JPH04346838A - キシレン異性化触媒及びキシレン類の異性化反応方法 - Google Patents

キシレン異性化触媒及びキシレン類の異性化反応方法

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JPH04346838A
JPH04346838A JP3147864A JP14786491A JPH04346838A JP H04346838 A JPH04346838 A JP H04346838A JP 3147864 A JP3147864 A JP 3147864A JP 14786491 A JP14786491 A JP 14786491A JP H04346838 A JPH04346838 A JP H04346838A
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巌 上田
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエチルベンゼンを含有す
るキシレン類の異性化触媒及びキシレン類の異性化反応
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように重質ナフサの接触改質、ナ
フサの熱分解、石炭の乾留等で製造されるキシレン類は
、エチルベンゼン、パラキシレン、メタキシレン、オル
ソキシレンの混合物として産出する。これらのうち需要
はパラキシレンが特に多く、キシレン類より吸着法や結
晶化法でパラキシレンを分離した後、他のキシレン類を
パラキシレンに異性化する必要が生じる。キシレン異性
化触媒は1955年世界で始めてイギリスのICI社に
より工業化され以来、30年以上の研究の歴史がある。 初期には水蒸気雰囲気下でシリカ・アルミナ系の固体酸
触媒を用いた。その後水蒸気流中で反応を行ない、触媒
寿命が著しく改善された。触媒は主にシリカ・アルミナ
が用いられたが、白金の有無により、エチルベンゼンの
転化が異なり、白金のある場合には、エチルベンゼンは
キシレンに異性化される。さらにMobil社はZSM
−5と呼ばれる新規なゼオライトの発明を背景に、特公
昭53−41658に見られるように、それまでのエチ
ルベンゼンを異性化する方法ではなくて、エチルベンゼ
ンの脱エチル反応によるベンゼン製造という新しい脱エ
チル型異性化触媒を開発し始めた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】脱エチル型異性化触媒
によるキシレン類の異性化反応に含まれる問題点として
は、副反応の抑制がある。即ち、副反応としては大別し
て、キシレン類の水素化分解反応と不均化反応がある。 水素化分解反応は、固体酸触媒を使用する場合、高温程
起こり易くパラフィン、オレフィン、ナフテンを生成し
てキシレン類の損失が生じる。
【0004】一方、不均化反応はキシレン類間で反応し
てトルエンまたはベンゼンとC9芳香族またはC10芳
香族が生成する反応であり、同じく固体酸触媒を使用す
る場合、高温程起こり易く、原料キシレン類から製造さ
れるパラキシレン量が少なくなるという問題を生じる。 従って、低温で異性化反応及び脱エチル反応のみ選択性
良く、促進する触媒が求められる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、400℃以下
の低温において異性化反応及び脱エチル反応のみ選択性
良く促進する触媒を開発するに至ったものである。
【0006】即ち、本発明に係るキシレン異性化触媒は
、結晶性鉄アルミノシリケートを担体とし、それに白金
を担持したことを特徴とする。
【0007】また、本発明に係るキシレン類の異性化反
応方法は、結晶性鉄アルミノシリケートを担体とし、そ
れに白金を担持した触媒を用いてキシレン類の異性化反
応を行うに際し、温度を350℃〜400℃の範囲とす
ることを特徴とする。
【0008】本発明に係る触媒の担体には結晶性鉄アル
ミノシリケートが用いられる。ここでいう結晶性鉄アル
ミノシリケートは粉末Χ線回折法においてZSM−5に
代表されるペンタシル型ゼオライトと同一ないし類似の
パターンを示す結晶物を意味し、結晶性アルミノシリケ
ートのアルミニウムおよび/またはシリコンの一部を鉄
で置換した結晶物を意味する。
【0009】結晶性鉄アルミノシリケートにおいては触
媒担体の組成比、即ちSiO2 /Fe2 O3 及び
SiO2 /Al2 O3 のモル比により、反応生成
物の組成が変わる。例えば結晶性アルミノシリケートの
場合、SiO2 /Al2 O3 モル比により担体酸
性度が変わるため、反応生成物の組成が変わる。SiO
