JPH04332697A - 筆記具 - Google Patents

筆記具

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JPH04332697A
JPH04332697A JP3102852A JP10285291A JPH04332697A JP H04332697 A JPH04332697 A JP H04332697A JP 3102852 A JP3102852 A JP 3102852A JP 10285291 A JP10285291 A JP 10285291A JP H04332697 A JPH04332697 A JP H04332697A
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ink chamber
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pen body
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Jiro Hori
堀 二郎
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B11/00Single-unit hand-held apparatus in which flow of contents is produced by the muscular force of the operator at the moment of use
    • B05B11/0005Components or details
    • B05B11/0035Pen-like sprayers

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  • Pens And Brushes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体状のインクを直接
インク室内に収容した筆記具に関する。さらに本発明を
特定すれば、上記のインク室には収容されたインクと空
気を区画する摺動自在なスライド栓を備え、さらにペン
体に筆圧が作用した場合に上記のインク室内の内容積を
減少させてインクを加圧するポンプ機構を備えたホワイ
トボードマーカ等の筆記具において、上記のスライド栓
の摺動を確実にする構造を採用した筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、筆記具には本体内のインク室
に中綿を充填し、この中綿に毛細管現象によってインク
を保持させたものが多く使用されていた。しかし、この
ような中綿形の筆記具は、貯溜できるインクの量が少な
く、またこの中綿からボールチップ、フエルトチップ等
のペン体に供給できるインクの量が少なく、早く筆記す
ると筆跡がかすれる等の不具合があった。
【0003】最近では、インク室内に液体状のインクを
直接収容したいわゆる直液形の筆記具が各種開発されて
いる。このような直液形の筆記具は、このインク室内に
液密を維持して摺動自在なスライド栓を設けており、こ
のスライド栓は液状のインクと空気とを区画し、またイ
ンクの消費に追従して摺動する。このような直液形の筆
記具は、インクの貯溜量が多いとともに、ペン体へのイ
ンクの供給流量を大きくでき、早く筆記しても筆跡がか
すれることがない等の長所がある。
【0004】しかし、このような直液形の筆記具では、
ペン体に液状のインクが直接かつ大量に供給されるので
、このインクの供給流量を制御する必要がある。水性ボ
ールペンや、アンダーラインマーカ等の筆記具では、イ
ンク室とペン体との間にインクの供給を制御する弁機構
を配置し、このインクの供給量を制御している。また、
これらの筆記具では、ボールチップやフエルトチップ等
のペン体の毛細管力が大きく、このペン体自体にかなり
のインク吸い出し能力およびインクシール能力があるた
め、インクの供給量の制御は比較的容易である。
