JPH043154B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はカラーテレビ受像機に用いられて再
生カラー画像の肌色の誤差を自動的に補正する周
波数選択回路に関する。換言すれば、この回路は
補正回路網からの出力基準信号を濾波して無用の
周波数成分を減衰させ、この濾波された基準信号
を適正なタイミングと適当な振幅および位相対周
波数応答で受像機の色復調器に供給する。

〔従来の技術〕

例えば受信したカラーテレビジヨン信号から画
像を再生する過程で、送信された色基準搬送波と
色画像表示（クロミナンス）信号との間の位相関
係が、受像機の周辺条件や切換えチヤンネルのよ
うな種々の因子によつて変わることがあることが
知られているが、この変化によつて再生カラー画
像の色相に誤差が生じ、そのカラー画像が肌色
（すなわちオレンジまたは「＋Ｉ」の位相領域の
信号によつて表わされる色合）を含むとき特に視
聴者に目障りになる。

カラーテレビ受像機の自動肌色補正を行うため
多数の方式が利用されているが、その１つの米国
特許第3996608号明細書に記載されている。この
方式では肌色位相の公称範囲内の位相を持つもの
として感知されたクロミナンス信号の位相に向か
つて位相修正された連続波の出力基準信号が動的
肌色制御回路網から供給され、この基準信号がそ
の後移相されて互いに直角位相の基準信号とな
り、受像機のＩおよびＱ復調器に印加されて公知
のように色差信号Ｒ−Ｙ、Ｇ−Ｙ、Ｂ−Ｙが引き
出される。

この形式の動的制御方式では、肌色制御回路網
からの基準信号がしばしば3.58MHzの色副搬送波
周波数の高調波や比較的低い周波数で変化する直
流成分のような無用の信号成分を含み、Ｉおよび
Ｑ復調器に印加されたクロミナンス信号を正しく
復調するにはこれらの無用成分を減衰させる必要
がある。また復調器の適正動作の条件として、Ｉ
およびＱ復調器に印加される基準信号がクロミナ
ンス信号に対する適正なタイミングと適正な相互
位相差を示すことも必要である。

〔発明の目的〕

この発明は、色副搬送波周波数の高調波や直流
成分のような無用で、復調器の適正な動作を妨げ
る信号成分を除去し、且つ、そのための手段が簡
単な構造であつて、さらに適正な位相関係の基準
信号でもつて復調することができ、肌色の誤差が
修正された適正なカラー画像を再生することがで
きるカラー復調装置を得ることを目的とする。

〔発明の開示〕

以上の条件はこの発明による周波数選択信号伝
送回路網により充足される。この回路は簡単安価
であり、精密公差の部品を必要とせず、その上受
像機関の整合を要しないため受像機の製造が容易
になる。

この発明による装置は、クロミナンス信号成分
と基準副搬送波成分とを含むカラーテレビジヨン
信号の復調装置で使用される。この発明の装置
は、上記カラーテレビジヨン信号中に含まれるク
ロミナンス信号成分が供給される第１の入力と、
復調用基準信号が供給される第２の入力とを有す
るクロミナンス信号復調手段（例えば６２，６
４）と、上記基準副搬送波成分の周波数を有し、
該基準副搬送波成分から生成された基準発振信号
と上記クロミナンス信号成分とが供給され、上記
クロミナンス信号成分の位相が肌色を表わす位相
の公称位相範囲内にあるとき上記基準発振信号の
位相をこのクロミナンス信号成分の位相と一致す
る方向に修正して、上記基準副搬送波成分の周波
数を有する上記位相修正された基準発振信号を出
力に発生する位相制御手段（例えば３８）と、上
記位相制御手段の出力と上記復調手段の第２の入
力との間に結合された帯域通過濾波器（例えば７
５）とを具備している。この帯域通過濾波器は、
上記位相制御手段の出力と上記復調手段の第２の
入力との間に直列に配列された直列共振LCリア
クテイブ回路網からなる１個だけの同調回路によ
つて構成されている。上記の位相修正された基準
発振信号中には、上記基準副搬送波成分の周波数
（3.58MHz）の成分の他にその周波数の高調波成
分を含む不要高周波成分が含まれており、そのた
め上記濾波器は上記高調波成分を含む上記不要高
周波成分を減衰させるように同調されている。

また、上記帯域通過濾波器は上記復調用基準信
号に所定の移相を施し、濾波後の基準信号が復調
器の入力のクロミナンス信号と適当なタイミング
の同期を示すようにする。

〔発明の実施例〕

第１図において、受信されたカラーテレビジヨ
ン信号から引き出されたクロミナンス信号の信号
源２０はクロミナンス信号を信号処理集積回路２
２の外部入力端子１に供給する。この例ではその
集積回路がアール・シー・エー社（RCAcorp.）
製の集積回路CA3151型に相当する。クロミナン
ス信号はさらにこの例では増幅段、サンプリング
回路網、自動色制御（ACC）回路、自動周波数
位相制御（AFPC）回路およびその関連回路を含
むクロミナンス処理部２５で処理される。