2 /Al2 O3 モル比が高いとカルボニウムイオ
ン機構による酸性触媒作用は低下する。即ち、分解反応
による軽質パラフィンの減少、不均化反応による重質芳
香族分の減少が起きる。しかし逆に酸性触媒機能が低下
すると異性化反応や脱エチル反応速度も低下する。また
酸性度の低いほうがコーク生成は少なく触媒寿命は長く
なる。よって、これらを考慮し、SiO2 /Al2 
O3 モル比は、50〜1000が好ましく、より好適
には100〜600である。
【0010】結晶性アルミノシリケートのアルミニウム
および/またはシリコンの一部を鉄で置換すると、酸性
度が変化するとともに、より好ましい性質として、副反
応の不均化反応や水素化分解反応が著しく抑制される。 さらにはキシレン異性化能も改善され、パラキシレンが
、熱力学的平衡値以上に生成する。このように触媒性能
が改善される理由は明白ではないが、結晶内で生成する
プレンステッド酸点がアルミニウムの近傍にある場合と
鉄の近傍にある場合とではアルミニウムイオンと鉄イオ
ンの大きさや電気陰性度の違いから酸強度が変わること
も理由の1つと推定される。また、イオンの大きさの違
いは物理的に結晶内細孔の大きさ、形状を変えると推定
される。鉄イオンの性質は、酸性度や結晶内細孔の大き
さも含め、本反応により適するものと考えられる。鉄イ
オンの含有量はSiO2 /Fe2O3 モル比で25
〜1000、より好適には50〜200である。
【0011】これらの結晶性鉄アルミノシリケートを単
独に異性化用触媒として用いた場合、比較例に示すよう
に不均化反応が多く、エチルベンゼンおよびキシレンの
反応によりベンゼン、トルエン、C9芳香族、C10芳
香族が生成してキシレンの損失が大きい。またエチルベ
ンゼンの脱エチル反応は十分でなく、不均化反応が多い
【0012】これらの結晶性鉄アルミノシリケートに水
素化能を持つ白金を担持すると、不均化活性を抑制し、
かつエチルベンゼンの異性化反応および脱エチル反応を
起こすことが可能となる。なお従来の触媒系である白金
担持結晶性アルミノシリケートの場合、脱エチル活性は
高く、エチルベンゼン転化率は高く、ベンゼン収率も高
いが、依然としてキシレンの不均化活性も高いため、ト
ルエンとC9芳香族収率が高く、キシレンの損失が大き
い。水素化能が高すぎると、水素化反応や水素分解反応
によりキシレン類の損失が増える傾向があるので、周期
率表第VIII族金属の中でも適度な水素化能を持つ白
金が特に好適となる。担持量は0.01ないし1.0w
t%で、とくに好適な範囲として0.05ないし0.5
wt%である。
【0013】結晶性鉄アルミノシリケートの合成はいろ
いろな方法があるが、例えば、触媒誌23巻第3号23
2ページ(1981年)記載のZMS−5 を合成する
方法と同一の方法で実施できる。この方法では、テンプ
レートと呼ばれるアルキルアンモニウム塩は、テトラプ
ロピルアンモニウムブロミドであるが、他に1級ないし
3級アミンも使用可能で、同一の結晶構造の結晶性鉄ア
ルミノシリケートが合成できる。またこれらの結晶性鉄
アルミノシリケートの合成には第8回世界触媒会議予稿
集、第3巻、569ページに示される迅速結晶化方法に
より、時間を縮めて実施することも可能である。白金を
担持させる方法としては、通常のイオン交換法または浸
漬法が用いられる。
【0014】反応条件は、パラキシレン収率が高く、エ
チルベンゼンが少なくなるような条件できめられる。本
触媒系では350℃未満の温度ではキシレンの異性化が
進まず、パラキシレン収率が低く、エチルベンゼンの転
化率も低い。400℃を越える温度では、キシレン異性
化反応は進むが、それとともに不均化反応が増加してキ
シレン損失が増し、最終的なパラキシレン収率は低下す
る。エチルベンゼンの転化率は温度と共に増加し、それ
に伴いベンゼン収率は増加する。そこで最適温度条件は
生成物の価格変動による経済性の変化とともに若干変化
するが、目的生成物はパラキシレンなので、パラキシレ
ン収率が最大となる350℃〜400℃の範囲が好まし
い。圧力は本反応にはほとんど影響を与えないが、圧力
が高いほど触媒寿命が長くなるので必要な触媒寿命によ
り決められる。また、圧力が高いほど運転コストも上昇
するので、5〜20Kg/cm2 Gの範囲が好ましい
。 LHSVは2〜10hr1 、水素比は2〜5mol/
molが適当である。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明の要旨を逸脱しないかぎり、実施例に
限定されるものではない。
【0016】実施例1 結晶性鉄アルミノシリケートを次のようにして合成した
。イオン交換水180gと硫酸アルミニウム6.5g、
塩化鉄5.4g、硫酸18.6g、テトラプロピルアン
