JPH04329438A - 近似推論装置およびその動作方法 - Google Patents

近似推論装置およびその動作方法

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JPH04329438A
JPH04329438A JP12465691A JP12465691A JPH04329438A JP H04329438 A JPH04329438 A JP H04329438A JP 12465691 A JP12465691 A JP 12465691A JP 12465691 A JP12465691 A JP 12465691A JP H04329438 A JPH04329438 A JP H04329438A
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JP
Japan
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event
conclusion
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JP12465691A
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English (en)
Inventor
Taiji Yoshikawa
泰司 吉川
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,事象と結論との関係
を表わす専門家の知識を用いて推論を行なう近似推論装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】推論結果を,その推論結果を導くために
使用した事象の情報量によって修正または変更する方式
の近似推論が知られている(たとえば,Zhang H
ongmin “AN EXPERT SYSTEM 
WITH THINKING IN IMAGES”,
 Preprints of Second IFSA
 Congress, Tokyo, July 20
−25,1987,P.765 )。
【0003】この近似推論方式は,事象に対して結論ご
とに与えられたメンバーシップ関数を用いて,事象ごと
の情報量(すなわち事象の情報識別能力)を算出し,推
論結果(すなわち結論が成り立つ可能性)を,その結論
を導くために使用した事象の情報量によって修正または
変更する(可能性と情報量の積をとる)ことによって,
推論結果の識別能力を高めようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の近
似推論装置においては,すべての事象についてのデータ
を入力しないと,高い可能性をもつ結論およびその結論
についての高い明瞭性を得ることはできず,正しい結論
を判断しにくい場合があるという問題があった。
【0005】人間が経験に基づいて事象データを入力す
る場合には,入力する事象データをある程度しぼること
が可能である。しかしオンラインで通信インターフェイ
スを介して事象データが入力される場合には,人間が介
在しないからどの事象データが重要であるかを判断する
ことが不可能である。このため従来の方法では,いきお
い短時間で結論を得ることができなかった。
【0006】この発明は,効率的でかつ明瞭性の高い結
論を導くことができる近似推論装置およびその動作方法
を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による近似推論
装置は,入力データを,あらかじめ設定されている事象
と結論との関係を表わす知識にあてはめることにより結
論の可能性を演算する近似推論手段,上記知識を用いて
,結論ごとに各事象の明瞭性を演算する明瞭性演算手段
,上記明瞭性演算手段から得られる明瞭性を用いて,実
際にデータが入力された事象の明瞭性を加算して結論ご
との明瞭性加算値を演算する加算手段,および上記近似
推論手段による近似推論の結果得られた可能性の高い結
論について,その結論に関係する事象であってまだデー
タが入力されていないもののうち明瞭性の高いものを選
択する事象選択手段を備えているものである。
【0008】この発明の一実施態様では,上記事象選択
手段によって選択された事象を表示する表示手段がさら
