JPH0434389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は貯蔵容器取出し時の便を図つた貯蔵庫
に関する。

［考案の技術的背景］ 従来より、貯蔵庫例えば冷蔵庫に於いては、そ
の庫内に適宜食品例えば野菜類を貯蔵するための
貯蔵容器を設けたものがあり、殊にこのものに於
いてはその食品即ち被貯蔵物の出入れが容易にで
きるように貯蔵容器も上記庫内に対して引出し可
能に設けられている。而してこのものの場合、庫
内の側面部にはガイドレールを設け、一方、庫の
前面開口部を開閉する扉に容器支持体を一体化し
て該容器支持体に貯蔵容器を支持させ、そしてそ
の容器支持体を前記ガイドレールに複数のローラ
等を介して引出し可能に設けることにより、貯蔵
容器もその容器支持体と共に引出し得るようにし
ており、更に貯蔵容器を容器支持体に上方へ取出
し可能に支持せしめることにより、該容器支持体
を前記ガイドレールから抜出るまで引出した状態
で貯蔵容器を取出しその洗浄掃除等が容易にでき
るようにしている。

［背景技術の問題点］ 然しながら上記従来のものでは、貯蔵容器を取
出す折りに容器支持体をガイドレールから抜出る
まで引出すというのであるから、その折り、容器
支持体をガイドレールから抜出したとたんに貯蔵
容器が落ちて足を挟み怪我をするとか、或いは床
が傷付く、又は貯蔵容器が傷付くといつた問題を
呈していた。

［考案の目的］ 本考案は上述の事情に鑑みてなされたものであ
り、従つてその目的は、怪我の発生や床或いは貯
蔵容器の傷付きといつた問題を起こすことなく該
貯蔵容器を容易に取出し得る状態になすことがで
き、しかも、それを貯蔵容器の大きさを大きく確
保し得る構造で達成することのできる極めて実用
的な貯蔵庫を提供するにある。

［考案の概要］ 本考案は、ガイドレールに沿つて転動するロー
ラを支持したローラ支持体を容器支持体にスライ
ド可能に設けて、そのローラ支持体が、ローラを
ガイドレールの前ストツパ部に衝止されて以後の
強い引出し力により後方にスライドされて該ガイ
ドレール上にローラを残し前記容器支持体を前記
ローラ衝止位置より更に前方に突出させ、該状態
からの押込みによりローラを後ストツパ部に衝止
されて前方にスライドされるようにしたものに
て、それにより、容器支持体をガイドレールから
抜出してもローラ支持体により支えて落とさずに
貯蔵容器を取出すことができ、そして、押込状態
ではローラ支持体を引込めて貯蔵室に収納できる
ようにしたことを特徴とするものである。

［考案の実施例］ 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。先ず第１図に於いて、１は貯蔵庫例えば
冷蔵庫の庫本体であり、内部の最下部に被貯蔵品
として例えば野菜を貯蔵するための貯蔵室２を有
している。而してこの貯蔵室２は、前面に開口部
３を有しており、左右の両側面部には夫々ガイド
レール４を設けている（一方のみ図示）。５はガ
イドレール４の後端部に形成した後ストツパ部、
６はガイドレール４の前端部に形成した前ストツ
パ部であり、更に７はガイドレール４前端部の上
記前ストツパ部６上方の部位に形成したローラ出
入口、８はそれとは反対に前ストツパ部６下方の
部位に設けたガイドローラである。これに対して
一方、９は容器支持体で、二本の平行なレール状
部材を主体とし、その各前端部を前記貯蔵室２の
開口部３を開閉する扉１０（第３図及び第５図参
照）に固着することにより、該扉１０に一体化し
ている。１１はローラ、１２はそのローラ１１を
回転可能に支持したローラ支持体で、このローラ
支持体１２には第２図に示すように上記ローラ１
１を取付け支持するための孔１３を形成すると共
に、前後に延びる長孔１４を形成していて、この
長孔１４にカラー１５を介して段付きねじ１６を
通し、更にその段付きねじ１６を前記容器支持体
９の後端部に形成した孔１７に通してナツト１８
により止め、以てローラ支持体１２を容器支持体
９に取着し長孔１４の分前後にスライド可能なら
しめている。尚、１９はローラ支持体１２のすべ
りを良くするための例えばポリプロピレンやナイ
ロン等から成るスペーサであり、又、第３図に示
す２０は扉１０の下面に取着したクツシヨンであ
る。そして２１は上面が開口した貯蔵容器で、こ
れを前記容器支持体９に上方から入れてその上方
へ取出し可能に支持せしめている。

