JPH04348947A - 記録装置及びそれに用いられるインクジェットカートリッジ - Google Patents

記録装置及びそれに用いられるインクジェットカートリッジ

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JPH04348947A
JPH04348947A JP15922691A JP15922691A JPH04348947A JP H04348947 A JPH04348947 A JP H04348947A JP 15922691 A JP15922691 A JP 15922691A JP 15922691 A JP15922691 A JP 15922691A JP H04348947 A JPH04348947 A JP H04348947A
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春田 昌宏
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録方法と、それを行
う記録装置、及びそれに用いられるインクジェットカー
トリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭64−26452号等に記
載されているように、ある種のインクジェット記録用カ
ートリッジではインク溜めとして、典型的なポリエーテ
ル型ポリウレタンフォームによる網状化及びフェルト化
されたフォーム(インク吸収体)が用いられることが知
られている。ところがこのフォーム中には不純物が残留
しているため、インクジェットカートリッジのインク溜
めとして使用された時にインクを汚染したり、インクの
流体特性に悪影響を及ぼしたりする可能性があり、前記
特開昭64−26452号では、フォームの清浄度を決
定する方法について特開昭64−26453号( US
P 4,824,887)ではフォームを洗浄する装置
について開示している。
【0003】すなわち前者は、洗浄された後のフォーム
に残留する不揮発性残留物の量を、フォームに対して0
.2重量%以下にコントロールすること、及び、該フォ
ームに貯溜されたインクの表面張力が40dyne/c
m以上、又は7dyne/cm以下の表面張力変化率で
あるようにするというものである。また、後者は、単に
溶剤でフォームをすすぐだけでは洗浄は不充分であると
いう見地から、溶剤として、フレオン113を用いた再
循環式、閉ループの自動汚染物除去システムを開示して
いる。しかしながら、両者は、吐出口の目詰まりの原因
となるフォーム中の不揮発性残留物の洗浄に関するもの
に過ぎない。
【0004】また、従来、上述したインク吸収体をイン
クジェットカートリッジに収納して用いるために、エー
テル系発泡ポリウレタンを熱プレスして製造することが
多かった。この発泡ポリウレタンを所定の厚さに切断後
、公知の膜取り工程によって連続気泡のものとし、19
0〜210℃程度の高温で熱プレスし、その後所定の寸
法に裁断してインク吸収体を得ていた。熱プレスを行な
うことにより、インク吸収体の剛性が向上してインクタ
ンク内への挿入工程が容易になり、さらにインクタンク
内でインク吸収体が振動しなくなり吐出口へのインクの
輸送がさらに安定したものとなる。
【0005】この場合、熱プレスしたままのインク吸収
体を使用すると、インク吸収体中に含まれている不純物
がインク中に溶出し、その結果、印字品質が低下する。 そこで従来は、熱プレスを行なった後に、フロンを代表
とするハロカーボン系溶剤でインク吸収体を洗浄し、乾
燥後にインクタンク内に配置し、そしてインクを含浸、
吸収させていた。
【0006】また、このような吸収体を用いたインクカ
ートリッジは、インクの揮発、蒸発を防ぐため、1個ず
つ気密性の収納容器内に包装され、また、インクのもれ
を防ぐために、外部に対して開放された開口部全てを覆
うようにシールテープなどのシール部材が貼付される。 この場合、シール部材の上から弾性部材を有するキャッ
プを装着して、気密性を確実なものとしている。このよ
うな弾性部材としては、ゴム等を用いることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、フォームの洗浄を環境に有害な揮発性の高い
フロン系の溶剤を使用しているために、特別な洗浄装置
を必要としていること、及び、フロン系溶剤は洗浄の目
的で用いられるにかかわらず、インクと相溶性が悪いた
めにフォーム中に微量でも残存すると、それだけで記録
への悪影響が生ずる可能性が高いといった不都合があっ
た。
【0008】また、不揮発性不純物を抽出物の乾燥重量
としてフォームの重量変化に基づき測定し、洗浄の度合
を評価しているため、フォーム自体及び不純物自体の強
い吸湿性のために測定値の正確性及び再現性に欠け、充
分な清浄度を有するフォームを得ることが困難だった。 更に、該不揮発性不純物は単に抽出物乾燥重量として定
義されているため、その実体が不明で原因物質の効率的
で有効な制御は困難である。このように従来技術でもフ
ォームの清浄度の評価に大きなバラツキを生じ、このた
め常に信頼性の高い製品を供給し得ないという問題があ
った。
【0009】また更に、インクジェットカートリッジの
取り扱い時に於いて、何らかの理由により、万一、イン
クがもれた場合、ゴムではインクを吸収しないため、イ
ンクがインクジェットカートリッジを汚し、さらに電気
接点部分に付着して接触不良を引き起こすことがある。 そこで、本発明者は、前記弾性部材として、インク吸収
性を有する材料を用いることを検討した。上記インク吸
収性を有する材料としては、微細な連続構造の気泡から
なる発泡ポリウレタンが好適であり、ポリエステルポリ
オールとジイソシアネートとの重合により公知の方法で
製造されるエステル系発泡ポリウレタンを用いることを
検討した。しかしながら、インクジェットカートリッジ
のキャップの弾性部材として、上記エステル系発泡ポリ
ウレタンを使用した場合、長期間(1か月以上)、特に
高温下(例えば約60℃)で保存したときに、発泡ポリ
ウレタンが劣化し、弾性を失ってシール部材を全く押圧
しなくなると共に、吸水性も低下するのでインクもれが
発生するという問題点があることがわかった。
【0010】本発明の目的は、かかる従来技術の問題を
解決するために、インク吸収体からインク中へ溶出して
記録品位を劣化させる要因となる不純物の溶出を抑えた
インクジェットカートリッジ、及び該カートリッジを用
いた記録装置を提供することにある。また本発明の他の
目的は、常に一定の清浄度を有するフォームを得るため
の方法として、フォーム中の不純物量を正確にかつ再現
性良く測定できる新規定量法に基づき、環境問題も生じ
ることのない有効な洗浄方法を提供するものである。
【0011】また更に本発明の他の目的は、インク中へ
の不純物の溶出が極めて小さくて洗浄工程を必要とせず
、長期の保存後においても記録品質を劣化させないイン
ク吸収体を有するインクジェットカートリッジ、及び該
カートリッジを用いた記録装置を提供することにある。 また更に本発明の他の目的は、このような不純物の溶出
による記録品位の劣化を防止し、長期にわたり安定した
記録品位を保つことのできるインク吸収体を有するイン
クジェットカートリッジ、及び該カートリッジを用いた
記録装置を提供することにある。
【0012】また更に本発明の他の目的は、長期間、特
に高温下での保管、流通によっても劣化せず、インクの
もれがあればこれを吸収しうる弾性部材を有するキャッ
プを備えたインクジェットカートリッジ、及び該カート
リッジを用いた記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
に新規な課題を追求した課程において、種々の使用方法
や記録方法について多方面からの検討結果において主た
る要因を明確にした結果において完成された発明である
。その主たる構成要件は、いずれの使用状態においても
適正なインク保持力、負圧発生力、長期使用特性を満足
できるインク吸収体自体の特性、あるいは、使用状態に
おけるインク保持状態でのインクに対するインク吸収体
の使用環境における状態変化特性に大別できる。これら
のいずれにおいても、インク中へ溶出するインク吸収体
からの溶出物が共通の新規な技術的問題点となっている
【0014】インクに対するインク吸収体の使用環境に
おける状態変化特性については、インク吸収体が位置す
る環境にあるインク量に依存する、インク1グラム当り
のインク吸収体からの溶出不純物量について検討するこ
とが最適であることが解ったのである。インク吸収体自
体の特性については、当然、インク吸収体全体の溶出不
純物量を検討しなければならず、結果的にインク吸収体
1g当たりの溶出不純物量を検討することが最適である
ことが解ったのである。しかも、最適な条件としては、
インクに対するインク吸収体の使用環境における状態変
化特性及びインク吸収体自体の特性を共に適正な条件を
満足することで、多種多様な製造上のばらつきや使用状
態に対しても極めて安定した効果を発揮することも判明
したのである。
【0015】従って、本発明は、インクを保持したイン
クタンクや大量のインク中に位置せしめられたインク吸
収体等においては、インク1グラム当りのインク吸収体
からの溶出不純物量を中心に説明し、インクを保持する
ためのインク吸収体に関しては、インク吸収体1g当た
りの溶出不純物量を中心に説明するものである。前述し
た課題を解決するために、本発明者達はインク吸収体か
らインク中へ溶出する不純物量の条件値は、インク中に
溶出する不純物の重量%がインク1g当たり0.04重
量%以下であることが発明要件であり、インク吸収体全
体の溶出不純物量の条件値は、インク吸収体1g当たり
0.2重量%以下であることが発明要件である。
【0016】本発明の他の目的及び概要は以下の説明か
ら理解できよう。尚、以下の実施例は、本発明の最適実
施例を中心に説明するが、本発明は、明細書中に開示さ
れている発明思想を適用するものすべてを含むものであ
ることは言うまでもない。本発明は、記録に用いるため
のインクと、該インクを収納する収納部と、該収納部に
収納され前記インクを含浸するためのインク吸収体と、
前記インクを吐出するためのエネルギー発生手段と、を
有するインクジェットカートリッジにおいて、前記イン
ク吸収体は、■インク吸収体の熱分解促進温度以下で加
熱圧縮されたものであり、又、■前記インク吸収体と反
応性のない極性有機溶剤を含有する洗浄剤を用いて、前
記インク吸収体から前記インクへ溶出する溶出物が前記
インクに対し0.04重量%以下となるまで洗浄された
ものであり、あるいは■pH7以上10以下に保持され
た前記インクを含浸し、溶出する前記溶出物が前記イン
クに対して0.04重量%以下であるもので、連続気泡
を内部に有する高分子弾性多孔質体からなることを特徴
とする。上記■〜■はそれぞれ単独の要件としてもよい
し、それぞれを組み合せて一つの要件としてもよい。
【0017】また更に本発明は、インクと、該インクを
収納するインク収納部と、該インク収納部に連通する吐
出部と、記録信号に応じてインクにエネルギーを加えて
前記インク吐出部からインクを記録媒体に向けて吐出す
るためのエネルギー発生手段とを備え、保管、流通時に
、前記インク吐出部を覆って前記インク吐出部からの前
記インクのもれを防ぐシール部材と、該シール部材を前
記インク吐出部に向かって押圧する弾性部材を有するキ
ャップとが取り付けられるインクジェットカートリッジ
において、前記弾性部材が連続気泡の発泡ポリウレタン
からなり、かつ、該発泡ポリウレタンがポリオールとし
てポリエーテルポリオールを使用して製造されたもので
あることを特徴とする。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図1は、本発明の一実施例のインクジェッ
ト記録装置で使用されるインクジェットカートリッジ1
1の斜視図、図2はインクジェットカートリッジ11の
構成を示す分解図である。以下、図2を中心に説明し、
合わせて参照する図面については括弧内にその図面番号
を記す。
【0019】インクジェットカートリッジ11は、多数
の吐出口30が一体的に形成された記録ヘッドに相当す
るインクジェットヘッド12と、インクジェットヘッド
12を含みこれへの電気配線、インクの配管がまとめら
れたインクジェットユニット13と、インクを収納する
インクタンク14とが一体的に設けられたものである。 本例のインクジェットカートリッジ11は、インクの収
納割合が従来のものより大きくなっており、インクタン
ク14の前面よりもわずかにインクジェットユニット1
3の先端部が突出している。このインクジェットカート
リッジ11は、インクジェット記録装置本体15に載置
されているキャリッジ16の後述する位置決め手段及び
電気的接点によって固定支持されるとともに、キャリッ
ジ16に対して着脱可能なディスポーザブルタイプのも
のである(図5参照)。
【0020】まず、インクジェットヘッド12の構成に
ついて説明する。図3に示すように、インクジェットヘ
ッド12には、列状に設けられた複数個の吐出口30か
ら記録液(インク)を吐出させるために、印加電圧が供
給されて熱エネルギーを発生させる電気熱変換体40が
各液路毎に配設されている。そして駆動信号を印加する
ことによって、電気熱変換体40に熱エネルギーを発生
せしめて膜沸騰を生じさせインク液路内に気泡を形成す
る。そしてこの気泡の成長によって吐出口30からイン
ク滴を吐出させるようになっている。各電気熱変換体4
0はシリコン基板からなるヒータボード100上に設け
られ、各電気熱変換体40に電力を供給するアルミニウ
ム等の配線(不図示)とともに成膜技術により一体的に
形成されている。複数のインク流路をそれぞれ区分する