に設けられている。
【0009】この発明の他の実施態様では,上記事象選
択手段によって選択された事象を表わす情報を送信する
通信手段がさらに設けられている。
【0010】この発明の一実施態様では,上記事象選択
手段は,一つの結論について明瞭性の高い事象から順番
に選択する。また,上記選択手段は可能性の高い結論か
ら順番にその結論に関係する事象を選択する。
【0011】この発明による近似推論装置の動作方法は
,入力データを,あらかじめ設定されている事象と結論
との関係を表わす知識にあてはめることにより結論の可
能性を演算する近似推論手段,および上記知識を用いて
,結論ごとに各事象の明瞭性を演算する明瞭性演算手段
を備えた近似推論装置において,事象についてのデータ
が一旦入力されたときに,上記近似推論手段によって結
論の可能性を演算するとともに,上記明瞭性演算手段か
ら得られる明瞭性を用いて,実際にデータが入力された
事象の明瞭性を加算して結論ごとの明瞭性加算値を演算
し,その後,上記近似推論手段による近似推論の結果得
られた可能性の高い結論について,その結論に関係する
事象であってまだデータが入力されていないもののうち
明瞭性の高いものを選択する。
【0012】選択された事象は表示装置に表示される,
または選択された事象についてのデータの入力を要求す
るために,選択された事象を表わす情報が送信される。 これに応答して,選択された事象についての入力データ
が入力される。
【0013】データが入力されたのち,上記近似推論手
段に再度近似推論を実行させる。
【0014】好ましくは,一つの結論について明瞭性の
高い事象から順番に選択し,選択された事象についてデ
ータが入力されるたびにその結論について明瞭性加算値
にデータが入力された事象の明瞭性を加算することによ
り加算値を更新し,更新された明瞭性加算値が所定値に
達したときにその結論についての事象の選択を止める。
【0015】
【作用】この発明によると,入力データを,あらかじめ
設定されている事象と結論との関係を表わす知識にあて
はめることにより結論の可能性を演算する近似推論手段
,および上記知識を用いて,結論ごとに各事象の明瞭性
を演算する明瞭性演算手段を備えた近似推論装置におい
て,事象についてのデータが一旦入力されたときに,上
記近似推論手段によって結論の可能性が演算されるとと
もに,上記明瞭性演算手段から得られる明瞭性を用いて
,実際にデータが入力された事象の明瞭性を加算して結
論ごとの明瞭性加算値が演算される。推論の終了後,上
記近似推論手段による近似推論の結果得られた可能性の
高い結論について,その結論に関係する事象であってま
だデータが入力されていないもののうち明瞭性の高いも
のが選択される。
【0016】選択された事象は表示装置に表示されるか
,または選択された事象を表わす情報が外部装置に送信
され,その事象についてのデータの入力が要求される。
【0017】人間によって,または通信装置によって,
選択された事象についての入力データが入力される。
【0018】一つの結論について明瞭性の高い事象から
順番に選択され,選択された事象についてデータが入力
されるたびにその結論について明瞭性加算値にデータが
入力された事象の明瞭性を加算することにより加算値が
更新され,更新された明瞭性加算値が所定値に達したと
きにその結論についての事象の選択が終る。
【0019】可能性の高い結論から順番にその結論に関
係する事象が選択される。
【0020】データが入力されたのち,上記近似推論手
段によって再度近似推論が実行される。
【0021】
【発明の効果】この発明によると,不充分な入力データ
に基づく1回目の近似推論が終了したのち,相対的に高
い可能性をもつ結論について,明瞭性が相対的に高い事
象が選択され,この選択された事象についてのみデータ
が入力される。すべての事象データを入力しなくてもよ
いため効率がよく,短時間で結論を得ることができる。 これは,特に人間を介在させることなく通信インターフ
ェイス等を介して事象データが入力されるシステムに有
効である。
【0022】推論の結果,同じような可能性の結論が複
数ある場合において,これらの結論を識別することがで
きるような事象を選択し,その選択した事象についての
データを入力するように指示することにより,効率よく
明瞭性の高い結論を導き出せる。