さて、以上のような構成としたものの場合、貯
蔵容器２１の組込みに当たつては、先ず該貯蔵容
器２１を容器支持体９に上方から入れて支持せし
めた後、その容器支持体９を持つて第３図に示す
如くローラ１１をガイドレール４にそのローラ出
入れ口７から挿入し、そして容器支持体９自身を
ガイドローラ８上に載置せしめる（第４図参照）。
斯様にした上で次に扉１０を押込めば、ローラ１
１がガイドレール４上を後方に転動し且つ容器支
持体９もガイドローラ８上を後方に滑動して、第
５図に示す如くローラ１１をガイドレール４の後
ストツパ部５に衝止させ更にその位置からローラ
支持体１２を前方にスライドさせた状態で貯蔵容
器２１を貯蔵室２内に収納せしめ、且つ扉１０を
閉鎖せしめるものであり、そこで更にこの状態か
ら扉１０を持つて前方に引出せば、ローラ１１が
ガイドレール４上を上述とは逆方向（前方）に転
動し且つ容器支持体９がガイドローラ１１上をや
はり前述とは逆方向（同じく前方）に滑動するこ
とにより、第６図に示す如く貯蔵容器２１を引出
し得るもので、このとき通常は容器支持体９の下
縁途中部位に形成した凸部２２がガイドローラ８
に衝止されそれ以上の前方への移動を阻止するか
ら、貯蔵容器２１は被貯蔵品の出入れに最大必要
なだけの大半部を前方に突出させた状態に止めら
れる。これに対して上述のように容器支持体９の
凸部２２がガイドローラ８に衝止されてからも猶
強い力で扉１０を引出せば、容器支持体９は凸部
２２にガイドローラ８を乗越えさせて更に前方へ
と移動するもので、移動後ローラ１１をガイドレ
ール４の前ストツパ部６に衝止させて一旦停止さ
れる。そこで更に強い力で扉１０を前方に引く
と、容器支持体９は第７図に示す如く上記ローラ
１１をガイドレール４の前ストツパ部６に衝止さ
せ該ガイドレール４上に残したままで、相対的に
ローラ支持体１２をスライドさせ更に前方へと引
出されるものであり、斯くして貯蔵容器２１を充
分に引出し得、よつてその後その貯蔵容器２１を
持つて上方に取出せば、該貯蔵容器２１の洗浄掃
除等を所望に行なうことができる。尚このとき、
特に本実施例に於いては扉１０の下面部に取着し
たクツシヨン２０により、該扉１０が床面２３に
当たるときの衝撃を和らげることができる。

以上のように本実施例によれば、ローラ支持体
１２に支持されたローラ１１をガイドレール４上
に残しローラ支持体１２をスライドさせて容器支
持体９を充分に、即ち、貯蔵容器２１を容易に取
出すに不足のない量、引出し得るもので、その折
り従来のように容器支持体９がガイドレール４か
ら抜出されても、ローラ支持体１２により支えて
落とさず、従つて貯蔵容器２１を落としてしまう
こともなくして、足の怪我や床の傷付き或いは貯
蔵容器２１自体の傷付きといつた問題の発生をす
べて無くすことができる。そして一方、通常の使
用時に於いては、容器支持体９に凸部２２が無く
てもローラ支持体１２をスライドさせる前の状態
でローラ１１とガイドレール４の前ストツパ部６
との衝接により、貯蔵容器２１をその大半部が前
方に突出する状態で止め得るから、過度には突出
させず、よつて庫の前方にあけておくスペースも
それだけ少なくて済み、使い勝手を良好に確保し
得る。

又、上述のようにスライドされたローラ支持体
１２も、その状態から扉１０を押込めば、ローラ
１１がガイドレール４上を転動して該ガイドレー
ル４の後ストツパ部５に衝止されてからは、前方
にスライドされて引込状態に戻されるものであ
り、従つて、いわば突出したままのローラ支持体
１２を貯蔵室２に収納するものと違つて、貯蔵室
２の空間をそのローラ支持体１２で費やすことを
なくし、或いは極く少なくできるもので、その
分、貯蔵容器２１の大きさを大きく確保でき、よ
つて被貯蔵品の貯蔵量も大きく確保することがで
きる。

尚、上記実施例に於いては本考案を冷蔵庫に適
用して述べたが、それに限られるものではなく、
例えば引出し式の収納庫や或いはオフイス机等と
いつた他の貯蔵庫にも同様に適用して実施するこ
とができる。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

［考案の効果］ 以上の記述にて明らかなように本考案によれ
ば、怪我の発生や床或いは貯蔵容器の傷付きとい
つた問題を起こすことなく該貯蔵容器を容易に取
出し得る状態になすことができ、しかも、それを
貯蔵容器の大きさを大きく、従つて又、被貯蔵品
の貯蔵量を大きく確保できる構造で達成し得ると
いう優れた実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は本考案と関係する部分の全容を表わした斜
視図、第２図は主要部の分解斜視図、第３図は第
１図に示した全容部分の組付け途中の側面図、第
４図は主要部の組付け後の縦断正面図、第５図は
第３図と同部分の貯蔵容器収納状態の側面図、第
６図は同部分の貯蔵容器通常引出し状態の側面
図、第７図は同部分の貯蔵容器取出し状態の側面
図である。 図中、１は庫本体、２は貯蔵室、３は開口部、
４はガイドレール、５は後ストツパ部、６は前ス
トツパ部、９は容器支持体、１０は扉、１１はロ
ーラ、１２はローラ支持体、１４は長孔、１６は
段付きねじ、２１は貯蔵容器である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に開口部を設け側面部に前ストツパ部を後
   ストツパ部とを有するガイドレールを設けた貯蔵
   室と、この貯蔵室の前記開口部を開閉する扉に一
   体化され前記貯蔵室に収容される貯蔵容器を上方
   に取出し可能に支持した容器支持体と、この容器
   支持体にスライド可能に設けられ前記ガイドレー
   ルに沿つて転動するローラを支持したローラ支持
   体とを具備し、そのローラ支持体が、ローラを前
   記ガイドレールの前ストツパ部に衝止されて以後
   の強い引出し力により後方にスライドされて該ガ
   イドレール上にローラを残し前記容器支持体を前
   記ローラ衝止位置より更に前方に突出させ、該状
   態からの押込みによりローラを後ストツパ部に衝
   止されて前方にスライドされるようにしたことを
   特徴とする貯蔵庫。