JPH04315083A - 自動車用障害物検知装置 - Google Patents

自動車用障害物検知装置

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Publication number
JPH04315083A
JPH04315083A JP3080196A JP8019691A JPH04315083A JP H04315083 A JPH04315083 A JP H04315083A JP 3080196 A JP3080196 A JP 3080196A JP 8019691 A JP8019691 A JP 8019691A JP H04315083 A JPH04315083 A JP H04315083A
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JP
Japan
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detected object
vehicle
obstacle
signal
circuit
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JP3080196A
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Inventor
Masanori Sudo
正則 須藤
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH04315083A publication Critical patent/JPH04315083A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FM−CWレーダ装置
から得られるビート信号を高速フーリエ変換(FFT)
し、前方に存在する検知物体との距離及び相対速度を求
め、警報等の処理を行う自動車用障害物検知装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車用障害物検知装置とし
て各種の提案が行われている。
【0003】自動車用障害物検知装置は、自動車の前方
に存在する障害物を早期に検知し、自動車の乗員に対し
必要な警報、表示等を行う装置である。基本的には、電
波式、光式、音波式の3方式がある。
【0004】このうち音波式は、比較的近距離の検知物
体について採用されるものであり、より遠距離の物体を
検知するためには電波式、光式が好ましい。電波式、光
式においては、例えばFM−CWレーダ方式が採用され
ている。
【0005】図10には、一従来例に係る自動車用障害
物検知装置の構成が示されている。この図に示される装
置は、FM−CWレーダ装置に警報等に係る信号処理機
能を付加した電波式の自動車用障害物検知装置である。
【0006】この従来例装置は、アンテナ10、送信部
12、変調信号生成部14、受信部16及び信号処理部
18を備えている。このうち変調信号生成部14は、ト
リガ発生回路20及び変調信号生成回路22から構成さ
れており、変調信号生成回路22はトリガ発生回路20
から供給されるトリガに応じて所定波形の変調信号を発
生させる。この変調信号は、送信部12に取り込まれ、
送信部12はこの変調信号により変調された信号を送信
信号としてアンテナ10に供給し、アンテナ10はこれ
を車両前方に送信する。
【0007】アンテナ10は、通常車両の前部に搭載さ
れ所定の指向性を有するアンテナである。このアンテナ
10に送信部12から送信信号が供給されると、電波と
して車両前方に送信され、前方に存在する検知物体(車
両等の障害物)から反射波が得られる。反射波はアンテ
ナ10により受信され受信信号として受信部16に供給
される。
【0008】受信部16は、アンテナ10から供給され
る受信信号と送信部12において発生する送信信号の一
部とを混合し、両信号の差周波数を有するビート信号を
生成する。信号処理部18は、ビート信号を処理して検
知物体との距離r、相対速度vを必要に応じて出力する
。例えば、距離r及び相対速度vに基づき前方に存在す
る検知物体が警報を有する障害物である場合に警報器に
信号を供給して乗員に対する警報を発生させ、または表
示器に所定の表示を行わせる。さらには、ブレーキシス
テムに対し所定の信号を供給し、必要な制動動作を実行
させる。
【0009】このようにビート信号に基づいて距離r及
び相対速度vを求めることが可能なのは、自車と障害物
との間を電波が往復するのに一定の時間を要し、また、
ドップラー効果が生ずるからである。例えば、変調信号
が三角波であり、送信信号がこの三角波により周波数掃
引された信号である場合には、障害物の距離をrとする