【0005】しかしながら、ホワイトボードマーカやペ
イントマーカでは、直液形にした場合のインクの供給量
の制御は困難である。すなわち、これらの筆記具では、
筆記面がホワイトボードや金属、プラスチックの表面で
あり、紙と異なり吸水性がない。このため、これらの筆
記具では、フエルトチップ等のペン体に毛細管力の小さ
いものを使用し、かつこのフエルトチップ等に多量のイ
ンクまたは塗料を含ませるようにしなければ、濃い筆跡
が得られない。しかし、このようなペン体は、このペン
体自体のインクの吸い出し能力やシール能力が小さい。 このため、このペン体を下向きにすると、インク室内の
インクの水頭圧によってこのペン体に過度にインクが含
まれたり、ボタ落ちしたりする不具合が生じる。このよ
うな不具合を防止するには、上記のスライド栓の摺動抵
抗をこの水頭圧を支えるに十分なだけ大きくする必要が
ある。しかし、上記のように、このペン体のイン吸い出
し能力は小さいので、このスライド栓の摺動抵抗に打ち
勝ってインク室のインクを吸い出すのが困難になる。特
に、ホワイトボードマーカの場合にはこの筆記具を略水
平状態で筆記するので、この状態ではインク室内のイン
クの水頭圧がほぼ零になるため、インクの吸い出しが一
層困難になる。
【0006】このような不具合は、このペン体とインク
室との間にインクの供給を制御する弁機構を設けても本
質的には解消されない。このため、このようなホワイト
ボードマーカやペイントマーカでは、このペン体を本体
に対して摺動自在に保持させ、筆圧によってこのペン体
が後退した場合に、内部のインクを押し出すポンプ機構
を設け、またこのポンプ機構とインク室との間にこのポ
ンプ機構に向かう流れのみを許容する逆止弁機構を設け
たものが開発された。このようなものは、筆記する際の
筆圧によって、ポンプ機構が所定量ずつインクをペン体
に圧送するので、このペン体に常に十分なインクを含ま
せ、かつインクの量を制御することができる。
【0007】しかし、このようなものは、その構造が複
雑であり、コストが高い。このようなホワイトボードマ
ーカやペイントマーカは使い捨て形のものであるから、
コストは可能な限り低減する必要がある。また、このよ
うなものは、ペン体に作用する筆圧が解除されると、ポ
ンプ機構がスプリング等によって復帰し、インク室内の
インクを引き出す。この場合に、引き出されたインクの
量に見合っただけ上記のスライド栓が移動するが、この
インクの引き出し量は少なく、このスライド栓の移動量
は極めて小さい。このスライド栓は、一般にシリコーン
ゴム等の弾性材料で形成され、その外周面には、インク
室の内周面に接触してシールを維持するための環状のシ
ール部が突設されている。このスライド栓は、上記のポ
ンプ機構の作動ごと、すなわち1文字の筆記ごとに静止
状態からわずかに移動するものであるが、このシール部
とインク室内周面との間の静止摩擦係数が高く、このス
ライド栓が移動せず、このスライド栓またはシール部が
弾性変形するだけの場合が生じる。このような場合には
、このインク室内が負圧となり、この負圧は上記の逆止
弁機構、ポンプ機構を介してペン体に作用し、このペン
体に含まれているインクを引き戻す。したがって、この
ペン体に含まれているインクの量が減少したり、場合に
よってはこのペン体の先端部内に空気が引き込まれたり
する。このようなことが発生すると、次の文字を筆記す
る際に筆跡の最初の部分がかすれたりする不具合が発生
する。
【0008】このような不具合を解消するには、スライ
ド栓が静止状態から移動を開始する際の初期抵抗力を小
さくすれば良いが、このようにするにはシール部とイン
ク室の内周面との接触圧力を極めて小さくしなければな
らず、製造の精度の限界から、このようにスライド栓の
初期抵抗力を小さくするには限界がある。したがって、
上記のような構造のホワイトボードマーカ等では、ペン
体へのインクの供給を完全に安定させることは困難であ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、構造が簡単であり、かつペン
体へのインクの供給を安定して制御することができるオ