クロミナンス処理部２５の出力信号は普通放送
用カラーテレビジヨン信号に含まれているバース
ト基準成分から連続波出力基準信号を再生するよ
うに構成された電圧制御色基準発振器（VCO）
３１（例えば米国特許第4020500号明細書記載の
形式）に供給される。このVCO３１の出力信号
はクロミナンス処理部２５内のサンプリング検波
回路に入力として印加され、この回路はその発振
信号の位相および周波数を監視してこれをバース
ト成分のそれに固定する適当な制御信号を発生す
る。

VCO３１の他の出力は色合（色相）制御部３
６（例えば米国特許第4051512号明細書開示の形
式）に印加され、色合制御部３６は電子的または
手動的に例えばポテンシヨメータ型の摺動抵抗に
よつて調節され、発振基準信号を移相して再生画
像の色相を変化させる。この色合制御部３６の基
準信号出力は動的肌色制御部３８の一方の入力に
印加される。動的肌色制御部３８の他方の入力に
はクロミナンス増幅器２８の出力から端子６、交
流結合回路網４１、端子１３を介して増幅された
クロミナンス信号が供給される。

動的肌色制御部３８の主要素子を第２図に示
す。第２図においてクロミナンス増幅器２８から
のクロミナンス信号は、Ｉ軸位相検波器１１６の
一方の入力とクロミナンス信号制限増幅器１２２
とに供給される。クロミナンス信号制限増幅器１
２２の制限されたクロミナンス信号出力は変調器
１２６の一方の入力に供給される。Ｉ軸位相検波
器１１６の他方の入力には色合制御部３６から基
準搬送波出力信号が供給される。印加されたクロ
ミナンス信号と基準搬送波信号の積であるＩ軸位
相検波器１１６の出力は変調器１２６の他方の入
力に印加されて振幅制限されたクロミナンス信号
の振幅を選択的に変え、これを信号組合せ回路網
１２８の入力に印加する。信号制限器１１８の出
力の振幅制限された搬送波基準信号は組合せ回路
網１２８の入力に印加され、ここで変調器１２６
からの振幅制限されたクロミナンス信号の選ばれ
た部分とベクトル的に組合される。この信号組合
せ回路網１２８の出力に得られた位相補正された
搬送波基準信号は出力緩衝器４４（第１図）に供
給される。

動的肌色制御部３８は色合制御部３６（第１
図）がある時点で肌色を正当に出すように（例え
ば図示されない視聴者の調節し得るポテンシヨメ
ータ型の摺動抵抗により）調節されるという前提
で動作する。するとＩ復調器６２が動作するのと
同じ位相軸に沿つてクロミナンス信号の特性を検
知するように構成されたＩ軸位相検波器１１６は
肌色クロミナンス信号の有無を検知するように合
わされる。この場合、Ｉ軸位相検波器１１６は印
加されたクロミナンス信号と副搬送波信号を乗じ
て、印加クロミナンス信号がＩ位相軸と一致した
とき最大出力を発生し、クロミナンス信号がＩ軸
から離れるに従つて低下する出力を発生する。こ
のようにしてＩ軸位相検波器１１６はクロミナン
ス増幅器２８から供給されるクロミナンス信号が
肌色の近傍にあるとき変調器１２６の伝達特性を
制御し、Ｉ基準位相搬送波とクロミナンス信号の
間の位相ずれの量に従つてクロミナンス信号制限
増幅器１２２の振幅制限されたクロミナンス信号
出力の通過量を加減する。これによつて得られる
振幅制限されたクロミナンス信号の制御部分は信
号組合せ回路網１２８で制限された基準副搬送波
信号と組合わされて、位相が肌色の近傍にあるそ
のときのクロミナンス信号の位相に近づく方向に
移動した新しい基準搬送波を生成する。この新し
い基準搬送波信号の位相は、肌色軸の近傍にある
そのときのクロミナンス信号の位相と実質的に一
致し、所望の肌色軸について復調が行われ、好ま
しい肌色が再生されることになる。動的肌色制御
部３８の動作に関する詳細は前記の米国特許第
3996608号明細書に開示されている。

第１図に戻り、動的肌色制御部３８の出力信号
は出力緩衝器４４を介して低インピーダンスで供
給される。出力緩衝器４４はエミツタホロワトラ
ンジスタを含み、これが動的肌色制御部３８から
の信号をその緩衝トランジスタの低インピーダン
スエミツタ出力を介して集積回路の出力端子１５
に供給する。端子１５に結合された抵抗７２はそ
の緩衝トランジスタ用のエミツタ負荷インピーダ
ンスを構成する。端子１５の基準信号は外部端子
１５，１２，１１に結合された周波数選択回路網
７５により処理された後、クロミナンス増幅器２
８から端子１３を介して供給される復調すべき入
力クロミナンス信号と共に、Ｉ復調器６２とＱ復
調器６４に基準入力信号として供給される。