ための隔壁や各インク流路へ供給されるインクを一時的
に収納する共通液室1301等を設けた溝付天板130
0と、インクタンク14からのインクを共通液室130
1に導入するためのインク受け口1500と、各インク
流路に対応した吐出口30を複数個有するオリフィスプ
レート400とは一体成型されており、その材料として
ポリスルホンが好ましいが、ポリエーテルスルホン,ポ
リフェニレンオキシド,ポリプロピレンなどの他の成型
用樹脂材料を用いいてもよい。
【0021】次に、インクジェットユニット13の構成
について説明する。配線基板200の一端は、インクジ
ェットヘッド12のヒータボード100の配線部分と相
互に接続され、さらに配線基板200の他端部には、本
体装置からの電気信号を受けるための各電気熱変換体4
0(図3)に対応した複数個のパッド201が設けられ
ている。このことにより本体装置からの電気信号は、そ
れぞれの電気熱変換体40に供給されるようになる。
【0022】配線基板200の裏面を平面で支持する金
属製の支持体300は、インクジェットユニット13の
底板となる。押えばね500はM字形状であり、そのM
字の中央で共通液室1301(図3)を軽圧で押圧する
とともに、その前だれ部501で液路の一部、好ましく
は吐出口30近傍の領域を線圧で集中押圧する。ヒータ
ボード100と天板1300とは、押えばね500の足
部が支持体300の穴3121を通って支持体300の
裏面側に係合することによって、挟み込んだ状態で係合
され、押えばね500とその前だれ部501の集中付勢
力によって相互に圧着固定される。支持体300は、イ
ンクタンク14の2つの位置決め用凸起1012および
位置決めかつ熱融着保持用突起1800,1801にそ
れぞれ係合する穴312,1900,2000を有する
ほか、キャリッジ16に対する位置決め用の突起250
0,2600を裏面側に有している。また、支持体30
0には、インクタンク14からのインク供給管2200
(後述)を貫通可能にする穴320が設けられている。 支持体300に対する配線基板200の取付けは、接着
剤等による貼着で行なわれる。
【0023】支持体300の凹部2400,2400は
、それぞれ突起2500,2600の近傍に設けられて
おり、組立てられたインクジェットカートリッジ11(
図1)において、その周囲の3辺が平行溝3000,3
001で形成されたヘッドの先端領域の延長点にあって
、ゴミやインク等の不要物が突起2500,2600に
至らないようにしている。この平行溝3000の形成さ
れている蓋部材800は、図5に示されるように、イン
クジェットカートリッジ11の外壁を形成するとともに
、インクタンク14との間にインクジェットユニット1
3を収納する空間を形成する。また、平行溝3001が
形成されているインク供給部材600は、前述のインク
供給管2000に連続するインク導管1600をインク
供給管2200側を固定した片持ちばりとして形成し、
さらにインク導管1600の固定側とインク供給管22
00との間の毛細管現象を確保するための封止ピン60
2が挿入されている。なお、インクタンク14とインク
供給管2200との結合シールを行なうパッキン601
が設けられ、インク供給管2200のインクタンク14
側の端部にはフィルター700が設けられている。
【0024】このインク供給部材600は、モールド成
型で作られるので、安価で位置精度が高く、製造上の精
度低下がなく、さらに片持ちばり構造のインク導管16
00によって大量生産時においてもインク導管1600
のインク受け口1500に対する圧接状態が安定してい
る。本例では、この圧接状態下で、封止用接着剤をイン
ク供給部材600側から流し込むだけで、より完全な連
通状態を確実に得ることができる。なお、インク供給部
材600の支持体300に対する固定は、インク供給部
材600の裏面側の2本のピン(不図示)を支持体30
0の穴1901,1902にそれぞれ貫通突出させ、こ
れを熱融着することにより簡単に行なわれる。この熱融
着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタンク1
4のインクジェットユニット13取付側の側面のくぼみ
(不図示)内に収められるので、インクジェットユニッ
ト13の位置決め面は正確に得られる。
【0025】次に、インクタンク14の構成について説
明する。インクタンク14は、カートリッジ本体100
0とインク吸収体900と蓋部材1100とからなり、
インク吸収体900を上記インクジェットユニット13
とは反対側からカートリッジ本体1000に挿入後、蓋
部材1100でこれを封止することによって形成される
【0026】インク吸収体900は、インクを含浸して
保持するためのものであり、カートリッジ本体1000
内に配置される。その詳細については後述する。インク
供給口1200は、インクジェットユニット13にイン
クを供給するためのものであるとともに、インクジェッ
トカートリッジ11の組み立て工程においては、インク
をインク吸収体900に含浸させるための供給口ともな
る。さらに、インクタンク14には、大気を内部に連通
するための大気連通口1401が設けられ、大気連通口
1401からのインクのもれを防ぐため、その内方に撥
液材1400が配置されている。
【0027】本例では、インク吸収体900からのイン
ク供給を良好に行なうために、カートリッジ本体100
0内のリブ2300と蓋部材1100の部分リブ231
0,2320によって形成されたインクタンク14内の
空気存在領域が、大気連通口1401側から連続し、イ
ンク供給口1200から最も遠い角部の領域にわたって
形成されるように構成しているので、インク吸収体90
0への相対的に良好かつ均一なインク供給がこのインク
供給口1200側から行なわれることが重要である。こ
の方法は実用上極めて有効である。このリブ2300は
、インクタンク14のカートリッジ本体1000の後方
面において、キャリッジ16(図6)の移動方向に平行
に4本設けられ、インク吸収体900が後方面に密着す
ることを防止している。また、部分リブ2310,23
20は、リブ2300のそれぞれに対応してその延長上
にあたる蓋部材1100の内面に設けられているが、リ
ブ2300とは異なり分割された状態となっていて空気
の存在空間を前者より増加させている。なお、部分リブ
2310,2320は蓋部材1100の全面積の半分以
下の面に分散された形となっている。これらのリブによ
って、インク吸収体900のインク供給口1200から
最も遠い角部の領域のインクをより安定させつつも確実
にインク供給口1200側へ毛細管力で導びくことがで
きた。
【0028】前述したインクタンク14のインク収容空
間は長方体形状であり、その長辺を側面にもつ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ャリッジ16(図6)の移動方向に長辺を持つ場合また
は立方体の場合は、蓋部材1100の全体にリブを設け
るようにすることでインク吸収体900からのインク供
給を安定化できる。限られた空間内にインクを出来るだ
け収納するためには直方体形状が適しているが、この収
納されたインクを無駄なく記録に使用するためには、上
述したように、角部の領域に対して近接する2面領域に
上記作用を行なえるリブを設けることが重要である。さ
らに本実施例におけるインクタンク14の内面リブは、
直方体形状のインク吸収体900の厚み方向に対してほ
ぼ均一な分布で配置されている。この構成は、インク吸
収体900全体のインク消費に対して、大気圧分布を均
一化しつつインク使用量を実質上最大限使用することが
出来る構成である。さらに、このリブの配置上の技術思
想を詳述すれば、直方体の4角形上面においてインクタ
ンク14のインク供給口1200を投影した位置を中心
として、長辺を半径とする円弧を描いたときに、その円
弧よりも外側に位置する吸収体に対して、大気圧状態が
早期に与えられるようにその円弧よりも外側の面に上記
リブを配設することが重要となる。この場合、インクタ
ンクの大気連通口は、このリブ配設領域に大気を導入で
きる位置であれば、本例に限られることではない。
【0029】加えて、本実施例は、インクジェットカー
トリッジ11のインクジェットヘッド12に対する後方
面を平面化して、装置に組み込まれたときの必要スペー
スを最小化するとともに、インクの収容量を最大化する
構成をとっているため、装置の小型化を達成できるだけ
ではなく、カートリッジの交換頻度を減少できる優れた
ものとなっている。そして、インクジェットユニット1
3を一体化するための空間の後方部を利用して、そこに
大気連通口1401用の突出部分を形成し、この突出部
分の内部を空洞化して、ここに前述したインク吸収体9
00厚み全体に対する大気圧供給空間1402を形成し
てある。このように構成することで、従来には見られな
い優れたインクジェットカートリッジを提供できた。な
お、この大気圧供給空間1402は、従来のものよりも
はるかに大きい空間であり、上記大気連通口1401が
上方に位置しているので、何らかの異常でインクがイン
ク吸収体900から離脱しても、この大気圧供給空間1
402は、そのインクを一時的に保持でき、確実にイン
ク吸収体900に回収させることができ、無駄のない優
れたカートリッジを提供できる。
【0030】また、インクタンク14のインクジェット
ユニット13の取付面の構成は図4によって示されてい
る。オリフィスプレート400の吐出口のほぼ中心を通
って、インクタンク14の底面もしくはキャリッジ16
の表面の載置基準面に平行な直線をL1 とすると、支
持体300の穴312に係合する2つの位置決め用凸起
1012はこの直線L1 上にある。この凸起1012
の高さは支持体300の厚みよりわずかに低く、支持体
300の位置決めを行う。この図面上で直線L1 の延
長上には、図5に示すように、キャリッジ16の位置決
め用フック4001の90゜角の係合面4002が係合
する爪2100が位置しており、キャリッジ16に対す
る位置決めの作用力がこの直線L1 を含む上記基準面
に平行な面領域で作用するように構成されている。後述
するように、これらの関係は、インクタンク14のみの
位置決めの精度がインクジェットヘッド12の吐出口の
位置決め精度と同等となるので有効な構成となる。  
また、支持体300のインクタンク14側面への固定用
穴1900,2000にそれぞれ対応するインクタンク
14の突起1800,1801は前述の凸起1012よ
りも長く、支持体300を貫通して突出した部分を熱融
着して支持体300をその側面に固定するためのもので
ある。 上述の線L1 に垂直でこの突起1800を通る直線L
3 、突起1801を通る直線L2 としたとき、直線
L3 上にはインク供給口1200のほぼ中心が位置す
るので、インク供給口1200とインク供給管2200
との結合状態は安定化し、落下や衝撃によってもこれら
の結合状態への負荷が軽減される。また、直線L2 ,
L3 は一致せず、インクジェットヘッド12の吐出口
側の凸起1012周辺に突起1800,1801が存在
しているので、さらにインクジェットヘッド12のイン
クタンク14に対する位置決めの補強効果を生んでいる
。なお、曲線L4 は、インク供給部材600の装着時
の外壁位置である。突起1800,1801はその曲線
L4 に沿っているので、インクジェットヘッド12の
先端側構成の重量に対しても充分な強度と位置精度を与
えている。インクタンク14の先端ツバ2700は、キ
ャリッジ16の前板4000(図5)の穴に挿入されて
、インクタンク14の変位が極端に悪くなるような異変
時に対して設けられている。キャリッジ16に対する抜
け止め2101は、キャリッジ16の不図示のバーに対
して設けられ、インクジェットカートリッジ11が後述
のように旋回装着された位置でこのバーの下方に侵入し
て、不要に位置決め位置から離脱させる上方方向への力
が作用しても装着状態を維持するための保護用部材であ
る。
【0031】インクタンク14は、インクジェットユニ
ット13を装着された後に蓋部材800で覆うことで、
インクジェットユニット13を下方開口を除いて包囲す
る形状となるが、インクジェットカートリッジ11とし
ては、キャリッジ16に載置するための下方開口はキャ
リッジ16と近接するため、実質的な4方包囲空間を形
成してしまう。したがって、この包囲空間内にあるイン
クジェットヘッド12からの発熱は、この空間内の保温
空間として有効となるものの、長期連続使用のときはわ
ずかな昇温となる。このため本例では、支持体300の
自然放熱を助けるためにインクジェットカートリッジ1
1の上方面に、この空間よりは小さい幅のスリット17
00を設けることにより、昇温を防止しつつもインクジ
ェットユニット13全体の温度分布の均一化を環境に左
右されないようにすることができた。
【0032】インクジェットカートリッジ11として組
立てられると、インクはカートリッジ本体1000の内
部よりインク供給口1200、支持体300に設けた穴
320およびインク供給部材600の中裏面側に設けた
導入口を介してインク供給部材600内に供給され、そ
の内部を通った後、導出口より適宜の供給管および天板
1300のインク受け口1500を介して共通液室内へ
と流入する。以上におけるインク連通用の接続部には、
例えばシリコンゴムやブチルゴム等のバッキンが配設さ
れ、これによって封止が行なわれてインク供給路が確保
される。
【0033】上述のように、インク供給部材600、天
板1300とオリフィスプレート400、カートリッジ
本体1000をそれぞれ一体成型部品としたので、組立
て精度が高水準になるばかりでなく、大量生産時の品質
向上に極めて有効である。また、部品点数は、従来品に