ワイトボードマーカ等の筆記具を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、筆圧によって
移動自在なペン体を備え、このペン体の移動によって作
動するポンプ機構を備えたものである。このポンプ機構
とインク室との間には逆止弁機構等は設けられておらず
、上記のペン体が後退した場合にはこのポンプ機構はイ
ンク室内の内容積を減少させ、このインク室内のインク
を加圧するように構成されている。
【0011】また、このインク室内にはスライド栓が設
けられ、このスライド栓の外周面には弾性材料からなる
シール部が突設され、このシール部の先端面がインク室
の内周面に密着している。そして、このシール部の密着
面の軸方向の幅をAとする。また、筆記によって上記の
ペン体に筆圧が作用し、上記のポンプ機構によってイン
ク室内が加圧され、インクはペン体側に押し出されると
ともに、この加圧によって上記のスライド栓が移動する
。この際のスライド栓の移動量をBとする。そして、こ
のペン体に標準的な筆圧が作用した場合、たとえばホワ
イトボードマーカの場合には100グラムの筆圧が作用
した場合、上記のスライド栓の移動量Bはシール部の密
着部の幅Aより大きくなるように上記のポンプ機構のス
トロークや弾性力等が設定されている。
【0012】
【作用】上記のスライド栓のシール部は、弾性材料で形
成されているので、静止状態ではその密着面はインク室
の内周面に弾性的に完全に密着しており、この密着面の
間のインクは排除されており、直接接触の状態である。 したがって、この静止摩擦係数は大きい。この筆記具で
1文字分を筆記し、ペン体に筆圧が作用すると、ポンプ
機構によってこのインク室内が加圧され、上記のスライ
ド栓は後方に移動する。標準的な筆圧、たとえばホワイ
トボードマーカの場合には100グラムの筆圧が作用し
た場合、このスライド栓の移動量Bはシール部の密着面
の幅Aより大きくなるようにポンプ機構のストロークや
弾性力等が設定されている。したがって、このシール部
は、移動前に密着していたインク室内周面の部分から完
全に移動し、移動前に密着していたインク室内周面の部
分はインクで濡らされる。
【0013】次に1字分の筆記が終了して筆圧が解除さ
れると、ポンプ機構は付勢力によって復帰し、スライド
栓は移動前の位置まで前進し、さらにインク消費量に見
合っただけの距離だけ前進する。この場合、移動前にシ
ール部が位置していたインク室の内周面はインクによっ
て濡らされており、このスライド栓の前進によって、こ
のシール部の密着面とインク室の内周面との間にはイン
ク膜が介在して潤滑作用をなす。このため、この前進時
のスライド栓の抵抗は極めて少なくなり、インクの消費
量に見合った位置まで円滑に摺動し、前述したようなイ
ンク室内の負圧は発生しない。したがって、ペン体への
インクの供給は安定する。なお、スライド栓が静止する
と、短時間の間にそのシール部とインク室の内周面との
間のインク膜はシール部の弾性によって排除され、上記
と同様の作動が繰り返される。
【0014】また、上記のようにこのスライド栓の前進
時にはインク膜による潤滑作用があるので、このスライ
ド栓の初期抵抗は大きくてもよい。したがって、ペン体
に筆圧が作用してインク室内のインクを加圧する際の圧
力は、このスライド栓の後退の際の摺動抵抗に対応した
圧となる。したがって、このスライド栓の後退時の
【0
015】摺動抵抗を適当に設定しておけば、ペン体に筆
圧が作用してポンプ機構が作動した場合のインク室内の
圧力を所定の圧力とすることができる。したがって、こ
のような筆記具には逆止弁機構等は不要となり、構造が
簡単になる。さらに、過度に強い筆圧が加えられた場合
でも、スライド栓の後退量が大きくなるだけでインク室
内の圧力は過大とはならない。したがって、インクの供
給が逆止弁機構を備えたものよりさらに安定する。
【0016】
【実施例】以下、図を参照して本発明の実施例を説明す
る。図1ないし図3には本発明の第1の実施例を示す。 この実施例は、本発明をホワイトボードマーカに適用し
