JPH0434182Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は除雪機に関するものである。

(ロ) 従来の技術 従来から排土板を装着した建設機械により除雪
作業を行なうことは知られているが、雪を掻き込
み投雪する除雪部を有した除雪機においては排土
板を装着したものはなかつたのである。即ち、排
土板を装着するためには除雪機を取り外すか、ま
たは上昇させないと排土板を装着することはでき
なかつたのである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 このように除雪作業は排土板または掻き込みオ
ーガのどちらか一方だけを取り付けたものでしか
できず、用途によつて排土板または掻き込みオー
ガの取り付け、取り外しに大変手間がかかつてい
たのである。また、雪を掻き込み投雪する除雪部
を上昇させて排土板を同時に装着した場合であつ
ても、除雪作業を終えて除雪部を下降させる時に
は排土板が邪魔になるので、必ず排土板を取り外
さないと下降できなかつたのである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案はこのような点に鑑み、次の如く構成し
たものである。

雪を掻き込むオーガと掻き込んだ雪を投雪する
シユートを有する除雪機を、走行装置と機体フレ
ームを有する車体の前方に昇降可能に設けた除雪
機において、排土板を車体の前方に昇降可能に設
けるとともに、除雪部を下降させた状態で、除雪
部と車体と間の空間内に前記排土板を配設して構
成したものである。

(ホ) 実施例 本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて、本考案の構成
を説明する。

第１図は除雪部下降時の除雪機全体側面図。第
２図は同じく上昇時の側面図。第３図は作業時の
排土板平面図。第４図は同じく側面図。第５図は
収納時の排土板側面図。第６図は道路清掃装置を
装着した側面図一部断面図である。

第１図、第２図にて全体構成から説明すると、
クローラー式走行装置１上に機体フレーム７を載
せて車体を構成するとともに、該機体フレーム７
後部にミツシヨンケース３を配置し、該ミツシヨ
ンケース３下端に駆動軸を横架してクローラー式
走行装置１を駆動している。そしてミツシヨンケ
ース３上に操作ボツクス４を載置し、操向レバー
５等を配設している。

また、機体フレーム７上にエンジン２が載置さ
れ、ベルトケース９内のベルトを介してミツシヨ
ンケース３に動力を伝え、他方、側部に配置した
ギヤボツクスよりユニバーサルジヨイント、駆動
軸１０を介して除雪部Ａの入力軸１８に動力を伝
えている。該入力軸１８よりスプロケツト２８、
チエーン１１を介して除雪フレーム１２内のブロ
ア、上オーガ１３、下オーガ１４を駆動するので
ある。

前記除雪部Ａは昇降可能に構成されている。即
ち、リンク支持体１５を機体フレーム７側部に固
設し、該リンク支持体１５に上リンク１６、下リ
ンク１７よりなる平行リンクが枢支されている。
該下リンク１７中央下部と機体フレーム７との間
には油圧シリンダー１９が介装され、該油圧シリ
ンダー１９の伸縮により並行リンク前端に装着さ
れた除雪部Ａが略平行に昇降するのである。そし
て、前記並行リンク１６，１７先端には支持マス
ト２０が枢支され、支持マスト２０上端と除雪フ
レーム１２上端をリンク２１にて枢結され、支持
マスト２０下端は除雪フレーム１２下部と枢結し
ている。尚、左右の一側はステー２２，２３と油
圧シリンダー２４を枢結し、油圧シリンダー２４
の伸縮により一側を上下し除雪部Ａを左右に傾倒
可能としている。また、除雪フレーム１２上部に
はシユート２５が回動可能に載置され、ハンドル
２７の回動によりウオーム歯車２６が回動され、
該ウオーム歯車２６に噛合したウオームホイール
が回動し、シユート２５が回動されるのである。
よつて、シユート２５の排出方向が変更されるの
である。２９，３０は前記油圧シリンダー１９，
２４の伸縮を操作するためのレバーである。

本考案の要部である排土板６は、クローラー式
走行装置１のトラツクフレームより突出されてお
り、本実施例においては従動輪３１を軸支する従
動輪３２より前方に突出されている。そして、操
作ボツクス４側部に付設したハンドル３３を回動
することにより昇降可能としている。即ち、第３
図、第４図、第５図に示す如く、排土板６は上下
に上ブレード６ａと下ブレード６ｂに分割され、
下ブレード６ｂ後面にサポート３５，３５を後方
に突設し、サポート３５端部を従動軸３２に枢支
されている。そして、一側のサポート３５に回動
アーム３６が立設され、該回動アーム３６先端側
面に枢支体３７が枢支されている。該枢支体はス
クリユーボルト３９を螺装し、該スクリユーボル
ト３９の他端はジヨイント４０を介して前記ハン
ドル３３に連設されている。よつて、ハンドル３
３に回動すれば枢支体３７は前後に摺動し、回動
アーム３６を介して排土板６が昇降されるのであ
る。但し、第３図の如く油圧シリンダー４３を装
着して昇降することも可能である。