比べ減少しているので、所望の優れた特性を確実に発揮
できる。
【0034】また、本実施例においては、インクジェッ
トカートリッジ11の組立て後に、図1に示すように、
インク供給部材600の上面部603と、インクタンク
14の細長い開口部1700を備えた屋根部の端部40
08との間に、すき間1701が存在するようになって
いる。同様に、インク供給部材600の下面部604と
、インクタンク14の下方の蓋部材800が接着される
薄板部材のヘッド側端部4011との間に、すき間(不
図示)が形成されている。これらのすき間は、上記開口
部1700の放熱作用を一層促進するとともに、インク
タンク14に加わる不要な力があったとしても、これが
直接、インク供給部材600、ひいてはインクジェット
ユニット13に加わることを防止している。
【0035】いずれにしても、本実施例の上述した構成
は従来にはないものであり、それぞれが単独で有効な効
果をもたらすとともに、組み合わさっていることにより
格別の効果を奏するものである。次に、キャリッジ16
に対するインクジェットカートリッジ11の取り付けに
ついて説明する。
【0036】図5において、プラテンローラ5000は
、記録媒体5200(例えば記録紙など)を図示紙背方
向から紙表面方向へ案内する。キャリッジ16はプラテ
ンローラ5000の長手方向に沿って移動するもので、
キャリッジ16の前方すなわちプラテンローラ5000
側にあってインクジェットカートリッジ11の前面側に
位置する前板4000(厚さ2mm)と、後述する電気
接続部用支持板4003と、インクジェットカートリッ
ジ11を所定の記録位置に固定するための位置決め用フ
ック4001とが設けられている。前板4000は、イ
ンクジェットカートリッジ11の支持体300の突起2
500,2600に対応する2個の位置決め用突出面4
010を有し、インクジェットカートリッジ11の装着
後はこの突出面4010に向かう垂直な力を受ける。 このため、補強用のリブが前板4000のプラテンロー
ラ5000側に、その垂直な力の方向に向かっているリ
ブ(不図示)を複数有している。このリブは、インクジ
ェットカートリッジ11装着時の前面位置L5 よりも
わずかに(約0.1mm程度)プラテンローラ5000
側に突出しているヘッド保護用突出部をも形成している
。支持板4003は、図示紙面に垂直方向に伸びる複数
の補強用リブ4004を有し、それらの側方への突出割
合は、プラテンローラ5000側からフック4001側
に向かうにつれて減少し、このことによってインクジェ
ットカートリッジ11が、図示されるように、傾斜して
装着される。また、支持板4003は、インクジェット
カートリッジ11の配線基板200のパッド201に対
応するパッド2011を具備したフレキシブルシート4
005と、これを裏面側から各パッド2011に対して
押圧する弾性力を発生するためのボッチ付ゴムパッドシ
ート4007とを保持する。支持板4003は、パッド
201とパッド2011間の電気的接触状態を安定化す
るため、上記の突出面4010の作用方向とは逆方向に
インクジェットカートリッジ11への作用力を及ぼすた
めのフック4001側の位置決め面4006を突出面4
010に対応して設け、これらの間にパッド接触域を形
成するとともに、パッド2011対応のボッチ付ゴムシ
ート4007のボッチの変形量を一義的に規定する。位
置決め面4006は、インクジェットカートリッジ11
が記録可能な位置に固定されると、配線基板200の表
面に当接した状態となる。パッド201を前述の線L1
 に対して対称になるよう分布させてあるので、ボッチ
付ゴムパッドシート4007の各ボッチの変形量は均一
になり、パッド2011とパッド201間の当接圧はよ
り安定化する。本例では、パッド201の分布は、上方
、下方2列、縦2列である。フック4001は、固定軸
4009に係合する長穴を有し、この長穴の移動空間を
利用して図の位置から反時計方向に回動した後、プラテ
ンローラ5000の長手方向に向って左方側へ移動する
ことでキャリッジ16に対するインクジェットカートリ
ッジ11の位置決めを行なう。フック4001の移動は
どのようなものでもよいが、レバー等で行なえる構成が
好ましい。いずれにしても、このフック4001の回動
時にインクジェットカートリッジ11はプラテンローラ
5000側へ移動しつつ、位置決め用突起2500,2
600が前板4000の突出面4010に当接可能な位
置へと移動する。フック4001の左方側移動によって
、90゜のフック面4002がインクジェットカートリ
ッジ11の爪2100の90゜面に密着しつつ、インク
ジェットカートリッジ11が突起2500と突出面40
10との接触域を中心に水平面内で旋回し、最終的にパ
ッド201とパッド2011同志の接触が始まる。そし
てフック4001が所定位置、すなわち固定位置に保持
されると、パッド201とパッド2011との完全接触
状態と、突起2500,2600と突出面4010との
完全面接触と、フック面4002と爪2100の90゜
面の2面接触と、配線基板200と位置決め面4006
との面接触が同時に形成されて、キャリッジ16に対す
るインクジェットカートリッジ11の保持が完了する。
【0037】次に、インクジェット記録装置本体の概略
について説明する。本発明が適用されるインクジェット
記録装置15の概観は、図6に示されている。ら線溝5
004の刻まれたリードスクリュー5005は、駆動モ
ータ5013の正逆回転に連動し、駆動力伝達ギア50
11,5009を介して回転駆動される。キャリッジ1
6は、取付け部5001(図5)に設けられたピン(不
図示)によってら線溝5004に対して係合し、さらに
案内レール5003に摺動自在に案内されていることに
より、図示矢印a,b方向に往復移動される。紙押え板
5002は、キャリッジ16の移動方向にわたって記録
媒体5200をプラテンローラ5000に対して押圧す
る。フォトカプラ5007,5008はキャリッジ16
のレバー5006のこの域での存在を確認して駆動モー
タ5013の回転方向の逆転等を行なうためのホームポ
ジション検知手段を構成する。インクジェットヘッド1
2の前面をキャップするキャップ部材5022は、支持
部材5016によって支持され、さらに吸引手段501
5を備え、キャップ内開口5023を介してインクジェ
ットヘッド12の吸引回復を行なう。本体支持板501
8には支持板5019が取付けられており、該支持板5
019に摺動自在に支持されたクリーニングブレード5
017は、図示しない駆動手段によって前後方向に移動
される。クリーニングブレード5017の形態は図示す
るものに限られず、公知のものが本例に適用できること
は言うまでもない。レバー5012は、吸引回復操作を
開始するためのもので、キャリッジ16と当接するカム
5020の移動にともなって移動し、駆動モータ501
3からの駆動力がギア5010やクラッチ切換等の公知
の伝達手段によって移動制御される。
【0038】これらのキャッピング,クリーニング,吸
引回復の各処理は、キャリッジ16がホームポジション
側領域にきたときリードスクリュー5005の作用によ
って、それぞれの対応位置で行なわれるようになってい
る。周知のタイミングで所望の作動を行なうようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れたものであり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0039】図7、図8、図9、図10及び図11に示
すように、インクジェットカートリッジ11は、気密性
の収納容器(梱包容器)60に封入されて保管、流通さ
れる。この収納容器60は、容器本体61と蓋部材63
とで形成され、これらが接合一体化されて収納容器とし
て用いられる。
【0040】容器本体61には、内容物であるインクジ
ェットカートリッジ11と非接触状態に維持される壁部
61cと、該壁部61cから内容物収容領域へ向けて突
出しそこに収容されるインクジェットカートリッジ11
を支持してその位置固定を行う凹部61aと、蓋部材6
3との接合一体化のためのフランジ部61bとが設けら
れている。インクジェットカートリッジ11の記録ヘッ
ド部分101は、収納空間において壁部61cと非接触
状態に維持されている。図示されるように、収納空間に
突出する四つの凹部61aの内、記録ヘッド部分101
が位置する側の凹部の掘り込み程度を大きくして記録ヘ
ッド部分101が収納空間内深くに位置するようにすれ
ば、記録ヘッド部分101は一層良好に保護される。同
時に、ユーザーがインクジェットカートリッジ11を逆
向きに入れることを防止する(いわゆる誤挿入防止)こ
ともできる。
【0041】壁部61cは特に十分な強度を有する必要
があり、そのような材質および厚さで形成される。壁部
61cの厚みは、その構成材料の種類によって適宜選択
すればよいが、例えば0.1mm以上、好ましくは0.
3mm以上、より好ましくは0.5mm以上とされ、上
限としては例えば1.2mm以下とされる。一方、凹部
61aは、内容物の保護のために衝撃を緩衝あるいは吸
収するクッション性を有することが好ましい。すなわち
、壁部61cと同様の強度および剛性を有するように凹
部61aを形成すると、壁部61cの受けた衝撃が内容
物に直接伝わりやすく、内容物の破損などの原因となら
ないとも限らない。このような観点から、凹部61aは
比較的薄い肉厚で形成され、かつ弾性を有することが望
ましい。凹部61aの厚さもまたその構成材料に応じて
適宜選択することができるが、例えば0.8mm以下、
好ましくは0.6mm以下、より好ましくは0.4mm
以下とされ、下限としては例えば0.05mm以上とさ
れる。
【0042】容器本体61の構成材料としては各種の樹
脂などを挙げることができる。容器本体61は例えば樹
脂を用いた一体成型によって作製される。一体成型によ
る方法は、加工性、生産コストなどの面から好適である
。一体成型による容器本体61の作製には、各種の樹脂
の射出成型、真空成型などが利用できる。中でも、例え
ばアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂
(ABS樹脂)、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂を用
いた射出成型による方法は、壁部61cおよび凹部61
aの厚みの調整が容易であり、かつ比較的低コストで行
え、各部に所望の特性を容易に付与できるといった点か
ら好適である。
【0043】また、フランジ部61bを容器本体61の
底部に設けることによって、容器本体61と蓋部材63
との接合を簡便かつ確実に行うことができる。フランジ
部61bは、容器本体61の一体成型時に他の部分と同
時に成型することができる。フランジ部61bの厚さは
、壁部61cと同程度とすればよい。このフランジ部6
1bには、容器本体61と蓋部材63との接合領域62
に沿って補強のためのリブ61eが設けられているのが
好ましい。このリブ61eは、蓋部材63の方に突出す
るように設けられているが、この突出方向は逆であって
もよい、ただし、前者の方が、容器本体61と蓋部材6
3との接合がリブ61eを使って一層確実になされるの
で好ましい。
【0044】凹部61aや壁部61cの立ち上り部など
の角部を図示したように湾曲状とすることによって、そ
の衝撃緩衝性をより良好なものとすることができる。該
湾曲部の曲率半径は比較的大きい方がよく、凹部61a
の大きさに応じて適宜選択されるが、例えば2mm以上
、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上と
される。
【0045】凹部61aの形状は、インクジェットカー
トリッジ11の保護および収納容器60内での位置固定
が効果的に行えるように適宜選択される。図示した例で
は、4カ所の凹部61aによってインクジェットカート
リッジ11が支持されており、この形態がインクジェッ
トカートリッジ11の保護、位置固定という点から最も
好適であるが、凹部61aの個数は適宜選択できる。
【0046】凹部61aのインクジェットカートリッジ
11の支持部分とインクジェットカートリッジ11との
クリアランスは、大き過ぎるとインクジェットカートリ
ッジ11の収納容器60内でのガタツキやズレが生じる
ので好ましくないが、逆に小さ過ぎるとインクジェット
カートリッジ11の容器本体61への収納性が悪くなり
、また壁部61cからの衝撃が伝達されやすくなるので
好ましくない。これらのクリアランスは、凹部61aの
構造および凹部61aとインクジェットカートリッジ1
1との適合性において適宜選択すればよいが、例えば0
.5mm〜3mm、好ましくは0.5mm〜2mm程度
とすることができる。
【0047】蓋部材63の材質や厚さは、インクジェッ
トカートリッジ11の重量や強度などに応じて選択され
る。蓋部材63としては、例えば樹脂や金属製のフィル
ム、シートや板、あるいはそれらの少なくとも一つを含
む積層体などが用いられる。この積層体を蓋部材63と
して用いる場合、蓋部材63の容器本体61との非接着
面側の表層が紙であると、環境変化、特に湿度変化の影
響を受けて紙が放湿、吸湿してカール変形することがあ
るため、外面にもアルミニウム、ポリ塩化ビニリデン、
ポリプロピレンなどの防湿層をコーティングし変形を防
止するのが好ましい。この場合、カール変形による容器
本体61と蓋部材63との接合領域62に、剥離方向に
力が加わるのを防止することもできる。
【0048】防湿層としては、コスト、強度的な面から
、15〜100μm厚のポリプロピレンが最も好ましい
。インクジェットカートリッジ11を容器本体61に収
容した後の容器本体61と蓋部材63との接合には、各