【0023】専門家が,キーボード等で入力したのと同
等の明瞭性の結論を得ることができる。
【0024】さらに今までの通信インターフェイスから
の事象データ入力は,データの取込みのみの片側通信で
しかなかったが,この発明では選択事象についてのデー
タ入力要求という相互通信を行なうことにより,短時間
でデータを得ることができる。
【0025】
【実施例】(1) 近似推論装置の全体構成図1に近似
推論装置の全体構成の一例が示されている。 近似推論装置は,知識記憶装置11,知識合成装置12
,合成後知識記憶装置13,事象値入力装置14,適合
度演算装置15,動的情報量演算装置16,可能性演算
装置17,可能性表示装置18,静的情報量演算装置1
9,明瞭性演算装置20,明瞭性記憶装置21,明瞭性
加算装置22,明瞭性表示装置23,事象選択装置24
,最適事象表示装置25および通信インターフェイス装
置26から構成されている。
【0026】以下に,これらの装置について詳述する。
【0027】(2) 知識記憶装置 知識記憶装置11は,専門家等が入力した知識を,事象
と結論との関係を示す形式で記憶する装置である。この
装置は複数の専門家の知識を記憶することができる。
【0028】知識記憶装置11に記憶されている2名の
専門家ex1 ,ex2 の知識の例を規則の形式で以
下に示す。
【0029】専門家ex1 :
【数1】
【0030】専門家ex2 :
【数2】
【0031】f1,f2,fiは事象であり,これらを
それぞれ事象1,事象2,事象iと呼ぶことがある。事
象の添字iは1〜mの範囲の値をとる。c1,c2,c
jは結論であり,これらをそれぞれ結論1,結論2,結
論jと呼ぶことがある。結論の添字jは1〜nの範囲の
値をとる。
【0032】また,aij≦fi≦bijのように表わ
されたaij,bijをそれぞれ最小値,最大値と呼ぶ
【0033】上述の規則を,専門家ごとに表(テーブル
)の形式で表現すると次のようになる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】(3) 知識合成装置 知識合成装置12は,知識記憶装置11に記憶された複
数の専門家の知識を合成して,1つの知識にまとめる装
置である。
【0037】知識の合成方法は種々あるが,ここでは,
各結論に関与している各事象の最大値と最小値について
,複数の専門家の平均値と標準偏差を計算する。
【0038】上述した2名の専門家の事象f1から結論
c1を導く知識を例にとって知識合成処理について以下
に説明する。
【0039】上述の規則(式1,式4)から,事象1(
f1)から結論1(c1)を求める規則を抽出すると次
のように表わされる。
【0040】
【数3】専門家ex1 :if  20≦f1≦60 
 then  c1  …式7 専門家ex2 :if  30≦f1≦50  the
nc1  …式8
【0041】最小値の平均値mmin
 および最大値の平均値mmax が算出される。
【0042】
【数4】
【0043】最小値の標準偏差σmin および,最大
値の標準偏差σmax が算出される。
【0044】
【数5】
【0045】このような専門家の知識の合成演算を,上
述した規則(式1〜式6)について,各結論に関与して
いる各事象の最小値と最大値のすべてについて行なうと
,次のような表(テーブル)が得られる。
【0046】
【表3】
【0047】一般に,近似推論においては,事象に対し
てメンバーシップ関数が与えられる。ここでは,一例と
して,上述のようにして合成された専門家の知識を用い
てガウス分布によりメンバーシップ関数を求める方法に
ついて説明する。
【0048】最小値の平均値mmin ,最大値の平均
値mmax,最小値の標準偏差σmin ,最大値の標
準偏差σmax を用いて,メンバーシップ関数は次式
により表わされる。
【0049】
【数6】
【0050】ただし, である。
【0051】図2にガウス分布の一例を示す。このガウ
ス分布においてメンバーシップ関数の作成のために左半
分のみが使用される。Φ(x) =0.5におけるxの
位置はmmin またはmmax によって決定され,
傾きはσmin またはσmax によって決定される
【0052】一例として,事象f1から結論c1を求め
るためのメンバーシップ関数は,式9から式12により
算出した値を用いて図3(A)から図3(C)のように