ならば、受信信号が送信信号に対してτ=2r/c(c
:光速度)だけ遅れた信号となることに起因して、同一
時点における周波数が送信信号と受信信号とで異なるも
のとなる。また、受信信号は、相対速度vに起因する周
波数だけ送信信号から異なる周波数を有するものとなる
。受信部16により生成されるビート信号は、送信信号
と受信信号の差周波数を有するものであるため、これら
の時間遅れτ及びドップラー偏移が反映した周波数とな
る。信号処理部18は、例えば、ビート信号の周波数の
和差演算により距離r及び相対速度vを求めることが可
能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来にお
いては、距離r及び相対速度vを求め、必要な警報、表
示等を行うことが可能であった。しかし、電波を反射さ
せる検知物体を全て障害物と認識してしまうためカーブ
路のガードレールを障害物と誤認して誤警報を行うこと
となりかねない等の問題点があった。
【0011】このような問題を避けるためには、電波式
においては、アンテナの指向性を十分鋭くするようにす
れば良いが、このようにするとアンテナの形状が大とな
るため自動車への搭載に適さないものとなる。一方、光
学式を用いた場合には、このようなアンテナの大型化等
の問題点を生じないが、例えば前方車両によって巻き上
げられた水飛沫を障害物と誤認してしまう等、環境の影
響が反映し易いため実用上の問題がある。
【0012】本願出願人は、このような問題点を解決す
る手段として、先にスロープ状部分と一定値部分とを有
する変調信号により送信信号を生成し、ビート信号をF
FT処理する構成を提案している(特願平3−7881
6号)。図11には、この先提案において用いられる変
調方式及びビート信号が示されている。
【0013】図11(1)に示されるように、先提案に
係る装置においては、期間Tに係るスロープ状部分と、
それ以外の期間に係る一定値部分と、を有する変調信号
により送信信号が生成される。スロープ状部分において
は、変調信号のレベルは直線スロープ状に増大し、一定
値部分ではその値は変化しない。このような変調信号を
用いて周波数変調により送信信号を生成した場合、期間
Tにおいては周波数がΔFの範囲で掃引され、それ以外
の部分では無変調となる送信信号が得られる。この送信
信号を車両の前方に送信すると、図11(1)において
破線で示されるような受信信号が得られる。この受信信
号は、障害物との間を電波が往復するのに要する時間τ
だけ送信信号が遅延しかつ、ドップラー効果による周波
数変化を有するものである。従って、送信信号と受信信
号を混合して得られるビート信号は、図11(2)に示
されるようにスロープ状部分と一定値部分とで異なる周
波数のものとなる。
【0014】すなわち、送信信号と受信信号が共にスロ
ープ状の変調信号に係る場合には、ビート信号は周波数
fb =fbr−fbvの信号となり、一定値部分に係
る場合には周波数fbvに係る信号となる。ここで、f
brは時間τに起因して生ずるものであり、fbvはド
ップラー周波数である。従って、周波数fb ,fbv
はそれぞれ次のような式で表される。
【0015】 fb =(ΔF/T)(2r/c)−2v/λfbv=
2v/λ ここで、λは送信波長である。
【0016】先提案の装置においては、このような周波
数を有するビート信号を、スロープ状部分と一定値部分
とに分けてフィルタリングの後高速フーリエ変換(FF
T)処理し、図11(3)に示されるスロープ状部分に
係るビート周波数のスペクトラムと、図11(4)に示
される一定値部分に係るビート周波数のスペクトラムと
、をそれぞれ求めるようにしている。このスペクトラム
についてそれぞれピークパワースペクトラムを求めれば
距離r及び相対速度vを求めることができ、さらに周波
数fb に係るビート信号のメインローブ幅を求めれば
距離rのばらつきΔrを求めることができる。このΔr
は検知物体の性状を表す量であり、これに基づきガード
レール等を識別することが可能となる。
【0017】本発明は、このような先提案に係る装置と
同様の変調信号を用いて障害物の識別を行うと共に、当
該識別をより細かに行って、検知物体の分類によりさら
に適切な警報等を可能にすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明は、障害物識別回路が、自車速度v 
0及び検知物体の相対速度vを比較して検知物体が固定
物であるか移動体であるかを識別する手段と、検知物体
が固定物であると識別された場合に検知物体が正面に存
在する壁状物体であるか否かを識別する手段と、検知物
体が移動体であると識別された場合に検知物体が同一車
線を走行している車両か否かを識別する手段と、少なく
とも検知物体が正面に存在する壁状物体または同一車線