種の接合方法が利用できる。例えば、容器本体61と蓋
部材63を同種の樹脂材料で形成し、熱融着、超音波溶
着などの方法でこれらを接合することができる。また、
イージー・ピール層を蓋部材63の少なくとも接合に必
要な領域に設けて、それを利用してこれらの接着を行う
ことができる。イージー・ピール層を利用する方法では
、梱包を解く際に、容器本体61から蓋部材63を容易
に取り外すことができる。また、インクジェットカート
リッジ11を破損させる恐れが一層少ないという利点を
有している。このように防湿して内部の湿度を維持する
ことや開封の容易さなどを考慮した場合、イージー・ピ
ールが好適である。このイージー・ピール層としては、
例えば各種のホットメルト系、ポリエチレン系、エバー
ル系などからなる層が利用できる。
【0049】蓋部材63には、容器本体61との接合を
はがす際に用いられるつまみ部63aが設けられている
のが取扱い上好ましい。このつまみ部63aは、図7及
び図8ではインクジェットカートリッジ11の記録ヘッ
ド部分101に近い個所に設けられているが、より好ま
しくは記録ヘッド部分101からできるだけ遠く離れた
位置に設ける方がよい、その理由は、つまみ部63aを
持って蓋部材63を容器本体61からはがす際に、イン
クジェットカートリッジ11の中でも特に保護すべき記
録ヘッド部分101に手が過って触れたりするのを避け
るためである。
【0050】また、本発明の収納容器60の構成材料を
選択することで、内容物の湿度環境を維持する、すなわ
ち防湿機能や内容物の有する水分の外部への蒸発を防ぐ
機能を得ることができる。例えば、容器本体61の構成
材料として、各種樹脂にポリ塩化ビニリデン層やアルミ
ニウム層をコートした材料、湿度透過防止性のある材料
、例えばポリプロピレンなどを用いることによって、上
述の湿度環境維持機能を得ることができる。なお、製造
コスト、成型性、加工性などの面からは、ポリプロピレ
ンが好適である。
【0051】これと同様に、蓋部材63の構成材料とし
て、樹脂のフィルム、シートまたは板材、あるいは紙の
シートや板材にポリ塩化ビニリデン層やアルミニウム層
をコートした材料、湿気透過防止性のあるポリプロピレ
ンなどを用いることによって、良い湿度環境維持機能を
得ることができる。衝撃緩衝性および湿度環境維持機能
の両方について良好なものとするには、例えば、紙にア
ルミニウム層を設けた材料からなり、容器本体との密封
接着のための層(例えばイージ・ピール層)を有し、な
おかつ、カール防止に非接着面(外面)にポリプロピレ
ン層を設けたものが好適である。特に、アルミニウム層
を設け非接着面側の最外層としてポリプロピレン層を設
けた積層体が、コスト、衝撃緩衝性および湿度環境維持
機能の面から好ましい。
【0052】また、容器本体61の形成にポリプロピレ
ンを用いた真空成型法を利用する場合に、先に述べたよ
うに凹部61aや壁部61cの立ち上がり部などを湾曲
部として成型することは、容器本体61の衝撃緩衝性を
より良好とするとともに、容器本体61に上述のような
湿度環境維持機能を得る上でも好ましい。さらに、容器
本体61の天井61dから底面(フランジ61b)方向
に、原料シートの天井部61dとなる部分以外の部分を
真空で延ばして凹部61a、壁部61c、湾曲部などを
成型するオス型成型によれば、各部ごとの厚みの均一性
をより良好なものとすることができ、ピンホールの発生
もなく、各部における湿気透過防止性を高める上で好ま
しい。
【0053】また、真空成型で得られる容器本体に湾曲
部を設けない場合は、容器本体の壁部と凹部の境界およ
び壁部とフランジの境界などが肉厚の薄い角部として形
成され、ピンホールが生じたり、落下時の破損が起こり
やすくなったり、その部分の湿気透過防止性が低下した
りすることがある。このために、これらの境界部を湾曲
部として成型することによって、肉厚の薄い部分が形成
されることが一層効果的に防止され、良好な湿気透過防
止性を容器本体全体にわたって一層均一に得ることがで
き、かつ落下衝撃に一層強い外周部を得ることができる
【0054】本発明の他の実施例におけるシールシート
3’ の取り付けを図12に示す。このように、大気連
通口13をシールシート3’ で吐出口41と一体的に
塞ぐことにより、外部に対して開放された開口部全てを
シールシート3’ で覆うことができ、インクの蒸発を
ほぼ完全に防止できる。次にインク吸収体900につい
て説明する。
【0055】まず、本発明に係るインク吸収体(以下、
「吸収体」という。)としてはインクジェット記録ヘッ
ドのインク貯溜カートリッジに内蔵されるものであり、
連続気泡を内部に有する高分子弾性多孔質体として、通
常、ポリエーテル型ポリウレタンフォームより構成され
る。該吸収体は、例えば、原料としてポリエーテルポリ
オール、ジオクチルフタレート、トルエンジイソシアナ
ート等を用い、更にシリコン系活性剤等の添加剤を加え
常法により反応を行い発泡させ、所定の気孔率を有する
発泡体を得、必要によりガス爆発を利用した公知の膜取
り工程を実施し、次に所定の圧縮率まで加熱圧縮された
後、所定の大きさに切断されできあがる。このような吸
収体作製工程において、発泡工程中未反応原料が不純物
となったり、また圧縮工程によって不純物の分布が不均
一化するため、できあがった吸収体中には相当量の不純
物が不均一に含有されている可能性があり、吸収体の洗
浄処理が必要となる。
【0056】本発明において、吸収体とは、加熱圧縮後
そのままの大きさそのもの及びこれを所定の大きさに切
断したものの両者をいう。吸収体と反応性のない極性有
機溶剤とは、吸収体自体に実質的に影響を及ぼさない揮
発性の低い極性溶剤であり、アルコール類、ケトン類、
エーテル類、含チッソ溶剤等があげられるが、吸収体自
体の骨格構造部分である、ウレタンポリマーを溶解又は
腐食するようなものは不適当であり、また、不純物を良
く溶解するものでなくてはならない。それらを考慮する
とアルコール類とエーテル類の一部を本発明で好適に用
いることができる。中でも特に有効なものとしては例え
ば炭素数3個以下の一価アルコールと、多価アルコール
のアルキルエーテルが好ましい。このような一価アルコ
ールとしては、メタノール、エタノール、プロバノール
等、多価アルコールアルキルエーテルとしてはメチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ、メチルカルビトール、エ
チルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル等が例示できる。このようなものは、洗浄後フ
ォーム中に微量残存してもインク物性に重大な影響を与
えることがない。
【0057】これらの溶剤は単独で用いるか又は二種類
以上混合して用いてもよく、更に、水との混合溶媒とし
て用いることもできる。特に水との混合溶媒は、安全性
の面からより好ましい。水との混合溶媒を洗浄剤として
用いる場合は水と前述有機溶剤を重量比で9:1〜1:
9程度好ましくは7:3〜1:1程度としたものが好適
であり、充分な洗浄能力を維持することができる。
【0058】上記極性溶剤を用いることにより、吸収体
中に存在する不揮発性不純物(吸収体の骨格を成してい
るウレタンポリマー以外の物、以下「不純物」といい、
インク中へ溶け出ていく溶出物を表わす。)が効果的に
除去できる理由としては、これら極性溶剤が吸収体の骨
格をなすウレタンポリマー部分の内部にまでよく浸透し
、未反応モノマー等を効率よく抽出、また、これら不純
物が良く溶解するためであると推測される。
【0059】次に、前記溶剤と溶出される不純物との関
係について述べ、併せて、本発明に係る不純物の測定法
の原理について説明する。常法により得られた吸収体を
エタノールで洗浄し、この洗液のエタノールを蒸発乾固
し、残った粘着性物質の赤外吸収(IR)スペクトルを
測定(KBr錠剤法)し、一方、別にウレタンフォーム
の原料及び添加剤である、ポリエーテルポリオール、ジ
オクチルフタレート、シリコン系活性剤について同様に
して赤外吸収スペクトルを測定することにより、不純物
の成分分析を行った結果の1例を図13に示す。IRス
ペクトルは簡便であり、特徴的ピークにより容易に化合
物の特定が可能である。得られた溶出物のスペクトルを
比較検討した結果、溶出物の主なものは、ポリエーテル
ポリオールとジオクチルフタレートであり、特にポリエ
ーテルポリオールが大部分であることが判明した。すな
わち、図13で(a)の吸収体からの溶出物の赤外スペ
クトルにおいては、1730cm−1のカルボニル基に
よるピークの存在により(c)のジオクチルフタレート
の存在が示され、また、1110cm−1のエーテル結
合によるピークの存在により(b)のポリエーテルポリ
オールと(d)のシリコン系活性剤の存在が示されてい
るが、シラノール基の特性吸収ピークである800cm
−1のピークが(a)には存在せず、これにより、(a
)の溶出物はポリエーテルポリオールと、ジオクチルフ
タレートが主成分であると結論できる。更に(a)のス
ペクトルにおいて、1730cm−1と、1110cm
−1のピーク深さを比較することにより、その量の差が
明らかとなり、その結果、吸収体の溶出物中の大部分の
不純物はポリエーテルポリオールであることがわかる。
【0060】以上の結果は、フォームの洗浄剤として、
ポリエーテルポリオールを良く溶解し得る物が好適であ
ることを示している。そこで、ポリエーテルポリオール
の良溶剤を検討したところ、前述した、一価アルコール
類及び多価アルコールのアルキルエーテルが特に良好で
あることが判明したのである。上記の方法においては溶
出にエタノールを用いているが、水もわずかながら溶解
性が有り、水混合溶剤としても有効であることがわかっ
ている。
【0061】上記の結果及びこの他にも行われた種々の
結果よりポリエーテルポリオールのエーテル結合に帰属
される1110cm−1のピーク深さの変化から、吸収
体の不純物量を溶出物量として有効に定量できることが
わかった。上記の手法は本発明における洗浄剤の種類、
洗浄条件を設定する際に適用できるので、対象とする吸
収体に応じ適宜、適性条件を設定すればよい。
【0062】なお、場合によりIRスペクトルによる測
定を1110cm−1のピークに限らず1730cm−
1のピークにおいても行ってもよい。次に、詳細に溶出
物量の定量法を説明する。例えば吸収体1個を一定量の
洗浄剤で、一定条件で洗浄し、その洗液の一定量をとっ
て、蒸発乾固せしめ、しかる後、その残留物を赤外スペ
クトル用KBr錠剤に成型する。これを赤外分光器にか
けて、スペクトルを取り、1110cm−1のピーク深
さを読みとる。一方、予めポリエーテルポリオールの一
定量を分取して、KBr錠剤に成型し、赤外吸収スペク
トルを測定する。それらの1110cm−1のピーク深
さを求めておき、ポリエーテルポリオールの量と、ピー
ク深さの間の検量線を作っておけば、前記洗浄条件の違
いによる溶出物量が求められる。
【0063】図14に検量線の一例を示す。不純物をポ
リエーテルポリオールとしてIRスペクトルの1110
cm−1ピークで定量する上述の方法による測定値とイ
ンク物性の関係について次に述べる。洗浄していない吸
収体を用いた場合に生ずる不都合は、インクの物性の一
つである表面張力が低下すること(40dyne/cm
以下となる)及び、記録品位の劣化があげられる。特に
記録品位におけるODの低下、紙の裏へのインクぬけ、
及び記録ドットの周りにヒゲ状にインクが走り、記録の
シャープネスを悪くする(不規則ニジミ)ことが問題と
なる。上記記録品位劣化とインクの表面張力の低下を抑
えるには後述するようにインク1g当たりの不純物(溶
出物)量が0.04wt%以下にすることが必要である
【0064】ここでインクの重量当りとは、インクタン
ク中のインク重量、換言すればインク吸収体に含浸され
るインク重量1g当たりのインク中の不純物の溶出量で
ある。  後述するように、前記溶出量が0.04wt
%を越えれば、長期間インクに浸漬されていると次第に
記録品位の劣化が進行し、初期には比較的良好であって
も2〜3年後には不良となる。0.04wt%以下であ
れば、2〜3年間インクに浸漬されたままであっても記
録品位劣化は認められず、インクの表面張力低下も最小
限に抑えられる。すなわち、40dyne/cmを下回
ることはない。
【0065】なお、かかる、吸収体からの溶出物量と記
録品位の関係は、種々の異なる溶出量を有する吸収体を
作成し、それらの溶出量を前記の赤外吸収スペクトルに
よる定量方法により、測定すれば知ることができる。こ
こで、上記吸収体の清浄度の規準であるインク1gに対
して不純物濃度0.04wt%以下は、ポリエーテルポ
リオールとしての定量値が、測定手段の簡易性、信頼性
等より好ましいが、本発明においては前述極性溶媒を洗
浄剤として用いるかぎり、溶出物留分を単に蒸発乾燥(
50〜90℃)させ重量変化として求めることによって
も、同様の規準に基づいて洗浄を実施することができる
。また、ポリエーテルポリオールを1110cm−1の
ピークで求める手法以外にも、他のピーク、例えば17
30cm−1のピークも合わせて求めポリエーテルポリ
オール及びジオクチルフタレートとの合計として定量す
ることもでき、この場合予め必要な検量線を作成してお
けば容易に実施可能である。
【0066】次に、吸収体の作製工程における本発明の
洗浄工程について説明する。本発明における洗浄工程は
、加熱圧縮後切断及び切断後において実施しえる。切断
後における洗浄の場合は吸収体の厚みとしては通常20
〜35mm程度のものが標準であり、また、切断後にお
ける洗浄の場合の吸収体の大きさは、本体のインク貯溜
カートリッジの大きさにより決定されるものであるが、
洗浄の効率の観点からは大きすぎないもの、通常は5.