して作成される。この場合,式13は次のようになる。
【0053】
【数7】
【0054】図3(A)は式13または式14の右辺第
1項を,図3(B)は式13または式14の右辺第2項
を,第3(C)図は上記第1項から第2項を減算した結
果,すなわち式13または式14で表わされるメンバー
シップ関数を表わしている。
【0055】表3に示す合成された知識に基づいて作成
された各事象f1,f2,fiについて,結論c1,c
2,cjを求めるためのメンバーシップ関数の例を,図
4(A),図4(B)および図4(C)に示す。
【0056】(4) 合成後知識記憶装置合成後知識記
憶装置13には,知識合成装置12によって算出された
平均値と標準偏差が,表3のような形式で記憶される。 知識の合成は推論の都度行なう必要はないため,このよ
うにあらかじめ計算した結果を記憶しておく。そして推
論の都度この記憶装置13内の値を読み出して使用する
ことによって推論処理の高速化を図ることができる。
【0057】(5) 事象値入力装置 事象値入力装置14はキーボード,通信インターフェイ
ス装置,メモリ,ファイルなどから,事象ごとに入力さ
れる入力データを読み込む装置である。入力されたデー
タは適合度演算装置15に与えられるとともに,各事象
のデータが入力されたかどうかの情報が明瞭性加算装置
22に与えられる。事象値は確定値のみならず言語値や
メンバーシップ関数で与えてもよい。
【0058】(6) 適合度演算装置 適合度演算装置15は,事象値入力装置14から入力さ
れたデータの各メンバーシップ関数(または結論)に対
する適合度を算出するものである。具体的には適合度は
,入力データが確定値の場合には式13の右辺の変数x
として入力データを代入することによりΦ(x) とし
て求められる。もちろんこのような演算式を必ずしも用
いなくてもよい。入力データが言語値やメンバーシップ
関数の場合には,たとえばMIN−MAX を用いて適
合度が算出されよう。
【0059】(7) 動的情報量演算装置と静的情報量
演算装置 事象f1の事象値(入力データ)をx1,事象f2の事
象値をx2,事象fiの事象値をxiとする。これらの
データは事象値入力装置14から入力される。
【0060】図5(A)および図5(B)に示すように
各適合度m11,m12, m1j, m21,m22
, m2jを次のように定める。
【0061】   m11:入力データx1の結論c1のメンバーシッ
プ関数に対する適合度  m12:入力データx1の結
論c2のメンバーシップ関数に対する適合度  m1j
:入力データx1の結論cjのメンバーシップ関数に対
する適合度  m21:入力データx2の結論c1のメ
ンバーシップ関数に対する適合度  m22:入力デー
タx2の結論c2のメンバーシップ関数に対する適合度
  m2j:入力データx2の結論cjのメンバーシッ
プ関数に対する適合度
【0062】一般に,図5(C)
に示すように,適合度mijを入力データ(事象値)x
iの結論cjのメンバーシップ関数に対する適合度とす
る。
【0063】これらの適合度は入力データx1,x2,
xiが与えられたときに適合度演算装置15によって算
出される。
【0064】ここでファジィ・エントロピという概念を
考える。
【0065】入力xiが与えられたときのファジィ・エ
ントロピEfiを次のように定義する。
【0066】
【数8】
【0067】ここで
【数9】
【0068】このファジィ・エントロピは,情報識別能
力の指標の一種で,入力データxiを与えたときに,結
論が明確に識別できるほど小さい値となり,結論があい
まいにしか識別できないほど大きい値となる。
【0069】ファジィ・エントロピEf の取り得る値
の範囲は以下に示すものとなる。
【0070】
【数10】0≦Ef ≦log(n) n:事象上の結論数
【0071】次に,このファジィ・エントロピEfiを
使用して,入力データxiが与えられたときの動的情報
量IfiD (xi)を求める。ここで,動的情報量I
fiD (xi)とは,推論を行なうときにおける結論
を確定するための事象の識別能力である。
【0072】そこで,事象fiについての動的情報量I
fiD (xi)を,最大ファジィ・エントロピから,
入力データxiが与えられたときのファジィ・エントロ
ピEfiを引いたものと定義する。
【0073】
【数11】
【0074】入力データxiが与えられなかった事象f