を走行している車両であると識別された場合に検知物体
との距離r及び相対速度vに基づき所定の規則に従って
警報可否の判定を行う手段と、を備え、検知物体を危険
度に応じ分類し正面に障害物が存在する場合に警報する
ことを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明においては、障害物識別回路により自車
速度v0 と検知物体の相対速度vとが比較される。こ
の比較により、検知物体が固定物であるか移動体である
かが識別される。識別の結果、検知物体が固定物である
と識別された場合には、障害物識別回路は検知物体が正
面に存在する壁状物体であるか否かを識別し、移動体で
あると識別された場合には検知物体が同一車線を走行し
ている車両か否かを識別する。障害物識別回路において
は、このような分類識別の結果に基づき、所定の規則に
従って警報可否の判定が行われる。すなわち、少なくと
も検知物体の正面に存在する壁状物体または同一車線を
走行している車両であると識別された場合には、警報が
行われる。なお、この警報は表示処理、ブレーキシステ
ム等への信号供給等であっても良い。このように、本発
明においては、検知物体が危険度に応じて分類され、よ
り好適で走行環境に合致した警報処理が行われることと
なる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。なお、図10及び図11に示される従
来例と同様の構成には同一の符号を付し説明を省略する
。図1には、本発明の一実施例に係る自動車用障害物検
知装置の構成が示されている。この図に示されるように
、本実施例装置は電波式の装置であり、従来例と同様に
トリガ発生回路20及び変調信号生成回路22を含む変
調信号生成部14と、送信部12と、アンテナ10とを
備えている。トリガ発生回路20は変調信号生成回路2
2にトリガを供給し、変調信号生成回路22は図11(
1)に示される波形の変調信号を送信部12に供給する
。送信部12はこの変調信号により変調された信号を送
信信号としてアンテナ10に供給し、アンテナ10はこ
の信号を前方に送信する。送信された電波は、検知物体
、例えば前方を走行する車両等の障害物により反射され
、アンテナ10は反射された反射波を受信して、受信信
号として出力する。
【0021】さらに、この実施例においては、ミキサ2
4が設けられている。ミキサ24はアンテナ10から供
給される受信信号と送信部12において発生する送信信
号の一部とを混合し、ビート信号を生成する手段である
。その結果得られるビート信号は例えば図11(2)に
示されるような周波数を有している。ミキサ24の後段
には増幅器26及びゲート回路28が接続されており、
ゲート回路28には増幅器26により所定のレベルまで
増幅されたビート信号が供給される。
【0022】一方、ゲート回路28には、トリガ発生回
路20からトリガが供給されている。このトリガは、例
えば変調信号におけるスロープ状部分と一定値部分との
切替に対応するものであり、ゲート回路28は、このト
リガに応じてビート信号を後段のHPF30及びLPF
32に切り替え供給する。すなわち、変調信号がスロー
プ状部分である期間Tにおいてはビート信号をHPF3
0に供給し、一定値部分である期間においてはビート信
号をLPF32に供給する。
【0023】HPF30は、増幅器34、A/D変換器
36を介してFFT回路38に接続されている。HPF
30は、ゲート回路28からスロープ状部分に係るビー
ト信号(以下、Sb と表す)を取り込み、低周波成分
を阻止して増幅器34に供給する。すなわち、図11(
2)に示されるビート信号のうち期間Tに係る部分につ
いて低周波数成分を除去することにより、周波数fb近
傍の成分のみを抽出する。図11(3)に示されるHP
F30の出力は、増幅器34により増幅された後、A/
D変換器36においてディジタルに変換され、データ系
列xb (n)としてFFT回路38に供給される。こ
のデータ系列xb (n)は、時間領域のデータ系列で
ある。
【0024】一方、LPF32は、増幅器40及びA/
D変換器42を介してFFT回路38に接続されている
。LPF32は、ゲート回路28から供給される一定値
部分に係るビート信号(以下、Sv と表す)について
高周波成分を阻止し、低周波成分のみを増幅器40に供
給する。すなわち、図11(2)に示されるビート信号
のうち一定値に部分に係る信号から高周波成分に係る信
号を除去して、周波数fbv近傍の成分のみを取り出す
。 LPF32の出力は増幅器40によって増幅され、A/
D変換器42により時間領域のデータ系列xv (n)
に変換される。
【0025】FFT回路38は、データ系列xb (n
)及びxv(n)をFFT処理し、周波数領域のデータ
系列Xb (k)及びXv (k)を生成する。FFT