5〜6.5g/1個程度のものが標準である。
【0067】吸収体の洗浄方法としては、一定量の吸収
体に対して一定量の洗浄剤を用いて数回〜数十回行うも
み洗い、押し洗い又は超音波洗浄等の方法により洗浄す
る。通常は、この操作一回で充分であるが、より好まし
くは、一定量の溶媒で洗浄後、洗液を新しいものにかえ
てもう一度洗浄を繰り返す。洗浄剤で洗浄した後、吸収
体中に含まれる洗浄剤をしぼり出し、これを、すぐに加
熱乾燥するか又は純水ですすぎ洗いを行い、最後に吸収
体中の水分をしぼり出してから加熱乾燥し、不純物量が
所定量以下であるなら良い。
【0068】ここで洗浄に用いる洗浄剤の量は吸収体に
対して4ml/吸収体1g〜10ml/吸収体1gの範
囲が好ましい、4ml/吸収体1g以下では洗浄が不充
分で、洗浄回数を多くしなければならず時間がかかり効
率が悪く、10ml/吸収体1g以上では、溶媒の量が
多すぎて、その割に洗浄効果が少ないために、コスト的
に効率が悪い。
【0069】洗浄時間は通常、数10秒〜数分で充分で
、もみ洗い、押し洗いの場合は、数10秒で充分であり
、超音波洗浄では数分で充分である。また、洗浄後の吸
収体の乾燥は、温度40〜100℃の温風乾燥機による
のが好ましい。更に好ましい温度は50〜70℃である
。高い温度での乾燥は吸収体の材質の劣化を生ずるおそ
れがあるためである。乾燥時間は3〜6時間が適当であ
る。いずれにしても、予め適正な各洗浄条件を前述した
IRスペクトルの手法により求めておき、洗浄により不
純物量がインク吸収体1g当たり0.2wt%以下にな
るように適宜条件を設定しておけば、それ以後は、洗浄
工程をシステム化することができる。
【0070】ところで本発明に用いられる吸収体は、所
定の方法により発泡された、所定の気孔率を有する発泡
体を、所定の圧縮率に加熱圧縮され、所定の大きさに切
断されたものであるが、上記加熱圧縮工程は通常190
℃〜210℃の温度で2分の1〜5分の1に圧縮される
。このようにして得られた吸収体は、加熱圧縮する前の
発泡体ブロックからの切り出し位置のちがいにより、不
純物(溶出物)の量が異なることが、前記赤外吸収スペ
クトル測定方法により明らかとなっている。これは従来
知られていなかった知見であり、安定して一定品質の吸
収体を作製する上で極めて重要な知見である。本発明に
よればこのような不純物の不均一な分布に対しても対応
できるものである。
【0071】なお、前述記録品位の経時的変化は、常温
での保存1〜3年間に相当する60℃で1ヶ月〜3ヶ月
間の保存による加速試験により評価し得る。すなわち、
上記、吸収体をインクジェットに組み上げて、これを6
0℃オーブン中に保存し、1ヶ月後ごとに記録による評
価をすればよい。そこで種々の洗浄条件に基づいて実験
を行い、洗浄後に残留した不純物の量と、記録品位の経
時変化の関係を調べた。以下に、更に本発明を詳述する
。 (1) 実験1 ・実施例1 常法により得られたポリウレタン発泡ブロックの中央部
から取り出し200℃で3分の1に圧縮する熱プレスを
行った後、重量6gの長方形チップに切り出し得られた
吸収体を2個用意した。この2個の吸収体をエタノール
80cc中で10回の押し洗いを行い(合計0.5〜1
分間程度)、次いで吸収体中にしみ込んだエタノールを
しぼり出して、洗浄済吸収体と、エタノール洗液を得た
。得られたエタノール洗液から、0.2mlを分取して
、この溶媒を蒸発乾固した後、残留物を200mgの赤
外吸収スペクトル用KBr粉末とともにメノウ乳鉢中で
充分に粉砕混合した、得られたKBr粉末をKBrの錠
剤成型器により常法に従って赤外吸収スペクトル用KB
r錠剤を作成した。これを日立270−30型IRスペ
クトロメーターで、赤外吸収スペクトルを測定し、11
10cm−1のピーク深さを常法により読み取った。こ
の値を用い図14の検量線に基づいて溶出物量を算出し
た。次いで、洗浄された2個の吸収体を純水200cc
中に入れ、10回の押し洗いをして、吸収体をしぼり、
これを60℃のオーブン中で5時間温風乾燥した。得ら
れた2個の洗浄済み吸収体のうち1個は更にエタノール
の40cc中に入れ、初めと同じ操作をして、エタノー
ル洗液中の溶出物量を赤外吸収スペクトルで測定し、前
記溶出物量との合計を初期溶出物含有量(溶出物総量)
とした。残りの1個の吸収体はインクカートリッジ中に
挿入して、インクジェットヘッドを組み立てて記録テス
トに供した。記録テストは、初期及び60℃1ヶ月間保
存後、2ヶ月間、3ヶ月間の保存後に、取り出し、常温
常湿状態にて記録した、この時のOD値、インクの裏抜
け、品位(ドットの不規則ニジミ)を初期状態との比較
で評価した。なお60℃3ヶ月の保存は常温3年に相当
する。
【0072】評価基準は、◎:変化ナシ○:変化小(許
容限度内) △:変化中(  〃    外) ×:変化大 である。以上の結果をまとめて表1に示した。
【0073】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.07wt%であり、3ヶ月間の
保存においてもインクの品質に何ら影響が認められなか
った。 ・実施例2 実施例1と同様の吸収体を3個用いた。このうち1個は
実施例1と同様にエタノールで洗浄し、その洗液から溶
出物総量を測定した。残りの2個をイソプロピルアルコ
ールと水の重量比1/1の洗浄液により、実施例1と同
様な方法で洗浄を行った。得られた洗浄済み吸収体の1
個を実施例1と同様にエタノール40ccで更に洗浄し
、その洗液から溶出物量を測定した。残りの1個の洗浄
済み吸収体は実施例1と同様にインクジェットヘッドに
組み込んで記録テストを行った。これらの結果を表1に
まとめて示した。
【0074】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.1wt%であり、3ヶ月間の保
存においてもインクの品質に何ら影響が認められなかっ
た。 ・実施例3 実施例2のイソプロピルアルコールと水の混合溶媒の代
わりにメチルセロソルブと水の重量比1/1混合溶媒を
洗浄液とすること以外は、全て実施例2と同様に洗浄し
、記録テストを行った。結果をまとめて表1に示した。
【0075】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.09wt%であり、3ヶ月間の
保存においてもインクの品質に何ら影響が認められなか
った。 ・実施例4 ポリウレタン発泡ブロックの下方部から取り出し、20
0℃で3分の1に圧縮する熱プレスを行った後、重さ6
gの長方形のチップ状に切り出し得られた吸収体を用い
て実施例1と全く同様な方法で、洗浄し、溶出物量測定
して後、記録テストを行った。結果をまとめて表1に示
した。
【0076】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.15wt%であり、3ヶ月間の
保存においてインクに若干の品質変化が認められたが、
許容限度内であり、問題はなかった。 ・実施例5 実施例2と同様の吸収体1個をエタノールで洗浄し、そ
の洗液から溶出物総量を測定した。残りの2個を実施例
2で用いた洗浄液で洗浄するが、その洗浄方法として、
超音波洗浄を用いた。100Wの超音波洗浄器(RU−
30C型)を用いて、2分間洗浄した。この後は実施例
2と全く同様にして、溶出量の定量と記録テストを行っ
た。この結果を表1にまとめて示した。
【0077】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.12wt%であり、3ヶ月間の
保存においてもインクの品質に影響は認められなかった
。 ・実施例6 実施例5において1回の洗浄処理のところを、同一洗浄
操作で2回行って、洗浄された吸収体を2個得た。その
内の1個をエタノール40ccで10回の押し洗いを行
い、そのエタノール洗浄液を得た。これから0.2ml
を分取し、実施例1と同様に溶出物量を赤外吸収スペク
トルで定量した。残りの1個はインクジェットヘッドに
組み込んで記録テストを実施例1と同様に行った結果を
表1にまとめて示した。
【0078】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.03wt%であり、長期保存に
全く問題は認められなかった。 ・実施例7 ポリウレタン発泡体ブロックの下方部から取り出し、2
00℃で3分の1に圧縮する熱プレスを行った後、重さ
6gの長方形のチップ状に切り出し得られた吸収体を用
いて、実施例2と全く同様な方法で洗浄し溶出物量を測
定して記録テストを行った。結果をまとめて表1に示し
た。
【0079】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.19wt%であり、2ヶ月間の
保存におけるインクの品質変化は許容範囲内であった。 ・実施例8 ポリウレタン発泡体ブロックの下方部から取り出し、2
10℃で3分の1に圧縮する熱プレスを行った後、実施
例7と全く同様な方法で洗浄し溶出物量を測定して記録
テストを行った。結果をまとめて表1に示した。
【0080】この結果、洗浄後に残留した不純物はイン
ク吸収体1g当たり0.20wt%であり、2ヶ月間の
保存におけるインクの品質変化は許容範囲内であった。 ・比較例1 実施例1で用いた吸収体を洗浄せずに、インクジェット
ヘッドに組み立て、記録テストを行った。その結果を表
1にまとめて示した。
【0081】この結果、1ヶ月間の保存においてもイン
クの変化が大きく、許容されないものであった。 ・比較例2 実施例4で用いた吸収体を洗浄せずに、インクジェット
ヘッドに組み立て、記録テストを行った。その結果を表
1にまとめて示した。
【0082】この結果、初期における評価においても既
にインクの変化が顕在化していた。 ・参考例 実施例1で用いた吸収体を実施例1と同様にエタノール
で3回洗浄した。得られた充分に洗浄された吸収体5個
(No.1〜5)を用意し、各々インクジェットヘッド
に組み込んだ。その内のNo.1〜4にポリエーテルポ
リオール(分子量約6000のグリセリンのプロピレン
オキサイド付加物)を吸収体1gに対して0.1wt%
,0.15wt%,0.2wt%,0.25wt%にな
るようにインクに添加した。
【0083】No.5には無添加のインクを入れて、記
録テストを行った。この結果を表1にまとめて示した。 この結果、前記本発明の実施例の結果と同傾向を示し、
不純物の添加が吸収体1g当たり0.2wt%を越える
とインクに対する影響は許容されないものとなった。
【0084】従って、上記実験結果からインク吸収体と
反応性のない極性有機溶剤を含有する洗浄剤で溶出留分
がインク吸収体1g当たり0.20wt%以下、より好
ましくは0.12wt%以下になるように洗浄すること
で、フロン等の洗浄剤を使用していないので環境問題を
生じることなく、記録品位を劣化させないインク吸収体
が得られた。
【表1】 (2) 実験2 次に、インク吸収体からのインク中へのポリエーテルポ
リオールの溶出量と記録品位との相関について調べた。
【0085】まず、インク中の有機物(ポリエーテルポ
リオール)の溶出量が、図15に示すように異なる各イ
ンク吸収体(エーテル系発泡ポリウレタン)を準備した
。このインク吸収体は、エーテル系発泡ポリウレタンを
各種条件で3分の1に圧縮する熱プレスし、裁断するこ
とにより作製したものである。これらインク吸収体をイ
ンクジェットカートリッジのインクタンクに装着して3
0cm3 のpH7〜10に保持されたインクを吸収保
持させ、しばらく静置してから、これらのインクジェッ
トカートリッジを用いて記録を行なった。この時の記録
品位を評価すると共に、その時のインク中の有機物(ポ
リエーテルポリオール)の溶出量を定量した。なお、イ
ンク吸収体の重量はそれぞれ6gである。
【0086】ポリエーテルポリオールの溶出量は、前述
した通り、赤外吸収スペクトルの測定によって求めるほ
か、次に述べる高速液体クロマトグラフィによっても定
量を行った。ここで用いた液体クロマトグラフィ装置と
しては、ソーデックス(Shodex)社のds−3型
を用い、カラムとしてイオン交換型のものでソーデック
ス社のB−806型を用い、検出器として屈折率型のも
のでソーデックス社のRISE−51型を用いた。溶媒
として、メタノール:水=6:4のものを用い、その流
量は、1ml/分であった。なお図15に示す溶出量は
、インク吸収体の重量基準(6g)で算出した値である
【0087】また、記録品位は、記録紙に記録されたも
のをインクのにじみ(フェザリング)や裏ぬけ(全面に
黒を記録したときの紙裏面側へのインクの浸透)による
光学濃度の低下等の観点によって総合的に評価した。こ
の評価は、官能試験の手法により、A〜Dの4段階に分
けることによって行なった。Aは良好、Bはやや良好で
記録品位の許容内、Cはやや劣って記録品位の許容外、
Dはかなり劣るの各レベルに相当する(図15)。
【0088】図15に示すように、ポリエーテルポリオ
ールのインク中への溶出量がインク吸収体1g当たり0
.2wt%以下であれば、記録品位の劣化は起こらず、
満足できる記録品位が保たれる。一方、溶出量がインク
吸収体1g当たり0.2wt%を越えると急激に記録品
位が悪化する。以上の実験1及び実験2より、ポリエー
テルポリオールのインク中への溶出量がインク吸収体1
g当たり0.2wt%以下であれば、記録品位の劣化は
生じないことが分かった。 (3) 実験3 実験2と同様にして、溶出量がインク吸収体1g当たり
0.2wt%であるインク吸収体をインクタンクに装着
し、pH7〜10に保持されたインクを含浸吸収させた
。このインクジェットカートリッジについて、温度60
℃における保存時間とインク中へのポリエーテルポリオ
ールの溶出量との関係を調べた。溶出量の測定方法は実
験例1と同様である。その結果を図16のグラフに示す
。なお、60℃における1カ月間の保存は、室温におけ
る1カ年の保存に相当する。
【0089】この結果から明らかなように、長期保存す
るとポリエーテルポリオールの溶出量は、徐々に増加す
るものの少なくとも室温換算で3年間程度迄の期間であ
れば、インク吸収体1g当たり0.2wt%を上回るこ
とはない。次に、発明者が行なった実験結果にもとづき
、本発明におけるエーテル系発泡ポリウレタンを用いた
インク吸収体の加熱圧縮(熱プレスともいう。)温度と
ポリエーテルポリオールの溶出量との関係について説明
する。なお、以下の実験例4〜7,比較例3では、エー
テル系発泡ポリウレタンとは、ポリエーテルポリオール
