係合が外れ、スクリユー５の送り通路４から取
り出すことが出来る。

然して、ホツパー６に材料を投入し、送りスク
リユー回転駆動装置７によつて送りスクリユー５
を回転させると、ホツパーから落下した材料は送
り通路４の底に溜まり、スクリユー５のネジ推力
によつて十分な時間をかけて前方に送られ、スク
リユー５の螺旋羽根５１の下流端から縦貫通路２
２を通つて加熱シリンダ３に供給される。

材料はシリンダ３中の押出しスクリユー３１に
てノズル３３側に押出されつつ加熱溶融されて逆
流防止弁３２を通つてノズル３３から金型に射出
される。

材料が送り通路４を移動するとき、必らず送り
スクリユー５の磁石の下方を通るから、材料に混
入している金属片は必らずスクリユー５の磁石５
０に吸着され、加熱シリンダ３には金属片が完全
除去された材料が供給され、従来の様に残留金属
片による逆流防止弁３２の損傷、押出しスクリユ
ー３１及び加熱シリンダ３内面の傷付きを防止出
来、又、成形品に金属片が埋設されることも防止
出来る。

一定時間稼働後、材料送り通路４の蓋体８を外
して、送りスクリユー５を抜き出し、該スクリユ
ー５に吸着された金属片を除去すれば可い。

尚、本考案の送りスクリユー５は樹脂の押出し
成形機のフイードスクリユーにも実施可能であ
り、更に粒状樹脂の搬送に限定されることはな
く、混入した金属片を取り除く必要のある粒体の
搬送に使用出来ることは勿論である。

本考案は上記実施例の構成に限定されることは
なく、実用新案登録請求の範囲に記載の範囲で
種々の変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は送りスクリユーの斜面図、第２図は第
１図−に沿う断面図、第３図は射出成形装置
の要部断面図である。 ５……送りスクリユー、５１……螺旋羽根、５
０……磁石。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 粒状物の送り通路４に、螺旋羽根５１を有す
   るスクリユー５を回転可能に配備し、該スクリ
   ユーの回転によつて粒状物を送る送りスクリユ
   ーに於て、スクリユー５は磁気吸着力を有する
   粒状物の送りスクリユー。 スクリユー５は螺旋羽根間の軸部に磁石５０
   を埋設している実用新案登録請求の範囲第１項
   に記載の粒状物の送りスクリユー。 送り通路４は樹脂成形機の材料ホツパー６と
   加熱シリンダ３との間に形成されている実用新
   案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の粒
   状物の送りスクリユー。