JPH04314873A - 超微粒子膜の形成方法及び装置 - Google Patents

超微粒子膜の形成方法及び装置

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JPH04314873A
JPH04314873A JP5782491A JP5782491A JPH04314873A JP H04314873 A JPH04314873 A JP H04314873A JP 5782491 A JP5782491 A JP 5782491A JP 5782491 A JP5782491 A JP 5782491A JP H04314873 A JPH04314873 A JP H04314873A
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film
substrate
ultrafine
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ultrafine particle
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JP5782491A
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Yuji Osada
裕司 長田
Yoshimi Kizaki
木▲崎▼ 好美
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属材料を加熱して得た
超微粒子を利用した超微粒子膜の形成方法及び装置、特
に広範囲に均質な厚膜を形成するものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクス技術の進歩に伴
い、各種デバイスにおいて金属膜を利用したものが開発
されている。例えば、熱−電流変換素子である熱電素子
においても金属膜が利用されている。そこで、これら膜
形成についての技術開発が進み、各種金属膜形成法が提
案されている。
【0003】このような金属膜の形成法の一つとして、
金属材料を加熱蒸発させて、超微粒子を生成せしめ、こ
れを基板上に付着させて、超微粒子膜を形成するものが
ある。例えば、特開昭60−106964号公報等に示
されているような方法では、二種以上の超微粒子の均一
混合膜の形成や導電膜の形成等が可能であり、各種素子
に好適な金属膜を得ることができる。
【0004】ここで、上記公報に記載された方法におい
ては、金属蒸気生成用の容器内において、不活性ガス雰
囲気中で金属材料を加熱蒸発して超微粒子を生成してい
る。そして、この金属蒸気生成用容器内で生成された超
微粒子を搬送管を介し不活性ガスと共に蒸着処理容器内
に導入するとともに、この搬送管の先端をノズル状とし
ている。そして、このノズルより超微粒子を高速のガス
流れとしてノズル先端に近接した基板上に吹き付けるこ
とによって、基板上に超微粒子の膜を付着形成している
。なお、搬送管によるこの搬送は両容器内の圧力差を利
用して行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、金属材料より周囲に向けて放出された
超微粒子は搬送管中を移動する際に相互に衝突等を繰り
返し、十分成長してしまう場合が多い。そして、この十
分成長してしまった粒子は、活性に乏しく、生成された
膜は成長した超微粒子が凝集した凝集膜であり、緻密で
なくなってしまうという問題点があった。すなわち、搬
送管中において粒子が生成されてしまうと、膜中に残る
粒子性のために、膜が凝集膜となってしまうのである。 更に、ノズルから超微粒子を噴射した場合には、これを
均等に大面積に広げることは難しく、更に均一な膜質が
得られていなかったのである。
【0006】また、熱電素子等においては、十分な検出
電流を得るために、広い面積に比較的厚い膜を形成する
必要がある。ところが、上記従来例の方法では、搬送管
中において超微粒子の活性が失われるため粒子性が強く
現れ、得られる膜は凝集膜となり、電気的特性は期待で
きない。さらに平坦かつ均質な大面積の厚膜が得られな
いという問題点があった。
【0007】本発明は上記問題点を解決することを課題
としてなされたものであり、生成直後の活性の高い状態
の超微粒子を用いて、電気的特性が良くかつ均質で大面
積の厚膜を形成することのできる超微粒子膜形成方法及
び装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1発明に係る超微粒子膜形成方法は、金属材料を
加熱して超微粒子を生成し、この金属材料に近接した個
所に生成される活性の高い超微粒子を採取し、採取した
活性の高い超微粒子を指向性の高いガス流れにのせて、