として分子量約6000のグリセリンのプロピレンオキ
サイド付加物を用い、ジイソシアネートとしてトルエン
ジイソシアネートを用い、これらを公知の方法で重合、
発泡させ、公知の膜取り工程により連続気泡とし、所定
の厚さに裁断したもののことである。 (4) 実験4 異なる熱プレス温度で作製したしたインク吸収体を用い
て場合のインク中へのポリエーテルポリオールの溶出量
と記録品位との相関についても調べた。
【0090】まず、210,200,190,180℃
の各温度で3分の1に圧縮するようにエーテル系発泡ポ
リウレタンを熱プレスし、これを裁断してインク吸収体
とした。そして、それぞれのインク吸収体をインクジェ
ットカートリッジのインクタンクに装着して30cm3
 (約30g)のインクを吸収保持させ、しばらく静置
してから、これらのインクジェットカートリッジを用い
て記録を行なった。このときの記録品位を評価し、その
ときのインク中のポリエーテルポリオールの溶出量を定
量した。なおインク吸収体の重量はそれぞれ6gであっ
た。記録品位は、記録紙に記録されたものをインクのに
じみ(フェザリング)や裏ぬけ(全面に黒を記録したと
きの紙裏面側へのインクの浸透)による光学濃度の低下
などの観点によって総合的に評価した。この評価は官能
試験の手法により、A〜Dの4段階に分けることによっ
て行なった。Aは良好、Bはやや良好で記録品位の許容
内、Cはやや劣って記録品位の許容外、Dはかなり劣る
の各レベルに相当する。
【0091】ポリエーテルポリオールの溶出量は、高速
液体クロマトグラフィによって定量し、インク吸収体の
重量当たりの重量濃度で表示した。液体クロマトグラフ
ィ装置としては、ソーデックス(Shodex)社のD
S−3型を用い、カラムとしてイオン交換型のものでソ
ーデックス社のB−806型を用い、検出器として屈折
率型のものでソーデックス社のRI  SE−51型を
用いた。 溶媒としてメタノール:水=6:4のものを用い、その
流量は1ml/minであった。
【0092】その結果を図15のグラフに合わせて示す
。このグラフより明らかなように、ポリエーテルポリオ
ールのインク中への溶出量がインク1g当たり0.04
wt%以下(インク使用量がインク吸収体の5倍重量の
場合、インク吸収体1g当たり0.20wt%以下に相
当)であれば記録品位の劣化は起こらず、満足できる記
録品位が保たれることがこの実験4からもわかった。 一方、溶出量がインク1g当たり0.04wt%を越え
ると急激に記録品位が悪化することが改めて分かった。 そこでポリエーテルポリオールのインク中への溶出量に
ついて、インク1g当たり0.04wt%(インク吸収
体1g当たり0.20wt%)を記録品位劣化上限値と
定めた。 (5) 実験5 次に、熱プレス温度とポリエーテルポリオールのインク
中への溶出量との相関を調べた。
【0093】エーテル系発泡ポリウレタンを各種の温度
で熱プレスして製造したインク吸収体を準備し、実験4
と同様にインクを吸収させてポリエーテルポリオールの
溶出量を測定した。なお、ポリエーテルポリオールの溶
出を促進するため、インク吸収体をくり返しもみ洗うよ
うに圧縮することを行なった。このことによって、イン
クの含浸、吸収から時間が経過したときのポリエーテル
ポリオールの溶出の状態を再現することができる。多数
のインク吸収体の試料について行なった測定の結果が図
17の斜線部に示されている。
【0094】この結果から明らかなように、熱プレス温
度の上昇とともにポリエーテルポリオールの溶出量が増
加し、さらに熱プレス温度が185℃を越えると製造上
のばらつきが増大する。製造上のばらつきを考慮すると
、ポリエーテルポリオールの溶出量が前述の記録品位劣
化上限値(インク1g当たり0.04wt%)を下回る
ためには、熱プレス温度が185℃以下でなくてはなら
ないことがわかる。この温度を熱分解促進温度といい、
臨界条件的温度である。 (6) 実験6 次に、熱プレス温度と熱プレス時間との相関を調べた。
【0095】エーテル系発泡ポリウレタンをそれぞれ1
40,150,160,170,180℃の各温度にお
いて3分の1に圧縮する熱プレスを行い、熱プレスによ
る変形が熱プレス後にも残るのに必要な最小の熱プレス
時間を測定した。その結果、140℃で熱プレスした場
合、相当の長い時間熱プレスを行なっても熱プレスによ
る変形が残存せず、熱プレスの効果が見られなかった。 熱プレス温度が150℃のとき熱プレス時間は2時間で
あり、同じく160℃のときは90分であり、170℃
のときは1時間であり、180℃のときは30分であっ
た。これからわかるように熱プレス温度は150℃以上
であることが必要である。
【0096】また、150℃で熱プレスしたときはスプ
リングバックが顕著に見られたのに対し、160℃で熱
プレスしたときはスプリングバックは軽微であった。以
上の実験4〜6から明らかになったように、インク吸収
体としてエーテル系発泡ポリウレタンを使用する場合、
熱プレス温度が150℃以上185℃以下であれば、熱
プレス時間が長くなりすぎることはなく、かつポリエー
テルポリオールのインク中への溶出量が低く、洗浄工程
を経なくても記録品位を良好に保つことができる。熱プ
レス時間と熱プレス時のスプリングバックを考慮に入れ
れば、熱プレス温度は160℃以上185℃以下が望ま
しく、さらに170℃以上180℃以下が好ましいこと
がわかる。 (7) 実験7 次に、エーテル系発泡ポリウレタンを3分の1に圧縮し
ながら温度180℃において約30〜40分間熱プレス
することによって製造したインク吸収体について、イン
クタンクに装着し、インクを含浸、吸収させて温度60
℃に保ち、この状態で保存時間とインク中へのポリエー
テルポリオールの溶出量との関係を調べた。溶出量の測
定方法は実験4と同様である。その結果を図18のグラ
フに示す。なお、60℃における1か月間の保存は、室
温における1か年の保存に相当する。
【0097】この結果から明らかなように、長期間保存
するとポリエーテルポリオールの溶出量は徐々に増加す
るものの、少なくとも室温換算で3年間程度までの期間
であれば、上述した記録品位劣化上限値(インク1g当
たり0.04wt%)を上回ることはない。 ・比較例3 エーテル系発泡ポリウレタンを3分の1に圧縮しながら
温度190℃において30〜40分間熱プレスすること
によって製造したインク吸収体について実験7と同様の
測定を行なった。その結果を図18に合わせて示す。き
わめて早い時期からインク中へのポリエーテルポリオー
ルの溶出量が記録品位劣化上限値を上回った。
【0098】実験7と比較例3の結果を比較すると、イ
ンク吸収体にエーテル系発泡ポリウレタンを用いた場合
、熱プレス温度が180℃すなわち150℃以上180
℃以下の温度範囲内とすれば、長期保存によってもポリ
エーテルポリオールの溶出量が記録品位劣化上限値を上
回ることはなく、良好な記録品質を安定して保てること
がわかる。一方、150℃以上180℃以下の温度範囲
より高い温度で熱プレスすると(比較例3)、長期保存
の過程でポリエーテルポリオールの溶出量が記録品位劣
化上限値を上回り、良好な記録品位を維持できなくなる
【0099】以上の実施例の説明は、インクタンクと記
録ヘッドとが一体化されたインクジェットカートリッジ
について行なったが、本発明はこれに限られるものでは
ない。インクタンクと記録ヘッドとが別体になっている
インクジェット記録装置であっても、インクタンク内に
多孔質からなるインク吸収体を設けるものについて適用
できる。
【0100】また、以上に説明したように、インク中へ
の不純物の溶出を低減する方法としての■吸収体を洗浄
する方法、■吸収体の加熱圧縮工程に於ける加熱温度を
選択する方法、■吸収体に含浸させるインクのpHを規
定する方法は、いずれも単独で用いられても本発明の効
果を奏することができるが、夫々を任意に組み合わせて
用いても、本発明の効果を奏することができるのは勿論
のことである。
【0101】また更に、吸収体を収納したインクジェッ
トカートリッジの実際の使用形態を考慮すると、例えば
、インクジェットカートリッジを使用する機会が多く、
比較的短い期間内でインクを使い切る場合には、上記■
若しくは■、又は■と■の組み合わせが好適であるが、
■と■と■との組み合わせがより好適である。また、更
に他の使用形態として、インクジェットカートリッジを
長期間の保存後に使用する場合には、上記■が好ましい
が、■と■との組み合わせ、或は■と■との組み合わせ
がより好適であり、更には■と■と■との組み合わせが
最も好適である。
【0102】次に、キャップの弾性部材の材質について
検討を行った。ここで本発明者らはインク吸収体に用い
ている発泡ポリウレタンに着目して検討した。発泡ポリ
ウレタンは、一般に、ポリオールとジイソシアネートと
の重合によって製造される。ポリオールとして、通常の
場合、ポリエステルポリオールかポリエーテルポリオー
ルのいずれかが使用され、前者を使用したものがエステ
ル系発泡ポリウレタンであり、後者を使用したものがエ
ーテル系発泡ポリウレタンである。
【0103】インクジェット記録装置のインクは、溶媒
として、水、アルコール類を大量に含み、さらに尿素〔
CO(NH2)2〕を含むことが多い。上述したように
、インクタンクが一体化された記録ヘッドであるインク
ジェットカートリッジは、インクが充填された状態で、
1個ずつ気密性の収納容器に包装されて保管、流通され
る。したがって、この収納容器内には、水蒸気、アルコ
ール蒸気が充満し、さらに尿素に由来するアンモニアが
存在し、このためこの中はアルカリ雰囲気となっている
【0104】エステル系発泡ポリウレタンの場合、ポリ
ウレタン分子の骨格には、ウレタン結合(−NHCOO
−) 以外にも多数のエステル結合が存在する。これら
ウレタン結合以外のエステル結合はアルカリ雰囲気下で
容易に加水分解を受け、長期間のうちには劣化する。こ
の傾向は高温下において顕著である。前記エステル系発
泡ポリウレタンを利用した弾性部材は、このような理由
によって劣化する。なお、ウレタン結合は、アルカリ雰
囲気では容易には加水分解しないことは周知の事実であ
る。
【0105】一方、エーテル系発泡ポリウレタンの場合
、分子の骨格にはウレタン結合以外のエステル結合を含
まないので、エステル結合の加水分解は起こらず、劣化
が起きることもない。次に、上記検討に基づき、キャッ
プ4の弾性部材6の材質を変化させて行った実験の結果
について説明する。 (8) 実験8 ポリエーテルポリオールとして分子量約6000のグリ
セリンのプロピレンオキサイド付加物を用い、ジイソシ
アネートとしてトルエンジイソシアネートを用いて、定
法にしたがって連続気泡型の発泡ポリウレタンを製造し
、所定の大きさに裁断して弾性部材6とし、キャップ4
本体に固着した。このキャップ4をインクが充填された
インクジェットカートリッジ11にシールシート3を介
在させて装着し、気密性の収納容器60(図7及び図8
)内に封入し、温度を60℃に保ったまま長期間保存し
た。所定の保存期間が満了したら、気密性の収納容器6
0からキャップ4の装着されたインクジェットカートリ
ッジ11を取り出し、弾性部材6の劣化の程度を調べた
。その結果を表2に示す。
【0106】・比較例4 ポリエステルポリオールとしてカプロラクトンポリエス
テルポリオールを用い、ジイソシアネートとしてトルエ
ンジイソシアネートを用いて、定法にしたがって連続気
泡型のエステル系発泡ポリウレタンを製造し、所定の大
きさに裁断して弾性部材とし、キャップ4本体に装着し
た。この後、実施例1と同様の方法によって、弾性部材
6の劣化の程度を調べた。その結果を表2に示す。
【表2】
【0107】以上の実験結果から明らかなように、本発
明による弾性部材にエーテル系発泡ポリウレタンを用い
た場合は、温度60℃で3か月間、気密性の収納容器内
に保存しても、弾性部材に劣化はみられなかった。一方
、弾性部材にエステル系発泡ポリウレタンを用いた場合
は、60℃1か月間の気密性の収納容器内の保存で早く
も劣化が認められるようになり、2か月以上の保存で完
全に劣化して劣化した部分がインクジェットカートリッ
ジに付着するようになった。これは、収納容器内にはイ
ンクの蒸気が充満してアルカリ性雰囲気となっており、
エーテル系発泡ポリウレタン(実験8)はこれに耐えら
れるのに対し、エステル系発泡ポリウレタン(比較例4
)は加水分解を受けるのでこの雰囲気での耐久性がない
ためである。
【0108】以上の実験8では、キャップはインクタン
クが一体化された記録ヘッドであるインクジェットカー
トリッジに装着されるものとして説明したが、本発明は
これに限られるものではない。インクタンクと一体化し
ていない記録ヘッドであっても、インクが残存した状態
で記録ヘッドを記録装置本体から取り外し、この記録ヘ
ッドを別途保管する場合などにも本発明は適用される。
【0109】更に、本実施例に示すインクカートリッジ
11の使用方法として、図19に示すようにインク収納
部にインク充填器6000を用いてインクを再充填しな
がら使用する場合がある。この再充填は、インクカート
リッジの大気連通口1401からインクを注入する方法
の他、ヘッド側インク供給口、或はインクカートリッジ
11に設けた穴からインクを注入しても良い。
【0110】ここで、インク1gに対してポリエーテル
ポリオールのインク中への溶出量が0.04wt%以下
ならば記録品位を劣化させない、という前述の本発明か
ら得られる効果のひとつを適用すると、図20に示すよ
うなインクカートリッジ11の使用方法に於いて、更な
る発明が成立する。図20にそのような使用方法をした
場合のインク収納部内のインク中のポリエーテルポリオ
ールの濃度変化の様子を使用経過時間を追って示す。
【0111】今、図20のIa に示すように、使用経
過と共に記録品位劣化上限値であるポリエーテルポリオ
ールのインク中への溶出量が0.04wt%を越えるイ
ンクを例にとって説明する。図20のTa の時点に於
いて、インクの消費量が多いために、前述溶出量が記録
品位劣化上限値である0.04wt%を越える以前にイ
ンクを殆ど使い果たし、図19に示すようにしてインク
の再充填を行う。更に、図20のTb の時点でインク
を使い果たし次のインクの再充填を行う。同様にして、
Tc ,Td でそれぞれ使い果たしたインクの再充填
を行う。このようにすると、図20の実線で示すように
、前述記録品位劣化上限値であるポリエーテルポリオー
ルの溶出量0.04wt%を越えることはない。従って
、例え、使用経過と共に記録品位劣化上限値を越えるよ