回路38の後段には、パワースペクトラム変換回路44
が接続されており、パワースペクトラム変換回路44は
データ系列Xb (k)及びXv (k)をそれぞれパ
ワースペクトラムに変換する。
【0026】具体的には、パワースペクトラム変換回路
44は、 P(k)=X* (k)X(k) の演算を行う。ここに、P(k)はパワースペクトラム
を、X(k)はXb(k)及びXv (k)のいずれか
を、* は共役複素数を、それぞれ表すものである。パ
ワースペクトラム変換回路44により得られたパワース
ペクトラムP(k)は、後段のピークパワースペクトラ
ム検出回路46及びメインローブ幅検出回路48に供給
される。
【0027】ピークパワースペクトラム検出回路46は
、パワースペクトラムP(k)がピークとなる系列番号
kb 及びkv を検出する。例えば、データ系列Xb
 (k)に係るパワースペクトラムPb (k)が最大
値となる系列番号kb を求める。また、データ系列X
v (k)に係るパワースペクトラムPv (k)が最
大となる系列番号kv を求める。この系列番号kb 
及びkv は、それぞれビート信号Sb 及びSv の
中心周波数を示すものである。すなわち、ビート信号S
b 及びSv は距離r等の広がりに応じて周波数領域
で一定の広がりを有しており、ピークパワースペクトラ
ム検出回路46はこの広がりの中心をピークパワースペ
クトラムに係る系列番号kb 及びkv として検出す
る。
【0028】一方、メインローブ幅検出回路48は、デ
ータ系列Xb (k)に係るパワースペクトラムPb 
(k)のメインローブ幅を検出する。すなわち、系列番
号kb で表される周波数を中心としたビート信号Sb
 の広がりを、データ系列の個数Δkとして求める。こ
の系列個数Δkは、距離rの広がりによって生ずるビー
ト信号Sb の周波数広がりに対応しており、これによ
り、後述するような検知物体の分類が可能となる。
【0029】さらに、この実施例においては、障害物識
別回路50が設けられている。障害物識別回路50は、
スピードセンサ等から自車速度v0 を取り込む一方で
、ピークパワースペクトラム検出回路46により検出さ
れた系列番号kb 及びkv と、メインローブ幅検出
回路48により検出されたデータ系列個数Δkと、を取
り込み、所定の規則に従って障害物の識別を行い、距離
r及び相対速度vを警報器、表示器、ブレーキシステム
等に供給する。
【0030】図2乃至図4には、この実施例における障
害物識別動作の流れが示されている。  まず、この実
施例においては、図2に示されるように系列番号kb 
、kv 、データ系列個数Δk及び自車速度v0 が、
障害物識別回路50に入力される(100)。次に、障
害物識別回路50は、変調信号に係るパラメタ、走行環
境に係るパラメタ等に基づく演算を開始する(102)
【0031】ここで、ステップ102において与えられ
るパラメタは、変調信号におけるスロープ状部分の期間
T、周波数掃引幅ΔF、送信波長λ、走行車両幅W、車
両の最小回転半径dmin 、ビーム幅θ、光速度c及
び安全係数Bである。これらのパラメタは、以後の演算
において適宜使用される。
【0032】パラメタが与えられた後、障害物識別回路
50は、ビート信号Sv 及びSb の周波数fbv及
びfb を求める(104)。ここに、周波数fbv及
びfb は、それぞれ系列番号kv 及びkb を用い
て次のように表される式により求めることができる。
【0033】fbv=kv /T,fb =kb/Tこ
のようにしてそれぞれピークパワースペクトラムに対応
する周波数fbv及びfb が求められると、これを利
用して、相対速度v、距離r、ビート周波数の広がりΔ
fb が求められる(106)。この演算は次の式に基
づいて行う。
【0034】v=λ・fbv/2 r=(fb +fbv)/A Δfb =Δk/T 但し、A=2・ΔF/cである。
【0035】すなわち、相対速度vは、ドップラー周波
数fbvに基づき演算され、距離rは周波数fb から
ドップラー成分を除去することにより求められる。さら
に、ビート周波数の広がりΔfb は、周波数fb が
距離rで広がることによって生ずるメインローブ幅を表
すものである。
【0036】続いて、ステップ108が実行される。ス
テップ108は、送信に係る電波を反射している検知物
体が固定物であるか移動体であるかを判定するステップ
である。このステップ108において用いられる条件式
は、 fbv≒2v0 /λ である。この式は、相対速度vが自車速度v0 と近似
的に等しいか否かを表す式であり、従って、この式がほ
ぼ成立すれば検知物体が固定物であるとみなすことがで
きる。逆に、成立しなければ移動体とみなすことが好ま
しい。従って、ステップ108における判定において条
件式がほぼ成立する場合には図3に示される動作に移り