２つの復調器６２，６４からの復調クロミナン
ス信号はマトリツクス７０で組合されて色差信号
Ｒ−Ｙ，Ｇ−Ｙ，Ｂ−Ｙとなる。この色差信号は
端子８，９，１０に生成し、さらに処理され、テ
レビジヨン信号の輝度成分と組合されて受像機
（図示せず）のカラー映像管に供給する色画像表
示信号Ｒ，Ｇ，Ｂを生成する。第１図の回路にお
ける信号処理機能は交流結合回路網４１、周波数
選択回路網７５を除いてすべて集積回路２２に含
まれている。

動的肌色制御部３８から出力緩衝器４４を経て
端子１５に供給される基準信号出力がクロミナン
ス増幅器２８からＩ復調器６２、Ｑ復調器６４に
印加されるクロミナンス信号に対して遅相を示す
ことが認められるが、この遅相量は25°程度であ
つて、それは動的肌色制御部３８内の寄生キヤパ
シタンスにより生じ得る信号処理の遅延によるも
のである。周波数選択回路網７５は、後述のよう
にこの遅延を補償して、Ｉ復調器６２に供給され
る復調用基準信号の位相を前述の新しい基準副搬
送波の位相になるように修正し、またＱ復調器６
４に供給される復調用基準信号の位相がＩ復調器
６２に供給される基準信号の位相から90°移相さ
れるように構成されている。

また端子１５に生ずる基準信号は動的肌色制御
部３８のスイツチング制御動作に従つて幅と振幅
が変わるパルスの形をとることが判るが、これを
色復調器に印加する前に3.58MHzの副搬送波周波
数の実質的正弦波形に回復する必要がある。これ
には端子１５に生ずる信号中の3.58MHz副搬送波
周波数の高調波を含む高周波スイツチング成分を
減衰させて、色復調器内の各回路のスイツチング
動作のタイミングを適正にする必要がある。また
端子１５の基準信号の直流レベルの低周波数変化
（例えば500KHz以下）を抑圧することが望まし
い。この変化は一般に大画像面積のクロミナンス
信号変化を伴う。以上の要件は端子１５と端子１
２，１１の間に結合された周波数選択回路網７５
によつて満足される。

周波数選択回路網７５は入力帯域通過濾波回路
網７５ａとこれに続く直角（90°）移相回路網７
５ｂとから成る。

濾波回路網７５ａは端子１５，１２間の信号路
に直列に挿入された誘導子８０とコンデンサ８２
を含む単同調固定アライメント直列共振LCリア
クテイブ回路網より成り、コンデンサ８２はまた
端子１５，１２間の直流絶縁を行つている。周波
数選択回路網７５内に設けられた濾波回路網７５
ａは約３のＱ値を呈し、3.58MHz副搬送波周波数
より高い約4MHzに同調されている。この濾波回
路網７５ａを3.58MHzの基準化信号の基本周波数
以上に同調すると、端子１５から供給される信号
に対して端子１２に生成する信号に約25°の進相
を与える働きがある。この進相は前述の動的肌色
制御部３８内の寄生キヤパシタンスにより信号に
与えられる約25°の遅延を補償し、各色復調器に
印加されるクロミナンス信号と基準信号との間に
適正な位相関係を確立することができる。

濾波回路網７５ａの濾波作用はまた前述の低周
波数変化と共に、動的肌色制御部３８のスイツチ
ング作用による無用の高周波数（高調波）成分を
減衰させ、濾波された信号は実質的に正弦波で、
端子１２を介してＩ復調器６２の基準信号入力に
供給される。

直角移相回路網７５ｂは濾波回路網７５ａから
の3.58MHzの信号を約90°移相し、端子１１，１
２に生じる信号がＩ、Ｑの各復調器６２，６４へ
の印加に適する相互位相関係を呈するようにす
る。この直角移相回路網７５ｂは3.58MHzに同調
され、約１のＱ値を示し、図示のように配置され
た誘導子９０、抵抗９２およびコンデンサ９６を
含む直列共振回路と端子１１，１２に付随する寄
生キヤパシタンスとから成つている。