うなインクであっても、前述説明したような使用方法を
行う場合には、良好な記録品位の記録が行えた。
【0112】更には説明するまでもなく、図20のIb
 に示すように、使用経過と共に記録品位劣化上限値で
あるポリエーテルポリオールのインクへの溶出量が0.
04wt%を越えないインクを使用する場合には、前述
した使用方法によって前述記録劣化上限値である0.0
4wt%を越えることは有り得ず、常に、良好な記録品
位の記録が行える。
【0113】従って、本発明の吸収体単独、インク含有
吸収体は、夫々、インク充填器を備えた、図19に示す
ようなユニットを販売する形態において、特に有効であ
る。又、その使用法、記録方法が本発明として好ましい
別の発明として含まれるものであることはいうまでもな
い。
【0114】尚、前述した実施例における更なる技術説
明を以下にまとめる。本発明で用いているウレタン系吸
収体と、それに含浸されるインクとの間には、一定の量
的関係があることが見いだされた。以下、これを詳述す
る。ここで、吸収体がインク収納部内に挿入されている
ときの見かけ上の体積をVf、乾燥時の重量をWf、そ
の吸収体に含浸されているインクの重量をWi、として
、以下記述する。 (1)本発明の実施態様におけるインクジェットカート
リッジ11又はインクタンク単体は、インク収納部がイ
ンクジェットヘッド12と直結して配置している、いわ
ゆる、オン・キャリッジ・タイプである。このタイプの
インクカートリッジ11又はインクタンク単体は、イン
クジェットヘッド12との水頭差が小さいことが、特徴
の一つとしてあげられる。
【0115】この場合、インクの供給、保持は、インク
ジェットヘッド12ノズル先端部のメニスカスに分担さ
れる表面張力と、インク収納部においてインク吸収体に
分担される負圧とのバランスで決定される。メニスカス
による表面張力は、ノズル構造によって、ほぼ一定と考
えられるため、それに応じた負圧の付与が、インク吸収
体に課せられる。  インク吸収体の負圧は、そこに含
浸されるインクの量に応じて変化し、インク量が多いほ
ど小さく、インク量が減少するにつれて、大きくなる。 したがって、インクの供給をスムースにし、かつ、環境
変化などでインクが漏れ出さないようにインクを保持す
るためには、含有すべきインクの量に、上限および下限
がある。
【0116】この考え方に基づいて、本発明の実験例で
提示した限界的な吸収体例、すなわち、体積を3分の1
に圧縮したインク吸収体を用い、乾燥重量Wfのインク
吸収体にインクをWi注入したところ、適正な負圧が与
えられた。この時、Wi/Wfは、ほぼ5に等しかった
。したがって、この場合、インク吸収体中の溶出物が吸
収体1gあたり0.2wt%以下であれば、インクへの
溶出量が0.04wt%を越えることがないことは、明
らかである。 (2)上記のインク吸収体にインクを注入する過程を考
慮しても、上記溶出量の上限値は、成り立つこともわか
った。すなわち、重量Wfのインク吸収体に対して大気
連通口やその他の場所からインクを注入する場合は、一
度、真空吸引してから、ノズルの先までインクをあふれ
させることによって、インクの供給経路を形成すること
が必要であるが、この操作においては、最終的に保持す
べき量Wi以上のインクが注入され(すなわち、5Wf
以上のインクがインク吸収体と接触し)、不純物のイン
クへの溶出量は、0.04wt%を下回った。 (3)一方、インクジェットユニット13の取付前にイ
ンク供給口1200側からインクを注入する場合は、同
じように真空吸引した後、一定量のインクWi’を注入
する方法が、好適なプロセスとして考えられる。この場
合は、供給管近辺にインク供給経路が必ず形成されるの
で、一度あふれさせるという過程を必要としないからで
ある。このことより、Wi’<Wiであるが、注入量が
Wiを下回ると、インク吸収体にインクを含浸しない部
分が生じ、実際にインクを含浸しているインク吸収体の
重量=インク吸収体の実効重量Wf’はWfを下回る。
【0117】なお、Wf’は、概略以下のようにして算
出した。実験例で提示したインクタンク14と同一の形
状、サイズの容器を透明プラスチック体で作成し、上記
方法に従って、一定量Wi’の黒インクを注入した。イ
ンクの含浸が進んだところで、タンクの各面を観察し、
面毎の浸せき状態を測定する。これを組み合わせて浸せ
き部分の体積Viを算出する。これと、インク吸収体の
見かけ上の体積Vf、同吸収体の乾燥時の重量Wfとか
ら、次式にしたがって、Wf’を算出した。
【0118】Wf’=(Vi/Vf)Wf  (A)W
i’を少しずつ変えながらWf’を測定したところ、W
i’/Wf’は、ほぼ5であった。この場合も、インク
への不純物の溶出量は、0.04wt%を越えることは
なかった。次に、前述したインク吸収体の体積の圧縮を
3分の1にする場合以外の圧縮率でインク収納部に挿入
されたインク吸収体について述べる。 (4)3分の1に圧縮したインク吸収体の見かけの体積
をVf、乾燥時の重量をWf、とする。n倍圧縮したイ
ンク吸収体を見かけ上の体積Vfに切りだしたとき、そ
の乾燥時の重量Wfpは、 Wfp=(n/3)Wf      (B)となった。 この時、適正な負圧を生じるようにインクを注入してい
ったところ、注入量Wipで適正な負圧に達した。
【0119】n<3のとき、 ほぼWip=(n/3)Wi      (C)n>3
のとき、 Wip>(n/3)Wi      (D)となった。 (D)の結果は、圧縮の割合が高くなると、空孔が急速
に小さくなり、インクの負圧が急速に高くなるため、適
正な負圧を得るためには、3分の1に圧縮した時に比べ
て、インク吸収体に対し相対的に多めのインクを注入す
る必要があるためと解釈できる。したがって、 Wip/Wfp≧Wi/Wf=5      (E)と
なり、結果的に、不純物のインクへの溶出量は、0.0
4wt%以下に抑えられた。 (5)さらに、実験例とは異なる空孔サイズを有するイ
ンク吸収体を用いて同様の実験を行ったところ、主たる
支配因子は、上記(4)の場合と同じであった。なお、
以上に説明したインク吸収体は、セルロース若しくはセ
ルロース誘導体で形成されたものであっても良い。
【0120】更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、ショ糖のプロピレンオキサイド付加物であ
っても良い。更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、ショ糖のエチレンオキサイドおよびプロピ
レンオキサイド付加物であっても良い。
【0121】更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、芳香族アミンのプロピレンオキサイド付加
物であっても良い。更に、以上に説明したインク吸収体
は、多孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオー
ルを使用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエー
テルポリオールが、芳香族アミンのエチレンオキサイド
及びプロピレンオキサイド付加物であっても良い。
【0122】更に、以上に説明したインク吸収体は、多
孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオールを使
用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエーテルポ
リオールが、脂肪族アミンのプロピレンオキサイド付加
物であっても良い。更に、以上に説明したインク吸収体
は、多孔質体をポリオールとしてポリエーテルポリオー
ルを使用した発泡ポリウレタンで形成し、前記ポリエー
テルポリオールが、脂肪族アミンのエチレンオキサイド
及びプロピレンオキサイド付加物であっても良い。
【0123】本発明に好適に用いられるインクとしては
、非水系、水系いずれのものも用い得るが、特に水系の
インクが好適に用いられる。水系インクは、水と水溶性
有機溶剤、添加剤、及び色材から基本的になるもので、
水溶性有機溶剤としては、多価アルコール類、グリコー
ルエーテル類、含窒素溶剤類、ラクトン類、及び脂肪族
一価アルコール類等であるが、中でも、多価アルコール
類としてグリセリン、ジエチレングリコール、エチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール等が特に好適であ
り、また、グリコールエーテルとしては、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、含窒素溶剤としては、
N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ラクトン類として
は、γ−ブチロラクトン、脂肪族一価アルコール類とし
ては、エタノール、イソプロピルアルコール等が特に好
適で、これらを組み合わせて用いるの一般的である。添
加剤としては、界面活性剤やpH調整剤、防カビ剤が用
いられる。色材としては、水溶性染料及び顔料が用いら
れ得るが、特に水溶性染料が好適であり、中でも酸性染
料、直接染料、塩基性染料が有力である。これらの成分
の好ましい含有割合は、水が70〜95wt%、より好
ましくは75〜90wt%、水溶性有機溶剤が3〜40
wt%、より好ましくは3〜20wt%、さらに好まし
くは5〜15wt%、色材が0.5〜10wt%、より
好ましくは1〜6wt%、添加剤が0.01〜1.0w
t%である。また、好適なインクの物性としては、粘度
は1〜4cp、より好ましくは1〜3cp、表面張力は
35〜65dyn/cm、pHは3〜10であるが、酸
性染料、直接染料を用いる場合、より好ましくは、pH
は7〜10である。
【0124】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギ−を利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。その代表的な
構成や原理については、例えば、米国特許第47231
29号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この
方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型の
いずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の
場合には、液体(インク)が保持されているシートや液
路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報
に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える
少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電
気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの
熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号
に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成でき
るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用
開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも
一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とする
と、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応
答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好
ましい。
【0125】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。なお
、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第
4313124号明細書に記載されている条件を採用す
ると、さらに優れた記録を行うことができる。記録ヘッ
ドの構成としては、上述の各明細書に開示されているよ
うな吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直
線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲す
る領域に配置されている構成を開示する米国特許第45
58333号明細書、米国特許第4459600号明細
書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0126】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。さらに、記録装置が記録
できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラ
インタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開
示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよいが、本発明は
、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
【0127】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。また、本発明の記録装置の構成と
して設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備
的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安
定できるので好ましいものである。これらを具体的に挙
げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリ
ーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あ
るいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わ
せによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐
出モードを行うことも安定した記録を行うために有効で
ある。
【0128】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。さらに加えて、本発明に係る記録装置
の形態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の
情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設
けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、
さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を
採るものであっても良い。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、無
公害でかつ、簡単な方法により、充分な清浄度を有し、
かつそのバラツキの小さい安定したクリーンな吸収体を
得ることができる。また、吸収体中に含まれる不純物の
溶出量を正確に定量し、常に一定の清浄度を有する吸収
体を得ることができる。
【0130】また、本発明の方法を施された吸収体は長
期間保存してもインクに与える影響がほとんどないため
、優れたインクジェット記録ヘッドを提供することがで
きる。また、インク吸収体の溶出有機物が無いまたは少
ないので、有機物による記録品位の劣化を防止でき、更
には長期にわたり安定した記録品位を保つことができる
【0131】更に本発明によれば、連続気孔を内部に有
する高分子弾性多孔質体からなるインク吸収体をその多
孔質体の加熱圧縮時に於ける臨界温度未満の温度で形成
することにより、インク吸収体から溶出する不純物であ
る溶出物の量が低減するので、洗浄工程を必要とせず製
造工程が簡素化され、有害な溶剤を使用しなくてすみ、
かつ、長期にわたって安定した記録品位を保つことがで
きるという効果がある。
【0132】特に、インク吸収体にエーテル系発泡ポリ
ウレタンを使用する場合には、熱プレス温度を150℃
以上185℃以下とすることにより、インク中に溶出す
るポリエーテルポリオールの量を記録品位が劣化する値
以下とすることができて長期にわたり記録品位が安定し
、かつ熱プレス時間が長くなりすぎないですむという効
果がある。
【0133】更に本発明によれば、キャップの弾性部材
として、エーテル系発泡ポリウレタンを用いることによ
り、インクジェットカートリッジを気密性の収納容器内
に長期間保管し、流通させても弾性部材が劣化しないの
で、インクもれを防ぐことができ、また万一インクもれ
が発生してもこれを弾性部材で吸収するためインクによ
る汚染の拡大を防ぐことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェット記録装置で
使用されるインクジェットカートリッジ11の斜視図で
ある。
【図2】インクジェットカートリッジ11の構成を示す
分解図である。
【図3】インクジェットヘッド12の部分斜視図である
【図4】インクタンク14のインクジェットユニット1
3を取り付ける部分の説明図である。
【図5】インクジェットカートリッジ11のインクジェ
ット記録装置15本体への取り付けの説明図である。
【図6】インクジェット記録装置15の概観を示す概略
斜視図である。
【図7】収納容器60の上面図である。
【図8】収納容器60の正面図である。
【図9】収納容器60の右側面図である。
【図10】記録ヘッド部分101の収納状態を示す部分
拡大図である。
【図11】図8のB部拡大図である。
【図12】本発明の他の実施例におけるシールシート3
’の取り付けを示す斜視図である。
【図13】各溶出物によるIRスペクトルである。
【図14】ポリエーテルポリオールの検量線である。
【図15】ポリエーテルポリオールの溶出量と記録品位
との関係を示す特性図である。
【図16】ポリエーテルポリオールの溶出量と保存時間
との関係を示す特性図である。
【図17】熱プレス温度とポリエーテルポリオールの溶
出量との関係を示す特性図である。
【図18】熱プレスをして製造したインク吸収体からの
ポリエーテルポリオールの溶出量と保存時間との関係を
示す特性図である。
【図19】インク収納部へのインクの再充填を説明する
斜視図である。
【図20】インク収納部内のインク中のポリエーテルポ
リオールの濃度変化の様子を使用経過時間を追って示し
た特性図である。
【符号の説明】
1  吐出部表面 2  溝部 3  シールシート 3’シールシート 4  キャップ 5  腕部 6  弾性部材 7  部位 8  位置決め用部位 9  ツバ 10  ベースプレート 11  インクジェットカートリッジ 12  インクジェットヘッド 13  インクジェットユニット 14  インクタンク 15  インクジェット記録装置 16  キャリッジ 30  吐出口 40  電気熱変換体 41  吐出部 51  溝部 60  収納容器 61  容器本体 63  蓋部材 100  ヒーターボード 101  記録ヘッド部分 101a  記録ヘッド 104  キャリッジ 200  配線基板 300  支持体 400  オリフィスプレート 900  インク吸収体 1000  カートリッジ本体 1200  インク供給口 1401  大気連通口 1402  大気圧供給空間 4001  フック 5000  プラテンローラ

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  インク吸収体からそれに含浸されるイ
    ンクへ溶出した不純物が、該インクに対して0.04重
    量%以下であるインクを用いて記録を行う記録方法。
  2. 【請求項2】  含浸されるインクへの溶出不純物が該
    インクに対して0.04重量%以下である吸収体を用い
    た記録方法。
  3. 【請求項3】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、インク
    吸収体を熱分解促進温度以下の温度で加熱圧縮されたも
    のであることを特徴とするインクジェットカートリッジ
  4. 【請求項4】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、前記イ
    ンク吸収体と反応性のない極性有機溶剤を含有する洗浄
    剤により洗浄されており、前記インク吸収体から前記イ
    ンクへ溶出する溶出物が前記インクに対し0.04重量
    %以下の特性を有することを特徴とするインクジェット
    カートリッジ。
  5. 【請求項5】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、前記イ
    ンクとしてpH7以上pH10以下のインクを含浸し、
    前記インクへ溶出する溶出物が前記インクに対し0.0
    4重量%以下の特性を有することを特徴とするインクジ
    ェットカートリッジ。
  6. 【請求項6】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、インク
    吸収体を熱分解促進温度以下の温度で加熱圧縮された後
    に、前記インク吸収体と反応性のない極性有機溶剤を含
    有する洗浄剤により洗浄されており、前記インク吸収体
    から前記インクへ溶出する溶出物が前記インクに対し0
    .04重量%以下の特性を有することを特徴とするイン
    クジェットカートリッジ。
  7. 【請求項7】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、インク
    吸収体を熱分解促進温度以下の温度で加熱圧縮され、前
    記インクとしてpH7以上pH10以下のインクを含浸
    し、前記インク吸収体から前記インクへ溶出する溶出物
    が前記インクに対し0.04重量%以下の特性を有して
    いることを特徴とするインクジェットカートリッジ。
  8. 【請求項8】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、前記イ
    ンク吸収体と反応性のない極性有機溶剤を含有する洗浄
    剤により洗浄されており、前記インク吸収体から前記イ
    ンクへ溶出する溶出物が前記インクに対し0.04重量
    %以下の特性を有し、かつ前記インクとしてpH7以上
    pH10以下のインクを含浸していることを特徴とする
    インクジェットカートリッジ。
  9. 【請求項9】  記録に用いるためのインクと、該イン
    クを収納する収納部と、該収納部に収納され前記インク
    を含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出す
    るためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェッ
    トカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、インク
    吸収体を熱分解促進温度以下の温度で加熱圧縮され、前
    記インク吸収体と反応性のない極性有機溶剤を含有する
    洗浄剤により洗浄されており、前記インク吸収体から前
    記インクへ溶出する溶出物が前記インクに対し0.04
    重量%以下の特性を有し、且つ前記インクとしてpH7
    以上pH10以下のインクを含浸していることを特徴と
    するインクジェットカートリッジ。
  10. 【請求項10】  記録に用いるためのインクと、該イ
    ンクを収納する収納部と、該収納部に収納され前記イン
    クを含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出
    するためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェ
    ットカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、前記
    インクとしてpH7以上pH10以下の尿素を含むイン
    クを含浸し、前記インクへ溶出する溶出物が前記インク
    に対し0.04重量%以下の特性を有することを特徴と
    するインクジェットカートリッジ。
  11. 【請求項11】  記録に用いるためのインクと、該イ
    ンクを収納する収納部と、該収納部に収納され前記イン
    クを含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出
    するためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェ
    ットカートリッジにおいて、前記インク吸収体は、前記
    インク吸収体と反応性のない極性有機溶剤を含有する洗
    浄剤により洗浄されており、前記インク吸収体から前記
    インクへ溶出する溶出物が前記インク吸収体に対し0.
    20重量%以下の特性を有することを特徴とするインク
    ジェットカートリッジ。
  12. 【請求項12】  エネルギー発生手段は、記録信号に
    応じた電気信号の供給によって熱エネルギーを発生させ
    て、インクに気泡を生じさせることによりインクを吐出
    させるエネルギー発生手段である請求項3〜11の何れ
    かに記載のインクジェットカートリッジ。
  13. 【請求項13】  記録に用いるためのインクと該イン
    クを収納する収納部と該収納部に収納され前記インクを
    含浸するためのインク吸収体と、を有するインクタンク
    と、前記インクを吐出するためのエネルギー発生手段と
    、を有するインクジェットカートリッジにおいて、前記
    インク吸収体は、前記インク吸収体と反応性のない極性
    有機溶剤を含有する液体に対する溶出物留分が、前記イ
    ンク吸収体に対して0.20重量%以下である多孔質体
    からなることを特徴とするインクジェットカートリッジ
  14. 【請求項14】  極性有機溶剤が、炭素数3個以下の
    一価アルコール及び多価アルコールアルキルエテールの
    中から選ばれる少なくとの請求項13に記載のインクジ
    ェットカートリッジ。
  15. 【請求項15】  液体がエタノールである請求項13
    に記載のインクジェットカートリッジ。
  16. 【請求項16】  エネルギー発生手段は、記録信号に
    応じた電気信号の供給によって熱エネルギーを発生させ
    て、インクに気泡を生じさせることによりインクを吐出
    させるエネルギー発生手段である請求項13に記載のイ
    ンクジェットカートリッジ。
  17. 【請求項17】  記録に用いるためのインクと、該イ
    ンクを収納する収納部と、該収納部に収納され前記イン
    クを含浸するためのインク吸収体と、前記インクを吐出
    するためのエネルギー発生手段と、を有するインクジェ
    ットカートリッジと、前記吐出エネルギー発生手段を駆
    動する駆動手段と、前記インクジェットカートリッジを
    所定方向へ移動可能なキャリッジと、を有するインクジ
    ェット記録装置において、前記インク吸収体は、前記イ
    ンク吸収体の加熱圧縮時に於ける臨界温度未満の温度で
    形成され、前記インク吸収体と反応性のない極性有機溶
    剤を含有する洗浄剤により洗浄されており、前記インク
    吸収体から前記インクへ溶出する溶出物が前記インクに
    対し0.04重量%以下の特性を有し、且つ前記インク
    としてpH7以上pH10以下のインクを含浸している
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】  エネルギー発生手段は、記録信号に
    応じた電気信号の供給によって熱エネルギーを発生させ
    て、インクに気泡を生じさせることによりインクを吐出
    させるエネルギー発生手段である請求項17に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
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