、成立しない場合には図4に示される動作に移る。
【0037】図3において、ステップ108の実行直後
にはステップ110が実行される。ステップ110にお
いては、検知物体がガードレールであるか否かの判定が
行われる。この判定に係る条件式は次のような式である
【0038】Δfb ≧A・2dmin tan(θ/
2)この式が成立する場合、電波の反射に係る検知物体
はガードレールであると判断することができ、従って、
障害物識別回路50は以後の検知動作により得られるデ
ータから当該ガードレールによる部分を除去するキャン
セル動作に移行する(112)。これ以外の場合には、
ステップ110の後ステップ114が実行される。
【0039】ここで、ステップ110における条件式は
、図5に示されるような設定に応じて定められるもので
ある。すなわち、自車速度v0 の車両が回転半径dで
ガードレールに沿って走行している場合を考える。この
場合、ドップラー周波数fbvは前述のステップ108
における条件式を満たすものとなり、かつ、距離の広が
りΔrに起因するビート周波数の広がりΔfb は次の
ように表されるものとなる。 Δfb =A・2dtan(θ/2) 車両の回転半径dは、最小回転半径dmin 以上の値
をとるため、従って、先に述べたステップ110におけ
る条件式を用いれば、電波の反射に係る検知物体がガー
ドレールであるか否かを判定することができる。ステッ
プ110に係る判定を行う理由はこのような理論に基づ
く。
【0040】次に、ステップ114においては、次のよ
うな条件式が成立するか否かの判定が行われる。
【0041】r≧2W/sin(θ/2)このステップ
114における条件式が成立している場合、さらにステ
ップ116において次の式を条件とする判定が実行され
、この式をも満たしている場合には検知物体が正面壁で
あると判断される。
【0042】Δfb ≧A・Wsin(θ/2)逆に、
ステップ114において条件式が満たされない場合であ
っても、ステップ118において次の条件式が満たされ
なければ、同様に正面壁と判断される。 Δfb >A・r(1/cos(θ/2)−1)ステッ
プ116において条件式が満たされない場合及びステッ
プ118において条件式が満たされる場合には、検知物
体が別車線に停止中の車両と判断され、ステップ112
と同様のキャンセル動作が実行される(120)。
【0043】ここに、ステップ114、116及び11
8における条件式は、図6及び図7に示される状況設定
に基づき定められるものである。図6には検知物体が正
面壁である場合の状況が、図7には検知物体が別車線に
停車中の車両である場合の状況が、それぞれ示されてい
る。
【0044】まず、図6に示されるように検知物体が正
面壁である場合には、ステップ108に係る条件式が成
立すると共に、距離rの広がりΔrによるビート周波数
の広がりΔfb がそれぞれ次の式で表される。
【0045】Δr=r(1/cos(θ/2)−1)Δ
fb =A・Δr 一方、図7に示されるような状況では、ステップ108
に係る条件式が満たされることは同様であるが、距離r
の広がりΔr及びビート周波数の広がりΔfb はそれ
ぞれ次のような式で表される。
【0046】Δr=Wsinφ Δfb =A・Δr ここで、φは自車走行方向を基準とした先行車両の方位
である。
【0047】ここに、図7の状況では、rsinφ>2
W であるとみなすことができる。これは、通常、車線の幅
が車両の幅の2倍以上であるだろうと期待できることに
よる。従って、上の式が成立している場合には、検知物
体が別車線に存在していると判断することができる。さ
らには、φ≦θ/2であることが明らかであるから、こ
れを用いて上式を変形することによりステップ114に
おける条件式が求められる。
【0048】言換えれば、ステップ114における条件
式は、検知物体が別車線に存在するか否かの条件式であ
る。この条件式が満たされている場合、前述のような条
件式によるステップ116が実行される。ステップ11
6は、図7の状況におけるビート周波数の広がりΔfb
 の式に、Δrの式を代入し、かつ、φ≧θ/2を代入
したものである。言換えれば、ステップ116における
条件式は、検知物体が通常の車両の車幅Wよりも大きな
幅を有する物体であるか否かの条件式である。従って、
このステップ116における条件式が満たされている場
合には正面壁と判断され、それ以外の場合には図7に示
されるような状況と判断されることになる。  一方、
ステップ114における条件式が満たされていない場合
には、図7で仮定するrsinφ>2Wが満たされてい
ない状況であると判断できる。この場合には、ステップ
118において図6に示される状況におけるΔfb に
係る判定が実行される。ステップ118における条件式
は、図6に示されるような状況よりも距離のばらつきΔ