モニウムブロミド22.6gを混合し、溶液Aとする。 イオン交換水133gと水ガラス(JIS3号)270
gを混合し溶液Bとする。イオン交換水313gと塩化
ナトリウム7.8gを混合し、溶液Cとする。溶液Aお
よびBをそれぞれ滴下ロートに入れ、30分かけて激し
く攪拌しながら溶液C中に滴下する。この混合液をステ
ンレス製1リットルオートクレーブに入れ、160℃、
48時間反応させる。反応後、生成物を濾別し、濾液の
pHが8となるまでイオン交換水で洗浄する。洗浄後、
110℃で16時間乾燥、530℃で3時間焼成する。 焼成後の結晶性鉄アルミノシリケート50gをプロトン
型にするため1規定塩化アンモニウム水溶液300ml
中に浸漬し、80℃に8時間保った後、同溶液を交換し
、これを4回繰り返す。溶液を濾別後110℃で16時
間乾燥し、530℃で3時間焼成する。プロトン化され
た結晶性鉄アルミノシンリケート10gをイオン交換水
30ml中に浸漬し、その中に、攪拌しながら塩化白金
酸0.13gを溶解した水溶液10mlを滴下する。そ
のまま約20時間静かに攪拌し、白金塩を結晶性鉄アル
ミノシリケート上に十分吸着させた後、蒸発乾固させ、
110℃で5時間乾燥後、530℃、3時間焼成する。 これを触媒Aとする。触媒Aの粉末X線回折図はZSM
−5と同じであった。触媒AのSiO2/Fe2 O3
 モル比は100、SiO2 /Al2 O3 モル比
は100、白担持量は0.5wt%である。
【0017】実施例2 実施例1の溶液A中の硫酸アルミニウムを3.2g、1
.6g、1.1gと変えただけで他の操作は全く同様に
実施する。これらをそれぞれ触媒B、C、Dとする。
【0018】触媒B、C、Dは、結晶性鉄アルミノシリ
ケート中のSiO2 /Al2 O3 モル比が200
、400、600である。
【0019】実施例3 実験例1の溶液A中の塩化鉄を1.1g、硫酸アルミニ
ウムを1.6gと変えただけで他の操作は全く同様に実
施する。これを触媒Eとする。触媒EのSiO2 /F
e2 O3 モル比が500、SiO2/Al2 O3
 モル比は400、白金担持量は0.5wt%である。
【0020】比較例1 実施例1の白金を担持しない以外、同じ操作を行なった
触媒を触媒a1とする。
【0021】比較例2 実施例1で塩化鉄を混合しない以外、同じ操作を行なっ
た触媒を触媒a2とする。
【0022】実施例4及び比較例3 パラキシレンの少ない異性化用のキシレンを用い、反応
温度380℃、圧力8kg/cm2 G、LHSV2.
0hr1 、水素比3mol/molの条件で反応させ
た結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】触媒A、B、C、Dではエチルベンゼンが
減少してベンゼンが生成し、キシレンの異性化反応も進
むが、キシレンの損失は少ないことが分かる。触媒a1
は異性化反応と不均化反応が主反応でキシレンの損失が
大きい。触媒a2は不均化反応は減少しているが、パラ
キシレン収率が少ない。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る触媒を使用するとキシレン
の不均化反応および水素化分解反応が、おさえられ、キ
シレンのパラキシレンへの異性化反応のみが選択的に進
行する。その結果、従来の触媒に比べ低い反応温度でパ
ラキシレンが高収率で得られる。
【0026】また、キシレン損失が少ないので、パラキ
シレン分離後の原料を循環することにより、キシレン留
分を有効に利用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性鉄アルミノシリケートを担体とし、
    それに白金を担持したことを特徴とするキシレン異性化
    触媒。
  2. 【請求項2】白金担持量が0.01ないし1.0wt%
    であることを特徴とする請求項1記載のキシレン異性化
    触媒。
  3. 【請求項3】シリカと酸化鉄の比がSiO2 /Fe2
     O3 モル比25〜1000であることを特徴とする
    請求項1又は2記載のキシレン異性化触媒。
  4. 【請求項4】シリカとアルミナの比がSiO2 /Al
    2 O3 モル比50〜1000であることを特徴とす
    る請求項1、2又は3記載のキシレン異性化触媒。
  5. 【請求項5】結晶性鉄アルミノシリケートを担体とし、
    それに白金を担持した触媒を用いてキシレン類の異性化
    反応を行うに際し、温度を350℃〜400℃の範囲と
    することを特徴とするキシレン類の異性化反応方法。
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