無衝突で搬送し基板上に広い面積で吹き付け、基板上に
超微粒子膜を形成することを特徴とする。
【0009】第2発明に係る超微粒子膜形成装置は、内
部に金属材料を収納するとともに、該金属材料の加熱手
段を有する超微粒子生成室と、この超微粒子生成室に近
接して設けられ、基板を収納する製膜室と、一端が超微
粒子生成室の金属材料の近傍に開口し、他端が製膜室に
開口するとともに、その断面積が超微粒子生成室から製
膜室に向けて拡大し、金属材料に近接した位置の活性の
高い超微粒子を拡散して広い面積で基板に供給する連絡
通路とを備えてなることを特徴とする。
【0010】
【作用】金属材料を加熱することにより、金属材料から
蒸発生成された超微粒子がその周囲に放出される。そし
て、この金属材料に近接した個所の超微粒子を採取し、
これを拡散して基板上に吹付けるため、活性の高い超微
粒子を基板上に吹付けることができる。また、超微粒子
を拡散して吹付けるため、基板上に広い面積で超微粒子
を吹付けることができ、大面積の均一な厚膜を得ること
ができる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る超
微粒子膜の形成方法及び装置によれば、活性の高い超微
粒子を基板上に付着形成することができ、密着性の高い
膜が得られると共に、膜の金属組織が良質なものとなり
、比抵抗、保磁力の低下を達成することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面に基づ
いて説明する。 第一実施例   図1は本発明の第一実施例に係る装置の概略構成図
であり、気密に形成された超微粒子生成室10及び製膜
室12が隣接配置されている。そして、超微粒子生成室
10には、真空ポンプ14がバルブ16を介し接続され
、製膜室12には真空ポンプ18がバルブ20を介し接
続されている。ここで、真空ポンプ18はより高真空を
得ることができるものである。また、超微粒子生成室1
0には、不活性ガス源と接続される調整弁22が接続さ
れている。なお、超微粒子生成室10及び製膜室12に
は、それぞれ内部の圧力を検出する圧力計24,26が
設けられている。
【0013】そして、超微粒子生成室10には、金属材
料の加熱部30が設けられている。この加熱部30は、
金属材料Mを載置する陽極部32及びニードル状の陰極
部34を有しており、この両極32,34に電源36か
らの電圧を印加し、ここにアーク放電を生起して金属材
料Mを加熱するものである。
【0014】一方、製膜室12には、基板Sを固定する
基板固定部40が設けられ、この基板固定部40はモー
タ42により回転されるようになっている。
【0015】ここで、超微粒子生成室10と製膜室12
は仕切壁50によって仕切られているが、この仕切壁5
0には、金属材料Mの近傍に開口する開口52を有する
スキマ54が設けられている。このスキマ54は全体と
してラッパ状の形状となっており、すなわち先端開口径
が0.6mm,後端開口径が25mm,両端面間の距離
が26mm,円錐の頂角が約50°であり、開口52か
ら製膜室側に向けてその断面積が徐々に拡大する形状を
有している。
【0016】これによって、流れに対する壁面の影響を
除くことができ、断熱膨脹が発生する流れ場を乱すこと
なく、高速で指向性を持った流れを形成し、超微粒子相
互の衝突によっておこる凝集を防ぐことが可能となる。
【0017】このような装置において、バルブ22を調
整しながら所定量ずつ不活性ガスを超微粒子生成室10
に導入し、真空ポンプ14によって超微粒子生成室10
の圧力を所定の値(例えば10〜760Torr)に調
整する。この際、圧力計24の指示によって、真空ポン
プ14またはそのバルブ16をフィードバック制御する
と良い。
【0018】そして、このような不活性雰囲気の超微粒
子生成室10内において、電源36より陰極34と金属
材料Mの間に所定の電圧を印加する。なお、電源36を
例えばプラズマ発生用の電源とし、ニードル状の先端と
金属材料Mとの間にアーク放電を生じせしめるものとす
るのが好適である。
【0019】このようにして、電源36より所定の電圧
を印加し、加熱部30において金属材料を加熱すると、
金属材料より金属の超微粒子が蒸発生成する。ここで、
金属材料Mより放出された直後の超微粒子は非常に活性
が高い。そこで、これによって基板上に膜を生成すれば
、非常に均質で緻密な結合を持つ金属組織を得ることが
できる。
【0020】また、スキマ54の開口52は、金属材料
の近傍に開口している。そこで、非常に活性の高い放出
直後の超微粒子がこの開口52を通過し、製膜室12側
に至る。
【0021】ここで、この超微粒子の移送のために、真
空ポンプ14,18を差動制御する。すなわち、超微粒
子生成室10内の気圧を100〜760Torrに保ち
、製膜室12内の圧力を0.1〜数Torrに保持すれ