rが大きいか否かの判定である。大きい場合には、検知
物体が正面壁ではないとみなせるため、ステップ120
に移る。条件式118が成立しない場合には、図6に示
されるような状況であると判断されるため、正面壁との
判断が行われる。
【0049】ステップ116及び118における判定の
結果正面壁と判断された場合には、ステップ122が実
行される。ステップ122は、 r>Bv2  であるか否かの判定である。すなわち、検知物体との距
離rが、現在の相対速度vから制動を開始した場合に安
全に衝突を回避できる距離か否かの判定である。従って
、ステップ122において条件式が成立すると判定され
た場合には検知物体が安全障害物と判断され、距離rの
出力124が実行される。この出力は、例えば乗員に対
する表示のみである。
【0050】ステップ122において条件式が成立しな
いと判断された場合には、緊急に制動を開始し安全確保
を図る必要があると判断される。すなわち、検知物体が
危険障害物であると判断される。この場合には、距離r
及び相対速度vの出力が行われ(126)、表示、警報
、ブレーキシステムの制御等が実行される。これにより
、車両の安全が確保される。
【0051】一方、ステップ108において、条件式が
成立しないと判定された場合には、検知物体が移動体で
あると判断することができる。この場合には、前述のよ
うに図4の動作に移る。
【0052】図4においては、まず、ステップ128が
実行される。ステップ128は、 r≧W/2tan(θ/2) であるか否かを判定するステップである。この条件式が
成立する場合、検知物体が同一車線を走行中の車両と判
断される。
【0053】図8には、ステップ128における条件式
設定の根拠となる状況が示されている。
【0054】この図に示されるように、速度v0 の車
両が速度v1 の車両を追走している場合、速度v0 
の車両についてステップ108に示される条件式は明ら
かに成立しない。また、距離rの広がりΔrは、次のよ
うな条件を満たすものとなる。
【0055】rtan(θ/2)≧W/2従ってこの式
を変形すれば、ステップ128における条件式が得られ
る。従って、ステップ128において条件式が成立して
いる場合には、図8に示されるような状況であるとみな
すことができる。この場合、図3に示されるステップ1
22に移行し、必要に応じて警報が発せられる。
【0056】ステップ128において条件式が満たされ
ていないと判定された場合には、ステップ130に移る
。ステップ130においては、次の式に基づく判定が行
われる。
【0057】Δfb >A・W2 /8rこの式は、次
のようにして導かれるものである。
【0058】まず、図8に示される状況において、距離
rの広がりΔrは次の式で表される 。  Δr=(r2 +(W2 /4))1/2 −r
ここに、上式の平行根の部分をフーリエ級数展開しWが
rよりも十分小さいとするならば、ほぼ次の式に変換さ
れる。
【0059】Δr=W2 /8r また、ビート周波数の広がりΔfb がA・Δrで表さ
れることから、次のような式が得られる。
【0060】Δfb =AW2 /8rこの式に基づく
ビート周波数の広がりΔfb は、検知物体が同一車線
を走行している場合の値である。従って、これよりも大
きなビート周波数広がりΔfb が得られる場合には、
図9に示されるような状況であると判断できる。すなわ
ち、検知物体が別車線を走行している車両であるとみな
すことができる。
【0061】従って、ステップ130における条件式が
成立している場合には図9に示されるような状況であり
、障害物識別回路50は、キャンセル動作132を実行
する。ステップ130における条件式が成立しない場合
には図8に示されるような状況であると判断され、ステ
ップ128における条件式が成立している場合と同様に
ステップ122に移行する。
【0062】このように、本実施例においては、アンテ
ナ10の指向性を鋭くすることなく、従ってアンテナ1
0を小型に保って車両への搭載性を確保しつつ、ガード
レール等を識別することができる。加えて、前方に存在
する検知物体がどのような性質の物体であるかをより細
かに分類することができ、それに対応した処理を行うこ
とが可能となる。例えば、障害物が同一車線を走行して
いる車であるか、正面壁であるか等を識別することがで
きる。従って、本実施例によればより好適な警報動作を
実現することができ、より安全性の高い自動車走行を確
保することができる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
FFT処理によって得られる情報に基づき検知物体の分