た場合のものである。図中の1はこのホワイトボードマ
ーカの本体であって、円筒状をなし、その内部はインク
室2に形成されている。また、この本体1の前端部には
ペン体ホルダ3が取り付けられている。このペン体ホル
ダ3には、ペン体、この実施例の場合にはフエルトチッ
プ4が軸方向に摺動自在に設けられ、筆記の際の筆圧に
よって軸方向に移動するように構成されている。
【0017】また、このペン体4とインク室2との間に
はポンプ機構5が設けられている。このポンプ機構5は
、以下のように構成されている。すなわち、上記のペン
体ホルダ3の後端部には円筒状の保持部6が形成され、
この保持部6内にはシリコーンゴム等の弾性材料からな
るピストン体7が嵌合されている。このピストン体7の
中心部を貫通して孔が形成されている。そして、上記の
フエルトチップ4の後端部には径の縮小した嵌合部8が
形成され、この嵌合部8は上記のピストン体7の孔内に
嵌合している。
【0018】したがって、このホワイトボードマーカに
よって筆記する際に、このフエルトチップ4に筆圧が作
用すると、このフエルトチップ4が後退し、上記のピス
トン体7が図2に示すように変形し、上記のインク室2
内の内容積を減少させ、このインク室2内のインクを加
圧するように構成されている。なお、筆圧が解除されれ
ば、上記のピストン体7は自身の弾性によって図1に示
すような状態に復帰し、この場合にはインク室2内の内
容積は増大する。
【0019】また、上記のインク室2内にはスライド栓
9が摺動自在に設けられている。このスライド栓9は、
たとえば、ふっ素系シリコーンゴム、その他のシリコー
ンゴム等の弾性材料で形成され、その外周面には環状の
シール部10が一体に突設されている。そして、このシ
ール部10の頂面部は上記のインク室2の内周面に弾性
変形して密着し、シール性を維持している。そして、こ
の状態のこのシール部10のインク室2の内周面との密
着面の軸方向の幅、すなわちシール幅を図3に示すよう
にAとする。
【0020】また、この本体1の後端部には尾栓11が
取り付けられ、この尾栓11には大気連通孔12が形成
されている。そして、上記のインク室1内には液状のイ
ンク、たとえば速乾性のインクが充填され、このインク
と空気とは上記のスライド栓9によって区画されている
。そして、このインクの消費等に対応して上記のスライ
ド栓9が摺動し、このインク室2内の圧力を常に大気圧
と等しい圧に維持するように構成されている。
【0021】また、筆記の際に、上記のフエルトチップ
4に筆圧が作用し、このフエルトチップ4が後退し、ピ
ストン体7が図2に示すように変形し、インク室2内の
インクが加圧されると、このインクの一部はこのピスト
ン体7の孔を通り、このフエルトチップ4およびその嵌
合部8内を流れて供給される。一方、このインク室2内
の加圧により、上記のスライド栓9は図3に2点鎖線で
示すように後方に移動し、この移動量をBとする。この
移動量Bは、上記のフエルトチップ4に加えられる筆圧
、すなわちピストン体7の変形量に対応して変化する。
【0022】そして、上記のフエルトチップ4に標準筆
圧、この実施例では100グラムの筆圧が加えられた場
合に、上記のスライド栓9の移動量Bがこのスライド栓
9のシール部10のシール幅Aより大きくなるように、
このピストン体7の寸法、弾性力等が設定されている。
【0023】なお、このような筆記具では、筆記の際に
加えられる筆圧は、使用状態、筆記者によって大きいば
らつきがある。たとえば、このホワイトボードマーカで
略鉛直なホワイトボード面に筆記をする場合には、この
ホワイトボードマーカの尾部を指で摘んで筆記するよう
な場合には、筆圧は5〜10グラムしか加えられない場
合もある。また、強く筆記する癖のある筆記者や、筆記
の終りにホワイトボードマーカを筆記面に強く押し付け
る癖のある筆記者の場合には、瞬間的な最高筆圧は数百
グラムに達することもある。しかし、JIS−S−60
37に規定されるマーキングペンの筆記試験では、試験
の際の標準筆圧は油性インクの場合は100グラム、水
性インクの場合には50グラムと規定されている。本発