iの動的情報量は零となる。
【0075】動的情報量演算装置16は,適合度演算装
置15で得られた適合度を用いて,式17にしたがって
事象ごとに動的情報量を算出する。
【0076】動的情報量は上述のように入力データxi
に依存する。これに対して,静的情報量は入力データに
依存しないものであって,最大ファジィ・エントロピか
ら,事象のレンジ幅の中のファジィ・エントロピの平均
を引いたものを,事象全体の静的情報量とする。事象i
についての静的情報量は次式で与えられる。
【0077】
【数12】
【0078】ここで,
【数13】 mij(xik ):事象fiについての入力データx
ik の結論cjのメンバーシップ関数に対する適合度
【0079】静的情報量を求めるときには,図4(C)
に示すように,事象fiのレンジ幅xi1 〜xip 
をδ間隔で(p−1)個に分割している。式18のk=
1〜pについての加算は各xik についてファジィ・
エントロピを計算してそれらの平均を求める演算を表わ
している。
【0080】式18および式19から分るように,事象
のメンバーシップ関数間の重なりが大きいほど,事象の
静的情報量は小さく,事象のメンバーシップ関数間の重
なりが小さいほど,事象の静的情報量は大きい。つまり
,静的情報量は,事象のメンバーシップ関数が結論を識
別する能力を示している。
【0081】静的情報量演算装置19は,合成された知
識により得られるメンバーシップ関数から,上述した式
18および式19にしたがって,事象ごとに,静的情報
量を演算して記憶する。静的情報量は入力データには依
存しないので,1回のみ算出されればよい。
【0082】(8) 可能性演算装置 各結論ごとに,その結論に関与する事象の情報量の総和
が1になり,かつそれらの事象の情報量の相対強度は変
化しないような事象の情報量を算出する。この算出した
情報量を重みという。
【0083】たとえば上述した動的情報量を用いると事
象fiごとの重みwiは次のようになる。
【0084】
【数14】
【0085】次に,これらの重みと適合度との積を計算
し,それを結論ごとに合計したものを,各結論cjの可
能性Prj として算出する。
【0086】たとえば上記の例では
【数15】
【0087】可能性演算装置17は上述した演算を行な
い結論ごとの可能性を算出する。
【0088】(9) 可能性表示装置 この可能性表示装置18は,可能性演算装置17で算出
された可能性を結論ごとに表示するものである。この可
能性の表示は,すべての結論について表示するようにし
てもよいし,可能性が高い結論を1個または複数個表示
するものでもよい。また,通信によって可能性を他の装
置に伝送したり,可能性をメモリやファイルに記憶して
もよい。
【0089】(10)明瞭性演算装置 明瞭性演算装置20は,各結論ごとに,各事象の明瞭性
を演算する装置である。ここで,各結論ごとの各事象の
明瞭性とは,ある結論の可能性を評価するときの各事象
の相対的な識別能力を示すものである。したがって,こ
の明瞭性により,ある結論を確定するための,複数の事
象の識別能力を比較することができ,どの事象が高い識
別能力を持っているか(多くの情報量を持っているか)
が分る。
【0090】結論ごとの各事象の明瞭性は次式により求
められる。
【0091】
【数16】
【0092】ただし,
【数17】
【0093】すなわち,   事象fiに結論cjのメンバーシップ関数が存在す
ればAij>0  事象fiに結論cjのメンバーシッ
プ関数が存在しなければAij=0
【0094】結論ご
との各事象の明瞭性を表わす式22の分母は,結論cj
のメンバーシップ関数が存在する事象fiについてのみ
その静的情報量IfiS の総和をとるものである。
【0095】明瞭性は静的情報量を式22によって正規
化したものであるので,相対的な識別能力が直観的に分
りやすくなっている。
【0096】このようにして,明瞭性演算装置20にお
いて,各結論ごとに各事象の明瞭性が算出される。
【0097】(11)明瞭性記憶装置 明瞭性記憶装置21は,明瞭性演算装置20で算出され
た各結論ごとの各事象の明瞭性を記憶する装置である。 明瞭性の演算は,推論のたびに行なう必要はない。そこ
で,知識を合成したときに算出した明瞭性を明瞭性記憶
装置21に記憶しておき,推論を行なうたびに明瞭性記
憶装置21に記憶している値を読み出すようにする。こ