ば、超微粒子生成室10から製膜室12に向けて非常に
大きな流速をもった指向性の高いガス流が発生する。 そこで、このガス流にのって金属材料Mより発生された
超微粒子が製膜室12内に向けて流れることとなる。
【0022】そして、この超微粒子生成室10と製膜室
12を連絡するスキマ54はその断面積が開口部52か
ら製膜室12に向けて徐々に拡大する形状を有している
。従って、開口部52より製膜室12側に流入した超微
粒子は、気圧差に起因するガスの膨脹に伴ない速やかに
拡散することとなる。そこで、基板Sの表面に至る超微
粒子は、開口52から流入した超微粒子がかなりの面積
に拡散されたものとなっている。更に、基板Sはモータ
42によって回転されているため、基板40のかなり広
い面積にわたって超微粒子が均一に拡散付着されること
となる。
【0023】このため、この処理によって、基板S上に
は大面積の均一な膜を得ることができる。そこで、これ
を繰り返すことによって厚膜を形成することができる。 そして、この基板S上に付着する超微粒子は金属材料M
の近傍によって得られた非常に活性の高いものである。 そこで、基板S上に形成された膜は非常に緻密で均質な
ものとなる。
【0024】また、スキマ54は、製膜室12側に向け
て断面積が徐々に拡大する形状を有しており、製膜室1
2側が超微粒子生成室10より低圧に維持されている。 このため、開口部52から流入する超微粒子は効率よく
拡散して基板上に至る。
【0025】更に、本第一実施例においては、超微粒子
生成室10と製膜室12の気圧差をかなり大きなものと
したため、超微粒子が基板上に至るまでの時間が非常に
短く、高温のガスと共に基板上に吹き付けられる。従っ
て、この加熱部30からの高温ガス流れにより、基板S
及びその上に生成されている超微粒子膜が加熱される。 そこで、超微粒子膜における密着性の向上、焼成結着の
促進が図られ、均質で密な構成をした金属膜を得ること
ができる。
【0026】また、スキマ54の先端開口52の直径を
0.6mm程度とし、搬送距離(スキマ54の開口52
側端部から基板Sまでの距離)60mm程度とすること
により、上述のような活性の高い超微粒子を基板S上に
加熱しながら付着することができ、密着性の高い膜が得
られ、かつ膜のバルク化が進行し比抵抗、保磁力の低下
された良質の膜を得ることができる。さらに、加熱部3
0においてプラズマを発生させると金属材料M及び不活
性ガスはプラズマ中のイオン状態となっており、このイ
オンを膜形成に付与できるため、膜質の改善を図ること
ができる。
【0027】図2に、このようにして得た金属膜の走査
型電子顕微鏡写真を示す。これより、非常に緻密な膜が
形成されていることが理解される。
【0028】ここで、この図2に示した金属膜は、金属
材料Mとして純鉄(純度99%以上)を用い、超微粒子
生成室10内の圧力が650TorrのHe雰囲気下、
アーク電流13Aで3分間製膜したものであり、膜厚は
17μmと厚い。このとき発生するプラズマの温度は4
000〜5000°Cに達する。なお、スキマ54の先
端開口52の直径は0.5mm,スキマ先端より基板S
までの距離は60mmとした。
【0029】図3に、アーク電流と成膜速度との関係を
示す。この例において、蒸発源材料としては鉄(純度9
9.7%以上)を用い、不活性ガスとしてアルゴン(A
r)またはヘリウム(He)を用いている。アルゴンガ
スを用いた場合には、超微粒子生成室10内の気圧を5
60Torrとし、アーク電流IA を10A〜30A
に上げた場合に、成膜速度が0.2〜0.4μm・cm
2 /min となる。また、ヘリウムを650Tor
rの気圧とした場合には、アルゴンガスを用いた場合よ
り成膜速度が非常に大きく、アーク電流2〜25Aに対
し、成膜速度3〜6.4μm・cm2 /min が得
られた。
【0030】更に、上述のような不活性ガスを用いた場
合におけるアーク電流と基板直前の搬送ガス温度の関係
について図4に示す。
【0031】アーク電流IA の変化に伴い、基板Sの
直前のガス温度が上昇していることが理解される。そこ
で、この基板Sを高温に保持することができ、良質な膜
形成を達成することができる。
【0032】このようにして得た鉄超微粒子膜の電気的
・磁気的特性を以下の表1に示す。
【0033】
【表1】 この表1より、比抵抗、保磁力とも低く、バルク材に近
い特性が得られていることが理解される。
【0034】次に、本第一実施例の装置において、金属
材料として銀、銅、金、ニッケル、白金を用いた場合に
得られた金属超微粒子膜の特性を図5に示す。
【0035】この図5に示されるデータを得るにあたっ
ては、超微粒子生成室10内圧力650Torrのヘリ
ウム雰囲気下で、アーク電流20Aで金属の超微粒子を
生成させた。また、この金属超微粒子は、内径0.7m