明者等の試験によれば、このホワイトボードマーカの場
合には、通常の筆記であれば、1字分、または一筆分の
筆記の中で、上記の標準筆圧は瞬間的ではあっても加え
られている。本発明のように、スライド栓を所定の量だ
け後退させるには、瞬間的な筆圧であっても十分である
。したがって、この実施例の場合には、上記の標準的な
筆圧100グラムが作用した場合に、スライド栓9の後
退量Bがシール幅Aを超えるように設定すれば、この発
明の作用を達成するには十分である。
【0024】また、このスライド栓9が静止状態から移
動を開始する際の初期摺動抵抗は、上記のインク室2内
に充填されたインクの水頭圧がこのスライド栓9に作用
した場合の荷重より大きく設定されている。
【0025】次に、上記の実施例の作用を説明する。ま
ず、筆記をしておらず、このスライド栓9が静止してい
る場合には、そのシール部10の密着面は、インク室2
の内周面に密着しており、これらの間にはインク膜はほ
とんど存在しておらず、このシール部とインク室2の内
周面は直接接触している。この状態では、これらの間の
摩擦係数は比較的大きく、このスライド栓9の摺動抵抗
は大きい。
【0026】次に、このホワイトボードマーカによって
筆記をなす際には、上記のフエルトチップ4に筆圧が加
えられ、このフエルトチップ4が後退し、ポンプ機構5
のピストン体7が変形してインク室2内のインクが加圧
される。この際、上記のスライド栓9は後退するが、こ
のスライド栓9のシール部10より尾栓11側のインク
室2の内周面にはインクは付着しておらず、乾燥した状
態である。したがって、このスライド栓9が後退する際
には、シール部10とインク室2の内周面との間にはイ
ンク膜は存在せず、直接接触した状態で摺動する。した
がって、この場合のスライド栓9の摺動抵抗は比較的大
きく、このインク室2内の圧力は、このスライド栓9の
後退の際の摺動抵抗に対応した比較的高い圧となる。そ
して、このような圧の場合に、一筆分の筆記で消費され
るインクの量に見合った量のインクがフエルトチップ4
に送られるように、このフエルトチップ4の材質やその
嵌合部8の径等が設定されている。したがって、このフ
エルトチップ4は常に筆記に最適の量のインクが含まれ
る。
【0027】上記の筆記の場合、標準的な筆圧が加えら
れると、このスライド栓9の後退の移動量Bは、シール
部10のシール幅Aを超える。したがって、後退前にこ
のシール部10が密着していたインク室2の内周面の部
分にはインクによって濡らされる。
【0028】なお、場合によっては、または筆記者によ
っては、過度の筆圧が加えられる場合があるが、このよ
うな場合でも、スライド栓9の後退量が大きくなるだけ
でインク室2内のインクの圧力はほとんど変化しないの
で、安定したインクの供給ができる。
【0029】次に、一筆分の筆記が終了して筆圧が解除
されると、上記のピストン体7は自身の弾性力により瞬
間的に復帰し、インク室2内の圧が瞬間的に負圧となり
、これによってスライド栓9は瞬間的に後退前の位置ま
で前進する。この場合、この後退前にシール部10が密
着していたインク室2の内周面の部分はすでにインクに
よって濡らされているので、このシール部10とインク
室2の内周面の間にはインク膜が存在した状態となり、
このインク膜の潤滑作用によってこのスライド栓9の摺
動抵抗は極めて小さくなる。そして、このスライド栓9
は、後退前の位置より、一筆分の筆記によって消費され
たインクの量に対応した微小距離だけさらに前進する。 この場合、このスライド栓9のシール部10は上記のよ
うにインク膜によって潤滑された状態であるので、この
微小距離を円滑に移動する。したがって、従来のように
、インク室内に負圧が残ることはない。よって、この負
圧によってフエルトチップ4に含まれているインクが内
部に引き戻されるようなことはなく、安定したインク供
給ができる。
【0030】以上のような作動を繰り返し、一筆分の筆
記ごとに消費したインクの量に見合っただけのインクが
フエルトチップ4に供給され、常にホワイトボード等の