れにより,推論処理の高速化が図れる。
【0098】(12)明瞭性加算装置 明瞭性加算装置22は,データが実際に入力された事象
の明瞭性(明瞭性加算値)を結論ごとに演算する装置で
ある。ここでは,実際に行なわれる推論のために,デー
タが入力された事象の明瞭性の結論ごとの総和をとる。 この明瞭性の総和は,推論結果の明瞭性を示す。この明
瞭性加算値が高いほど,推論結果(結論)を導くための
情報量が多いといえる。したがって明瞭性加算値は推論
結果自体の信頼性を判断する指標に使用することができ
る。
【0099】推論結果に対する(すなわち,結論ごとの
)明瞭性加算値は次式にしたがって算出される。
【0100】
【数18】
【0101】ただし,式24において入力データxiが
与えられなかった事象fiの明瞭性Clijは0として
取扱う。 すなわち,入力データxiが与えられた事象の明瞭性C
lijについてのみ式24の加算が行なわれる。
【0102】推論結果の明瞭性加算値Clj のとり得
る範囲は,
【数19】0.0 ≦Clj ≦1.0である。つまり
,推論を行なう前に与えられた知識の中で,ある結論を
導くために使用することができる事象のすべてについて
データを入力して推論を行なった場合,その結論の明瞭
性加算値は1.0 になる。また,ある結論を導くため
に使用することができる事象の中で,一部の事象のみに
ついて,データを入力した場合,明瞭性加算値は0.0
 から1.0 の間の値となる。このとき,使用するこ
とができる事象の中で,明瞭性の高い事象を多く使用す
れば,結論の明瞭性も高くなり,信頼性が高い推論結果
が得られると言える。
【0103】(13)明瞭性表示装置 明瞭性表示装置23は,明瞭性加算装置22で算出した
推論結果(一例として上述した可能性)に対する明瞭性
加算値を表示する装置である。明瞭性加算値は推論結果
と共に表示してもよいし,また明瞭性加算値を他の装置
に伝送したり,メモリやファイルへ記憶するようにして
もよい。
【0104】この明瞭性加算値の表示は,推論結果の全
ての結論について表示する。したがって結論が複数存在
する場合には,それぞれの結論に対応する明瞭性加算値
が表示される。
【0105】このようにして,データが入力されるたび
に,入力されたデータが属する事象の情報量を演算し,
推論結果に対する明瞭性加算値を表示することにより,
推論結果に対する信頼性をユーザが判断できるようにな
る。
【0106】(14)事象選択装置,最適事象表示装置
および通信インターフェイス装置 いくつかの事象についてデータが入力され,これらのデ
ータを用いて近似推論が行なわれる。得られた結論ごと
の可能性,結論ごとの明瞭性加算値がそれぞれ表示装置
18,23に表示される。
【0107】入力データの数が少なければ得られる結論
の可能性も明瞭性加算値も,一般にはそれほど高くない
。低い値の可能性および明瞭性加算値では正しい結論が
どれであるかを判断することができない。
【0108】このような場合には事象データをさらに追
加して入力する必要があるが,任意の事象データを入力
しても高い値の結論の可能性,明瞭性加算値が得られる
とは限らない。
【0109】事象選択装置24はより高い値の可能性,
明瞭性加算値が得られる事象を選択するものである。こ
の事象選択装置24には,可能性演算装置17で得られ
ている結論ごとの可能性Prj ,明瞭性記憶装置21
に記憶されている明瞭性Clijならびに明瞭性加算装
置22で加算された明瞭性加算値Clj および入力デ
ータが与えられた(または与えられない)事象に関する
情報が与えられる(図7ステップ31)。
【0110】事象選択装置24は与えられた結論の可能
性Prj について,その値の相対的に高いものを所定
数個(たとえば10個)抽出し,それらを値の高いもの
から順に配列する(ステップ32)。図6において結論
c3についての可能性Pr3 が最も高く,Pr5 ,
Pr2 の順に高いものとする。これらの可能性に対応
して明瞭性加算値Cl3 ,Cl5 ,Cl2 を配列
する。
【0111】次に事象選択装置24は,結論ごとに,入
力データが入力されていない事象の明瞭性Clijの中
から明瞭性の値の相対的に高いものを所定数個(たとえ
ば10個)抽出し,それらを値の高いものから順に配列
する(ステップ33)。たとえば,図6において結論c