類を行ってその分類結果に対応する最適な処理を行うこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る自動車用障害物検知装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】この実施例における障害物識別動作の流れを示
すフローチャート図である。
【図3】この実施例における障害物識別動作の流れを示
すフローチャート図であり、図2に継続する動作を示す
フローチャート図である。
【図4】この実施例における障害物識別動作の流れを示
すフローチャート図であり、図2の動作に継続する動作
を示すフローチャート図である。
【図5】検知物体がカーブ路のガードレールである状況
を示す図である。
【図6】検知物体が正面壁である状況を示す図である。
【図7】検知物体が別車線に停車中の車両である状況を
示す図である。
【図8】検知物体が同一車線を走行中の車両である状況
を示す図である。
【図9】検知物体が別車線を走行中の車両である状況を
示す図である。
【図10】一従来例に係り障害物検知機能を有するFM
−CWレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図11】出願人の先提案に係る自動車用障害物検知装
置における変調方式及びビート信号を示す図であり、図
11(1)は変調方式を、図11(2)はビート周波数
を、図11(3)はスロープ状部分に係るビート周波数
を、図11(4)は一定値部分に係るビート周波数を、
それぞれ示す図である。
【符号の説明】
10  アンテナ 12  送信部 14  変調信号生成部 20  トリガ発生回路 22  変調信号生成回路 24  ミキサ 28  ゲート回路 38  FFT回路 44  パワースペクトラム変換回路 46  ピークパワースペクトラム検出回路48  メ
インローブ幅検出回路 50  障害物識別回路 Sb,Sv  ビート信号 xb (k),xb (n)  データ系列Xb (k
),Xv (k)  周波数領域でのデータ系列P(k
)  パワースペクトラム kb ,kv   ピークパワースペクトラムを表す形
列番号Δk  メインローブ幅を表すデータ系列個数v
0   自車速度 r  距離 v  相対速度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FM−CWレーダ装置から得られるビート
    信号を高速フーリエ変換し、スペクトラムを表すデータ
    系列を生成するFFT回路と、当該データ系列からそれ
    ぞれ検知物体との距離及び相対速度を表す2種類のピー
    クパワースペクトラムを検出するピークパワースペクト
    ラム検出回路と、当該データ系列から自車に対する検知
    物体の姿勢を表すメインローブ幅を検出するメインロー
    ブ幅検出回路と、スピードセンサ等から得られる自車速
    度、当該2種類のピークパワースペクトラム及びメイン
    ローブ幅に基づき検知物体との距離及び相対速度を求め
    検知物体が警報を要する障害物であるか否かを識別する
    障害物識別回路と、を備える自動車用障害物検知装置に
    おいて、障害物識別回路が、自車速度及び検知物体の相
    対速度を比較して検知物体が固定物であるか移動体であ
    るかを識別する手段と、検知物体が固定物であると識別
    された場合に検知物体が正面に存在する壁状物体である
    か否かを識別する手段と、検知物体が移動体であると識
    別された場合に検知物体が同一車線を走行している車両
    か否かを識別する手段と、少なくとも検知物体が正面に
    存在する壁状物体又は同一車線を走行している車両であ
    ると識別された場合に検知物体との距離及び相対速度に
    基づき所定の規則に従って警報可否の判定を行う手段と
    、を備え、検知物体を危険度に応じて分類し正面に障害
    物が存在する場合に警報することを特徴とする自動車用
    障害物検知装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004521028A (ja) * 2001-07-11 2004-07-15 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 車両の減速を作動させて実施する方法および装置
CN104635233A (zh) * 2015-02-17 2015-05-20 苏州安智汽车零部件有限公司 基于车载毫米波雷达的前方物体运动状态估计及分类方法
JP2019049521A (ja) * 2017-06-08 2019-03-28 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 自動車用のfmcwレーダセンサ

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