mの開口52を有するスキマ54によりサンプリングし
、差動排気により基板S上に金属膜を形成させた。そし
て、このときの製膜室12内の圧力は、0.6Torr
、搬送距離(スキマ54の開口52側端部から基板Sま
での距離)は190mmとした。
【0036】そして、このようにして得られた金属膜の
比抵抗は、図5から明らかなように、いずれもかなりバ
ルク材に近い値となっており、得られた金属超微粒子膜
の性質はかなりバルク材に近いものであるということが
わかる。 第2実施例   図6は、本発明の第2実施例に係る超微粒子膜の形
成装置の構成を示した概略構成図である。
【0037】本第2実施例において特徴的なことは、金
属材料Mを加熱し、金属の超微粒子を生成させる加熱部
30に抵抗加熱を用いていることである。
【0038】すなわち、本第2実施例においては、加熱
部30として、アルミナコーティングがされたタングス
テン製のバスケットヒータ31が採用されている。そし
て、このバスケットヒータ31中に金属材料Mを収容し
た状態で、これに電源33からの電流を流すことによっ
てジュール熱を発生させ加熱が行われる。
【0039】このように、抵抗加熱を利用すると、バス
ケットヒータ31に流す電流量の制御によって、発熱量
を容易に調整できる。このため、金属材料Mの温度を幅
広く制御することができる。
【0040】このような本実施例の装置において、金属
材料Mとして鉄を用い、超微粒子生成室10を圧力10
0〜760Torrのヘリウム雰囲気とし、バスケット
ヒータ31の電流を制御して金属材料Mの温度を160
0〜1800°Cに維持し、鉄の超微粒子を生成させた
。そして、生成した鉄の超微粒子を鉄の溶融液面より4
〜10mmのところに位置している開口52によりサン
プリングし、第1実施例と同様に、スキマ54を介して
製膜室12へ搬送した。なお、本第2実施例においては
、開口52の内径は、0.6mmとし、製膜室12内の
圧力を0.1〜数Torrに保ち、これら両室の圧力差
による差動排気により、鉄の超微粒子を製膜室12へ搬
送し、開口52から60mm(搬送距離)の位置に設置
した基板S上に金属膜を形成させた。
【0041】この本第2実施例における結果を以下の表
2に示す。
【0042】
【表2】 この表2により、本装置によって形成した超微粒子金属
膜はバルク材に電気的、磁気的特性を有していることが
理解される。 第3実施例   図7は、本発明の第3実施例に係る超微粒子膜の形
成装置の構成を示した概略構成図である。
【0043】本第3実施例において特徴的なことは、ス
キマ54の開口52から基板Sまでの距離(搬送距離L
)を変更する搬送距離変更装置45と、基板Sを加熱す
る加熱するためのヒータ44、反射板46、電源48と
を備えていることである。
【0044】すなわち、本第3実施例の装置は、搬送距
離変更変装置45は移動台45aと回転ローラ45bか
らなっており、移動台45aにモータ42、ヒータ44
、反射板46が固定されている。このため、ローラ45
aを回転することによって、モータ42、ヒータ44、
反射板46およびモータ42の回転軸に固定されている
基板Sを移動し、搬送距離Lを調整することができる。 また、電源48からヒータ44に電流を供給することに
よって、基板Sを輻射加熱することができ、成膜中の基
板Sの温度を所望のものに設定することができる。 なお、反射板46は、ヒータ44による基板Sの加熱の
効果を向上させるために設置されているものである。
【0045】搬送距離変更装置45により、搬送距離L
を増加させると、スキマ54からのガス流がそれだけ広
がることになり、製膜面積の増加を図ることができる。 また、装置構成上、搬送距離Lを大きくとらねばならな
い場合が起こり得る。このとき搬送距離Lの増加に伴い
、ガス流れは粘性、熱伝達に起因するエネルギ散逸が大
きくなり、基板Sに至る超微粒子の活性が失われ、膜質
が劣下してしまうおそれがある。
【0046】本発明による膜形成方法はガス流れを利用
するものでありその制御因子としては搬送ガスの種類,
スキマ54の先端から金属材料までの距離,スキマ口径
,生成室圧力,差動排気能(圧力比)が挙げられ、更に
、金属材料の加熱温度(アーク電流量)基板加熱等の温
度に関わる因子も膜特性に寄与する。従って、上記因子
を適当に選び、生成直後の超微粒子のもつ高い活性を維
持し、大きな運動エネルギーをもたせて膜形成を行なう
ことにより要求する性状の超微粒子膜を得ることができ
る。
【0047】そこで、上記搬送距離の増加による膜質劣
下に対する改善策としては、たとえば基板Sを加熱した
り、差動排気における両室の圧力差を変化させガス流の
高速化を図ることによって、膜質の低下を抑制すること
ができる。すなわち、基板加熱によって粒界の接合及び
粒成長の促進を図ることができ、差動排気能(圧力比)