吸水性のない筆記面に筆記するに適当な量のインクがこ
のフエルトチップ4に含まれる。
【0031】また、上記のフエルトチップ4は、前述し
たように、ホワイトボード等の吸水性のない筆記面にも
濃く筆記できるように、その毛細管力が比較的弱くなる
ように材質、密度等が設定されている。したがって、こ
のフエルトチップ4自身のインク保持能力すなわちシー
ル能力が低く、このフエルトチップを下向きにした場合
にインク室2内のインクの水頭圧によって、フエルトチ
ップに過度にインクが含まれたり、インクがボタ落ちす
ることがある。しかし、この実施例では、上記のスライ
ド栓9の静止状態の摺動抵抗、すなわちシール部とイン
ク室2の内周面との間にインク膜が介在されていない場
合の摺動抵抗はこのインクの水頭圧を支持するのに十分
な大きさに設定されているので、上記のような不具合は
確実に防止される。
【0032】また、図4には本発明の第2の実施例を示
す。このものは、過度に弱い筆圧で筆記される場合を考
慮したホワイトボードマーカである。なお、この第2の
実施例は基本的には上記の第1の実施例と同様な構成で
あり、図4中、第1の実施例と対応する部分には同じ符
号を付し、その説明は省略する。
【0033】すなわち、筆記者によっては、このホワイ
トボードマーカの後端部を持って極めて弱い筆圧で筆記
する場合がある。このような場合の筆圧は、10グラム
程度しかない。このような場合には、上記のスライド栓
9の後退の移動量Bをシール部10のシール幅Aより大
きくするためには、ポンプ機構5のピストン部材7の弾
性力を弱くし、小さい筆圧でも必要なストロークが得ら
れるようにするとともに、スライド栓9の後退時の摺動
抵抗、すなわちシール部10とインク室2内周面との間
にインク膜が存在していない場合の摺動抵抗を小さくし
なければならない。このようにすると、フエルトチップ
4を下向きにした場合、インク室2内のインクの水頭圧
をこのスライド栓9の初期摺動抵抗では支えられなくな
り、フエルトチップ4からインクのボタ落ち等を生じる
可能性がある。
【0034】図4に示す第2の実施例では、このような
インクのボタ落ちを防止するために、ポンプ機構5とイ
ンク室2の間に遮断弁機構20が設けられている。この
遮断弁機構20は、ハウジング21を備え、このハウジ
ング21は上記の本体1内に嵌合されている。このハウ
ジング21には、テーパ状の通孔23が形成され、この
通孔23を介して上記のインク室2とポンプ機構5が連
通されている。また、この通孔23内には、弁体として
作用する鋼球22が挿入されている。また、このハウジ
ング21の後端部の内面には、この鋼球22の脱落を防
止する切り起こし状のストッパ24が突設されている。
【0035】また、上記のポンプ機構5のピストン体7
は、この遮断弁機構20のケーシング21に当接してそ
の最大ストロークが規制されるように構成され、このケ
ーシング21はこのポンプ機構5の最大ストロークを規
制するストッパを兼用している。
【0036】このようなホワイトボードマーカは、略水
平な状態で筆記する場合には、図4に示すように、この
鋼球22は重力によって上記の通孔23から抜け落ち、
この通孔23が開放され、インク室2からポンプ機構に
インクが供給される。この他の作用は上記の第1の実施
例と同様である。
【0037】また、筆記を中止し、フエルトチップ4を
下向きにした場合には、上記の鋼球22が重力によって
上記のテーパ状の通孔23内に嵌合し、この通り孔23
を閉塞する。したがって、インクの供給が遮断され、フ
エルトチップ4からインクがボタ落ちするような不具合
が確実に防止される。
【0038】また、この実施例のものは、ポンプ機構5
のピストン体7の弾性力が弱く設定されているので、大
きい筆圧を加えるとこのピストン体7が過度に変形する
可能性があるが、このピストン体7は上記のケーシング
21に当接してその最大ストロークが規制されるので、
上記のような不具合は生じない。
【0039】また、図5には第3の実施例のスライド栓
の部分を示す。この第3の実施例のスライド栓9は、そ
の安定を図るため、両端部に一対のシール部10a,1