3についてはCl23,Cl63の順になっている。
【0112】そして,まず最も可能性の高い結論につい
て,最も高い明瞭性をもつ事象が選択され,出力される
(ステップ34)。この選択された事象は最適事象表示
装置35に表示される,および/または通信インターフ
ェイス26から外部のコントローラ,コンピュータ,電
話機等に送信される。表示装置25に表示された事象を
みて人間はその事象についての入力データを事象値入力
装置14から入力する。または通信インターフェイス2
6を介して送られる事象を表わす情報とデータ入力コマ
ンドに応答して外部機器からその事象のデータが送信さ
れ,インターフェイス26を介して入力装置14に入力
される(ステップ35)。
【0113】データが入力されると,当該結論について
,明瞭性加算装置22において,その入力されたデータ
の事象の明瞭性が明瞭性加算値に加算されて明瞭性加算
値が更新される(ステップ36)。この明瞭性加算値が
所定値に達するまで,明瞭性の高い順に事象が選択され
,選択された事象データの入力と明瞭性加算とが繰返さ
れる(ステップ37)。
【0114】明瞭性加算値が所定値に達するとその結論
についてのデータ入力は終る。表示装置25には当該結
論についてデータ入力がもはや不要である旨が表示され
,通信インターフェイス26を介してデータ入力を終了
するよう外部機器に通知される。
【0115】続いて,その次に可能性の高い結論が選択
され(ステップ38),同じようにしてデータ入力が行
なわれる。
【0116】あらかじめ抽出された個数の結論について
上記の処理が終了すると(ステップ39),事象選択装
置24による処理は終る。
【0117】この後,入力されたデータを用いて再び近
似推論が行なわれ,各結論についての可能性が演算され
る。
【0118】再度の近似推論処理によってもまだ充分に
高い可能性をもつ結論が得られない場合には,事象選択
装置24による処理およびデータ入力が再び行なわれ,
その後3度目の近似推論が行なわれる。充分に高い可能
性をもつ結論が得られるまで上記処理を繰返してもよい
【0119】以上のようにして,可能性が相対的に高い
結論に関係する事象の明瞭性の高いもの(データがまた
入力されていないもの)を選択し,ユーザまたは通信イ
ンターフェイスにより,明瞭性の高い事象のデータから
順番に入力するように指導することにより事象データ入
力数が少なくても効率よく明瞭性の高い結論を得ること
ができる。また,同じような可能性が複数ある場合には
,可能性が同じようなかつ相対的に高い結論の中から,
結論を識別できる事象を選択することができる。
【0120】表示装置25には結論ごとに入力すべき事
象の一覧を表示してもよいし,図6に示すような一覧を
表示してもよい。
【0121】上述した各装置11〜26はメモリおよび
表示装置を含むコンピュータによって実現できるのはい
うまでもない。たとえば知識合成装置12,各種演算装
置15,16,17,19,20,22,24,26は
プログラムにしたがって動作するCPUによって好適に
実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】近似推論装置の全体構成の一例を示すブロック
図である。
【図2】ガウス分布を示すグラフである。
【図3】メンバーシップ関数が形成される様子を示すグ
ラフである。
【図4】各事象ごとに得られたメンバーシップ関数を示
すグラフである。
【図5】適合度を求める様子を示すグラフである。
【図6】事象選択装置が作成するテーブルを示す。
【図7】事象選択装置の動作を示すフロー・チャートで
ある。
【符号の説明】
11  知識記憶装置 12  知識合成装置 13  合成後知識記憶装置 14  事象値入力装置 15  適合度演算装置 16  動的情報量演算装置 17  可能性演算装置 18  可能性表示装置 19  静的情報量演算装置 20  明瞭性演算装置 21  明瞭性記憶装置 22  明瞭性加算装置 23  明瞭性表示装置 24  事象選択装置 25  最適事象表示装置 26  通信インターフェイス装置

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  入力データを,あらかじめ設定されて
    いる事象と結論との関係を表わす知識にあてはめること
    により結論の可能性を演算する近似推論手段,上記知識