の上昇によってガス流の指向性の維持と粒子の高密度充
填を図ることができ、膜質の劣化を抑制することができ
る。
【0048】以下、本第3実施例における装置の具体的
な構成と実験の結果を示す。
【0049】まず、圧力(Ps)650Torrのヘリ
ウム雰囲気下の超微粒子生成室10内において、アーク
電流15Aで生成させた鉄の超微粒子を内径0.7mm
の開口52でサンプリングし、差動排気によって製膜室
12へ搬送した。すなわち、超微粒子生成室10内圧力
(Ps)650Torrに対して、製膜室12内圧力(
Pb)を0.1〜10Torrとした。そして、ヒータ
44に通電し、基板Sの温度を200〜300°Cに維
持した。
【0050】この条件下で、搬送距離Lwo50〜30
0mmの間で変化させ、超微粒子膜の形成を行った結果
について図8に示す。この実験結果より、基板Sを加熱
し、差動排気能(圧力比)を向上させることによって、
搬送距離Lの増加に伴う膜質の劣化(比抵抗の上昇)を
抑制することができることがわかる。
【0051】差動排気能の向上による指向性ガス流れの
維持(超微粒子の無衝突搬送,運動エネルギー保持)の
効果は全搬送距離にわたって大きいのに対し、基板加熱
の効果はガス温が基板加熱温度に対応する距離より現れ
る。
【0052】従って良質な膜特性を得るには第1に十分
な圧力比を持たせ、指向性高速ガス流れを維持させるこ
とが望ましい。
【0053】以上の点から、第3実施例の装置によれば
、要求される超微粒子膜の性状に応じて、搬送距離L、
差動排気能力、基板温度を調整することができ、所望の
超微粒子膜を得ることができる。 応用分野・その他の構成 このように、超微粒子膜は比抵抗、保磁力共に低く、バ
ルク材にかなり近い値を持つことが理解される。従って
、導電膜や熱電変換膜等の電気的特性を利用する電気素
子には本発明は有効である。
【0054】また、各実施例においては、スキマ54を
ラッパ状の形状としたが、円錐状の形状としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の具体的な構成を示した図
である。
【図2】第1実施例において生成された膜の断面の金属
組織を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】第1実施例におけるアーク電流と成膜速度の関
係を示す特性図である。
【図4】第1実施例におけるアーク電流と基板Sの搬送
ガスの温度の関係を示す特性図である。
【図5】本発明の第1実施例において生成した各金属超
微粒子膜の特性を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る超微粒子膜の形成装
置の構成を示した図である。
【図7】本発明の第3実施例に係る超微粒子膜の形成装
置の構成を示した図である。
【図8】本発明の第3実施例において、搬送距離と生成
した膜の特性との関係を示した特性図である。
【符号の説明】
10  超微粒子生成室 12  製膜室 14,18  真空ポンプ 30  加熱部 36  電源 31  タングステンバスケット 42  モータ 44  ヒータ 45  搬送距離変更装置 54  スキマ M  金属材料 S  基板 L  搬送距離

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属材料を加熱して超微粒子を生成し、こ
    の金属材料に近接した個所に生成される活性の高い超微
    粒子を採取し、採取した活性の高い超微粒子を拡散して
    基板上に広い面積で吹き付け、基板上に超微粒子膜を形
    成することを特徴とする超微粒子膜の形成方法。
  2. 【請求項2】内部に金属材料を収納するとともに、該金
    属材料の加熱手段を有する超微粒子生成室と、この超微
    粒子生成室に近接して設けられ、基板を収納する製膜室
    と、一端が超微粒子生成室の金属材料の近傍に開口し、
    他端が製膜室に開口するとともに、その断面積が超微粒
    子生成室から製膜室に向けて拡大し、金属材料に近接し
    た位置の活性の高い超微粒子を広い面積で基板に供給す
    る連絡通路と、を備えてなることを特徴とする超微粒子
    膜の形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010021567A1 (de) * 2010-05-26 2011-12-01 Gm Global Technology Operations Llc (N.D.Ges.D. Staates Delaware) Scheinwerferanordnung für ein Kraftfahrzeug

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