また、上ブレード６ａ下部と下ブレード６ｂ上
部はピン３４にて枢支され、折りたたみ可能とし
ている。即ち、上ブレード６ａ下側面にはプレー
ト６ｃ，６ｃを固設し、下ブレード６ｂ上側面に
はプレート６ｄ，６ｄを固設して、それぞれのプ
レート６ｃ，６ｄをビン３４にて枢結して前方に
回動可能とし、また、上ブレード６ａ後面にアー
ム６ｅ，６ｅ、下ブレード６ｂ後面に凸部６ｆ，
６ｆを突設して、それぞれの先端にピン孔６ｇ，
６ｈを穿設し、使用時には第２図の如く該ピン孔
６ｇ，６ｈにピン４１を嵌挿してスナツプピン４
２にて枢止し、上ブレード６ａと下ブレード６ｂ
を固定するのである。そして、使用しないときに
は第１図の如くピン４１を外して上ブレード６ａ
を前方に回動して折りたたんでおくのである。

よつて、高く積もつた雪を除雪する場合や均し
作業の場合には、除雪部Ａを上昇させて上ブレー
ド６ａを回動してピン４１にて枢止して固定し、
第２図の如く高い位置までの除雪作業や押し均し
作業ができるのである。そして、下方だけの除雪
の場合には、ピン４１を取り外して上ブレード６
ａを前に回動して、除雪部Ａを下降させて排土板
を除雪部と車体との間の空間内に収納して、従来
通りの除雪作業を行なうのである。

第６図は清掃装置を並行リンク１６，１７先端
部に装着したものであり、ブラシ部Ｂとホツパー
部Ｃからなり、瓢箪形のケース４６前円部、即
ち、ブラシ部Ｂは前方を開口し取入口４６ａとし
内部にブラシ４７を軸架している。そして、後円
部、即ち、ホツパー部Ｃはケース下端を開口して
排出口４６ｂとし、該排出口４６ｂを蓋すべく周
内部にシヤツター５１を横設している。該シヤツ
ター５１上端は後円部内上部に配設した油圧シリ
ンダー５２のピストンロツド５２ａに枢支され、
該油圧シリンダー５２の伸縮により該シヤツター
５１が開閉されるべく構成されている。又、ホツ
パー部Ｃ後上部にはベベルケース５３が固設さ
れ、駆動軸１０よりユニバーサルジヨイント５４
を介して動力が伝達され、スプロケツト５５、チ
エーン５０、スプロケツト４９を介してブラシ４
７を回動している。５６は補助輪である。

このように構成することにより、雪解け後には
この清掃装置を除雪部Ａに代えて装着することに
より、ブラシ４７にて路面に溜まつた土砂等をホ
ツパー部Ｃに掻き上げて路上を清掃し、ホツパー
部Ｃ内に収拾した土砂等がいつぱいになれば、シ
ヤツター５１を開けながら清掃装置を上昇させれ
ば、内部の土砂等を放出することができるのであ
る。

(ヘ) 考案の作用・効果 本願考案は、排土板を車体の前方に昇降可能に
設けるとともに、除雪部を下降させた状態で除雪
部と車体との間の空間内に前記排土板を配設した
ので、排土板を使用時には、除雪部を上昇させて
逃避させて排土板を使用して均し作業等を行い、
通常の除雪作業時には、除雪部を下降し排土板を
除雪部と車体との間の空間内に収納して、除雪作
業を行なうことができる。

よつて、従来のように、用途によつて排土板ま
たは掻き込みオーガの取付け・取外しの必要がな
く、作業効率が極めて向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は除雪部下降時の除雪機全体側面図。第
２図は同じく上昇時の側面図。第３図は作業時の
排土板平面図。第４図は同じく側面図。第５図は
収納時の排土板側面図。第６図は道路清掃装置を
装着した側面図一部断面図である。 Ａ……除雪部、６……排土板、６ａ……上ブレ
ード、６ｂ……下ブレード、１３……上オーガ、
１４……下オーガ、２５……シユート、３２……
従動輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雪を掻き込むオーガと掻き込んだ雪を投雪する
   シユートを有する除雪部を、走行装置と機体フレ
   ームを有する車体の前方に昇降可能に設けた除雪
   機において、排土板を車体の前方に昇降可能に設
   けるとともに、除雪部を下降された状態で、除雪
   部と車体と間の空間内に前記排土板を配設したこ
   とを特徴とする除雪機。