    を用いて,結論ごとに各事象の明瞭性を演算する明瞭性
    演算手段,上記明瞭性演算手段から得られる明瞭性を用
    いて,実際にデータが入力された事象の明瞭性を加算し
    て結論ごとの明瞭性加算値を演算する加算手段,および
    上記近似推論手段による近似推論の結果得られた可能性
    の高い結論について,その結論に関係する事象であって
    まだデータが入力されていないもののうち明瞭性の高い
    ものを選択する事象選択手段,を備えた近似推論装置。
  2. 【請求項2】  上記事象選択手段によって選択された
    事象を表示する表示手段をさらに備えている請求項1に
    記載の近似推論装置。
  3. 【請求項3】  上記事象選択手段によって選択された
    事象を表わす情報を送信する通信手段をさらに備えてい
    る請求項1に記載の近似推論装置。
  4. 【請求項4】  上記事象選択手段によって選択された
    事象についての入力データを入力する入力手段をさらに
    備えている請求項1に記載の近似推論装置。
  5. 【請求項5】  上記事象選択手段は,一つの結論につ
    いて明瞭性の高い事象から順番に選択する,請求項1に
    記載の近似推論装置。
  6. 【請求項6】  上記事象選択手段は,一つの結論につ
    いて明瞭性の高い事象から順番に選択し,上記加算手段
    は選択された事象についてデータが入力されるたびにそ
    の結論について明瞭性加算値にデータが入力された事象
    の明瞭性を加算することにより加算値を更新する,請求
    項1に記載の近似推論装置。
  7. 【請求項7】  上記選択手段は上記更新された明瞭性
    加算値が所定値に達したときにその結論についての事象
    の選択を止める,請求項6に記載の近似推論装置。
  8. 【請求項8】  上記選択手段は可能性の高い結論から
    順番にその結論に関係する事象を選択する,請求項1に
    記載の近似推論装置。
  9. 【請求項9】  入力データを,あらかじめ設定されて
    いる事象と結論との関係を表わす知識にあてはめること
    により結論の可能性を演算する近似推論手段,および上
    記知識を用いて,結論ごとに各事象の明瞭性を演算する
    明瞭性演算手段を備えた近似推論装置において,事象に
    ついてのデータが一旦入力されたときに,上記近似推論
    手段によって結論の可能性を演算するとともに,上記明
    瞭性演算手段から得られる明瞭性を用いて,実際にデー
    タが入力された事象の明瞭性を加算して結論ごとの明瞭
    性加算値を演算し,その後,上記近似推論手段による近
    似推論の結果得られた可能性の高い結論について,その
    結論に関係する事象であってまだデータが入力されてい
    ないもののうち明瞭性の高いものを選択する,近似推論
    装置の動作方法。
  10. 【請求項10】  選択された事象を表示装置に表示す
    る請求項9に記載の近似推論装置の動作方法。
  11. 【請求項11】  選択された事象を表わす情報を送信
    し,その事象についてのデータの入力を要求する請求項
    9に記載の近似推論装置の動作方法。
  12. 【請求項12】  選択された事象についての入力デー
    タを入力する請求項9に記載の近似推論装置の動作方法
  13. 【請求項13】  データが入力されたのち,上記近似
    推論手段に再度近似推論を実行させる,請求項9に記載
    の近似推論装置の動作方法。
  14. 【請求項14】  一つの結論について明瞭性の高い事
    象から順番に選択し,選択された事象についてデータが
    入力されるたびにその結論について明瞭性加算値にデー
    タが入力された事象の明瞭性を加算することにより加算
    値を更新し,更新された明瞭性加算値が所定値に達した
    ときにその結論についての事象の選択を止める,請求項
    9に記載の近似推論装置の動作方法。
  15. 【請求項15】  可能性の高い結論から順番にその結
    論に関係する事象を選択する,請求項9に記載の近似推
    論装置の動作方法。
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