端子１１，１２に生ずる信号に対する周波数選
択回路網７５の振幅対周波数伝達関数を第３ａ図
に、位相対周波数伝達関数を第３ｂ図に示す。第
３ａ図から判るように3.58MHzに対する3.08MHz
と4.08MHzの振幅応答は端子１２において約−
2.0dBおよび＋0.6dB、端子１１において約−
1.0dBおよび−0.5dBであり、3.58MHzを中心とす
る周波数範囲3.08MHz乃至4.08MHzの第２高調波
周波数範囲4.16MHz乃至8.16MHzにおける振幅応
答は、3.58MHzにおける振幅応答を基準として、
端子１１において約−2.0dB乃至約−3.8dBであ
り、端子１２において約−10.5dB乃至−17.5dB
であり、第２高調波成分を復調動作上充分な程度
に減衰させることができる。また、第３ｂ図から
明らかなように、端子１１，１２間の位相差は
3.58MHzで約90°で、Ｑ復調器６４に対してＩ不
調器６２に供給される3.58MHzの基準信号の位相
から90°移相した所望の位相をもつた3.58MHzの
復調用基準副搬送波信号を供給することができ
る。なお、移相回路網７５ｂは実質的に70ナノ秒
の遅延を与えるものであり、１周期が280ナノ秒
の3.58MHzの信号に対しては上記のように90°（＝
360°×70／280）の遅相を与え、１周期が325ナノ
秒の3.08MHzの信号に対しては約75°の遅相を与
え、１周期の245ナノ秒の4.08MHzの信号に対し
ては約100°の遅相を与える。

以上の振幅および位相応答は色復調器６２，６
４が必要とする入力信号の振幅および位相条件に
近似している。第３ａ図の振幅対周波数応答は
3.58MHz色副搬送波周波数の第２高調波（7.2M
Hz）または第３高調波（10.7MHz）の近傍にピー
ク振幅応答を示さないという利点がある。もしこ
のようなピークがあると、（例えば部品の公差の
効果による）周波数選択回路網７５の僅かの離調
がその周波数の基準信号の高調波の減衰を妨げる
ことがある。

第１図に示すような２形式の周波数選択回路網
７５は予想可能の動作を示し、調節ができて極め
て温度安定性がよい高精度素子のような比較的大
型で高価な素子を要しない。各受像機間の時間の
かかるアライメントは必要なく、受像機の製造に
おける回路の自動組立および試験が容易になる。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、単一周波数
のみに同調する簡単な構造の単同調回路からなる
帯域通過濾波器を使用して、例えば3.58MHzの基
準信号の高調波成分を含む不要な高周波成分を充
分に減衰させると共に、上記基準信号の遅相を修
正して、適正なタイミングと位相をもつてＩ、Ｑ
の各復調器に供給することができるから、肌色誤
差が修正された適正なカラー画像を再生すること
ができるという効果がある。また、この発明によ
れば、上記単同調回路を構成する回路素子の特性
に多少のばらつきがあつても、上記基準信号の高
調波成分を含む高周波成分を充分に減衰させるこ
とができ、常に安定した適正な復調動作を行わせ
ることができるという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による自動肌色制御回路とそ
の関連信号処理回路を含むカラーテレビ受像機の
一部を示す部分ブロツク回路図、第２図は第１図
の自動肌色制御回路のブロツク図、第３ａ図およ
び第３ｂ図は第１図の信号処理回路の周波数応答
特性を示す図である。 ３８……位相制御手段、６２，６４……クロミ
ナンス信号復調手段、７５……帯域通過濾波器、
７５ａ……単同調直列共振帯域濾波手段、７５ｂ
……直角位相回路網。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ クロミナンス信号成分と基準副搬送波成分と
   を含むカラーテレビジヨン信号のカラー復調装置
   であつて、 上記カラーテレビジヨン信号中に含まれるクロ
   ミナンス信号成分が供給される第１の入力と、復
   調用基準信号が供給される第２の入力とを有する
   クロミナンス信号復調手段と、 上記基準副搬送波成分の周波数を有し、該基準
   副搬送波成分から生成された基準発振信号と上記
   クロミナンス信号成分とが供給され、上記クロミ
   ナンス信号成分の位相が肌色を表わす位相の公称
   位相範囲内にあるとき上記基準発振信号の位相を
   このクロミナンス信号成分の位相と一致する方向
   に修正して、上記基準副搬送波成分の周波数を有
   する上記位相修正された基準発振信号を出力に発
   生する位相制御手段と、 上記位相制御手段の出力と上記復調手段の第２
   の入力との間に結合された帯域通過濾波器とから
   なり、 上記帯域通過濾波器は、上記位相制御手段の出
   力と上記復調手段の第２の入力との間に直列に配
   列された直列共振LCリアクテイブ回路網からな
   る１個だけの同調回路であつて、かつ上記基準副
   搬送波成分の周波数の成分以外のその周波数の高
   調波成分を含む不要高周波成分を減衰させると共
   に、上記位相制御手段での遅相分に相当する大き
   さだけ進相させる周波数に同調されている、自動
   肌色補正回路を具えたカラー復調装置。