0bが突設されている。この場合でも、これらのシール
部10a,10bのシール幅Aと、このスライド栓9の
移動量Bとの関係は上記の実施例と同様である。なお、
この場合には、これら一対のシール部10a,19bの
間の部分には、インクが充填されていてもよく、また潤
滑剤が充填されていてもよい。
【0040】なお、本発明は上記の実施例には限定され
ない。たとえば、ポンプ機構は上記のようなものには限
定されず、ベローズ形、ダイヤフラム形、あるいは摺動
する機械式のピストン形、その他の形式のものでもよい
。また、スライド栓も上記のような形状には限定されず
、その他の各種の形状、構造のものが採用される。
【0041】また、本発明は、ホワイトボードマーカ、
ペイントマーカ等に好適するものであるが、アンダーラ
インマーカ、その他の筆記具にも適用できることはもち
ろんである。
【0042】
【発明の効果】上述のごとく本発明によれば、逆止弁機
構が不要となり、その構造が簡単となり、またポンプ機
構が作動した場合のインクの圧力は、そのストロークに
は本質的には影響されず、スライド栓の後退時の摺動抵
抗にのみ影響されるので、筆圧の強弱に関わりなくペン
体に供給するインクの量を安定させることができる等、
の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の縦断面図。
【図2】第1の実施例の別の作動状態の縦断面図。
【図3】第1の実施例のスライド栓の部分を拡大した縦
断面図。
【図4】第2の実施例の縦断面図。
【図5】第3の実施例のスライド栓の部分の縦断面図。
【符号の説明】
1…本体 2…インク室 4…フエルトチップ(ペン体) 5…ポンプ機構 9…スライド栓 10,10a,10b…シール部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  本体内に形成された円筒状のインク室
    と、上記の本体の一端部に軸方向に移動自在に設けられ
    たペン体と、上記のインク室内に液密を維持して摺動自
    在に設けられこのインク室内に充填されたインクと空気
    とを区画するスライド栓と、上記の本体の一端部に設け
    られ筆記により上記のペン体が後退した場合に上記のイ
    ンク室内の内容積を減少させてこのインク室内のインク
    を加圧して上記のペン体に送るとともに上記のスライド
    栓を後退させるポンプ機構とを備え、上記のスライド栓
    の外周面には上記のインク室の内周面に密接する弾性材
    料からなるシール部が形成されており、このシール部が
    上記のインク室の内周面に密着している密着面の軸方向
    の長さのシール幅をAとし、また上記のペン体に筆圧を
    加えた場合に上記のポンプ機構による上記のインク室内
    の内容積の減少による上記のスライド栓の後退ストロー
    クをBとした場合に、上記のペン体に標準筆圧を加えた
    場合の上記の後退ストロークBは上記のシール幅Aより
    大きいことを特徴とする筆記具。
  2. 【請求項2】  前記の標準筆圧は100グラムに設定
    されていることを特徴とする請求項1の筆記具。
  3. 【請求項3】  前記のスライド栓の静止状態における
    摺動抵抗は、前記のインク室の長さに相当するインクの
    水頭圧がこのスライド栓に作用した場合に生じる荷重よ
    り大きいことを特徴とする請求項1の筆記具。
  4. 【請求項4】  前記のポンプ機構には前記のペン体の
    後退ストロークを規制するストッパが設けられているこ
    とを特徴とする請求項1の筆記具。
  5. 【請求項5】  前記のポンプ機構と前記のインク室と
    の間には、前記のペン体を下向きにし姿勢でこの筆記具
    を保持した場合に前記のインク室とポンプ室との連通を
    遮断する遮断弁機構が設けられていることを特徴とする
    請求項1の筆記具。
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